JPS5911045Y2 - 錠剤充填装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ＰＴＰ包装機（プラスチックフイルムの或形
充填機）における錠剤等の供給・充填装置に関し、フイ
ルムに形或されたポケット内に錠剤等を確実に充填でき
る装置を実現するものである。

ハードカプセルとか糖衣錠、素錠、レンズ形錠といゐ様
な錠剤は、一般に固く、寸法も比較的精度良く作られて
いるため、第１図イのスプリングシュートや口のガイド
シュート等で、一列に縦又は横に整列して移送し、フイ
ルムのポケットに充填することが可能であった。

しかるに、本考案の対象となる異形（ラグビーボール状
等）で、軟質の表皮を持った錠剤（軟カプセル）等は、
ハ図のようにブリッジ現象を起こして詰まったりするの
で、１列に整列することが困難ないしは、不可能であっ
た。

そこで本考案は、いわゆるボックス方式により、錠剤等
を直接ポケットに充填することを試みたが、二のような
欠錠や２錠入り、錠剤の立上り等が発生した。

本考案は上記のような問題に鑑みなされたもので゛、そ
の目白勺とするところは、プラスチックフイルムに多数
或形された容器室（ポケットないしはブリスター）に、
ラグビーボール状等の非球形、非レンズ形の錠剤を１個
ずつ確実に供給充填できる錠剤等の充填装置を提供する
ことにある。

この目的を達威するために本考案は、容器室が形或され
たフイルム上に、底無しの枠状箱体を配置して、その中
に多数の錠剤等を供給して枠状箱体を往復動させること
により、フイルムの容器室中に錠剤等をｌ個ずつ充填す
るようにすると共に、枠状箱体中に、棒状箱体の往復動
方向に対して、両側壁から斜めに仕切り板を配設してＶ
形状と威し、しかもそのうちの一方は、他方の側壁に向
かって延長させると共に、その高さを堰状に低く形威し
た構或を採用している。

次に本考案装置の実施例につき、図面に基づいて説明す
る。

第２図は錠剤充填装置全体の側面図、第３図は第２図の
矢印ａ方向から見た正面図、第４図は第２図のＩＶ−Ｉ
Ｖ’断面平面図、第５図は第２図・第４図のｖ−ｖ’方
向縦断面図である。

Ｆはブリスターないしはポケット状の容器室１・・・・
・・が形威されたプラスチックフイルムであり、レール
２に載置されて、矢印ｂ方向へ間欠的に移送される。

フイルムＦの上には、わずかの間隔をおいて底無しの枠
状箱体Ｂが配置されている。

箱体Ｂの両側には車輪３・・・・・・を備えており、フ
イルムＦの移送方向と平行に配置されたレール４，４の
上に載置されている。

箱体Ｂの側方には流体圧シリンダ５が平行に配置され、
装置フレーム６に固定されており、そのピストンロツド
７が箱体Ｂに連結されている。

そして、シリンダ５を駆動することにより、箱体Ｂはレ
ール４上において往復動される。

第６図は箱体Ｂの斜視図であり、箱体Ｂは、底部が無く
、また上方は箱体の往復動時にシュート８が当たったり
しないように、天板が省いてあり、側壁ｂ１，ｂ４だけ
から或る枠状の箱体に戊っている。

そして、箱体Ｂ内には、その往復動方向（矢印Ｃ方向）
に対して斜めの仕切り板９，１０が立設されている。

仕切り板９は、箱体側壁ｂ１に対しθの角度だけ傾斜さ
れ、しかも箱体の一方の側壁ｂ１がらもう一方の側壁ｂ
２まで渡されている。

そして、そのほぼ片側半分９１は、側壁ｂ，，ｂ２等と
同じ高さになっているのに対し、他の半分９２は、堰の
作用を威すように低く形威されている。

また、もう一方の仕切り板１０は、側壁ｂ２に対して同
じくθの角度だけ傾斜され、その内端は前記仕切板９の
高板部９１と堰用低板部９２との境界部９３に突き当て
られており、該仕切り板１０と前記仕切り板の高根部９
１とでＶ形を威している。

全幅にわたる仕切り板９の片側の室Ｓ１を第ｌ充填室と
呼び、低板部９２と第２仕切り板１０との間の三角室Ｓ
２を第２充填室と呼ぶ。

次に動作を説明する。

まず上方のホッパ−１１に錠剤を溜めておき、ゲート調
節ネジ１２でゲート１３を操作して、ゲート開口部１４
の開口度を調節する。

該ゲート開口１４を通過した錠剤は、すべり台状のガイ
ド１５をすべり落ち、シャッター板１６でせき止められ
る。

シャッター板１６の下方にはガイド溝状のシュート８が
設けられていて、その先端は、箱体Ｂの第１の充填部Ｓ
１上に位置している。

シリンダ１７を駆動すると、クランク１８を介して、シ
ャッター板１６が軸１９を中心に矢印ｄ方向に回動する
。

そして、箱体Ｂとフイルムレール２間に、容器フイルム
Ｆが供給されている状態で、シリンダ１７の操作によっ
てシャッター板１６を上方へ回動させ、シャッターを開
くと、ゲート開口１４を通過した錠剤がシャッタ一部を
経てシュート８に供給され、シュート８から箱体Ｂの第
１充填室Ｓ１中に供給される。

