JP2584699B2 - 消磁コイル - Google Patents

消磁コイル

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JP2584699B2 JP3339807A JP33980791A JP2584699B2 JP 2584699 B2 JP2584699 B2 JP 2584699B2 JP 3339807 A JP3339807 A JP 3339807A JP 33980791 A JP33980791 A JP 33980791A JP 2584699 B2 JP2584699 B2 JP 2584699B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー陰極線管受像装置
のブラウン管に装着される消磁コイルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カラー用ブラウン管内には、電子銃から
発射されるR,G,Bの3電子ビームをブラウン管前面
の各蛍光点に集束させる働きをするシャドウマスク或
はアパーチャグリルなどが配置されている。このシャド
ウマスクやアパーチャグリルは薄い鋼板で作られている
ので地磁気等の外部磁界により磁化され易く、シャドウ
マスクやアパーチャグリルが磁化されるとブラウン管の
前面に色ずれや色むらを発生して画像品質の低下をもた
してしまう
【0003】これを防止するため、カラーブラウン管の
外周壁に消磁コイルが装着されて用いられている。消
磁コイルは受像装置に電源が投入されると、消磁回路か
ら供給される電流で交番磁界を発生させ、外部磁界によ
り磁化されたシャドウマスクやアパーチャグリルの消磁
を行い受像装置の画像品質の低下するのを防止してい
る。
【0004】図4はカラーブラウン管に装着された従来
の消磁コイルの形状とその装着状態の一例を示す説明図
である。消磁コイル1の製造には、コイル導線として、
例えば導体径0.8mmのマグネットワイヤ用い
、これを常用の消磁コイル巻線機によってループ状に
所要回数巻線して断面円形状のコイル束2を形成する。
しかる後、このコイル束2の外周にPVC粘着絶縁テー
プ等の集束部材3をスパイラル状にラップ巻きする。
お、集束部材3は消磁コイル1の保護外被の役目もする
ものであり、集束部材3により集束されたコイル束2の
コイル導線の両端末部は口出しされ、それぞれリード線
5と接続される。そして、接続部を絶縁チューブとPV
C粘着テープで絶縁固定した後、リード線5をコネクタ
4に接続して消磁コイルが形成される。コネクタ4は受
像装置の消磁回路側と接続され消磁コイルに消磁電流を
供給する。このようにして形成された消磁コイル1は、
例えば図4(a)のように8の字状にした後、カラーブ
ラウン管6の外周壁に沿う形状に形成され、受像装置の
カラーブラウン管6とキャビネット7との隙間L2ある
いは図示されないが、カラーブラウン管6と回路基板,
スピーカボックスなどの周辺部品との隙間に装着され使
用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の消磁コイルは、
コイル導線をループ状に所要回数巻線し、この外周に集
束部材を施して断面円形状のコイル束に形成されもの
であった。ところで、近時受像装置のコンパクト化やデ
ザイン上の考慮などから、キャビネット前面枠の寸法を
ブラウン管画像面の寸法に出来得るだけ近づけるように
したり、或はブラウン管のファンネル部と回路基板やス
ピーカボックスなどの周辺部品との配置間隔狭めるよ
うになってきている。このため、消磁コイルの装着スペ
ース殊に消磁コイルの厚み方向で制限されるようにな
ってきている。ところが、上述したように従来の消磁コ
イルはコイル束が断面円形状であるため、消磁コイル装
着スペースの薄型化には対応難しさがあり、コイル束
の断面円形状を楕円状に形成するような対策を施すし
かなかった。
【0006】本発明は、上記問題点を解消し、消磁コイ
ルの所要部分のコイル束厚みを極めて簡便容易な手段で
