JPS6345001B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭における暖房等に用いられる燃
焼装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、石油ストーブ等に用いられた灯芯式の燃
焼装置は、外炎筒の空気孔の配列が千鳥状で、か
つ空気孔径も均一な物が多く次のような欠点を有
していた。

(1) 灯芯の上下による燃焼量可変の可変巾（良好
な燃焼を行なう範囲）が少ない。

(2) 外炎筒の火炎が不規則に保炎して、燃焼装置
間の燃焼量のばらつきが出やすい。

(3) 外炎筒の火炎の復帰性が悪く、振動させた
り、風が当ると、火炎が吹き飛んで、元に戻ら
ないため、燃焼量が変動する（主に少なくな
る）。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題点を解消するもの
で、外炎筒の火炎を均一に保炎させ、かつ復帰性
の良い火炎を得ることにより、燃焼量の可変巾を
拡大すると共に燃焼量のばらつきを少なくするこ
とを目的としている。

発明の構成 本発明は外炎筒の下部にほぼ垂直な配列の空気
孔を設け、その配列の上部、下部空気孔径を配列
の他の空気孔径よりも大きくし、また配列の中間
部空気孔の一部の水平方向に、その中間部空気孔
径よりも大きな径の空気孔を設け、更に配列の最
上部空気孔径を配列の他の空気孔や、その最上部
空気孔近傍の外炎筒の他の空気孔よりも大きくし
たものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について第１図、第２
図に基づいて説明する。

１は灯芯で、上部を内炎筒２と外炎筒３で構成
された燃焼室４内に露出し、芯案内筒５と芯外筒
６により構成される間隙（指示無）を上下に移動
する。７は金網等の材質から成る赤熱筒、２ａは
内炎筒２の複数個の空気孔、３ａは外炎筒３の複
数個の空気孔である。第２図において、３ｂは外
炎筒３下部にほぼ垂直に重複して配列された空気
孔の最上部空気孔で、配列の他の空気孔や最上部
の空気孔３ｂ近傍の外炎筒の他の空気孔３ａより
も径が大きい。３ｃは配列の下部空気孔で、最上
部の空気孔３ｂよりも径は小さいが配列の他の空
気孔よりも径が大きい。３ｄは配列の中間部に設
けられた複数個の空気孔で、最上部空気孔３ｂ、
下部空気孔３ｃよりも径が小さい。３ｅは中間部
空気孔３ｄの一部のほぼ水平方向の近傍に設けら
れた、中間部空気孔３ｄよりも径が大きな空気孔
である。８は外筒で、上部に耐熱ガラスから成る
透過筒９を設けてある。内炎筒３上部には間隙１
０を隔てて拡炎板１１を設けてある。１２はチム
ニートツプで、中央に大きく開口した主燃焼ガス
通路１３とその周辺に多数の補助燃焼ガス通路１
４を設けてある。１５はダンパで主燃焼ガス通路
１３よりも大きく、ダンパ上下機構（図示無）に
より軸１６を動かして、主燃焼ガス通路１３を開
閉し、熱ドラフトを調整し燃焼量を可変する。チ
ムニートツプ１２と内炎筒３上部は、金網等の材
質から成る筒状の放熱体１７を介して固定され
る。１８はクロスピン、１９は通気孔、２０はダ
ンパ上下機構端部である。

上記構成において、灯芯１に点火すると燃焼を
開始し、燃焼の高温ガスが燃焼室４、チムニート
ツプ１２の主燃焼ガス通路１３、補助燃焼ガス通
路１４を通ることにより、熱ドラフトを生じ燃焼
に必要な空気が内炎筒２、外炎筒３の空気孔２
ａ，３ａおよび赤熱筒７の孔、間隙１０等より流
入して燃焼を持続させる。

第１図はダンパ１５を上昇させて熱ドラフトを
強くし、燃焼量を大きくした時で、高温ガスが赤
熱体１７を通過し、赤熱体１７の温度が上昇し多
量の輻射熱を放射する。また、赤熱筒７の孔には
火炎が形成され、赤熱筒７の温度を上昇させ多量
の輻射熱を放射する。この燃焼量が大きい時は、
第３図のごとく外炎筒３の空気孔３ａ，３ｂ，３
ｃ，３ｄ，３ｅに火炎（●印）が保炎し、灯芯１
に均一に燃焼熱を与えるので、ばらつきの少な
い、定格燃焼量が得られる。次にダンパ１５を降
下させ、主燃焼ガス通路１３を閉じて最も熱ドラ
フトを弱くし燃焼量を小さくした時は、第４図の
ごとく外炎筒３の空気孔３ｂ，３ｃに火炎が残り
他の火炎は空気量の減少により消滅するので、灯
芯１に与えられる燃焼熱が減少し、また灯芯１近
傍の空気量もドラフトが弱くなり減少するので、
燃焼量の可変巾が大きくとれる。再び、ダンパ１
５を上昇させてドラフトを強くすると、各空気孔
からの空気量が増して、３ｂ，３ｃ等に保炎して
いた火炎から火移りし、第３図のごとく火炎が復
帰し、灯芯１に燃焼熱が与えられ燃焼量が増加す
る。

