JPS587906B2 - 冷蔵装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、食品等を貯蔵する冷蔵装置に関するもので、
その目的とする所は庫内を所定の温度、湿度に保ち、食
品等の鮮度を失うことなく貯蔵する所にある。

従来より、食品等を貯蔵する冷蔵庫は庫内温度を厳重に
管理しており、野菜類、根菜類果物等の生鮮食料品又は
イーストの如き食品の貯蔵は、可及的低温で貯蔵し品質
、性能を低下させない様配慮している。

これには主として低温倉庫が用いられているのであるが
、従来の低温倉庫は所定の低温に保持することのみを目
的とし、その構造は、冷媒にフロンガスを使った圧縮式
冷凍装置を用い、この装置で庫内の空気を冷却するもの
である。

このため、庫内空気は冷却管に接して水分を凝縮し、次
いで貯蔵物質の持込む熱量及び外気の影響による温度上
昇を繰返し、そのために庫内は常に乾燥し、食品等は次
第に水分を失い鮮度を失うに至る。

一方凝縮した水分はしずくとなって落下し、周辺をぬら
すので低温に強いカビ等が繁殖し、冷蔵庫の管理を困難
にする。

これを防止するため貯蔵する食品等をビニール等の薄膜
で包装し外界と遮断して乾燥を防止することも行われて
いるが、包装には多くの手間を要しかつ上記現象を完全
に防止することは不可能である。

又根菜類の種芋の貯蔵の如く、冷水を庫壁に沿って落下
させ、冷水により冷却する方法も構じられているが、庫
内がぬれて一般食品の貯蔵に応用できない欠点がある。

本発明者は、従来の冷蔵庫管理の欠点を是正し、常に所
定の温度、湿度で清潔な状態で維持し、食品等の鮮度を
保持せんと研究を進めた結果、庫外に気液噴霧接触装置
を設け、庫内の空気又は不活性気体の如き気体を引出し
、これに前記気液噴霧接触装置内で低温液体を直接噴霧
接触して該気体を冷却し、このとき気体の温度を調整す
るとともに加湿して低温で水分の飽和した気体とさし、
さらにこの低温湿度飽和気体から水滴を除去し、この気
体を庫内に送大して庫内を冷却することにより、上記の
欠点を解決したものである。

本発明の装置を、図面を参考として説明すると、１は冷
蔵庫、２は冷却管である。

３は空気循環管であり、冷蔵庫１内の空気をファンＦに
より引出し、第１サイクロン４に吹入する。

該サイクロン４は蒸気パイプ５が附設されており、蒸気
を吹入して異物の表面に凝縮させ冷蔵庫１より同伴した
ごみ等の固形物を分離すると共に、必要に応じて多量の
蒸気を噴出させ空気の殺菌を行う。

このようにしてサイクロン４によりごみを除去した空気
は、空気循環管３′を経て噴霧冷却器６に入る。

該噴霧冷却器６の上方側部には、前記第１サイクロン４
と連通ずる空気循環管３′を設けてあり、その上部円心
位置には空気循環管７を上下方向に貫通させて固定し、
且つ空気循環管７の周囲には冷水管８を囲繞させ、その
表面に多数の噴霧口９ａ，９ｂ，９ｃ…を穿孔して噴霧
冷却器６内に開口させると共に、冷水管８は噴霧冷却器
６の外で冷水タンク１０と連通さす。

冷水タンク１０内には常時所定温度に冷却した冷水を大
量貯蔵してあり、冷水は冷水管８の途中に設けたポンプ
Ｐを介し噴霧口９ａ，９ｂ…より小滴となって噴出する
。

従って、噴霧冷却器６に入った空気は噴出管９ａ，９ｂ
，９ｃ…よりの水滴と接し、迅速且つ効率よく熱交換を
行い、冷却による過剰の水分は凝縮奪水され、不足の水
分は加湿され、冷水温度と略等しい温度で飽和し、これ
と同時に水滴によって小さなごみや菌をつかまえて落下
させ、空気は浄化され、空気循環管７より出る。

一方熱量を奪った水は庫内の臭気、ごみ、微生物等を溶
解又は懸濁させており、再三繰返し使用には不適である
から噴霧冷却器６の下部に設けた導管１１を経てろ過機
１２に送られ沢過して導管１１′を介し冷水タンク１０
に戻す。

このため沢過機１２は通常の沢過機に、活性炭、硅藻土
、酸性白土、イオン交換樹脂等の吸着物質を成層させ沢
過面とし異物を除去する如くしたものが好ましい。

噴霧冷却器６を出た冷却空気は、尚多少の飛沫を同伴し
ているので第２サイクロン１３によりこれを完全に除去
する。

従って脱水滴し、飽和湿度の空気が空気循環管７′を経
て冷蔵庫１に戻る。

尚１４は蒸気管であり、その端部を第２サイクロン１３
の側部に開口させ、適宜必要に応じて蒸気を吹入し、循
環空気を加熱し、空気循環管７′を介し冷蔵庫１及び配
管類の殺菌を行う。

また１５は冷却水冷却用の冷凍サイクルの圧縮機、１６
は圧縮機より吐出された冷媒の凝縮機、１７は冷媒導管
であって、管内に封入したフロン等の冷媒により冷水タ
ンク１０内の水を冷却する。