薄型化可能な構造の消磁コイルを提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】絶縁被覆導線をループ状
に所要回数巻回し、このループ状の外周をテープ又はチ
ューブ状の集束部材で集束してコイル束を形成し、この
コイル束をカラーブラウン管の外周壁に沿う形状に形成
してなる消磁コイルにおいて、前記コイル束の所要部分
に少なくとも2以上に分岐する複数の分岐コイル束を形
成し、それぞれの分岐コイル束をテープ又はチューブ状
の集束部材で集束するとともに、前記複数の分岐コイル
のそれぞれを前記カラーブラウン管外周壁の所要位置
に並列状に配置し消磁コイルを構成する。
【0008】
【作用】コイル束の所望部分、少なくとも2以上に分
岐する分岐コイル束により形成され、コイル束の長手幅
方向に並列状にされることによって、分岐コイル束
部分の消磁コイルの厚み偏平化され、消磁コイル
型化れる。なお、分岐コイル束を多数束形成するほど
消磁コイルの厚みが薄型化し、消磁コイル薄型化によ
り、消磁コイル装着スペースである受像機前面のキャビ
ネット枠とブラウン管前面との間隔あるいはブラウン管
周辺部品とブラウン管外周面との間隔狭められ、受像
装置のコンパクト化が図られるほか、消磁コイルの薄型
偏平化によって消磁コイルとブラウン管との密着性が向
上し、消磁効果高まって画像品質向上す
【0009】
【実施例】以下、本発明を図1,図2,図3に沿って説
明する。図1(a),(b)は本発明の消磁コイルの実
施例を示す説明図、図2(a),(b)は消磁コイルの
受像装置への装着状態を示す説明図、図3は消磁コイル
のコイル束の構造を示す説明図である。
【0010】本発明の消磁コイルは、従来の消磁コイル
と同様常用の消磁コイル巻線機を用いて製造すること
ができるので製造上極めて有利である。図において、
イル導線9はマグネットワイヤなどの細径絶縁電線から
る。図1の(a)に示す実施例は、コイル導線9から
巻回数Nの消磁コイル1全体にわたって2つのコ
イル束に分岐さて形成たもので、例えばコイル導線
巻回数がそれぞれN/2の2つの分岐コイル束2Bと2
Cとで構成されている。また、図1(b)に示す実施例
の消磁コイルはコイル束2の一部分を3つの分岐コイル
束で形成したもので、コイル導線巻回数Nの共通コイル
束2Aと例えばコイル導線巻回数をN/3づつに順次分
岐巻線した3つの分岐コイル束2D,2E,2Fから構
成されたものである。なお、分岐コイル束2B,2C或
は2D,2E,2Fのコイル導線の巻回数は必ずしも等
分する必要はなく、消磁コイル1の使用条件に応じ各分
岐コイル束のコイル導線巻回数を適宜に分割することも
できる。また分岐コイル束形成する個所もコイル束2
の所要個所に2個所或は3個所と適宜に複数形成するこ
可能である。
【0011】図1(b)の実施例を例にして、消磁コイ
ル1の製造工程を説明する。先ず、消磁コイル巻線機の
巻き枠(図示せず)の枠径をDDに設定してコイル導線
9を巻回数N/3で巻線し仮止めテープ10で仮止めし
て分岐コイル束2Dを形成する。次に巻枠の巻径をDE
に設定し、共通コイル束2Aを共通部分にしてコイル導
線9を巻回数N/3で巻線し、仮止めテープ10で仮止
めして分岐コイル束2Eを形成する。次に、巻枠の枠径
をDFに設定し、同様にして共通コイル束2Aを共通に
して巻回数N/3でコイル導線9を巻線し、仮止めして
分岐コイル束2Fを形成する。このようにして巻線され
たコイル導線巻回数Nの共通コイル束2Aとコイル導線
巻回数N/3の分岐コイル束2D,2E,2Fのそれぞ
れを集束するが、保護外被としてPVC粘着絶縁テープ
を用いた集束部材3スパイラル状にラップ巻きる。
集束部材としては、上記PVC粘着絶縁テープのほ
か、図示しないが半割状のPVCチューブが用いられ
る。半割状チューブを用いるときはコイル束を半割状チ
ューブのスリットから挿入し、その後半割状チューブの
スリット部を固着するか又は半割状チューブの外周にP
VC粘着テープを粗巻きしてコイル束を集束する。コイ
ル導線9の両端末Sへのリード線5とコネクタ4の接続
は前述の従来の消磁コイルの例で説明したと同様である
