JPS586502Y2 - 破砕機のプラウグリル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２軸剪断型破砕機において、破砕された被処理
物を刃軸組から掻き落としてこれを自動的に選別するプ
ラウダリルに関するものである。

一般に２軸剪断型破砕機は第１図ａにその平面図を、同
図すにその正面図を示したような破砕機構を有している
。

水平に設けられた２本の刃軸１゜２上に、回転刃３，３
．３・・・・・・とスペーサ４，４．４・・・・・・と
が交互に嵌着されて、２組の刃軸組５，６が形成されて
いる。

これらの刃軸組は互いにその回転刃３゜３．３を相手側
刃軸組の回転刃と回転刃との間に挿入した姿勢となるよ
うに支承されている。

この２軸剪断型破砕機で物体を破砕するには、第２図ａ
に示す如く、２組の刃軸組５，６をそれぞれ矢印Ａ、Ｂ
方向に回転せしめつつ、矢印Ｃ方向に被処理物を投入す
る。

投入された物体は回転刃と回転刃との間７に挾まれて剪
断され、矢印り方向と矢印Ｅ方向とに分かれて降下する
。

２軸剪断型破砕機の剪断機構は概ね以上の如くで、被処
理物が簡単な場合はこれだけの構成で実用機能を発揮す
る、被処理物がシート状、紐状又は長い枝状の物体など
を含んでいてこれを短かい片状に破砕しなければならな
い場合や、被処理物が粘着性の物体を含んでいるような
場合は、次の如きプラウダリル８が設けられる。

このプラウダリル８は、第２図すにその平面図を示す如
く、円筒面状の反りを有する２枚の櫛形の鋼板９，１０
がその先端を交差して組み合わされており、そのＹ−Ｙ
断面が第２図ａに表わされている。

上記櫛形の鋼板９，１０はそれぞれリブ１１，１２を固
着して補強され、このリブはカッタボックス１３に固設
された梁１４．１４に固着されて支承されている。

このようなプラウダリル８が設けられていると、剪断さ
れて刃軸組に粘着した被処理物が前記櫛形の鋼板９，１
０の先端で掻き落とされ、矢印Ｆ、又はＧ方向に押し動
かされて再度刃軸組５，６の上方へ送られる。

このようにして数回剪断を繰返されて細片となった被処
理物はプラウダリル８の空隙部１５゜１５・・・・・・
から落下する。

上述の如きプラウダリル８を備えた破砕機によって被処
理物を破砕するとき櫛形鋼板９，１０の先端に大きい荷
重を受ける場合が゛しばしばあり、鉄部が変形を生じ易
い、変形を生じると既述の如きプラウダリルとしての機
能を果たせなくなるので被処理物の破砕粒度や処理速度
が不安定となりまたスペーサに巻きついた物体が離れな
くなって操業中断、清掃のやむなきに至る場合も少なく
ない。

大きい荷重がかかる原因は主として次の如くである。

ｉ ビニールシートなどのように、剪断され難く、柔軟
でかつ強靭な物体がスペーサ４の周囲に巻きついた際、
プラウダリルの櫛形鋼板先端がこれを掻き落とそうとし
てもなかなか取れず、却って櫛形鋼板の先端が刃軸組の
回転力によって押し曲げ力を受ける。

ｉｉ 上記１１１の状態でビニールシート等の間に硬
い物体が巻きこまれると、くさび作用によって櫛形鋼板
９，１０の先端にかかる力が更に大きくなる。

ｉｉｉ 硬い物体の粗い破砕片が回転刃３の刃先とプ
ラウダリル８との間に食い込んだ形に挾まれた場合、プ
ラウダリル８の先端部は刃軸組の回転力によって押し曲
げ力を受ける。

以上の理由によって、プラウダリルが大きい力を受けた
場合、在来構造のプラウダリルの如く鋼板をリブ１１，
１２で補強した方式の構造では変形を防ぎきれず、この
部分の変形によって破砕機全体としての機能が低下する
のみでなく破砕機としての信頼性をも著しく低下させる
。