又、引出管３と環流管７′を連通してバイパス管１８を
設けてあり、バイパス管１８の任意の位置にダンパー等
の通風量制御装置１９を設ける。

又Ａｔ，Ａ２は庫内温度検出装置、Ｂ１，Ｂ２は庫内湿
度検出装置であって、検出量を作動部２０に入れ通風量
制御装置１９を開通させて還流管７′の空気を引出管３
方向に側管送気する。

Ｃは冷却水タンク１０内の温度検出機であり、温度検出
機Ｃは圧縮機１５と電気的に結合し各検出機の検出温度
により、装置を作動又は停止させて所定の温度に制御で
きるようにしてある。

上記装置の運転に際しては先づ圧縮機１５を稼動し、冷
水クンク１０内の水を所定温度迄下げる。

所定温度迄下ると、温度検出機Ｃよりの指令によリ圧縮
機１５のスイッチが開となり停止し、温度が上昇すると
閉となり稼動しＯＮ，ＯＦＦ制御をして一定の水温に維
持する。

次に、冷蔵庫１を開き食品等を搬入する。

搬入が終ると、冷蔵庫１を閉じファンＦ及びポンプＰを
稼動させる。

このため冷蔵庫１内の空気は第１サイクロン４、噴霧冷
却器６、第２サイクロン１３を経て浄化、冷却され冷蔵
庫１内に還流する。

冷蔵庫１内の温度が所定温度に下ると、温度検出機Ａ１
，Ａ２がこれを検知し、作動部２０に伝え通風量制御装
置１９を回動させるので還流管７′の空気はバイパス管
１８、引出管３、ファンＦ１第１サイクロン４、噴霧冷
却器６、第２サイクロン１３を通って循環し、冷蔵庫１
内へは全く、又は制約された量しか流入しない。

又冷蔵庫１内の温度が上昇すると、通風量制御装置１９
は停止（閉鎖）し、旧に復して冷蔵庫１内にのみ還流す
る。

このようにすると一定の温度が保たれるが、本発明では
更に、冷却管２の温度を調節することにより庫内の湿度
調節も行うものである。

このため湿度検出機Ｂ１，Ｂ２を所定の湿度目盛に調節
しておき冷却管２の温度を調節すると、庫内の関係湿度
は変動し、この変動を湿度検出機Ｂ１，Ｂ２がとらえ、
操作部２０を作動さすので前記と同一理由により庫内の
湿度を制御するこさができる。

上記方法を構することにより第１サイクロン４、噴霧冷
却器６、第２サイクロン１３を常時運転しながら通風量
制御装置１９を作動又は停止させて、冷蔵庫１内の温度
湿度を調節することができるので、貯蔵する物質の特性
に応じた冷蔵庫の管理が可能となるものである。

また、野菜類等の貯蔵時、炭酸ガス、窒素等の不活性ガ
ス雰囲気にした方がよいときは、これら不活性ガスを送
入し、系全体を不活性ガス雰囲気とし、これを一定冷却
温度、一定湿度に保って雰囲気を管理することができる
のできわめて有用である。

上記利点のみではなく、急速冷却を望むときは、ファン
Ｆ１ポンプＰの回転速度を上げて冷却空気の還流量を多
くすればよく、又ポンプＰを停止し蒸気管１４より蒸気
を噴出させて循環空気と混合し、所望の温度となして冷
蔵庫１及び配管、その他装置内部を殺菌することができ
、又冷蔵庫１内の空気は循環中に冷水により洗滌浄化さ
れるので庫内に異臭が溜ることなく貯蔵品への移り香を
防止する。

更に大量の冷水が常に冷水タンク１０内に貯蔵されてい
るので緊急の必要性に対応でき、このため格別犬型の圧
縮機１５を準備する必要がないので設備投資の節約とな
る。

又このことは使用電力も少くなることとして、維持費の
節減ともなる等多くの利点を有するものである。

このように、本発明の冷蔵装置によれば、庫内の空気が
低温、飽和湿度に保たれ、かつ余分の水滴はなく、菌も
除去されているので、野菜等の生鮮食料品は乾燥するこ
となく長期間保存でき、凍結食品は自然に解凍され、乾
燥することなく長期間保存可能であり、かつ生魚等は新
鮮な状態のまま長期間保存することができるものである
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施の態様を示す図である。 １……冷蔵庫、３……引出管、４……第１サイクロン、
６……水噴霧サイクロン、７……還流管、１０……冷水
タンク、１３……第２サイクロン、１５……圧縮ポンプ
、１９……通風量制御装置、２０……作動部、Ａ１，Ａ
２……温度検出機、Ｂ１，Ｂ２……湿度検出機、Ｃ……
温度検出機、Ｆ……ファン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷蔵庫と、該冷蔵庫より気体を導入し旋回させその
   旋回中の気体に冷水を噴霧して低温多湿の気体とする噴
   霧冷却器と、該噴霧冷却器よりの気体を受け該気体に同
   伴する水滴を除去する除水滴サイクロンとから成り、前
   記噴霧冷却器と除水滴サイクロンとは冷蔵庫内の気体が
   この順に循環するように循環管により冷蔵庫に対して連
   結されていることを特徴さする冷蔵装置。