JPS59122586A - 潜在的異方性ピツチの製造方法 - Google Patents

潜在的異方性ピツチの製造方法

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JPS59122586A
JPS59122586A JP57233007A JP23300782A JPS59122586A JP S59122586 A JPS59122586 A JP S59122586A JP 57233007 A JP57233007 A JP 57233007A JP 23300782 A JP23300782 A JP 23300782A JP S59122586 A JPS59122586 A JP S59122586A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は潜在的異方性ピッチの製造方法、さらに詳しく
は、異方性構造を持つ炭素繊維、ニードルコークス及び
比較的容易にグラファイト化スる各種の特殊炭素材料の
製造原料として好適な潜在的異方性ピッチを工業的に有
利に製造し得る方法に関するものである。
なお、本明細書でいう潜在的異方性ピッチは、特開昭5
7−.100186号公報に開示されており、溶融状態
でメンフェースは実質的に形成しないで、全体的に均質
でかつ光学的に等方性の単−相を形成し、外力を加える
とその方向に配向性を示し、H/ Cが0.55〜1.
2であるピンチを意味する。
一般にピッチは、これまで粘結剤、含浸用ピッチ、コー
クス原料、人造黒鉛原料などとして利用されてきたが、
最近ではこれらの他に炭素繊維原料としての用途が注目
されている。そこで、以下ニオイては、炭素繊維原料と
してのピッチについて主に説明する。
炭素繊維原料としてのピッチに関しては、最初は光学的
に等方性(以下単に等方性とい7う)のピッチが工業的
に採用されていたが、近年では光学的に異方性(以下単
に異方性という)のピッチを工業的な炭素繊維原料とし
て用いることの検討が行なわれている。等方性のピッチ
から得られる等方性の炭素繊維は、機械的特性などの観
点から見るといわゆる低弾性率、低強度品に該当するも
のであるが、一方、異方性ピッチから得られる異方性の
炭素繊維(d旨弾性率、高強度品に該当し、月?リアク
リロニトリルやレーヨンを緊張下で加熱処理することに
より得られる高性能の炭素繊維に匹敵する特性を示す。
従って今後は、炭素繊維製造用の原料ピッチとして異方
性ピッチの占める割合が増加すると考えられ、その製造
に多くの研究が向けられている。
異方性ピッチは等方性ピッチを加熱処理する過程におい
て生ずる。即ち、等方性ピッチを350〜450Cに加
熱すると、ピンチ中で環化、芳香族化および重縮合など
の反応が進行し、等方性のピッチマトリックス中に異方
性を持つ小球体(球晶)が現われるようになる。この異
方性小球体は、比較的高温度竜の多゛環多核骨格の炭化
水素から構成され、芳香族含有率の高い成分からなり、
ネマチック構造を持つ一種の液晶である。またこの小球
体は主としてキノリンネ溶成分からなり、温度を上げる
か処理時間を延長することによって、次第に成長し、次
いで小球体の合体が起る。このような過程を経てピッチ
全体は異方性組織を持つようになり、系全体の粘度も顕
著に増加し、ついにはコークスとなる。この異方性を示
す小球偉才たは小球体の相はメソフェースと呼称され、
メンフェースを含むか、大部分がメソフェースになった
ピッチはメソフェースピッチと呼称される。従来の異方
性構造を持つ炭素繊維は、前記したメンフェースピッチ
を紡糸し、不溶融化し、炭化することによって製造され
る。(%公昭49−8634号、特開昭49−1912
7号、特開昭5’3−65425号、特開昭53−11
9326号、特開昭51−16042’7号)メソフェ
ースピッチを原料として炭素繊維を製造する場合、いく
つかの困難な問題が′あるが、その根本的問題は、一般
にメソフェース成分の溶融温度および溶融粘度が、マl
−”Jツクスを形成する等方性成分のそれらよりも高い
ことに起因する。
即ちメンフェースを含むピッチは、マトリックス成分が
液状を示すような比較的低温度で溶融した場合、メツフ