本考案は以上の事情に鑑みて為されプラウダリルの構造
に関する既成概念から脱却して大きい外力を受けても容
易に変形しない。

かつ製作上も簡明容易で而も従来型のプラウダリルを設
けていた空間内に設置することができる強固なプラウダ
リル構造を創作し破砕装置全体の機能の維持並びに信頼
性を向上させることを目的とする。

この目的を遠戚するため、本考案においては、破砕され
た物体を誘導する面を備えた強固なビームを設け、この
ビームに対して強固なスクレーパおよび垂直板状のグリ
ル板を固着して、これらのビーム、スクレーパ及びグリ
ル板によって頑丈な一体的構造物を形成することを特徴
とする。

次に本考案の一実施例を、主として第３図及び第４図に
基づき、第５図及び第６図は補足的に参照して説明する
。

第３図において、第２図と同じ図面参照番号を附したス
ペーサ４、刃軸組５，６、およびカッタボックス１３は
既述の在来装置と同等の部材である。

左方軸組５と有刃軸組６との中央下方にこれらと平行に
ビーム１６が設けられ、このビームの頂部は左斜面１７
と右斜面１８とが左右対称に屋根形をなしている。

本実施例においては上記斜面１７．１８がそれぞれ平面
であるが、これらの円筒面又はこれに類する曲面であっ
てもよい。

この左斜面１７上に複数個の角（つの）状の左スクレー
パ１９ ａ 、１９ ｂ 、１９ Ｃ・・・・・・が溶
接されている。

これら左スクレーパの先端は左方軸組５の各スペーサ４
に対し適宜の間隔Ｓを保って対向するようになっている
。

そして、この左スクレーパの右側面２０は、ビーム１７
の右斜面１８に対してなめらかに連続する形状に作られ
ている。

これら複数個の左スクレーパ１９ ａ 、１９ｂ 、１
９ Ｃ・・・・・・はビーム１６の左斜面１７上に等間
隔に配設され、左方軸組５を構成している回転刃３，３
．３の間に位置してスペーサ４，４．４に対向しており
、そのＸ−Ｘ断面は第５図の如くである。

前記左スクレーパ１９ ａ 、 １９ ｂ 、 １９
Ｃ、、、、，４：対し、ビーム１６の右斜面１８を介し
て対向する位置に複数個の右グリル板２２ ａ 、２２
ｂ 、２２ Ｃ・・・・・・が板面を垂直にした姿勢
で、ビーム１６の右側面２１に溶接されている。

この右グリル板の頂面２３は前記ビームの右斜面１８に
対してなめらかに連続する形状になっている。

このようにして左スクレーパの右側面２０と、ビームの
右斜面１８と、右グリル板の頂面２３とはなめらかに接
続して、有刃軸組６の回転刃３の刃先円２４に対応する
一連の曲面をなしている。

ビーム１６の左斜面１７と対称をなす右斜面１８の上に
は、前記左スクレーパと対称形の右スクレーパ２５ ａ
、２５ ｂ 、２５ Ｃ・・・・・・が設けられ、前
記ビームの左側面には前記右グリル板と対称形の左グリ
ル板２６ ａ 、２６ ｂ 、２６ Ｃ・・・・・・が
設けられ、左方軸組５の刃先円に対向する一連の曲面を
有するごとく一体連設されている。

第６図は上述のプラウグリルの斜視図である。

以上述べたように、左右の屋根形斜面１７．１８を有す
るビーム１６と、この斜面上に列設固着された左右のス
クレーパと、前記ビーム１６の両側に固着された左右の
グリル板とが、強固な一体構造のプラウグリルアツセン
ブリを形成している。

なお、本実施例においては、第３図に示すごとく、上記
一体的構造をなしたプラウダリルアツセンフ゛りにフ゛
ラケット２７，２７．２７が設けられ、カッタボックス
１３に固設されたフ゛ラケット２８．２８．２８に対し
調整用シム２９．２９．２９を介してボルトナツトで上
下方向に調節可能なごとく取りつけられている。

