JPS5853263Y2 - 振動吸収式ステアリングコラム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両の振動吸収式ステアリングコラムに関する
ものである。

普通の操向装置はコラムシャフトの先端に一体に構成し
たボールねじ装置と、このボールねじ軸に螺合するナツ
トのラックと噛合う出力歯車とを収容している歯車箱が
車体側に固定され、この歯車箱から運転室内へコラム管
体が突出され、前記ボールねじ軸と一体のコラムシャフ
トが前記コラム管体の内部に挿通され、この先端にバン
ドルホイールが取付けられている。

コラムシャフトは歯車箱に軸受をもって回転可能に支持
されると共に、先端側において前記コラム管体にコラム
ブツシュを介して支持されているだけである。

従って、エンジンの振動や走行中のタイヤなどの振動が
車体から前記歯車箱に伝わり、さらにコラムシャフトを
経てバンドルホイールに伝達されるために、バンドルホ
イールにはコラムシャフトの軸方向の振動と、さらには
この軸線と直交する２方向の振動が伝わり、運転者にと
って不安感を与えるばかりでなく、操舵性能を著しく損
うものである。

特にディーゼルエンジン搭載車両においては、このよう
な車体の振動に伴うバンドルホイールの振動を吸収する
手段が望まれる。

従来、例えば実公昭４６−５７１号公報に示されるよう
に、コラム管体に対してステアリングコラムの両端部を
弾性支持するために、従来の軸受に代る軸受として円筒
体の半部に軸方向の割溝により分割された弾性保合片を
形成し、これをステアリングコラムに係合するようした
ものが提案されているが、これは構造が複雑であり、コ
ラムシャフトの径方向の振動に対しては吸収性をもつが
、軸方向の振動に対しては十分なものとはいい難い。

本考案の目的は、構造が簡単でエンジンからの振動や車
輪からの振動がバンドルホイールに伝達きれるのを防止
するようにした振動吸収式ステアリングコラムを提供す
ることにある。

このため、本考案の構成はコラム、シャフトの基端側か
ステアリング歯車箱に軸受をもって支持され、先端側が
コラムブツシュをもって前記歯車箱から延出するコラム
管体に支持されている操向装置において、前記軸受と前
記コラムブツシュとの中間部分に、前記コラム管体の内
部にゴムなどからなる円筒状の振動吸収用弾性体を嵌合
固定し、該振動吸収用弾性体の内周面に前記コラムシャ
フトを嵌合したものである。

以下、本考案の構成を実施例に基づいて説明する。

第１図に釦いて符号２は歯車箱２０の一端壁を閉鎖する
端板であり、これに軸受２３をもってコラムシャフト２
２が支持される。

コラムシャフト２２はこの下端部分にボールねじ溝２２
ａｆｒニ一体に形成され、これにボールを介して公知の
ラックを備えるナツトが螺合され、このナツトに部分歯
車軸が噛合わされ、コラムシャフト２２の回転に伴って
前記出力歯車軸が回転され、これに設けたピットマンア
ーム及びリンク機構を介して車輪を偏向させるようにな
っている。

このような歯車装置は歯車箱２０の内部に収容されてか
す、この歯車箱２０が車体に固定されている。

前記軸受２３の外方側はシール部材１８によって密封さ
れ、軸受２３は止め輪２１によって端板２の軸穴に支持
されている。

このような構成は公知であり、本考案の要旨と直接関係
しないので説明を省略する。

前記端板２と一体に円筒部２ａが構成され、これにコラ
ム管体３が外嵌され、ボルト１７によって固定される。

コラムシャフト２２はコラム’１３の内部を通って、先
端側でコラムブツシュ１３によってコラム管体３に回転
支持され、さらに先端にはセレーション９を介してハン
ドルホイール１１が嵌合され、ナツト１０をもって固定
される。

前記コラムブツシュ１３はこの外周面に設けた突起１３
ａをコラム管体３の穴１４に係合して軸方向及び回転の
運動をしないように保持されており、このコラムブツシ
ュ１３は芯金で補強されたゴムなどの弾性材料から構成
され、さらにこの内周側に一体に結合した硬質合成樹脂
材料からなる円筒部６においてコラムシャフトを回転可
能に支持している。

コラムフッシュ１３の上端面に環状の摺動金具１２が支
持さへ これはハンドルホイー＃１１の、摺動体８と摺
接して、ノ・ンドルに取付けた警報器などの通電回路を
構成するようになっており、摺動金具１２に一端を接続
した導線５はコラムブツシュ１３を貫通し、コラム管体
３とコラムシャフト２２との間の隙間を経て下方に延び
、適当な箇所からコラム管体の外部へ引出され、電源へ
と接続されるようになっている。

さて、本考案による重要な構成は、軸受２３とコラムブ
ツシュ１３とのちょうど中間部分に、振動吸収用弾性体
１６を介装したものである。

即ち、ゴム又は合惑樹脂などの弾性材料をもって形成し
た環状体ないし円筒体として形成した弾性体１６をコラ
ム管体３の内周に密接して嵌合すると共に、この弾性体
１６の軸穴１６ａＫコラムシヤフト２２を密接に嵌合し
、たものであり、好筐しくは弾性体１６をコラム管体３
側にビス４をもって固定するものとする。

以上説明したように、本考案ではコラムシャフトの基端
側か軸受２３によって、また上端側がコラムブツシュ１
３によって支持されるステアリング装置において、前記
軸受とコラムブツシュとの中間部分に位置して、歯車箱
に固定したコラム管体と前記コラムシャフトとの間に筒
状の弾性体を、この外周面をコラム管体に、内周面をコ
ラムシャフトにそれぞれ密接した状態に嵌合固定したも
のであるから、歯車箱２０から車体の振動を直接受ける
コラム管体３と、操向車輪の振動を受けるコラムシャフ
ト２２との相互の振動体間にあって前記弾性体１６が径
方向に変形してハンドルホイール１１が径方向に振動す
るのを吸収すると同時に、前記弾性体１６とコラムシャ
フト２２との摺動部（７）摩擦抵抗によってハンドルホ
イール１１がコラムシャフトの軸方向に振動するのを防
止するものである。

そして、前記弾性体１６の軸方向の位置を適当に選択す
ることによって、コラム管体とコラムシャットとの相互
の振動吸収の度合を調節することができるものである。

本考案では、操向装置の全体的構成を格別変更すること
なく、円筒状の弾性体をコラム管体とコラムシャフトと
の間に介在せしめたものであるから、構造が簡単であり
、組付けも容易であり、安価に振動吸収式ステアリング
コラムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る振動吸収式ステアリングコラムの
縦断面図である。 ３・・・・・・コラム管体、４・・・・・・ビス、１１
・・・・・・ハンドルホイール、１３・・・・・・コラ
ムフッシュ、１６・・・・・・弾性体、１７・・・・・
・ボルト、２０・・・・・・歯車箱、２２・・・・・・
コラムシャフト、２３・・・・・・軸受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コラムシャフトの基端側かステアリング歯車箱に軸受を
   もって支持され、先端側がコラムブツシュをもって前記
   歯車箱から延出するコラム管体に支持されている操向装
   置において、前記軸受と前記コラムブツシュとの中間部
   分に、前記コラム管体の内部にゴムなどからなる円筒状
   の振動吸収用弾性体を嵌合固定し、該振動吸収用弾性体
   の内周面に前記コラムシャフトを嵌合したことを特徴と
   する振動吸収式ステアリングコラム。