ェースは固相的に挙動し系全体がチクソトロビツクな挙
動を示してその紡糸を困難にすることが多い。ブ方、メ
ンフェースも溶融するような比較的高温度で溶融した場
合には、メンフェースピンチはこのような高温度下では
熱的に不安定なため、次第にその粘度を上昇させ、つい
にはコークス化される。殊にメンフェース含量の多いピ
ッチにおいては、そのコークス化の速度ハ大きい。そし
て、このコークス化現象は連続紡糸を困難にする。この
ように、メンフェースピッチを原料として炭素繊維を製
造する場合、得られる炭素繊維は異方性を示し、等方性
ピッチから得られる炭素繊維に比してその性能は優れて
いるものの、その溶融紡糸に困難が伴うという根本的な
問題がある。
一方、前記のようなメンフェースピンチに見うれる欠点
を根本的に解決したピッチとして、前記特開昭5’?−
100186号公報によって、潜在的異方性ピッチが提
案された。このピッチは、a)熱安定性のよい均一な一
相系のピッチであり、b)溶融温度が低く、しかも溶融
粘度が小さく、従って300C以下の低い温度で紡糸で
き、  c)  メンフェースを含まないで、異方性構
造をもつ炭素繊維の原料として適している特殊なピッチ
である。
この潜在的異方性ピッチは、基本的には、キノリンネ溶
分を少なくとも1重量%含むピッチを原料とし、これを
水素化してキノリンネ溶分を含まない水素化ピッチを得
る工程と、この水素化ピッチを、その融点以上の温度で
熱処理する工程とによって製−造される。しかしながら
、このような方法においては、工業的観点から検討する
と、水素化工程に実施上の困難があることが判明した。
即ち、この水素化処理工程では、被処理原料としてキノ
リンネ溶分を含むピッチを用い、しかもこのキノリンネ
溶分を、メンフェース構成成分たり得る多環多核の基本
骨格構造を保持させながら部分的に水素化してキノリン
可溶成分に変換させる必要があることから、水素化を効
率的に行′うことは困難で、通常の水素化では工業的に
有利な結果を得ることかできない。
本発明名らは、潜在的異方性ピッチの製造に見られる前
記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねだ結果本発明を完
成するに到った。
即ち1本発明によれは、潜在的異方性ピッチを製造する
に際し、キノリンネ溶分を少なくとも1Φ置%含翁する
ピッチを、耐熱性多孔質無機酸化物担体に水素化金属成
分を担持させた平均細孔直径150〜600. Xの非
酸性触媒の存在下、必要に応じ壱機爵剤の共存下、水素
圧力30〜250に9/c1n2G、反応2:1i’を
度250〜380Cの条件下で水素化して、キノ−リン
ネ溶分を実質的に含まない水素化ピンチに変換した後、
得られた水素化ピッチをその融点以上450Cす、下の
温度で熱処理することを特徴とする潜在的異方性ピッチ
の製造方法が提供される。
本発明において用いられる原料ピッチとしては、石油系
、石炭系のいずれも使用できるが、キノリンネ溶分を含
むことが要件になり、一般的には、従来呼称されている
メソフェースピッチ又は異方・111:ピッチ、あるい
はこれらのピッチから分離されだ特定のピッチ成分も任
意に採用される。また、本発明で用いるピッチ性状は、
I−1/ Cが08以下、通常、0,43〜0.75の
範囲のものである。またピッチ中のキノリンネ溶分は、
少なくとも1重量%、通常1〜90重量%であり、好ま
しくは3〜40重量%である。ピッチ中のキノリンネ溶
分が少なすぎると、得られる製品の潜在的異方性発現が
弱くなり、一方、余りにも多くなると、その取扱いに困
難が生じるようになる上、水素化の実施が著しく困難と
なるので、経済的でなくなる。さらに、本発明において
は、原料ピッチは、その取扱いを容易にさせ、かつ水素
化を円滑化させるために有機溶剤との混合物の形で水素
化することもできるが、この場合、混合物中に含まれる
溶剤不溶分の粒子直径が小さいもの程好ましく、一般に
は、その室温下での不溶分の粒子直径が50μm以下で
あるのが好ましい。
本発明においては、前記原料ピッチは、先ず、水素化工
程に付されるが、この場合、触媒として、耐熱性多孔質
無機酸化物担体に水素化金属を担持させた平均細孔直径
150〜600 X、好ましくは200〜400x、比