箱体Ｂの第２充填室６の側方には、錠剤のレベル検出用
の光電管等が設置されており、第２充填室Ｓ２中に錠剤
があるレベルまで供給されると、光電管からの信号でシ
リンダ１７が駆動されてシャッター板１６が閉じ、箱体
Ｂへの錠剤供給量が制御される。

このようにして箱体Ｂ中に錠剤が溜められた状態で、シ
リンダ５を数回往復動作させることにより、箱体Ｂをレ
ール４上において、矢印Ｃ方向即ちフイルムＦの移送方
向ｂと平行方向へ数回往復動させる。

このとき、容器フイルムＦは停止させておく。

箱体Ｂの往復動方向と容器フイルムＦの進行方向は平行
しているが、特に容器フイルムＦを停止させた状態で箱
体Ｂを往復動させるのである。

この状態を模式図で見ると第７図のようになる。

第７図のイは箱体内を側方から見た縦断面図、口は平面
図、ハ，二は仕切り板と容器室中の錠剤との関係を拡大
して示した縦断面図である。

シュート８から箱体Ｂ中に錠剤を供給した際に、錠剤は
、仕切り板の堰状低板部９２を越えて口図のように第２
充填室Ｓ２にも溜まるが、この状態で箱体Ｂだけが矢印
Ｃ方向に２〜３回往復動されると、その間に箱体Ｂ中の
錠剤Ｔ・・・・・・が容器フイルムＦ上で攪拌されるた
め、イのようにすべての容器室１・・・・・・中に錠剤
Ｔが１個ずつ充填される。

箱体の往復動だけで充填動作は完了するが、その後容器
フイルムＦを矢印ｂ方向へ移送させ、後続の未充填部が
箱体Ｂの下に来たところで、再び箱体を数回往復動させ
て、次の充填動作を行う。

箱体側壁ｂ１・・・・・・ｂ４および仕切り板９１，
９２． １０の下端縁と、容器フイルムＦとの間隔は、
錠剤Ｔが通過でなきない程度のわずかの寸法しか無いた
め、充填完了したフイルムＦが箱体下方から引き出され
た状態において、フイルム上に余分の錠剤が残留するこ
とは無い。

次に、箱体の往復動をフイルムＦの停止中に行うのは、
次の理由による。

即ち、フイルムＦを速度ｖ２で移送中に箱体Ｂを速度■
１（■２中Ｖ１とする）で往復動させると、八のように
フイルム進行方向と逆向きに箱体Ｂ即ち仕切り板９１，
９２， １０が移動する間は、相対速度が■１＋Ｖ２＝
２■、となって、相対速度が速すぎるため、錠剤が矢印
ｅ方向にはね上がって、充填を確実に行うことが困難に
なる。

二のように、フイルムＦの進行方向に仕切り板９１，
９２， １０が移動する間は、相対速度はゼロとなって
攪拌効果が得られないため、錠剤が立ったまま、あるい
は２個入りや欠錠状態のまま、箱体から搬出される恐れ
がある。

これに対し、フイルムＦを停止させておいて箱体Ｂを往
復動させれば、箱体の往動時も復動時も共に同じ速度で
確実に錠剤を攪拌できることになり、各容器１・・・・
・・中に錠剤Ｔを１個ずつ確実に充填することが可能と
なる。

なお、錠剤Ｔが長円形状の場合は、それが充填される容
器室１・・・・・・は、フイルムＦの移送方向（矢印ｂ
方向）へ長い長円形状に形或される。

仕切り板９１， １０をＶ形に傾斜させ、しかも仕切り
板９の片半分９２は仕切り板の高さを低くして、錠剤が
第２充填室Ｓ２中にオーバーフローできるようにしたこ
とにより、次のような効果が得られる。

即ち、ホ図は仕切り板９１， ９２， １０と１個の錠
剤Ｔ１とおの関係を拡大した平面図であり、箱休の往復
動によって仕切り板９１が矢印ｆ方向に移動する際に、
実線のように起立している錠剤Ｔ１は、仕切り板が鎖線
位置へ移動することにより容器室１中に鎖線Ｔ２で示す
ように倒おされるが、このとき仕切り板が矢印ｆで示す
移動方向に対して斜めに戒っているために、仕切り板が
錠剤Ｔ１に当たったときに、錠剤をひねって回転させる
ように作用するので、錠剤の転倒が円滑かつ確実に行わ
れる。

