JPS589149Y2 - 温水循環式浴槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温水循環式浴槽に関するもので、浴槽内部の側
壁から上縁面にかけて形成した膨出空間に外部熱源によ
る温水循環パイプを配設して加熱部とすることによって
、浴槽内スペースが有効的に利用できるようにすると共
に、加熱部の清掃、点検等の作業の容易さを計ることを
主たる目的とするものである。

浴槽用温水を得る一方式として、例えば室内暖房器と浴
槽外の加熱器（加熱器の内部には直接的な熱源はない）
との間に温水を循環させるパイプを配し、浴槽内とこの
加熱器との間に温水を循環してこの温水が室内暖房器と
加熱器間の循環パイプ中の温水と熱交換して浴槽の温水
を昇温させるか、または室内暖房器よりの温水循環パイ
プを直接浴槽中に通して浴槽の温水を昇温させる方式（
以下温水循環間接加熱方式という）が採用されている。

しかしながら従来の温水循環間接加熱方式は以下に述べ
るような欠点がある。

すなわち第１図に示すごとき温水循環パイプ２を浴槽１
の底面上に這設した方式のものでは孔４を有する簀の子
３が必要であり外観を損うと共に入浴中孔４から上昇す
る熱湯が直接人体に触れて好ましくなく、さらに底面に
配管スペースを必要として浴槽の高さが高くなり据置式
としての使用には不向であり、また浴槽底面の掃除が困
難である。

また第２図に示すごとき温水循環パイプ２を組込んだ加
熱器５を上下２本の接続バイブロを用い浴槽１に接続す
る方式のものでは、浴槽１に接続用の孔を設ける必要が
あり、さらに接続バイブロおよび加熱器５からの放熱の
ため保温性が劣り、据付に余分な空間を必要とするし接
続部品も多くなる。

そこで上記第１図及び第２図に示すものの不都合を解決
すべく第３図に示すように、温水循環パイプ２を浴槽１
内の側壁１ａに取付け、この温水循環パイプ２を覆って
カバー７を着設する方式のものが提案されているが、こ
の方式のものにおいては、加熱部分が浴槽内に突出する
ので浴槽内を狭くすると共に、入浴時にこの突出部分が
邪魔になるという不都合があるのである。

本考案は上記の同第３図の方式のものにおける不都合を
解決すべくなされたものであり、以下に本考案の実施例
を第４図及び第５図により説明する。

１０は浴槽であり、１０ａは浴槽１０の側壁、１０ｂは
上縁面である。

この浴槽１０には第４図に示すように、浴槽１０の側壁
１０ ａおよび上縁面１０ｂにかけて浴槽１０の上方か
ら見て略コの字形の膨出空間を設けてこの膨出空間を加
熱部１１となし、この加熱部１１の底面１１ ａは傾斜
して形成させて排水勾配を設ける。

２は螺旋状部を有する温水循環パイプであり、この温水
循環パイプ２は締付金具１２により加熱部１１の側壁１
１ ｂに固定する。

１３は加熱部１１内の温水循環パイプ２を接続するアダ
プターである。

尚図面では温水循環パイプ２への温水の出入口を加熱部
１１の側壁１１ ｂに位置させたが、加熱部１１の上面
は開口しているので温水の出入口を加熱部１１の上面に
位置させることもできる。

１４は温水循環パイプ２の支持板であす、１５は支持板
１４のストッパーである。

１６は上記加熱部１１を仕切って着脱自在に装着したカ
バーであり、このカバー１６は加熱部１１の水平上面部
及び垂直側面部を覆う形状としており、加熱時において
熱湯から身体を保護して外観を良好にする役目と共に、
これを外すことにより温水循環パイプ２の保守点検、清
掃が容易にできるようにしている。

またこのカバー１６には、浴槽１０内の湯の対流循環を
スムースに行なわせるため小孔またはスリット等、数個
所に循環孔１６ ａを形成する。

１１ ａは排水用勾配をつけた加熱部１１の底面である
。

１７は加熱部１１の側壁１１ ｂに対向して浴槽１０の
エプロン面１８に形成した点検口であり、１９は点検口
１７のカバーである。

上記点検口１７はエプロン付浴槽を据付けた後、外側か
ら温水循環パイプ２と外部給湯配管（図示せず）を接続
するためのものである。

２０は浴室壁である。尚上記実施例では、温水循環パイ
プ２の点検口１７は浴槽１０のエプロン面１８に形成す
るようにしたが、点検口１７を浴槽１０の上面の上縁面
１０ｂに形成するようにしてもよいし、あるいは点検口
を設けないで浴槽１０のエプロン面１８自体を取り外し
自在にすることも可能であって、このようにすることに
よっても、温水循環パイプ２の保守点検の容易さ、温水
循環パイプ２と外部の温水供給源との接続作業の容易さ
を計ることができる。

本考案は上記の如く、浴槽の側壁および上縁面に該浴槽
の上方から見て略コの字形に膨出空間を設け、該膨出空
間を底面に排水勾配を有する加熱部となし、該加熱部に
外部熱源による温水循環パイプを螺旋状に巻いて配設し
、上記加熱部の水平上面部及び垂直側面部を覆って循環
孔を設けたカバーを着脱自在に装着してなる温水循環式
浴槽であり、浴槽の側壁及び上縁面にかけて形成した落
出空間に温水循環パイプを配設して加熱部としているの
で、浴槽内スペースを狭くすることがなく浴槽内のスペ
ースを有効的に利用できると共に入浴時に邪魔になるこ
ともなくまた外観を損なうことがない効果がある。

また上記膨出空間（加熱部）の上面水平部は開口されて
いるので、この膨出空間は浴槽本体と一体に成形するこ
とが容易にできると共に、この膨出空間の水平上面部及
び垂直側面部を覆って着脱自在に装着したカバーを取外
すことによって、加熱部の清掃、点検修理等の作業が浴
槽の内部側面からだけでなく上面がらも行うことができ
るのでこれらの作業を非常に楽に行うことができる。

さらに膨出空間（加熱部）の底面には排水勾配を設けて
いるので、加熱部に水が溜まったままになることがなく
この底面の清掃も容易にできる等多くの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は従来の温水循環式浴槽を示す縦断面図
である。 第４図は本考案による温水循環式浴槽の一実施例を示す
一部切欠き平面図（カバーなしの場合）であり、第５図
は第４図の要部縦断面図である。 符号の説明 １・・・・・・浴槽、１ａ・・・・・・側
壁、２・・・・・・温水循環パイプ、３・・・・・・簀
の子、４・・・・・・孔、５・・・・・・加熱器、６・
・・・・・接続パイプ、７・・・・・・カバー、１０・
・・・・・浴槽、１０ａ・・・・・・側壁、１０ｂ・・
・・・・上縁面、１１・・・・・・加熱部、１１ ａ・
・・・・・底面、ｌｌｂ・・・・・・側壁、１２・・・
・・・締付金具、１３・・・・・・アダプター、１４・
・・・・・支持板、１５・・・・・・ストッパー、１６
・・・・・・カバー、１６ａ・・・・・・循環孔、１７
・・・・・・点検口、１８・・・・・・エプロン面、１
９・・・・・・カバー、２０・・・・・・浴室壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽の側壁および上縁面に該浴槽の上方から見て略コの
   字形に膨出空間を設け、該膨出空間を底面に排水勾配を
   有する加熱部となし、該加熱部に外部熱源による温水循
   環パイプを螺旋状に巻いて配設し、上記加熱部の水平上
   面部及び垂直側面部を覆って循環孔を設けたカバーを着
   脱自在に装着してなることを特徴とする温水循環式浴槽
   。