表面積10 m27 g以上、好ましくは70 m27
 g以上及び細孔容積Q2cc / g以上、好ましく
ば03CC/g以上の物性を有するものが用いられる。
なお、本明細糊でいう平均細孔直径、比表面積及び細孔
容積は、細孔径75X以上の細孔に関するもので、その
測定は、マーキュリ−・プレッシャー・ボロシーメータ
ーを用い、いわゆる水銀圧入法により求められたもので
ある。この場合、水銀の表面張力は25′C:で474
 dyne 7cmとし、使用接触角は1400とし、
絶対水銀圧力を1〜2000KFi10n24で変化さ
せて測定した。この時の7sX以上の細孔直径は次式で
表わされる。
本発明で用いる触媒には、非酸性の多孔質担体に、水素
化活性金属成分を担持させて形成したものが含量れる。
この場合、非酸性多孔質担体とは、触媒担体の表面酸性
度の測定指示薬として用いられているメチルレッドを担
体表面に吸着させた場合に、そのメチルレッドが非酸性
、即ち、中性又は塩基性を示す黄色を呈色するような多
孔質担体を意味する。このような非酸性の多孔質担体と
しては、例えば、シリカ、マグネシウムシリケート、カ
ルシウムシリケート、マグネシア、酸化カルシウム、酸
化バリウム、希土類酸化物1ケイ酸アルカリ、多孔質ガ
ラスなどが挙げられる他、マグネシウムシリケートを主
成分とする複鎖構造を持つ粘土鉱物、好ましくは天然産
のセピオライト、アタ・ξルジャイト、・ξリゴルスヵ
イト等を用いることができる。また、本発明で用いる触
媒担体としては、前記した非酸性酸化物とマダイ・シウ
ムンリケートを主成分とする複鎖構造を持つ粘土鉱物と
の混合物から構成される非酸性多孔質無機酸化物も好ま
しく用いられる。
本発明で用いる水素化触媒としては、rFI記非酸性多
孔質担体に水素化活性金属成分を担持させたものの使用
が好ましいが、酸性多孔質担体を用いるものでも、その
酸性無機酸化物含量が少なく、実質上酸性を示さないも
のや、アミン、アンモニア、ピリジン等の塩基性化合物
によって中性化処理されたものは適用可能である。この
中性化処理としては、触媒の使用に際し、あらかじめ塩
基性物質で表面処理する方法の他、ピッチの水素化処理
に際し、反応系に塩基性化合物を共存させて予備運転し
て触媒表面を中性化する方法や、原料ピッチ中に含捷れ
る塩基性不純物を利用して触媒表面を中性化する方法等
がある。
従って、本発明においては、酸性無機酸化物、例えば、
アルミナ、チタニア、ゼリア、ジルコニア、アルミナ−
マグネシア、アルミナ−チタニア、ンリカーチタニア、
アルミナ−ジルコニア、シリカ−2ルコニア等を担体と
する触媒も、前記のようにして中性化処理することによ
り適用される。
前記担体に担持させる水素化金属成分としては、周期律
表の第vB族、VIB族、vm族及びIB族の金属の中
から選ばれる少なくとも1種の遷移金属を含むもので、
特に好ましくは、・々ナジウム、モリブデン、タングス
テン、クロム、コバルト、ニッケル、銅等が挙げられる
。これらの触媒金属成分は金属状態又は金属酸化物、金
属硫化物等のいずれの状態でも有効であ”る。寸だ、こ
のような触媒金属成分は、イオン交換等により金属成分
の一部が触媒担体と結合した形態で存在してもよい。
この触媒金属成分の含有量は、酸化物として計算して、
触媒全重量に基づいて約01〜30重量%の範囲である
本発明で用いる水素化触媒は、前記のように、水素化処
理反応系において非酸性状態で存在すればよく、本発明
でいう非酸性触媒の存在とは、このような状態を意味す
るものである。
本発明における水素化処理は、前記の非酸性触媒(以下
、非酸性多孔質触媒という)の使用との関連において、
水素圧力30〜250Kl/CrIz2G、好ましくは
70〜150に2/cm2G、反応温度250−380
 c、好ましくは300〜350 tc 、水素/原料
ピッチ比100〜500ONt/l、好捷しくけ100
0〜200ON7/l、液空間速度(11〜10 Hr
−’、好寸しくばo25〜IHr−”の条件下で行われ
る。
潜在的異方性ピッチを得る上では、水素化工程において
、ピッチ中のメソフェースを形成するキノリンネ溶分を
、その基本骨格である多環多核構造を保持させながら、
部分的に水素添加し、キノリン可溶分に変換することが
