JPS5911066Y2 - 紙製容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は容器に係り、更に詳述すれば軽食類を入れる
紙製容器に関するものである。

従来の紙製容器、例えばフライドポテト等の軽食類を入
れて販売する紙製容器は、純白クラフト紙等の容器材料
の一面に予じめ印刷手段により彩色を施した後、打抜加
工により第１図に示すような容器素体１を形威せしめ、
該素材の要所に前記打抜工程と同時に一点鎖線で示す折
曲げのための折目２，３を施し、糊代部４ａ，４ｂ前葉
部５ａ，５ｂおよび抄い辺部を有する後葉部６を形或さ
せ、次に糊代部４ａ，４ｂに澱粉糊を塗着し第２図およ
び第３図に示すように前葉部５ａ次に５ｂの順で折目２
，３より折曲げ糊代部を加圧することにより略漏斗状の
容器７を得、使用に当っては扁平状となっている容器７
の両端を相互に内側に押すことにより第４図に示すよう
に袋状化して内部に軽食類８を入れると云うものであっ
た。

しかし、従来のこのような紙製容器では、打抜加工時容
器材料の加工機への挿入曲り等が原因で容器の正面であ
る接合部分５ｃ （第２図）で印刷パターンズレが生
じ易く、また耐油性コート例えば゛ポリエチレンコート
が施されていない純白クラフト紙等が使用されているた
め、容器内部に入れる商品によっては油がしみ込み、油
じみが生じ購入者に不潔感を与え、さらに糊代部には澱
粉糊が使用されているため、カビを生じ易く、さりとて
防腐剤使用は食品衛生上問題になり、更に容器製造上面
倒で乾燥時間がかかり、糊が内側に食出した場合には袋
が開かず、外側に食出した場合には重合した際の他の容
器と固着一体化しいわゆるアコーディオン現象が生じこ
れを離した場合容器表面に痕跡が出来商品としての歩留
りが悪かったし、袋として使用するとき開口させる作業
が面倒であるという欠点があった。

この考案は上述した欠点を除去することを目的とするも
ので、その特徴とするところは、板紙、上質紙または純
白クラフト紙等の台紙の一面にポリエチレン等の熱可塑
性樹脂皮膜をコーティング（押出し塗布）あるいはラミ
ネーション（貼合せ）した加工紙を用い、該加工紙によ
り容器を前面紙葉と後面紙葉との２枚の型抜紙葉を用い
、これらを樹脂皮膜面が対向する如く重合し、双方の縁
部のうちの対向辺の樹脂皮膜同志を加熱加工して樹脂皮
膜を融着させかつ前記録部のうちの他辺を前記融着方向
に対してほぼ直交する方向に融着させることにより前後
の両紙葉を一体化して袋状容器を得ることにあり、特に
この考案では加工性がよくかつ耐湿性および耐滲出性の
よい立体的な袋状容器を提供するものである。

以下この考案を図に示す一実施例について詳述する。

この考案の容器は、第５図ａ， ｌ）に示すように板
紙、上質紙または純白クラフト紙等の台紙１１の一面に
ポリエチレン等の熱可塑樹脂皮膜１２を周知の手段（例
えば押出し塗布、貼合せあるいはその他の工法）で付け
、図示してないが他面に印刷等により彩色を施した加工
紙１３を第５図ａ，ｔ）に示すように梯形体としての並
行する辺の一辺が内側に彎曲した前面紙業１４と、前記
した一辺までの形状が前面紙葉と同一で、一辺部分が外
方に円弧をもって張出した後面紙葉１５とを打抜加工に
より形戒する。

次に一例として第６図ａ， ｂに示すように内部にシ
ーズヒータ１６等の加熱源を埋込んだ両紙葉１４， １
５の共通形状部分に相当する略■字状の雄型加熱板１７
を第７図に示すように基台板１８上にヒンジをもって枢
着された押圧枠１９に取付けた手動式の加熱封着装置２
０を用い、熱可塑性樹脂皮膜面が対向し、梯形体をなす
３辺が一致する如く重合した前面、後面紙葉１４，１５
の同一形状の周縁部を基台板１８と押圧枠１９に取付け
られた加熱板１７間で局部的に加熱加圧することにより
、第８図および第９図に示すように対向面の熱可塑性樹
脂皮膜を溶融し融着部２１ ａ〜２１ ｂを先ず形威し
た後、底辺部Ａを前記加工紙１３の面に対して直角方向
に第１０図のように折起して上記底辺部Ａの内面同志を
前述したと同じ方法で加熱融着し、融着部２１ Ｃで一
体化することにより立体的な袋状の容器２２を形或する
。