ので説明は省略する。なお、分岐コイル束のコイル径D
D,DDE,DFは分岐コイル束2D,2E,2Fが所
定位置で並置されるよう予め設計され定められる。ま
た、図1(a)の実施例の消磁コイル1の製造はコイル
束をコイルの巻始め点から全体にわたって2コのコイル
束に分岐させ、コイル径DBの分岐コイル束2Bとコイ
ル径DCの分岐コイル束2Cとをそれぞれ形成するもの
で、図1(b)の実施例の消磁コイル径1の製造工程と
説明が重複するので詳細な説明は省くことにする。
【0012】このようにして、集束保護外被が施された
消磁コイル1は、例えば図2に図示される如くカラーラ
ウン管6の前面外周壁に沿って各分岐コイル束2D,2
E,2Fがそれぞれ所要位置に並置されるよう成形治具
により予め成形され、しかる後カラーブラウン管6に装
着される。このとき、本発明の図1(b)の実施例の消
磁コイル1では、図3(a)に図示するように分岐コイ
ル束2D,2E,2Fの並置された断面径W1は同図
(b)の従来消磁コイルのコイル断面径W2の約1/√3
に減少される。分岐コイル束のコイル導線巻回数をN/
4にして4つの分岐コイル束にすれば、分岐コイル束の
コイル断面径Wは従来消磁コイルの断面径W2の約1/
2に減少することになる。従って、本発明の消磁コイル
を用いることにより受像装置前面側のキャビネット7と
ブラウン管6との間隔L1あるいは図示されないがカラ
ーブラウン管6の周辺部品とカラーブラウン管6との間
大幅に縮小されることになる。
【0013】
【発明の効果】本発明の消磁コイルはコイル束の所要の
部分を少なくとも2以上に分岐する複数の分岐コイル束
構成、この分岐コイル束をコイル束長手幅方向に並
列状に配置したので、分岐コイル束部分の消磁コイルの
断面厚みを大幅に減少させることが可能となった。この
結果、受像装置前面のキャビネットとブラウン管前面と
の間の隙間或は、ブラウン管ファンネル部外周とブラ
ウン管の周辺部品との間の隙間を狭めた受像装置にあっ
ても、この狭い隙間に消磁コイルを容易に装着すること
が可能となる。また、複数の分岐コイル束がブラウン管
外周面に並置されるので、消磁コイルとブラウン管との
密着性が向上し画像品質の優れた画像表示装置が得られ
る。といった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の消磁コイルの実施例を示す説明図で
ある。
【図2】 本発明の消磁コイルの受像装置への装着状態
を示す説明図である。
【図3】 本発明の消磁コイルのコイル束と従来の消磁
コイルのコイル束の外径比較の説明図である。
【図4】 従来の消磁コイルの受像装置への装着状態を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 消磁コイル 2 コイル束 2A 共通コイル束 2B,2C,2D,2E,2F 分岐コイル束 3 収束部材 4 コネクタ 5 リード線 6 カラーブラウン管 7 キャビネット 9 コイル導線 DC,DD,DE,DF コイル径 L1,L2 キャビネットとブラウン管外周面との隙間 S コイル導線端末部 W1 従来消磁コイルの断面径 W2 分岐コイル束の断面径

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁被覆導線をループ状に所要回数巻回
    し、このループ状の外周をテープ又はチューブ状の集束
    部材で集束してコイル束を形成し、このコイル束をカラ
    ーブラウン管の外周壁に沿う形状に形成してなる消磁コ
    イルにおいて、前記コイル束の所要部分に少なくとも2
    以上に分岐する複数の分岐コイル束を形成し、それぞれ
    の分岐コイル束をテープ又はチューブ状の集束部材で集
    するとともに、前記複数の分岐コイル束のそれぞれ
    前記カラーブラウン管外周壁の所要位置に並列状に配置
    され るよう予め成形せしめてなることを特徴とする消磁
    コイル。
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