このように、起立した錠剤を円滑確実に寝かせる上では
、仕切り板を箱体の往復動方向に対して斜めにすること
が有効であるが、例えば、仕切り板を全幅にわたる仕切
り板９の１枚だけとし、かつ全長にわたって側壁を同じ
高さにしたとすると、箱体Ｂがフイルラム進行方向ｂと
逆向きに移動する際に、錠剤が口図のＳ１′で示す隅部
だけに集中する傾向となって、中心線ｇから上半分の列
が欠錠となり易い。

そこで、中心線ｇから上半分にも均等に錠剤が行き渡た
るように、中心線ｇに対し対称的に第２仕切り板１０を
設け、仕切り板をＶ形状にしたのであるが、■形゜にし
ただけでは、両隅Ｓ１′とＳ２′に集中し、両外側寄り
の列は確実に充填されるが、中心線ｇの付近の列か次錠
になり易い。

そのため、本考案は更に、いずれか一方の戊仕切り板例
えば９１を、対向する側壁ｂ２まで延長させると共に、
延長部仕切り板９２は、堰状に高さを低くして、充填室
Ｓ１の錠剤が堰を越えて第２の充填室Ｓ２にも容易に供
給されるようにすることにより、第２充填室Ｓ２中の錠
剤が仕切り板１０で、中心線ｇから上半分特に側壁ｂ２
寄りの列に重点的に充填されるようにしている。

同時に、仕切り板９１，９２の下端縁は、中心線ｇの付
近も両側壁ｂ１，ｂ２寄りの列も同じ方向に傾斜してい
るので、■形仕切り板９１． １０だけの場合のように
、中心線ｇ付近だけがＶ形に突き出るために、中心線付
近の列に欠錠が発生し易くなるといった恐れは無くなり
、側壁ｂ１からｂ２に至るまですべての容器室列に均一
にかつ確実に錠剤充填が行われる。

なお、堰状の低仕切り板は、仕切り板９１側から延長さ
せるので無く、図の上側の仕切り板１０の延長線上即ち
中心線ｇの下側へ設けても、作用的には同じことである
。

また、仕切り板９１． １０の傾斜角θは、実験の結果
４０〜５０度程度が、起立した錠剤を寝かせる上で良好
なことが判明した。

傾斜角θが小さく、例えば３５度程度以下になると、起
立したままの錠剤が発生し易く、またθが大きくなると
錠剤のねじり力が不足し、やはり起立したままの錠剤が
発生し易い。

以上のように本考案によれば、底無しの枠状箱体で異形
の錠剤等をフイルムのブリスターないしはポケット状容
器室中に充填する際に、箱体中に、箱体の往復動方向に
対して、両側壁から斜めに仕切り板を配設して■形状と
威し、そのうちの一方は、他方の側壁に向かって延長さ
せると共にその高さを堰状に低くしてあるため、異形状
の錠剤であっても、起立したものは確実に寝かされ、ま
た欠錠や２個入りも防止され、容器室の全列にわたって
均一かつ確実に１個ずつ錠剤充填することが可能となる
。

したがって、ラグビーボール状以外の異形錠剤や異形状
錠剤様のもの、多少の変形や寸法誤差等を伴なったソフ
トカプセル等であっても、確実に充填でき、しかも往復
動箱体内に仕切り板を斜めに設けるだけでよいから、構
造が特別に複雑化したり、コストアップを招いたりする
ことも無い。

【図面の簡単な説明】

第１図イ〜二は錠剤のフイード・充填工程の各種例を示
す図、第２図は本考案による錠剤充填装置の側面図、第
３図は同装置の正面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ’
断面平面図、第５図は第２図・第４図のｖ−ｖ’方向縦
断面図、第６図は枠状箱体の斜視図、第７図イ〜ホは本
考案装置の各動作を説明する図で゛ある。 図において、Ｆは容器フイルム、１・・・・・・は容器
室、Ｔ・・・・・・は異形錠剤、Ｂは枠状箱体、３は車
輪、９１． １０は仕切り板、９２は堰状の低仕切り板
、ｂ１・・・・・・ｂ４は側壁、Ｓ１は第１充填室、Ｓ
２は第２充填室である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数の容器室が形威されたフイルム上に配設される底無
   しの枠状箱体と、該枠状箱体を水平方向に往復動させる
   駆動手段を備えたこと、 該棒状箱体中に、該枠状箱体の往復動方向に対して、両
   側壁から斜めに仕切り板を立設して■形状とすると共に
   、その高さを枠状箱体中の錠剤が乗り越えない程度に高
   くし、しかもそのうちの一方は、他方の側壁に向かって
   延長させると共に、その高さを枠状箱体中の錠剤が乗り
   越えうるように前記■形状の仕切り板より低く形威した
   こと、枠状箱体の往復動方向と交差する側壁および各仕
   切り板の下端と、複数の容器室が形威されたフイルムの
   面との間隔を、充填すべき錠剤が通過できない程度の寸
   法とすることを特徴とする錠剤充填装置。