JPS5853924B2 - 高粘度液体の脱ガス方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、遠心分離による、極めて粘性の高い液体の脱
ガス処理に関わる。

脱ガス処理を施すべき液体は遠心分離容器に導かれ、液
体はこの中を薄い層の形で流動する一方、ガスは逃散す
る。

公知技術 この種タイプのいくつかの装置は既に存在する。

雑誌”Ｃｈｅｍｉｅ Ｉｎｇｅｎｉｅｕｒ Ｔｅｃｈｎ
ｉｋ”（化学技師の技術）、１９７２年刊、４９７７５
０３ページには、脱ガス処理を施すべき液体が薄い層の
形で、ベルの形を有するロータの内側に導入され、ロー
タの上に向いた口部から上部に液体が移動するようにし
て処理される例が示されている。

液体層内側面に生成する発泡層は、ロータの上側端にお
ける脱ガス液体層から、回転する指向性刃により分離さ
れる。

これら公知装置は、しかしながら脱ガス処理を施すべき
液体の粘度が極めて太きいか、或いは脱ガス処理に対す
る要求度が高い場合、その効果が十分ではない。

またオイルやミルクから、これらより重いか或いは軽い
不純物を除くための遠心分離装置も知られている。

このような装置はいくつもの作用を行い、その容器はド
ラムから形成され、液体は回転軸心から囲繞体の方向に
配置された順次する室を通過する。

この際には液体は、ドラムの端部壁を構成する二つの側
面プレートに交互に固定された円筒状共軸スカートに沿
いジグザグ流動を行う。

液体の除去は回転ジヨイントにより行われるが、ドラム
もまた固定囲繞体中に封入されており、不純物は壁に沈
着し、装置をとりはずすことによってこれら不純物は除
去されるのである。

最後に、容器が、囲繞体のカバーに固定されたいくつか
の補完スカートの間に重ねられた連続するスカートを支
承するプレートからなる公知遠心分離機もある。

これは温度調整部材を具備するため異なる温度を適用し
てもよい。

このような装置は、好ましい程度の還流を行わせるため
に軸線から適当な距離のところへ導入される液体の蒸留
のために、特に使用される。

これらは比較的大形となり製造が複雑であるという難点
を有し、また粘性ある液体の脱ガスのためには使用しえ
ない。

これは、このような液体をドラムのスカートから固定ス
カートに噴射した場合、可動部材にまで戻ってくる前、
液体は遠心分離の各段階で固定スカートに沿い流れる速
度があまりにも遅いからである。

発明の詳細な説明 本発明の目的は、比較的エネルギーの消費量が少く、難
しい条件下においても公知装置よりもはるかに効率的に
液体の脱ガスをなしうる装置及びその方法に関わる。

本発明によれば、良好な脱ガス効率を達しうるために遠
心分離機の囲繞体を減圧下（理想的には真空）にあるよ
うになし；遠心分離容器は、同軸の円筒状壁体からなる
スカートが互い違いの開口を形成するように配置される
ことにより順次するいくつかの室を有し；すべでのスカ
ートは一つのドラムもしくは前記容器の部分を構成して
おり；前記ドラムは二つのベアリングの間にとりつけら
れ、更に中空シャフトを有し、この中空シャフトを通っ
て液体が板状物（プレート）からなる分散器に向かって
流入しうるようにしている。

前記プレートは、第−室（内側室）の上方端部壁に隣接
して配置されている。

ある場合には、回転ドラムには二つの共軸スカートのみ
を有するようにしてもよく、効率を高めるため、一つの
スカートに他のスカートを収納する形にして、スカート
の数を増すことは容易にできる。

本発明の好ましい実施態様において、外側ケーシングは
ドラムの両端壁を接続させる役割をなす。

本発明による好ましい構造は次の通りである：外側ケー
シングが二つの両端壁に固定されており、一つのスカー
トから次のスカートへの液体の流動のための開口は、ス
カートが前記両端壁のそれぞれに交互して固定されるこ
とにより形成し、それにより円形スリットが前記固定さ
れてない方のスカート端部と端壁との間に形成される。

回転ドラムの縦方向構成については、上側端部壁に隣接
する第−室の内側に分散器プレートを配置し、プレート
がドラム組体と同一体的に回転するようになし、プレー
トは液体をドラム内部へ分散させる役割をなす。

極めて粘度の高い液体については、脱ガス処理を高温で
行うのが有利である。

このため、本発明の別の特徴として、回転ドラムを収容
する囲繞体は加熱しうるようにしている。

好ましい実施態様の説明 次に本発明を、その好ましい実施態様につき添付図面と
関連しつつ説明する。

遠心機の回転ドラムの基本構造については第１図に断面
が示されている。

ドラムは、ドラム底部を形成する端壁１、底部１及び上
側端壁３と接続しており外側囲繞体を形成するケーシン
グ２、ドラムの内側に配置され、底壁１と上壁３（上壁
３自体はねじ１０により外側ケーシング２に固定されて
いる）に交互に固定されているいくつかの共軸円筒状ス
カート４〜９、からなる。

ドラムは、上側端壁３に固定された中空シャフト１１、
及び下側端壁１に固定されたシャフト１２により二つの
ベアリング上にとりつけられており、該ドラムはシャフ
ト１２により駆動される。

脱ガス処理を施されるべき液体は、中空シャフト１１を
経て、分配プレート１３に導かれる。

分配プレート１３もまた回動する。

遠心分離力の作用により導入された液体は内側スカート
４に層の形となって押しつけられる。

端部プレート３に上端が固定されているスカート４は、
ドラムの内側部分の高さよりも僅かに短い。

従ってスカート４と下側壁１との間にはスリットが形成
されており、ここを通過して液体は矢印で示した方向に
流れ、次いで次のスカート５に押しつけられる。

スチールからなるこのスカート５は底壁１に固定されて
おり、その頂部と上側壁３との間には間隙があり、液体
はここを通過して次のスカート６に流れ、以下順次この
ように流れる。

