JPS586713B2 - 接合セラミック物品の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は接合強度を向上させた接合セラミック物品を得
る製造方法に関する。

本発明者はタービンロータのように高温で用いられる複
雑形状のセラミック物品を製造するために、物品を構成
する複数の粉末成形体を仮焼結して仮焼結体を得、これ
ら仮焼結体を互に組合せ粉末圧力伝達媒体を用いてホッ
トプレスを行ない一体的に接合してセラミック物品を成
形する製造方法を開発し先に出願した。

そしてその製造方法で得られた接合セラミック物品は、
複雑形状であっても全体を一体化でき、接合部に介在物
が存在しないとともに各部の密度が均一であるという優
れた特徴を有し、且つこの製造方法は接合法であるから
設備は簡単で、物品が工程中に破損しても不良品となら
ず、製造時間が短いなど経済上の利点がある。

本発明は前記先発明の改良であって、各仮焼結体がさら
に互に強固に接合して充分一体化された接合セラミック
製品を得るようにすることである。

以下本発明の製造方法について説明する。

本発明の接合セラミック物品の製造方法は、複数の粉末
成形体を仮焼結する仮焼結工程と、この仮焼結工程で得
られた複数の仮焼結体をプレス方向に対して傾斜した接
合面をもって互に組合せ粉末圧力伝達媒体を用いてホッ
トプレスして接合する工程とからなることを特徴とする
ものである。

本発明の接合セラミック物品の製造方法によれば、各仮
焼結体がプレス方向に対し傾斜した接合面をもって大き
な接合強度で互に接合し、充分に一体化されて接合品と
して極めて優れた特性を有する接合セラミック物品を得
ることができる。

本発明製造方法について説明を加える。

初めにたとえば窒化けい素、窒化アルミニウム、炭化け
い素などの耐熱材科粉末を原料粉末として金型成形など
の方法により粉末成形体を成形する。

粉末成形体は製造すべきセラミック物品の全体形状を所
要態様に複数分割した形状をなすもので、複数の粉末成
形体を組合せて所要の全体形をなすセラミック物品を構
成できる。

粉末成形体の段階において、互に接合するべき接合面を
ホットプレスのプレス方向に対して好ましくは４５゜ま
での範囲内で所定角度傾斜させて形成する。

次いで、複数の粉末成形体を仮焼結する。

仮焼結はホットプレス温度の９０〜９９％の温度範囲で
行ない、仮焼結体の密度を理論密度の６５％以上として
トットブレスで良好に接合できるようにすることが好ま
しい。

次いで、得られた複数の仮焼結体は傾斜した各接合面を
合わせてセラミック物品を構成するように各々組合せ、
窒化ほう素粉末などの粉末圧力伝達媒体を用いてホット
プレスを行なう。

ホットプレスにより各仮焼結体はプレス方向に対して傾
斜した各接合面が強固に接合して一体化し、接合セラミ
ック物品が成形される。

ホットプレスは１６００℃〜１８００℃程度の温度と、
２００〜６００ｋｇ／ｃｍ２程度の圧力を加えて行ない
、焼結体の密度を理論密度の９８％以上に緻密化させ高
温強度をもたせることが好ましい。

ホットプレスにおいて仮焼結体が接合面を介して互に接
合する場合の基本的な考え方について述べれば、例えば
第１図で示すように一方の仮焼結体１にはプレス方向（
図示矢印上下方向）に対して好ましくはＯＫ〈α≦４５
゜（α：接合面角度）の範囲で所定角度傾斜した接合面
１ａを形成し、他方の仮焼結体２には接合面１ａと同一
の傾斜角度をもって傾斜した接合面２ａを形成し、且つ
これら各仮焼結体１．２の各接合面１ａ，２ａを互に組
合せる。

そして、互に組合された仮焼結体１．２に対し、図示矢
印上下方向に沿ってホットプレスのパンチを作動して圧
力を加える。

各仮焼結体１，２の各接合面１ａ，２ａ同志はプレス方
向（パンチ加圧方向）に圧力が加わって互に圧縮し合い
、同時に接合面１ａ，２ａの傾斜方向に沿って摺り合い
ながら変位するので、各接合面１ａ＋２ａ表面における
接合不良となる気孔が潰されるとともに表面の粉末同志
が有機的に混り王着する状態となり、各接合面１ａ．２
ａ同志の接合が著しく促進され強固となる。

