JPS587225B2 - 偏向ヨ−ク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、３本の電子ビームが一方向に順次配列され
た状態で発射されるいわゆるインライン方式カラー陰極
線管の偏向ヨーク装置に関するものである。

インライン方式カラー陰極線管においては、３本の電子
ビームが水平方向に−列に配列されていることによって
縦方向のコンバーゼンスずれが発生し難い特徴を利用し
て、水平偏向コイルを鞍型および垂直偏向コイルをトロ
イダル型とし、且つそれらのコイルの巻線分布を水平偏
向コイルによる水平偏向磁界がピンクッション型、垂直
偏向コイルによる垂直偏向磁界がバレル型となるように
することによって、他の動コンバーゼン久手段を省略し
たいわゆるセルフコンバーゼンス方式を達成することが
可能となっている。

上記のような偏向ヨーク装置において、垂直偏向コイル
は、略半円筒状の分割コアに電線１本でトロイダル状に
巻回され、このようなものが１対となり中空を有するよ
うに組合わされて、垂直偏向ヨークを形成している。

この垂直偏向ヨークは、電気的特性の制約（入力インピ
ーダンス等）からその巻線に関して、種々の条件が有り
、特にセルフコンバーゼンス用の偏向ヨークではミスコ
ンバーゼンスのばらつきと相反する面を持っている。

第１図は、従来の垂直偏向コイルの巻線状態であり、１
１は略半円筒状コア、１２は巻線である。

そして注目すべき所は、各層毎にリターン１３（第２図
に示す）をとり、同方向に巻回されていることである。

（第３図参照）前記リターンの巻数と層数は画面左端に
表われる通常縦縞と呼ばれているリンギング縞１４（第
４図に示す）の状態によって決定されている。

普通垂直偏向コイルのインダクタンスが１００ｍＨ付近
のもので、１層当りのリターン数２〜３Ｔ（ターン）、
層数９〜１２層に設定すれば、リンギング縞を抑えられ
ることが実験により確められている。

しかしながらリンギング縞に対する対策はまだ満足でき
るものではなく、父、９〜１２層も巻線されたとき、巻
線ピッチが荒くなり、ミスコンバーゼンを生じる要因と
なっている。

この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、リンギ
ング縞を減少させ得、かつミスコンバーゼンスを一層軽
減するに有効な偏向ヨーク装置を提供することを目的と
するものである。

以下この発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

すなわち、第７図に示すようにこの発明の巻線パターン
は、まず第１、第２の電線１５．１６を２重にして、分
割コアにトロイダル巻きするものである。

そして、第１の電線１５の巻き終りと、第２の電線１６
の巻始めとが接続され、直列となる。

具体的には、従来０．３ψの電線１本を８００Ｔ、１０
層巻回するような偏向ヨーク装置として、本考案であれ
ば０．３ψの電線２本を同時に４００Ｔ、５層巻回し、
この２本の巻線を直列に接続するものである。

上記のように構成することにより、インダクタンス、直
流抵抗等偏向ヨークの諸特性を変化させることなく、巻
線が密になったことによりミスコンバーゼンスを軽減で
きるものである。

そして、リンギング縞も実験によって第５図、第６図に
比較するように、従来のものより低減されるものである
。

なお、第５図、第６図の測定結果は、偏向ヨーク装置の
コイルに近接させた検出用ピックアップコイルの出力を
オシロスコープによって観測するものであり、その波形
Ａ，Ｂを比較すると、本案による第６図のものがレベル
の小さいことが明らかである。

以上説明したようにこの発明は、リンギング縞を減少さ
せ得、かつミスコンパーゼンスを一層軽減するに有効な
偏向ヨーク装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はそれぞれ従来の偏向ヨーク装置の巻
線状態を示す構成説明図、第４図は画面にあらわれるリ
ンギング縞の説明図、第５図は従来の偏向ヨーク装置の
リンギング縞に対応する信号の測定結果を示す図、第６
図はこの発明による実施例において、リンギング縞に対
応する信号を測定した結果を示す図、第７図はこの発明
の一実施例の要部を説明するのに示した構成説明図であ
る。 １５…第１の電線、１６…第２の電線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 略半円筒状のコアにトロイダル巻きされるコイルを
   第１、第２の電線として２重にして巻回し、第１の電線
   の巻終りと第２の電線の巻始めとを接続して直列に形成
   したことを特徴とする偏向ヨーク装置。