また、本実施例においては、第３図及び第４図に示すご
とく、右グリル板２２ ａ 、２２ ｂ 、２２ Ｃ・
・・・・・及び左グリル板２６ ａ 、２６ ｂ 、２
６ Ｃ・・・・・・に対してそれぞれその両側面に、こ
れら左右のグリル板の頂面２３と概ね同形の頂面３２を
有する調整板３０．３０．３０および同３１．３１．３
１がボルトナツトによって着脱自在に取りつけられてい
る。

本考案は以上の如き構成よりなり、ビームと、ビームに
固着された複数個のスクレーパと、ビームに固着された
複数個のグリル板とが強固な一体的構造のプラウグリル
アツセンブリを形成しているので、被処理物を掻き落と
したり誘導したりする際被処理物を介して刃軸組の回転
力を象っても変形破損し難く、プラウグリルとしての機
能を長時間維持し、ひいては破砕装置全体の信頼性と耐
久性を向上させるという効果がある。

また、前述の実施例に於ては前記一体構造物のブラウグ
リルアツセンフ゛りがカッタボックスに対して上下方向
に自由に調節し得るようになっているので、スクレーパ
先端とスペーサとの間隔、およびグリルと回転刃の刃先
円との間隔を自由に調整することができる。

これにより上記グリル板間間隔を被処理物の物理的性状
に応じて最適の寸法に調整して破砕作業を行い得るとい
う効果がある。

また、本実施例に於ては、グリルの両側面にこれと概ね
同形の頂面を有する調整板が着脱自在に取りつけられる
ようになっているので、この調整板の着脱、又は厚さの
異なる調整板との交換によって各グリル板間の間隔容易
に調節し得る。

時間をかけても良いから細かく破砕したい時はグリル間
隔を狭め、また粗くても良いから早く処理したい時はグ
リル間隔を拡げるように調整することによって、処理速
度と破砕粒度との関係を自在に制御し得るという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来一般に用いられている２軸剪断型破砕機の
一部断面図、第２図は従来一般に用いられているプラウ
グリルを備えた２軸剪断型破砕機の断面図、第３図は本
考案の一実施例を示す断面図、第４図は同じく平面図、
第５図は第３図における断面Ｘ−Ｘ視図、第６図は本考
案の一実施例におけるプラウグリルの要部斜視図である
。 １６・・・・・・ビーム、１７・・・・・・ビームの左
斜面、１８・・・・・・ビームの右斜面、１９ ａ 、
１９ ｂ 、１９ Ｃ〜・・・・・・左スクレーパ、２
０・・・・・・左スクレーパの右斜面、２１・・・・・
・ビームの右側面、２２ ａ 、２２ ｂ 、２２ Ｃ
・・・・・・右グリル板、２３・・・・・・右グリル板
の頂面、２４・・・・・・回転刃の刃先円、２５ ａ
、２５ ｂ 、２５ Ｃ−−−−・・・右スクレーパ、
２６ ａ 、２６ｂ、２６Ｃ〜・・・・・・左グリル板
、２７．２８・・・・・・ブラケット、２９・・・・・
・調整シム、３０．３１・・・・・・調整板、３２・・
・・・・調整板の頂面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．刃軸上に回転刃とスペーサとを交互に連設してなる
   刃軸組２組を水平に設けて、相互に回転刃を相手側刃軸
   組の回転刃と回転刃との間に挿入する如く組み合わせて
   なる２軸剪断型破砕機において、上記２組の刃軸組の中
   央下方に水平に設けられた屋根形の２斜面を有するビー
   ムと、このビームの２斜面上にそれぞれ固設された複数
   個のスクレーパと、前記ビームの両側に固設された複数
   個のグリル板とが一体的構造物を形成し、かつ前記スク
   レーパの側面と、ビームの斜面と、グリル板の頂面とが
   前記回転刃の刃先円に対向する一連の曲面をなすことを
   特徴とする破砕機のプラウダリル。 ２、前記ビームと、これに固設されたスクレーパ及びグ
   リル板とよりなる一体構造物を、前記刃軸組を支承して
   いるカッタボックスに対して上下方向に調節自在なる如
   く取りつけたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の破砕機プラウダリル。 ３、前記グリル板の側面に、該グリル板の頂面とおおむ
   ね同形の頂面を有する調整板を着脱自在なる如く設けた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の破砕機プラウダリル。