JPS5853836Y2 - 圧電発音体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は取付構造の簡単な圧電発音体を提供することを
目的とする。

従来のこの種の圧電発音体は、第１図イ２口及び第２図
に示すように電極１′が設けられた円板形の圧電磁器１
を金属製振動板２に同心円状に接着し、これをケース３
内に周縁を固定して構成している。

このような構成よりなる圧電発音体では、周縁を均一に
固定しなげれば音圧が不安定になったり、音波の周波数
成分が複雑になり、いわゆるにごった音を発生させる原
因となる欠点を有している。

これを除くため中央部分を固定しようとする場合、スポ
ット溶接等の方法が採れず、ハンダ付や接着剤によらな
ければならず工程が複雑になり、生産性に難点があった
。

第３図に周縁固定の圧電発音体振動系の動作原理を示し
ており、波線は振動モードを表わしている。

また、図において３′はケース３の開口部分、３“及び
３“′はケース３の前面空間と背面空間、４及び４′は
リード線、５は入力信号源、６及び６′は固定点である
。

本考案は上述のような従来の欠点を除き、簡単な構造で
生産性に富む圧電発音体を提供しようとするものである
。

第４図イ２口及び第５図は本考案の一実施例を上記と同
一箇所には同一番号を付して示す。

圧電磁器１はその中央に穴１′′があり、金属振動板２
と接着した状態では穴１“の部分で該金属振動板２が露
出している。

固定を兼ねた電極端子４“が金属振動板２の中央に取付
けられており、この電極端子４“でもって上記圧電磁器
１を接着した金属振動板２はケース３内に周縁部分を自
由端として固定されている。

第６図は中央固定の圧電発音体振動系の動作原理を示し
、波線は振動モードを表わしている。

電極端子４“はスポット溶接等により金属振動板２に溶
接することができ、またこの電極端子４Ｎが固定部分を
兼ねることができ、中央固定の振動系（圧電磁器１と金
属振動板２との複合体を意味する）を高い信頼性で生産
性良く構成できる。

また、リード線４′を省略してもよく構造を簡単にする
ことができる。

さらに、周縁部分を固定しないためにケース３内の背面
空間３″′も呼吸音として発生する有効空間となり、音
圧を上げる効果も得られる。

以上のように本考案の圧電発音体は極めて簡単な構造で
信頼性、生産性の高い圧電発音体が構成でき、工業的価
値は非常に高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図イ２口は従来の圧電発音体の振動系の基本構造を
示す下面図並びに断面図、第２図は従来の圧電発音体の
基本構造を示す断面図、第３図は周縁固定の圧電発音体
振動系の動作原理図、第４図イ２口は本考案の圧電発音
体の振動系の基本構造を示す下面図並びに断面図、第５
図は本考案の圧電発音体の一実施例を示す断面図、第６
図は中央固定の圧電発音体振動系の動作原理図である。 １・・・圧電磁器、１“・・・穴、２・・・金属振動板
、３・・・ケース、４“・・・電極端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に穴を有する圧電磁器を金属振動板に同心円状に接
   着し、上記金属振動板の中央に上記穴を通して溶接等に
   より電極端子を取付け、この電極端子でもって上記圧電
   磁器を接着した上記金属振動板をその周縁部分を自由端
   としてケース内に固定してなる圧電発音体。