パンチ加圧により仮焼結体１，２が圧縮されるのに伴い
各接合面１ａ．２ａの接合線は加圧前に比して傾斜角度
が緩やかになるように変位し、この変位する過程で接合
面１ａ，２ａ表面の接合が進行し強固となっていく，従
って、ホットプレス紙了後に仮焼結体１．２は各接合面
１ａ．２ａが強固に接合することにより充分一体化され
る。

なお、仮焼結体の接合面同志の接合か最も強固に行なわ
れるのが、接合面の角度がプレス方向に対し４５゜まで
の角度範囲にある場合であり、故に接合面の傾斜角度を
この角度範囲に設定することが好ましい。

また、仮焼結体の接合面は第１図のように直線的且つ平
面であることには限らず、例えば第２図に示す仮焼結体
１，２の接合面１ａ．２ａを平面上および断面上で彎曲
していても良い。

本発明の製造方法では特に高温下で使用され複雑形状を
なす接合セラミック製品に対して有効であり、これら接
合セラミック製品の一例として第３図で示すタービンロ
ータがある。

このタービンロー夕はハブ部３と翼部４とを分割接合し
て一体化されたもので、このハブ部３と翼部４とはｆ側
に向けて拡大傾斜するようにプレス方向に対し所定角度
傾斜した接合面３ａ，４ａをもって互に接合している。

故にハブ部３と翼部４とは強固に接合して充分一体化さ
れ、高温下での使用に耐えることができる。

実施例 接合セラミックタービンロータを製造するために、窒化
けい素、イツｌＪア、アルミナの混合粉末を原料粉末と
して金型によりハブを成形し、射出成形により翼を成形
する。

これらハブと翼の粉末成形体を窒化アルミニウム粉末中
で１７００℃〜１７５０℃で３０分〜２４０分間仮焼結
した。

次いで、これらハブと翼の仮焼結体を互に組合せて、カ
ーボンモールド中にて窒化ほう素粉末を圧力伝達媒体と
して１７８０℃で１５０分間３５０ｋｇ／ｃｍ２の王力
を加えてホットプレスしてタービンロータを成形した。

この製造工程において、ハブと翼を傾斜角度３０゜を有
する接合面をもって接合したタービンロータ（試料１）
、ハブと翼をプレス方向に対し平行な接合面をもって接
合したタービンロータ（試料２）、ハブと翼をプレス方
向に対し直角な接合面をもって接合したタービンロータ
（試料３）を各々製造し、これら各タービンロータ（試
料１〜３）に対し抗折試験を行なった。

この結果試料ｌの抗折強度は１２５ｋｇ／ｘｉ２、試料
２の抗折強度は９５ｋ９／ｍｍ２、試料３の抗折強度は
８７ｋｇ／ｍｍ２であった。

（いずれも２５℃の場合）、従って本発明の製造方法に
より製造されたタービンロータは極めて強固に接合され
ていることが明らかである。

本発明の接合セラミック物品の製造方法は以上説明した
ように、複数の仮焼結体を粉末圧力伝達媒体を用いたホ
ットプレスにより一体的に接合する方法であって、これ
ら仮焼結体をプレス方向に対して傾斜した接合面をもっ
て組合せてホットプレスを行なうようにしたので、極め
て強固に接合して充分一体化された接合セラミック製品
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は各々本発明製造方法により仮焼結
体を接合する場合の基本的説明図、第３図は本発明製造
方法により製造されたタービンロータを示す断面図であ
る。 １．２・・・・・・仮焼結体、ｌａ，２ａ・・・・・・
接合面、３・・・・・・ハブ部、４・・・・・・翼部、
３ａ，４ａ・・・・・・接合面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の粉末成形体を仮焼結する仮焼結工程と、この
   仮焼結工程で得られた複数の仮焼結体をプレス方向に対
   して傾斜した接合面をもって互に組合わせ粉末圧力伝達
   媒体を用いてホットプレスして接合する工程とからなる
   ことを特徴とする接合セラミック物品の製造方法。