JPS588906Y2 - 内燃機関のスワ−ル可変装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 内燃機関の吸入行程中にシリンダヘッドの吸入ポートよ
り燃焼室内へ流入する空気に旋回流（スワール）を与え
る、いわゆるスワール型燃焼室機関に於ては、その特性
上（スワール比の最適マツチングを定格時に行っている
ため）低回転域で最適スワールを得ることがむずかしい
という問題がある。

本考案は本件出願人が先に提案した内燃機関のスワール
可変装置（実願昭５２−２８８０４）を利用し、吸気弁
座直前の吸入ポート内に設けた、吸入ポート内壁面の一
部を形成するスワール可変弁のスワール角度調整軸を、
燃料制御軸に設けたレバーを介してガバナーと連動せし
め、全回転域に於けるスワール比を確保できるようにし
たスワール可変装置であり、スワールの調整範囲につい
ては、水平流、斜行流等３次元的なスワールを可変でき
、多シリンダエンジンの性能のバラツキを最小限（こ止
め、空気量の増減なく微妙な調整ができるようにしてお
り、図面に関連して説明すると次の通りである。

第１図中１は直接噴射式ディーゼル機関のシリンダヘッ
ド、２は吸入ポート、３は吸気弁座、４は吸気弁、５は
スワール型燃焼室である。

燃焼室５内で吸入空気のスワールが発生するように、吸
入ポート２は第２図の如く吸気弁座３に対し接線方向に
近づき、シリンダヘッド１と一体のガイドリブ６等によ
り吸入ポート２内にも矢印で示す旋回流が生ずるように
吸入ポート２の形状が定められている。

即ち吸入ポート２は吸気弁４を迂回し吸気弁座３側へ下
降するように３次元的に湾曲している。

７はスワール可変弁で、吸入ポート２の湾曲の周辺付近
の湾曲の外周側に設けてあり、吸入ポート２内に面した
内面８が、吸入ポート２内の旋回空気流に沿う滑らかな
曲面でできており、図示の定格運転時に最適なスワール
が生ずるように吸入ポート２の内壁面の一部を形成して
いる。

９は２段孔で上側の小径部と下側の大径部の間に段部１
０を備え、上下調整ボルト１１（上下調整軸）の２段形
頭部が下方から挿入され、頭部１２が段部１０に当接し
ている。

１３はシリンダヘッド１に明けた垂直な孔、１４．１５
は２個のロックナツト、２０は空気洩れ防止のためのパ
ツキンである。

１６は捩り圧縮はねで、座ぐり面１７と弁７との間に縮
設され、弁Ｉに対し下向きの弾力を与えている。

はね１６は上下端部にそれぞれ垂直方向に向う折曲げ弁
１８．１９を備え、ばね１６をボルト１１を中心に捩っ
た状態で折曲げ片１８を座ぐり面１７の下開き垂直穴に
、又折曲げ片１９を弁７の上開き垂直穴に嵌めて、弁７
を第２図の逆Ａ方向に附勢している。

弁７は吸入ポート２内ｔこ於て或程度上下方向に移動す
ることができ、又矢印Ａ方向又は逆Ａ方向に回動できる
ように大きさと形状が定められている。

第２図中２１は水平な角度調整軸で、シリンダヘッド１
に設けた孔２２にシリンダヘッド１の外側から摺動自在
に嵌合し、吸入ポート２内の突出した半球状の先端は弁
７の上下調整軸１１から偏倚した一側に設けた縦溝２３
に適合している。

２４はシールリング、２５はリング押えである。

軸２１の左端はビン２７を介して調速レバー２８の上端
に接続し、レバー２８の下端は燃料制御軸２９上にキー
その他の手段により固定しである。

調速レバー２８はガバナウェイト（図示せず）と係合す
る部材で、低負荷にセットした場合は上端のビン２７が
矢印り方向へ移動し、低回転域での運転になる。

第１図のナツト１４を緩め、引続きナツト１５を緩める
と、上下調整ボルト１１は捩り圧縮はね１６の弾力によ
り次第に下方へ移行し、弁内面８によりそれまで形成さ
れていた矢印Ｂ方向の旋回空気流はＢ′のように下降度
合を増し、これにより燃焼室５内に発生するスワールの
方向も変わる。

この調整は、例えば多気筒機関の気筒間に於ける定格時
のスワールを揃えるために行う。

上下調整ボルト１１の位置を固定した状態で低負荷にセ
ットし、角度調整軸２１を図の右方（矢印り方向）に移
動させると、弁７は捩り圧縮はね１６の弾力に抗して矢
印Ａ方向に回動し、それまでＢ方向に流れていた旋回流
は弁内面８の角度変化により矢印Ｂ″のように旋回方向
を変え、旋回半径が増加することにより燃焼室５内のス
ワール速度は減少し、低回転域に適したスワールとなる
。

弁Ｉを逆Ａ方向に操作した場合はその逆になる。

一般にスワールの速度、方向性は燃料の着火性。

燃焼に多大な影響を及ぼし、機関全体の燃焼性能を左右
するが、本考案によるとスワール可変弁の角度調整軸と
ガバナーを、例えば調整レバー２８の先端のビン２７が
低負荷側（矢印り方向）へ移動する時スワール可変弁７
を矢印Ａ方向に回し、スワールの旋回半径を増加させる
ようにしたので、燃焼室５内のスワール速度は減少し、
低回転域に適したスワールが得られる。

従ってスワール型燃焼室及びその吸入孔２の形状を定格
時最適スワールが得られるように設計した場合であって
も、低回転域でも最適スワールを保つことができ、スワ
ール可変弁７をガバナーと連動せしめることにより全回
転域に於けるスワール比を確保できる利点がある。

更に本考案においては、吸入ボート２を吸気弁座３の直
前で吸気弁４を迂回し吸気弁座３側へ下降するように３
次元的に湾曲させ、湾曲の終点付近において湾曲の外周
側の吸入ポート内壁面の一部を形成するスワール可変弁
７を吸気弁４と並行な上下調整軸（上下調整ボルト１１
）に取付けると共に、上下調整軸１１から偏倚したスワ
ール可変弁７の側方部分を上下調整軸１１と直交するス
ワール可変弁角度調整軸２１に係合し、角度調整軸２１
とガバナーを連動連結して回転数に応じて最適スワール
が生ずるようにしたので、スワールの調整範囲について
は、水平流、斜行流等３次元的なスワールを可変でき、
多シリンダエンジンの性能のバラツキを最少限に止め、
空気量の増減なく微妙な調整ができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した吸入ボート部分の垂直断面図
、第２図は第１図の■−■断面部分図である。 ２・・・・・・吸入ボート、３・・・・・・吸気弁座、
７・・・・・・スワール可変弁、２１・・・・・・角度
調整軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸入ポートを吸気弁座直前で吸気弁を迂回し吸気弁座側
   へ下降するように３次元的に湾曲させ、この湾曲の終点
   付近において湾曲の外周側の吸入ポート内壁面の一部を
   形成するスワール可変弁を吸気弁と並行な上下調整軸に
   取付けると共に、上下調整軸から偏倚したスワール可変
   弁の側方部分を上下調整軸と直交するスワール可変弁角
   度調整軸に係合し、角度調整軸とガバナーを連動連結し
   て回転数に応じて最適スワールが生ずるようにしたこと
   を特徴とする内燃機関のスワール可変装置。