JPS5911801B2 - 石油スト−ブ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は火力調節を可能とした複筒形石上下式の石油ス
トーブに関するものである。

従来より芯外筒の外壁に上下動自在の火力調節筒を設け
、該火力調節筒を上下することにより芯の露出部を調節
して火力を制御する火力調節装置付石油ストーブが提案
されていたが、このような石油ストーブでは確かに高燃
焼量状態から低燃焼量状態にする場合は一時的には変化
するがこの状態で長時間燃焼させるとだんだん燃焼量が
増大してくるという問題があった。

また低燃焼量状態より高燃焼量状態に変化させる場合は
、同−空気量内で過小燃焼状態で燃焼させていたために
芯先端部の単一面積当りの蒸発量が増加しているところ
へ芯露出部が長くなるため、さらに蒸発量が増加し空気
不足となり炎が伸びすぎ（立炎現象）て危険な状態を招
くといった欠点があった。

このような欠点を除去するため芯外筒の外壁に上下動自
在の火力調節筒を設け、この火力調節筒で外筒と外炎筒
の間より流入する空気を制御して火力調節を行なう方式
の石油ストーブも提案されているが、この方式のストー
ブでは上記従来の欠点を除去することはできるものの低
燃焼量状態において空気量が芯内筒内より流入する空気
のみとなるため燃焼ガスと空気の混合が不安定になり臭
気等が発生して不快感を与えるという欠点があった。

本発明は、上述のような欠点を除去するために、バーナ
部の内、外炎筒の下部の芯露出部付近に、これら内、外
炎等に設けられた給気孔と同一ピッチの多数の透孔な備
えた火力調節筒を設置し、高燃焼量状態では内、外炎筒
の給気孔を全開の状態で燃焼させ、低燃焼量状態では前
記下部の給気孔を閉の状態で燃焼させて火力調節を行な
うようにした複筒形石上下式の石油ストーブを提供する
ものである。

以下、本発明の実施例を示した図面を参照して本発明石
油ストーブについて詳細に説明する。

図面において１は外筒、２は外筒１の上部開口部に金網
によるネット３を取り付けたネット押え、４゜５はそれ
ぞれ多数の給気孔を有する内、外炎筒でこれらの下部に
は、これらと同一のピッチで多かの透孔（給気孔）が設
けられた火力調節筒６，７が、内、外炎筒４，５に対し
て横方向に摺動自在に設置されている。

これら火力調節筒６，７は一方が内炎筒４に接し、他方
が外炎筒５に接するように成っていて、先端に握手９が
設げられた調節軸８によって一体に摺動するようになっ
ている。

そしてこれら火力調節筒６，７のみが回転するように内
炎筒４には調節軸８の径と同一の巾で、また外炎筒５に
は内、外炎筒４，５のバラツキを吸収できるように調節
軸８の径よりも大きい巾で小判状の溝２１ 、２１’が
円周方向に延びる形で設けられている。

１０は内炎筒４内に取り付けられた下部通気孔板１９．
は内炎筒４上部の開口部に取り付けられた上部通気孔板
、１２は支持板１１により上部通気孔板１０の上部に取
り付けられた上部上皿、１３は上部通気孔板１０と上皿
１２との間に巻装した赤熱コイル、１４は外筒１、内炎
筒４．外炎筒５のそれぞれを同心円的に固定するクロス
ピンである。

尚、外炎筒５側の火力調節筒７と調節軸８の間には空気
の流入を防ぐためにワッシャ２０が設けられている。

また芯内筒１５の上部には石火１６が備えられ、芯内筒
１５と芯外筒１７との間には芯１８が別機構により上下
するように設けられている。

次に以上の如く構成される石油ストーブの作用について
説明する。

会商燃焼量状態で芯１８に点火すると発生した気化ガス
と外筒１と外炎筒５の間より流入する空気（以後二次空
気と称す）と芯内筒１５内より流入する空気（以後−次
空気と称す）とが混合してバーナ内で燃焼を開始し、次
第に各部の温度が上昇して全面が赤熱する。

この場合内、外炎筒４，５の多数の給気孔は全開の状態
となっており（第３図参照）、バーナ内全体で燃焼ガス
、一次空気および二次空気が混合し燃焼するので燃焼状
態が安定する。

そしてこの状態から低燃焼量状態にする場合は握手９に
より調節軸８を右に動かすと、火力調節筒６，７が円周
方向に摺動し、内、外炎筒４，５の多数の給気孔と火力
調節筒６，７の透孔とがずれ、内、外炎筒４，５の多数
の給気孔が火力調節筒６，７部分（内、外炎筒４，５の
下部）のみ閉鎖状態となる（第４図参照）。