最も重要になる。キノリンネ溶分は、極めて芳香族性に
富む多環多核構造の炭化水素からなり、メンフェースピ
ッチのメンフェースを構成するものであり、一方、この
キノリンネ溶分を、その基本骨格を保持させながら部分
的水素、添加して得られるキノリン可溶性の多環多核構
造の炭化水素は、潜在的異方性発現の要因となるもので
、キノリン可溶性である点を除けばキノリンネ溶分とは
その基本骨格構造において近似するものである。それ故
、このようなキノリン可溶性の多環多核構造の炭化水素
を含む水素化ピッチは、溶融状態においてメンフェース
を実質的に形成せず、全体的に均質でかつ光学的に等方
性の単−相を形成するにもかかわらず、外力を加えると
その方向に配向性を示すようになる。
前記のように、原料ピッチの水素化工程においては、メ
ンフェースを形成するキノリンネ溶分を、その基本骨格
である多環多核構造を保持させながら、水素化すること
が要求されるが、本発明で用いる非酸性触媒と反応条件
の糺合せは、その要求を満足させるものである。即ち、
本発明では非酸性触媒の存在下において水素化処理を行
うとともに、反応温度を380C以下、好ましくは30
0〜350Cという温度を採用したことから、キノリン
ネ溶分は、実質上、その基本骨格構造を保持した捷ま水
素化される。このことは、原料ピッチのHloに対し、
水素化ピッチのHloが上昇されることや水素化ピンチ
の分子量分布が格別変化しないこと等から確認される。
ンリカーアルミナ等の酸性触媒をそのまま用いる場合に
は、非酸性触媒を用いる場合に比べて、キノリンネ溶分
のコーク化が激しく所期の目的を達成することができず
、また、反応温度が380Cより高くなると、同様にキ
ノリンネ溶分のコーク化が促進されるので好ましくない
。さらに、本発明においては、380U以下の温度でキ
ノリンネ溶分に対する高い水素化活性を持続させるため
に、触媒の平均細孔直径は、150〜600X、好咬し
くは200〜400Xの範囲に規定する。
本発明の水素化工程を実施する場合、原料ピッチは、有
機溶剤中に溶解ないし懸濁させた状態で供給することが
できる。この場合、有機溶剤としては、芳香族性が高く
かつ水素化処理反応器中で液体として存在するものの使
用が好ましい。この有機溶剤の芳香族性指数fa(全炭
素数Cに対する芳香族の炭素数Oaの割合)は04以上
、好ましくは0,5す、・」二であり、また、その沸点
は、200〜500Cの範囲にあることが好ましい。こ
のような有機溶剤としては、流動接触分解装置から得ら
れるサイクルオイルや、エチレン分解装置等から得られ
る重質分解油、あるいはコールタールの留分(例えば、
アンスラセン油)等の他、各種芳香族系化合物が挙げら
れる。この場合の芳香族系化合物の具体例としては、例
えば、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等が挙げ
られる。原料ピッチに対する有機溶剤の混合比は、原料
ピッチ1重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜5重量部である。
原料ピッチは、溶融状態で水素化工程へ供給することが
可能であり、また、必要に応じ前記したような有機溶剤
との混合物の形で供給される。原料ピッチを有機溶剤と
の混合物の形で水素化工程へ供給する場合、原料ぎツチ
は、適当な方法で有機溶剤と混合され、次いで水素ガス
又は水素含有ガスと混合された後、予熱して水素化工程
へ導入される。また、原料ぎツチと有機溶剤との混合物
は、原料ピッチの有機溶剤への溶解を促進させるだめに
、200′Cを越えない範囲で加熱する場合もある。水
素化反応方式は、懸濁床、沸騰床、固定床のいずれの方
式も採用されるが、通常は固定床が採用される。
次に、本発明の水素化工程の好ましい態様を示すと、触
媒としてマグオ・シウムシリケー・トが主成分であるも
のを用い、水素/原料ピッチ比1000〜2000、温
度300〜350℃、水素圧カフ0〜150に2/Cr
n2G、液空間速度0.25〜I Hr−’の条件下で
、原料ピッチを水素化処理することが示される。水素化
工程からの反応生成物は、気液分離処理された後、水素
に富むガスと実質的に液状の水素化ピッチとに分離され
る。
