JPS624831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は風呂に関するものである。

従来、第１図のようにバスタブ１の側壁に加熱
コイル２を有するバスヒータ３を循環パイプ４を
介して取付けたものが使用されている。加熱コイ
ル２にはボイラ５から熱媒往管６および熱媒復管
７により熱媒が循環される。８はポンプである。

しかし、自然循環式であるため、バスタブ１内
の湯の上下間に著しい温度差がつくという問題が
ある。そのため、上層の湯で火傷の心配があり、
撹拌の手間が必要である。また、循環パイプ４で
バスヒータ３を接続したものであるため、バスヒ
ータ３内の掃除が難かしいという問題がある。さ
らに、循環パイプ４で接続するため、接続部の水
洩れの危険性がある。

そこで、上下間で温度差が小さく、かつ掃除の
容易な熱媒加熱式の風呂として、第２図および第
３図に示すものを提案した。この風呂は、バスタ
ブ１０の底壁の下面にジヤケツト式熱交換器１１
を設けたものである。ジヤケツト式熱交換器１１
は出入口１２，１３を一側面の両端に有し、内部
が仕切壁１４で蛇行状の流路に形成されている。
バスタブ１０はステンレス、ほうろうまたは繊維
強化プラスチツク等からなる。バスタブ１０の外
面は、ジヤケツト式熱交換器１１とともに、発泡
ウレタン等の断熱材１５で覆れている。

このように、バスタブ１０の底壁にジヤケツト
式熱交換器１１を設けたため、バスタブ１０の底
壁の全体から湯が加熱され、そのため、従来の自
然循環式のものに比べて湯の上下部における温度
差が少なくなる。そのため、火傷の心配がなく、
また撹拌の手間が不要である。ジヤケツト式熱交
換器１１内は仕切壁１４で蛇行状に仕切られてい
るので、熱媒の短絡流れがなく、ジヤケツト式熱
交換器１１の全体で良好に熱交換が行なえる。ま
た、バスタブ１０に開通循環パイプがないので、
掃除が簡単に行なえる。

第４図は他の提案例を示す。この例はジヤケツ
ト式熱交換器１１′の出入口側をバスタブ１０の
側壁下部まで延ばしたものである。このようにす
ると、ジヤケツト式熱交換器１１′内に空気が溜
らないので、熱交換能力が低下しない。その他は
前記提案例と同様である。

しかし、これら第２図および第４図の提案例に
よると、次の問題点があつた。すなわち、バスタ
ブ１０の底壁をジヤケツト式熱交換器１１，１
１′で加熱するため、底壁が高温となり、入浴中
に加熱すると、身体が高温の底壁に触れて火傷を
負う恐れがある。

この考案の目的は、バスタブ内の上下間で温度
差が小さく、かつ入浴中に加熱してもバスタブの
底壁で火傷を負う問題のない風呂を提供すること
である。

この考案の一実施例を第５図ないし第７図に示
す。この例は、バスタブ１０′の底壁上面に複数
本の突条１６を設けて底壁を凹凸面に形成したも
のである。突条１６の間隔および高さは、人が座
つた時に、身体１８が凹面１７に触れない間隔お
よび高さとする。突条１６は、ジヤケツト式熱交
換器１１との間に中空部を形成したものである。
その他の構成は第２図および第３図の提案例と同
様である。

この構成によると、バスタブ１０の底面に中空
の突条１６を設け、この突条１６の間隔および高
さをこの突条１６上に乗つた身体１８が接しない
間隔および高さとしたので、入浴中に加熱して
も、身体１８が当たるのは温度の低い突条１６だ
けであつて、高温の凹面１７には触れない。その
ため火傷の心配がない。また、バスタブ１０の底
壁にジヤケツト式熱交換器１１を設けたので、前
記第２図の提案例と同様に、バスタブ１０内の上
下間で湯温の差が小さい。

第８図は、この風呂を太陽熱温水器に組込んだ
例を示す。１９は集熱器であり、ジヤケツト式熱
交換器１１に配管２０，２１を介して接続されて
いる。２２はポンプ、２３は膨張タンクである。
ジヤケツト式熱交換器１１内にはセンサ２４が設
けられポンプ２２と集熱器１９の出口の弁装置２
５とにコントローラ２６を介して接続されてい
る。

ポンプ２２の運転は集熱器１９とジヤケツト式
熱交換器１１と差温で発停してもよく、あるいは
集熱器１９と熱媒戻り配管２１の差温やタイマ、
手動スイツチ等で発停してもよい。コントローラ
２６のスイツチはバスタブ１０に給水した後に入
れる。このように太陽熱温水器を構成した場合
は、貯湯槽が不要なため安価に製造できる。

以上のように、この考案の風呂は、バスタブの
底壁に中空の突条を設け、この突条の間隔および
高さをこの突条に乗つた人の身体が接しない間隔
および高さとしたので、底壁をジヤケツト式熱交
換器で加熱する構造でありながら、入浴中に加熱
しても底壁の高温部分に触れて火傷を負う問題が
ない。また、底壁をジヤケツト式熱交換器で加熱
する構造であるため、上下間で湯温の差が小さい
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の構成説明図、第２図は提案例
の断面図、第３図はその平面図、第４図は他の提
案例の部分断面図、第５図はこの考案の一実施例
の断面図、第６図はその平面図、第７図はその作
用説明図、第８図はこの実施例の風呂を太陽熱温
水器に組込んだ例の構成説明図である。 １０……バスタブ、１１……ジヤケツト式熱交
換器、１２，１３……出入口、１４……仕切壁、
１５……断熱材、１６……突条、１９……集熱
器、２２……ポンプ、２４……センサ、２６……
コントローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バスタブと、このバスタブの底壁に設けられた
   ジヤケツト式熱交換器とを備え、前記バスタブの
   底壁内面に前記ジヤケツト式熱交換器との間に中
   空部を形成する複数本の突条を設け、この突条の
   間隔および高さを、この突条に乗つた人体がこの
   突条間の凹面に接しない間隔および高さとした風
   呂。