JPS5853662B2 - 難燃性ポリオレフイン組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は難燃性にすぐれ、かつ燃焼時における腐食性ガ
スの発生がほとんどない難燃性ポリオレフィン組成物に
関する。

従来、電線・ケーブルをはじめ電器製品の絶縁材料とし
て多用されているポリオレフィン組成物に難燃性を付与
するためには、ポリオレフィンにハロゲン化合物と三酸
化アンチモンを添加することにより達成されていた。

しかるにこれらの組成物に充分な難燃性を与えるために
は、前記難燃剤を多量に配合する必要があり、その結果
、機械的特性が低下するという難点があった。

又ハロゲン化合物は燃焼時にハロゲン化ガスを発生する
ので、人体に有害であり、かつ金属が腐食されるので好
ましくなかった。

本発明は上記難点を解消するためなされたもので、ポリ
オレフィンに、オルガノポリシロキサンと、有機錫塩、
有機バリウム塩、リンから選ばれた少なくとも１種を配
合して、腐食性ガスの発生。

機械的特性の低下およびドリップ現象のない、すぐれた
難燃性を有するポリオレフィン組成物を提供しようとす
るものである。

本発明に使用するポリオレフィンとしては、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、ポリプロピレン等がある。

これらは単独で使用しても良く、ポリエチレンとエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体とのブレンドのように併用して
も良い。

本発明に使用するオルガノポリシロキサンとしては、２
５℃での溶融粘度が１０万センチポイズ以上のジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが適切
であり、このようなものにＫＦ−９６（信越化学社製ジ
メチルポリシロキサンの商品名）がある。

本発明に使用する、錫又はバリウムの有機酸塩としては
ステアリン酸銀、ラウリル酸銀、マレイン酸銀、ブチル
錫マレート、ジブチル錫ラウレート、ステアリン酸バリ
ウム、ラウリル酸バリウム等がある。

これらは併用しても良い。又酸化錫、リン酸銀等も使用
できる。

上記金属塩以外に、亜鉛、クロム、モリブデン、ニッケ
ル、鉄等の有機酸塩や、単一の金属でなくバリウム−錫
の複合脂肪酸塩（例えばＲＵＰ−７、アデカアーガス社
製商品名）等の複合塩も使用できる。

本発明の組成物にはヒユームドシリカおよび／又はカー
ボンブラックの微粉末を添加すると、さらに耐熱性、ド
リップ性が改良される。

ヒユームドシリカは米国特許第２８８８４２４号に記載
された形態のシリカで、Ｃａｂ０５１１ＭＳ７”（米国
キャボット社製商品名）、”エロージル”（日本アエロ
ジル社製商品名）がある。

カーボンブラックは、耐候性カーボンとして良く知られ
ている粒子径細かく吸油量の多いものが良く、ジースト
＃１１６（東海電極社製ファーネスブラックの商品名）
等が適切である。

本発明に使用する酸化防止剤としては、汎用のアンテー
ジクリスタル（川口化学社製４，４′−チオビス−（６
−タードブチル−扉−クレゾール）の商品名）やノンフ
レックスＲＤ（入内新興社製重合１，２−ジヒドロ−２
，２，４−トリメチルキノリンの商品名）がある。

本発明においては、上述の配合成分の配合量は、ポリオ
レフィン１００重量部に対して、オルガノポリシロキサ
ンの場合は３〜１０重量部、有機錫塩、有機バリウム塩
、リンの場合は１〜１５重量部、ヒユームドシリカ、カ
ーボンブラックの場合は１〜５重量部が適切で、この範
囲をはずれると機械的特性、難燃性等をすべて満足する
ものが得られない。

本発明の組成物には繊維長が０．５〜３朋の、カイノー
ル（日本カイノール社製フェノール繊維の商品名）やカ
ーボン繊維等の難燃繊維をポリオレフィン１００重量部
に対して０．１〜５重量部添加してドリップ性を高める
事ができる。