本発明においては、水素化ピッチは、次に熱処理される
。この熱処理は、水素化ピッチを溶融状態において一定
時間保持することにより実施されるが、この場合の熱処
理温度は、一般的に水素化ピッチの溶融温度以上〜45
0Cであり、好ましくは280〜430Cである。この
熱処理は、全体を通じて常圧又は圧力を制御した条件で
実施することができる。この加熱処理により、水素化ピ
ッチ中に残存する不安定な物質は揮散したり、あるいは
部分的に脱水素され、安定な化合物に変換され、熱安定
性の高められた水素化ピッチが得られる。
捷た、この熱処理においては、水素化ピッチの潜在的異
方性を保持するために、メソフェースが再び形成される
ことのないように注意して行うことはいうまでもない。
この熱処理は、水素化ピッチの熱安定性の向上と共に、
水素化工程でキノリンネ溶性の多環多核構造の炭化水素
の過度の水素化が行われた場合に、その炭化水素の部分
的脱水素を生じさせ、外力により容易に配向し得る高め
られた潜在的異方性発現効果を与える。
水素化工程で有機溶剤を用いる場合、水素化反応生成物
から有機溶剤を分離した後、得られた水素化ピッチのみ
を熱処理工程へ供給することができるが、別の方法とし
て、有機溶剤を含んだ水素化反応生成物をそのまま熱処
理工程へ供給し、水素化ピッチの熱処理と同時に有機溶
剤の蒸発分離を行うことができる。
本発明においては、以上のように、原料ピッチを水素化
工程と熱処理工程とを組合せて処理することにより、潜
在的異方性成分として作用する多環多核構造の炭化水素
含量の調節された潜在的異方性のピッチを得ることがで
きる。
本発明の潜在的異方性ピッチは、全体的には等方性ピッ
チとみなし得るものであるが、その中にメンフェース構
成成分たり得る炭素骨格をもった多環多核骨格の炭化水
素が含まれていて、そのため潜在的な配向性をもってお
り、せん断力や延伸力なとの外力を加えるとその方向に
分子が配向したことを示す光学的異方性が観察され、ま
た炭素化や黒鉛化の過程で異方性が発現できる性質をも
ったピッチである。このメンフェース構成成分たす帽る
炭素・1」格をもった多環多核骨格の炭化水素成分とは
、石油系、石炭系などから得られる1(/(Eが0.4
3〜075、好ましくは、045〜065であるような
芳香族性ピッチ中に存在する多環多核の炭化水素が、部
分的に水素化された構造をもつもので、従来の異方性ピ
ッチに含まれるメンフェースを構成する炭化水素とは多
環多核骨格を有する点では類似しているが、実質的にキ
ノリン可溶で、溶融状態ではメンフェースを形成せず、
才た相分離もしないで存在する点で明確に異なる。その
ため、これを含む本発明の潜在的異方性ピンチは、いわ
ゆるメンフェースを含む異方性ピッチと異なり、光学的
に等方性を示し、均質で単−相を形成し、溶融温度が低
く、溶融粘度も小さい。また本発明のピンチは、前記の
ような潜在的異方性をもっために、例えばこれを原料と
して溶融紡糸し、炭素化や黒鉛化した場合、異方性構造
の炭素繊維を与えるという特徴を有する。
また、本発明のピッチは、炭素繊維製造用原料としてだ
けではなく、その低温で容易に溶融すること、しかも溶
融液は低粘度であること、さらに熱安定性がよく、しか
も潜在的異方性であることなどの特性を利用し、種々の
分野に応用できる。
例えばバインダー用ピッチ、含浸用ピッチとして、さら
には針状コークスや比較的容易にグラファイト化する各
種の炭素利料の製造原料用ピッチとして利用される。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、以下に示した実施例において、ピッチAは、流動
接触分解装置から得られる分解油を熱処理して得られる
石油ピッチであり、ピッチBは、コールタールピッチで
ある。それらの性状を表−1に示す。
表−1 また、以下に示した実施例において、使用した触媒は、
表−2の化学組成を有する天然鉱石セピオライトを担体
原料とし、これにCo及びMoを担持し、押出し成形し
たもので、その触媒の化学組成及び物性は表−3に示し
た通りである。
表−2 (担体原料の組成) 表−3 (触媒の性状) 実施例1 原料、ヒツチA K 5 倍型量のα−メチルナフタレ
ンを混合し、この混合油を20cc/Hrの流量で水素