発明の効果 以上のように本発明の燃焼装置によれば次の効
果が得られる。

(1) 外炎筒の空気孔を垂直に重複させて配列した
ので、熱ドラフトによる上昇空気流が帯状に発
生し、燃焼量可変時（特に小から大に変化させ
た時）には、火炎がこの流れに沿つて移動しや
すく、復帰性の良い火炎が得られる。

(2) 熱ドラフトが強い時（特に燃焼装置の立上り
から大燃焼量に移行した時）は、配列に連なる
空気孔から多量の空気が流入し、灯芯より気化
した燃料と良く混合、燃焼して火炎温度も上昇
し、配列に保炎する火炎相互で加熱しあうので
より安定な火炎が得られ、燃焼装置間の燃焼量
のばらつきや風や振動等の外部的な要因による
燃焼量の変動を防止できる。

(3) 配列の上部と下部の空気孔径を、配列の他の
空気孔径よりも大きくしたので、熱ドラフトの
弱い時（垂直の配列は保炎性が良いが熱ドラフ
トの弱い時は効果が小ない）にも、この上部と
下部には保炎が残り、燃焼を安定させる。ま
た、熱ドラフトを強くして燃焼量を大きくした
時に外炎筒の他の空気孔への点火源となり、火
炎の復帰性を向上できる。

(4) 配列の中間部に設けられた空気孔の水平方向
近傍に、中間部に設けられた空気孔よりも大き
な径の空気孔を設けたので、熱ドラフトが強い
時は、安定保炎し、大きな燃焼熱を灯芯に与え
るので、大きな燃焼量が得られる。熱ドラフト
が弱い時は、垂直の配列からはずれているため
に、空気量が減少して消滅し、燃焼量を下げて
可変巾を広げられる。また、配列近傍に存在す
るため、配列の空気孔に火炎が復帰する時に連
動して復帰しやすく、燃焼量を再び上昇させる
ことができる。

(5) 配列の最上部空気孔径を配列の他の空気孔径
や近傍の外炎筒の他の空気孔径よりも大きくし
たので、熱ドラフトが弱い時でも、空気が充分
に流入しかつ配列の他の空気孔からの空気も上
昇して合流するので、火炎が安定して保炎し、
熱ドラフトの変化による燃焼室内の不安定状態
を抑制して、点滅等を防止できる。

(6) 垂直の配列を外炎筒の下部に設けたので、熱
ドラフトが弱い時に外炎筒の配列よりも上方の
火炎が消滅していても、配列に火炎が保炎して
いればそれが点火源となり、熱ドラフトを強く
した時に外炎筒の下から上に火炎が移動し、外
炎筒全体の火炎の復帰性をよくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の燃焼装置の一実施例を示す断
面図、第２図は同部分拡大図、第３図および第４
図は同動作を説明する部分拡大図である。 ２……内炎筒、３……外炎筒、３ａ……外炎筒
の空気孔、３ｂ……最上部空気孔、３ｃ……下部
空気孔、３ｄ……中間部空気孔、３ｅ……水平方
向の空気孔、１５……ダンパ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個の空気孔を有する内炎筒および外炎筒
   と外筒とを同心上にクロスピンを介して設けると
   共に、前記外炎筒の空気孔の一部をほぼ垂直方向
   に重複させて配列し、その配列の上部と下部に設
   けられた空気孔の径をその配列に属する他の空気
   孔の径よりも大きくした燃焼装置。 ２ 垂直方向に重複させた配列の中間部に設けら
   れた空気孔の一部のほぼ水平方向近傍の位置に前
   記中間部に設けられた空気孔の径よりも大きな径
   の空気孔を設けた特許請求の範囲第１項記載の燃
   焼装置。 ３ 垂直方向に重複させた配列の最上部空気孔の
   径をその配列の他の空気孔の径よりも大きくした
   特許請求の範囲第１項記載の燃焼装置。 ４ 垂直方向に重複させた配列の最上部空気孔の
   径を、その最上部空気孔近傍の外炎筒の他の空気
   孔の径よりも大きくした特許請求の範囲第１項記
   載の燃焼装置。 ５ 垂直方向に重複させた配列を外炎筒の下部に
   設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の燃焼装置。