又メラミン樹脂、フェノール樹脂等の、燃焼して炭化層
を形成する熱硬化性樹脂を配合しても良い。

これらの配合以外に、水酸化アルミニウム、アルミナ等
の無機質充填剤やステアリン酸、低分子量のシリコンオ
イル等の滑剤を添加しても良い。

本発明の組成物は難燃剤の付与なしに高いレベルの難燃
性を有するが補助難燃剤として、リン酸化合物、はう酸
化合物、三酸化アンチモン、臭素系難燃剤を添加する事
ができる。

これらの組成物は、バンバリーミキサ−等の通常の方法
により混練さ、れて、押出被覆あるいはプレス成形され
て使用に供される。

本発明の組成物は、ジ−α−クミルパーオキシド等の有
機過酸化物により架橋しても良く、その際トリメチロー
ルプロパントリメタクリレートやトリアリルシアヌレー
ト等の架橋促進剤を併用するのが望ましい。

これらの組成物は化学架橋以外に放射線照射により架橋
しても良い。

次に実施例について説明する。

実施例 １〜８ 第１表の組成物をロールで混練しプレス成形して３１１
Ｌｍ厚のシートを得た。

得られたシートについてＪＩＳ Ｋ７２０１に準じ酸
素指数を求めた。

測定結果を同表に示す。

又燃焼時のドリップの有無も合せて同表に示す。

実施例 ９〜１１ 第２表の組成物について同様に酸素指数、燃焼時のドリ
ップの有無を測定した。

結果を同表に示す。

又比較として金属塩を含有しない組成物およびオルガノ
ポリシロキサンを含有しない組成物についての結果も示
した。

なお有機過酸化物を含むものはシート作成後１７００Ｃ
Ｘ２０分で架橋し測定に供した。

以上の実施例から明らかなように本発明の組成物は、ハ
ロゲン系難燃剤を使用していないので腐食性ガスの発生
がなく、かつドリップ現象のない優れた難燃性を有して
いる。

本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は電線、ケーブル
等のシース、絶縁材料として特に有用な材料である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １（ａ）ポリオレフィン １００部（ｂ）
   オルガノポリシロキサン ３〜１０部（ｃ）
   有機錫塩、有機バリウム 塩、リンから選ばれた１種 又は２種以上 １〜１５部を含有す
   る難燃性ポリオレフィン組成物。 ２ ポリオレフィンがポリエチレンおよび／又はエチレ
   ンの共重合体である特許請求の範囲第１項記載の難燃性
   ポリオレフィン組成物。 ３（ａ）ポリオレフィン １００部（ｂ
   ） オルガノポリシロキサン ３〜１０部（ｃ
   ） 有機錫塩、有機バリウム塩、リンから選ばれた１
   種又は２種以上 １〜１５部（ｄ） ヒユームドシ
   リカおよび／ 又はカーボンブラック １〜１０部（ｅ）
   酸化防止剤 １〜５部を含有す
   る難燃性ポリオレフィン組成物。 ４ ポリオレフィンがポリエチレンおよび／又はエチレ
   ンの共重合体である特許請求の範囲第３項記載の難燃性
   ポリオレフィン組成物。 ５（ａ）ポリオレフィン １００部（ｂ）
   オルガノポリシロキサン ３〜１０部（ｃ）
   有機錫塩、有機バリウム塩、リンから選ばれた１種
   又は２種以上 １〜１５部（ｄ） ヒユームドシリカ
   および／ 又はカーボンブラック １〜１０部（ｅ）
   酸化防止剤 １〜５部（ｆ）
   有機過酸化物 １〜５部を含有す
   る硬化生成物から成る難燃性架橋ポリオレフィン組成物
   。 ６ ポリオレフィンがポリエチレンおよび／又はエチレ
   ンの共重合体である特許請求の範囲第５項記載の難燃性
   架橋ポリオレフィン組成物。