このような状態になると芯１８０表面を通過する空気が
なくなり内。

外炎筒４，５の熱により芯１８表面の油が蒸発し、火力
調節筒６，７の上部で燃焼ガスが一次空気および二次空
気と混合して燃焼するようになるが、火力調節筒６，７
付近の温度が低下するため油の蒸発力が減少し燃焼量が
低下する。

尚、この状態においても燃焼ガスと一次空気および二次
空気の混合が安定しているため、臭気の発生とか、一酸
化炭素の発生が高燃焼量状態と変らない。

第５図乃至第８図は本発明の他の実施例であり、上記実
施例の場合燃焼量を低状態から高状態に変えるとぎ内、
外炎筒４，５の給気孔が同時に開くため一時的に空気量
が増えそのため短時間ではあるが立炎現象を生ずる虞れ
があるが、この実施例の場合はそれを完全に防止するこ
とができる。

つまり、上記実施例の場合小判状の溝２１．２１’を円
周方向に延びるように形成、言い換えれば火力調節筒６
，７を円周方向に摺動させるように成しているが、本実
施例では上記溝２１．２１’を円周に対して斜め方向に
延びるように形成、言い換えれば火力調節筒６．γをラ
セン状に摺動させるものであって、火力調節筒６，７が
下降している状態（第６図参照）では内、外炎筒６，７
下部の給気孔を閉鎖しく低燃焼量状態）、次に少し上昇
した状態（第７図参照）では内、外炎筒６，７下部の一
番下の列が全開となりそれから上は筒の幅のみ閉鎖の状
態となり（中燃焼量状態）、そして火力調節筒６，７が
上昇しぎった状態（第８図参照）で内、外炎筒６，７の
給気孔が全開（高燃焼量状態）となるように成しである
。

このようにすると、低燃焼量状態にする場合、途中に安
定した中燃焼量状態があるため、ここで少し空気量が一
時的に増加するが器具外に出るような立炎はなく、また
この状態からさらに高燃焼量状態になるため前記と同様
に立炎は少なく、従って低燃焼量状態から高燃焼量状態
にする場合でも立炎が少ない。

また、燃焼量も高、中、低と３段階に変えることができ
る。

本発明は、以上の如くバーナ部の内、外炎筒の下部に火
力調節筒を設け、該火力調節筒により内。

外炎筒下部の多数の給気孔を開閉して燃焼量を調節する
複筒形芯上下式の石油ストーブに於いて、火力調節筒に
、内、外炎筒に設げられた多数の給気孔と同一ピッチで
透孔を多数設け、該火力調節筒をラセン状に摺動させて
内、外炎筒下部の給気孔を開閉する構成となすと共に、
該火力調節筒をラセン状に摺動させることにより内、外
炎筒に設けた給気孔と火力調節筒に設けた透孔とが合致
して全開するまでの間に、上記火力調節筒が若干上方に
浮き上がって内、外炎筒下部に設げた給気孔の一部を開
放するようにしたものであるから、１台の石油ストーブ
で各部屋に応じて燃焼量を調節することができる他、高
、低もしくは高、中、低の燃焼状態においてそれぞれ安
定した燃焼状態が得られるので臭気、−酸化炭素等の発
生が従来の石油ストーブに比べて少なく、更に燃焼量の
変換時従来の石油ストーブに比べて立炎現象の発生が少
ないのでより安全であり、また簡単な構造で燃焼量を変
えることができ非常に経済的でもある、という顕著な効
果を奏し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る石油ストーブの一部切欠斜視図、
第２図は同半断圧面図、第３図および第４図は同一部拡
大断面図、第５図は本発明の他の実施例石油ストーブの
一部切欠斜視図、第６図。 第７図および第８図は同一部拡大断面図である。 尚、１は外筒、４は内炎筒、５は外炎筒、６，７は火力
調節筒、８は調節軸、１５は芯内筒、１γは芯外筒、１
８は芯、２１．２１’は内、外炎筒に形成された溝であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バーナ部の内、外炎筒の下部に火力調節筒を設け、
   該火力調節筒により内、外炎筒下部の多数の給気孔を開
   閉して燃焼量を調節する複筒形石上下式の石油ストーブ
   に於いて、火力調節筒に、内。 外炎筒に設けられた多数の給気孔と同一ピッチで透孔な
   多数設け、該火力調節筒をラセン状に摺動させて内、外
   炎筒下部の給気孔を開閉する構成となすと共に、該火力
   調節筒をラセン状に摺動させることにより、内、外炎筒
   に設けた給気孔と火力調節筒に設けた透孔とが合致して
   全開するもでの間に、上記火力調節筒が若干上方に浮き
   上がって内、外炎筒下部に設けた給気孔の一部を開放す
   るようにした事を特徴としてなる石油ストーブ。