対油比50ONt/lとなるように水素に富むガスと混
合した後、予熱器にょす300’pに予熱し、水素化工
程に供給した。
この場合の水素化工程は、前記触媒を充填した上昇流に
よる固定床反応器である。反応温度350C1反応圧力
1401’:、9/cnT2G、 Ll−IS、V I
 Hr−’、l−12/油比soo、Nt/lの水素化
条件を採用した。得られた生成物は、気液分り11F器
により水素に富むガスと、実質的に液体状の反応生成物
とに分離した。液体状の反応生成物は、257+111
1. I−1gの減圧下で蒸留し7て溶剤成分を分離除
去して水素化ピンチを得た。このようにして街だ水素化
ピッチの性状を表−4に示す。なお、溶剤成分はガスク
ロマトグラフィーによる組成分析の結果、分解による変
質は認められなかった。
表〜4 トルエン不溶分 : 86重量% キノリンネ溶分 : 00重量% Hlo、(原子比)  :  0.792硫黄分   
  :  0.83重量%軟化点     : 34C キノリンネ溶分 : 1oo重量% 転換率 トルエン不溶分 : 67重量% 転換率 前記で得た水素化ピッチを不活性気流中で400Cで1
時間加熱した後、減圧にて保持し、微量の低分子成分を
除去した。このようにして熱処理された水素化ピッチは
、キノリンネ溶分を実質的に含ます(03%以下)、そ
のH/ Cは0.76てあった。この熱処理ピッチを偏
光顕微鏡で見るとメツフェース組織は認められなかった
が、一方向にこすることによってその方向に沿ってはっ
きりした偏光が見られ、潜在的異方性を示すことが確認
された。
なお、比較のために、触媒として下記性状の平均細孔径
108Xノ市販ノ脱硫触媒(Mo、Ni 5i02)を
用いた以外は同様にして前記水素化処理を行ったところ
、この場合には、触媒劣化が激しくて、実質的水素化処
理を行うことができなかった。
表−5 金属担持量 M o O34,o重i% NiO2,0重量% 比表面積    234m2/g 実施例2 原料ピッチBに15倍重量のアンスラセン油を混合した
ものを150Cに加熱して口過し、沈殿物を除去したも
のを原料油とした以外は実施例1と同一の条件下で水素
化処理を行い、水素化反応生成物を気液分ν11L後、
得られだ液体状の反応生成物を5龍1−Igの減圧下で
蒸留してアントラセン油成分を分i’ilI除去して、
水素化ピッチを得た。この水素化ピンチの性状を表−6
に示す。
表−6 トルエン不溶分 =9.4重量% キノリンネ溶分 = 02重量% H/Ci (原子比)  :  0.692軟化点  
   : 52c 前記で得た水素化ピッチを不活性気流中で400C1時
間加熱した後、減圧にて保持し、微量の低分子成分を除
去した。このようにして熱処理されだ水素化ピッチは、
キノリンネ溶分を実質的に含まず(0,3%す、下)、
そのHloは067であった。
この熱処理ピッチを偏光顕微鏡で見るとメツフェース組
織は認められなかったか、一方向にこすることによって
その方向に沿ってはっきりした偏光が見られ、潜在的異
方性を有することが確認された。
特許出願人 富士スタンダードリサーチ株式会社(ほか
1名) 代理人 弁理士  池 浦 敏 明

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)  潜在的異方性ピッチを製造するに際し、キノ
    リンネ溶分を少なくとも1重量%含有するピッチを、耐
    熱性多孔質無機酸化物担体に水素化金属成分を担持させ
    たものからなり、平均細孔直径150〜600Xを有す
    る非酸性触媒の存在下、必要に応じて有機溶剤の共存下
    、水素圧力30〜250Kp/α2G、反応温度250
    〜380Cの条件下で水素化して、キノリンネ溶分を実
    質的に含まない水素化ピッチに変換した後、この水素化
    ピッチを、その融点以上450C以下の温度で熱処理す
    ることを特徴とする潜在的異方性ピッチの製造方法。
JP57233007A 1982-12-28 1982-12-28 潜在的異方性ピツチの製造方法 Granted JPS59122586A (ja)

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