この容器２２は第１０図に示すように、梯形体をなす非
並行辺に対する垂直中央線Ｌが予しめ外方に張出されて
いるので全体として両辺部２３， ２４間が外方に開口
し、略裁頭円錐形状となり、外方へ彎曲した弧状辺部２
４がら両紙葉の融着部までに抄い片２５が形威され、が
つ予しめ容器が立体的に開口しているので第１１図に示
すように従来の容器と同様フライドポテト等の軽食類２
６に手を触れることなく容器２２内に極めて容易に収容
することができる。

なお、容器２２の多数を互いに重合させて積重ねておけ
ば、容器のストックが簡単にできる。

以上述べたようにこの考案は例えば通常の熱密封あるい
は超音波密封を受けた時にそれ自体と融合接着し得る合
威樹脂皮膜を一面に形威した加工紙をもって袋体素体を
構威し、前記樹脂皮膜形戒面を対向させて容器としての
周縁部分で前記樹脂皮膜同志を互いに直交する２方向が
ら加熱加圧して局部的に融着させることにより立体的な
袋状の容器を形戒するようにしたので、袋状容器の形戒
時接合個所への糊付けが不要で従来の如き糊の食出しに
より袋として開かないとか他の容器との重合せによりこ
の間が一体化しアコーデオン現象が生じる等の製造技術
上の不都合がなく歩留りのよい生産が可能であり、接合
個所への糊（澱粉糊）付が行なわれないのでカビ生えが
生じず衛生的であり、容器内面はポリエチレン等の熱可
塑性樹脂がコートしてあるため、容器内に入れる軽食類
によって生じる油じみが容器表面に生じないので購入者
に不潔感を与えず、容器としての接合個所が従来の如く
容器正面の中央でないので表面に印刷した彩色、模様等
のパターンずれが生じないので生産性が向上し安価に提
供でき、がつ予しめ中空の立体容器として形威されてい
るので、軽食類を入れ易い等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はいずれも従来の紙製容器に関するも
ので、第１図は容器素体の展開図、第２図は戊形された
容器の正面図、第３図は容器のシール個所を示す横断面
図、第４図は容器内に収納物を入れた状態の第２図Ａ−
Ａ断線による縦断面図、第５図乃至第１１図はいずれも
この考案の一実施例を示すもので、第５図ａ， ｌ）
は容器素体の平面図、第６図ａ， ｌ）は加熱板の平面
図と正面図、第７図は加熱封着装置の側面図、第８図は
戒形された容器の正面図、第９図は容器のシール個所を
示す横断面図、第１０図は収納物を入れるために開口さ
せた容器の斜視図、第１１図は容器内に収納物を入れた
状態の縦断面図である。 １１・・・・・・台紙、１２・・・・・・熱可塑性樹脂
皮膜、１３・・・・・・加工紙、１４・・・・・・前面
紙葉、１５・・・・・・後面紙葉、２０・・・・・・加
熱封着装置、２１ ａ〜２１ Ｃ・・・・・・融着部、
２２・・・・・・袋状容器、Ａ・・・・・・容器底辺部
、Ｌ・・・・・・垂直中央線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台紙１１の一面に熱可塑性樹脂皮膜１２を構威した加工
   紙１３で前面紙葉１４と後面紙葉１５とを作り、前面紙
   葉１４を、上辺が内方に彎曲し、下辺が内方に凹んだく
   形をなす略梯形状とし、また後面紙葉１５を、該前面紙
   葉と同形の部分の上辺が外方に大きく彎曲した形状とし
   、この後面紙葉に該前面紙葉を重合して、各上辺及び下
   辺を除いた各周辺を加熱接着してから、各下辺部を扁平
   にならないように変形して加熱接着し、上辺部２３．
   ２４間が開口するようにしたことを特徴とする紙製容器
   。