従ってドラム中の共軸ケーシングの数だけ上記の如きプ
ロセスを繰り返す。

スカート５〜９は、例えば溶接により端壁に固定されて
いてもよく、或いはこれら上下端壁に溝を設けその溝に
挿入することにより固定してもよい。

しかしこの場合には、別端側の端壁と係合するスペース
部材１６を用いて間隙の形成が保障されることが必要で
ある。

更に、夫々のスカートにスペーサ１７を設け、これによ
りスカートが相互に隔てられるようにするのがよい。

このように形成されたドラムは、クリーニングのため容
易にとりはずすことかで′きる。

外側ケーシング２には、下端壁１の周囲にわたっていく
つかの孔１８が分散して設けられており、脱ガス処理を
施した液体はこれらの孔からドラムの外側へ放出される
。

端壁１及び３にはいくつかの孔１９が設けられており、
ガス及び蒸気はこれらを通ってドラムの外へ出ル。

分散プレート１３から内側スカート４の表面に向かう液
体は、遠心力による圧力の作用によりケーシング中の次
のスカートに移動し、順次流れる毎にそれぞれのスカー
ト上の層の厚さが薄くなる。

第２図は、液体に連続的に脱ガス処理を施すための装置
を示す。

装置の中央部には以上の如きドラム４２が設けられてお
り、このドラムは、二つの端壁３２，３３、ケーシング
３４、スリット３６により端壁３３と分離している内側
スカート３５を有する二つのスカートを具備する。

ケーシング３４の上側には周縁部に分散した孔３７を有
し、これより液体はドラムから放出されて囲繞体３８の
内側壁にあたる。

液体はこの壁を矢印の方向に流動し、装置のタンク３９
を形成する部分にたまる。

かくの如く脱ガス処理を施した液体はこのタンクから、
調整バルブ４１を経てダクト４０より導出される。

壁３８の周囲には、これと間隔をおいてジャケットを形
成するケーシング４３が設けられている。

ジャケットの内側の間隙４４には加熱液体が流れるよう
にする。

ダクト４５は加熱液体を供給するために用いられ、ダク
ト４６はこの液体を排出するために用いられる。

この加熱囲繞体中を回転するドラムは中空シャフト４７
を有し、前記シャフト４７は上側ベアリングにとりつけ
られ、その下側部分はモーター４９のシャフト４８にレ
ストしている。

図面に示した実施例の場合、モーター４９は、その速度
を連続的に調整しうる空気タービンである。

タービンに必要な圧縮空気はダクト５０から供給され、
ダクト５１から排出される。

また他の適当な駆動手段が用いられてもよく、例えば、
回転ドラムが、回転電界を形成する固定子内部の短絡回
転子を形成するようにしてもよい。

脱ガス処理を施されるべき液体は、分散プレート５３上
の中空シャフト４７に連続的に導入される。

導入はバルブ５４により調整される。

ダクト５５は真空ポンプと接続するようにして、装置全
体が真空の影響をうけるようになし、液体から引きださ
れたガス及び蒸気がこのダクトを経て吸い出されるよう
にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による遠心脱ガス装置に使用する回転ド
ラムの横断面図；第２図は本発明の別の実施例による脱
ガス装置の全体図である。 図中、番号１は下端壁（ドラム底部）、２はケーシング
、３は上端壁（ドラム頂部）、４〜９はスカート（環状
体）、１１は中空シャフト又は中空ダクト、１２はシャ
フト、１３は分散プレート、１８は脱ガス処理を施した
液体の導出口、１９はガ゛スの排出口である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部ガス圧を減じた囲繞体中の遠心容器の内部にダ
   クトを介して高粘度液体を導入し、該容器を該ダクトを
   貫通する軸の周りに回転させ、そして前記囲繞体から高
   粘度液体を排出する工程を含んでいる高粘度液体の脱ガ
   ス方法であって、前記容器に導入された高粘度液体は該
   容器の頂部および底部に交互に固定した複数の同軸円筒
   状壁体の内側壁面によって形成される容器の内側から外
   側へ向かうジグザグの流路に沿って移動させ、前記容器
   へ導入する高粘度液体は該容器内に前記回転軸横断方向
   に配置された板状物からなる液体分配手段で前記円筒状
   壁体の最も内側の壁体に向けて分配し、前記容器中で高
   粘度液体から除去されるガスは該容器の底部および頂部
   に設けた開口から逃散させる方法。 ２ 内部のガス圧力を減するための排気手段を具備した
   囲繞体、該囲繞体中の遠心容器、該容器を軸回転させる
   モータ一手段、前記容器中に高粘度液体を導入する前記
   回転軸上のダクト、および前記囲繞体から高粘度液体を
   排出する排出手段を含んで成る高粘度液体の脱ガス装置
   であって、前記容器は複数の同軸円筒状壁体を該容器の
   頂部および底部に交互に固定してそれらの内側表面によ
   って容器の内側から外側へ向かうジグザグの高粘度液体
   流路が形成され、前記ダクトを介して前記容器中に入る
   高粘度液体を前記円筒状壁体の最も内側の壁面に定けて
   分配させるために前記容器内部に前記回転軸横断方向の
   板状物からなる分配手段が配置され、かつ前記容器の底
   部および頂部に高粘度液体から除去されるガスの逃散口
   が設けられて成る装置。