JPS5853058B2 - 粉末治金による複合金型材料とその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 高融点金属鋳造用金型は高温の溶湯鋳込時の熱衝撃がき
わめそ大きく、ヒートクランクが早期に生じやすく、ま
た高温の溶湯の型崩への激突により焼付や溶損が問題と
なる。

したがって、金型材料としては熱応力が過大とならない
よう、熱伝導率が太きく、熱膨張係数が小さく、また溶
損に対する抵抗性が犬きく、さらに適度の高温強度と十
分なねばさを備えていなげればならない。

本発明は熱伝導率がとくに大きく、かつねばいＣｕと、
熱伝導率ないし耐溶損性のすぐれたＷ。

Ｍｏ、ＷＣ、Ｍｏ２Ｃ各粉末を原料とし、これらをＣｕ
が最終的に容積比で９６〜２係となるよう均一混合した
のちプレスにて予備成形あるいは真空中あるいは水素中
での加熱による還元処理を加えたのちプレスにて予備成
形を行ない、これをＨＩＰによりＣｕの溶融点以下ある
いはこれより高い温度で加圧成形し、緻密で強固な組織
ととくにすぐれた延性を備え、上記高融点金属鋳造用や
その他の用途にすぐれた性能を発揮する熱間金型材料を
得ることを可能としたものである。

第１表に本発明材料の組成と物理的性質、高温硬さ、小
型シャルピー衝撃値、耐焼付摩耗性指数を示す。

試料は各粉末を均一に混合したのち、真空中で１０２０
℃×４″Ｈｒ還元処理し、プレス成形後カプセルに装入
、真空封着したのち表１に示した温度、圧力条件でＨＩ
Ｐ処理したものである。

比較材Ｍ、ＮはＨＩＰ を使用せず同様に混合、プレス
後水素中で１０９０℃Ｘ４Ｈｖ焼結処理したものであり
、比較材Ｃは熱間工具鋼５ＫＤ６１の溶製ブ鍛伸材であ
る。

本発明材料は従来の標準的熱間工具鋼５ＫＤ６１に対比
して熱伝導率が格段に大きく、かつ熱膨張係数が小さく
、かつ高温強度が高く、熱衝撃に耐えるすぐれた特性を
備えていることがわかる。

また５０閣φＸ ４０ｒｒａｎｔｐ ２ｍｍ深さ１ｍ
ｍＲｕノンチの試験片（スパン３５閣）で行なった小型
シャルピー値（比較の焼結材Ｍのそれを１００としてあ
ら０した指数値）で明らかなように靭性かすぐれている
ことがわかる。

こればＨＩＰ 処理により緻密な組織が得られたためで
、その結果、熱伝導率においてもＢ−Ｍ、Ｅ−Ｎの比較
かられかるように焼結材に対し一層すぐれていることが
わかる。

焼付摩耗試験は円柱状試験片の端面をＳＯＯ℃の赤熱鋼
材に加圧接触させつつ高速で回転させ焼付を生じる限界
荷重を求め、比較材Ｍのそれを１００として指数で示し
たものである。

なか、耐焼付摩耗性の改善ばＷＣ９Ｍｏ２Ｃ等の炭化物
配合による効果が相対的に大きく、一方高温強度改善効
果ばＷ、次いでＭｏが犬すく、筐た靭性でばＭｏ配合の
方がＷ配合よりもすぐれても・す、用途要求条件に応じ
てＷ＋ Ｍｏ、 Ｗｃｙ Ｍｏ２Ｇ等が単独昔たは複合
添加される。

なち・、本発明材料Ｂ組成について、ＨＩＰに先だって
還元処理を行なわず、ＨＩＰ処理を行なったが、この場
合１割程度のシャルピー値の減少がみとめられ一方真空
還元処理に刀）えて水素中還元処理を実施したのちＨＩ
Ｐ処理を行なったところ１割程度のシャルピー値の向上
効果が得られた。

これは粉末表面の酸化の程度の大小に起因するもので、
還元処理を施さないものより真空還元処理したものが、
また真空還元処理よりも水素中還元処理し；・ｔものが
靭性面で相対的に捷さってち・り用途、要求条件に応じ
て還元処理条件の設定を行なうものである。

第２表に本発明材料のヒートクランク試験の結果を示す
。

試験片は平板状で火焔にて平面を８５０℃に加熱後水冷
する操作を１０００回繰返えしたものである。

Ｂ −Ｍの比較／Ｊ）られかるよ 同一成分の焼結材に対し、さ トクラツク性を有している。

うに、本発明材料は らにすぐれた耐ヒー 捷た熱間工具鋼５ＫＤ６１に対比して格段にすぐれた耐
ヒートクランク性を有している。

これは本発明材料の熱膨張係数が小さく、熱伝導率がは
るかに大きいこと、適度の高温強度、靭性を備えている
ことに起因している。

第３表に１３Ｃｒ銅の１５５０℃溶湯滴丁試験における
焼付発生渣での回数比を示す。

試験片は平板状試片で水平面に対し３００傾斜させ裏面
を水冷しつつ、表面に５ｇｒ溶湯を高さ１００ｍｍより
繰返えし落ｆさせた場合の焼付開始までの繰返数を比較
材０（ＳＫＤ６１） のそれを１００として指数で示
したものである。

本発明材料は比較の５％Ｃｒ系熱間工具鋼５ＫＤ６１に
対比して格段に耐溶湯焼付性がすぐれていることがわか
る。

これは本発明材料のＷ、Ｍｏ、ＷＣ，Ｍｏ２Ｃ等の本質
的にすぐれｂ耐溶湯焼付性ち−よびＣｕとの十分な接合
による大きな熱伝導性、耐肌あれ性などとの総合的効果
によるものである。

本発明材料において、容積比でＣｕが９６係を越えると
耐溶損性、強度面で総合的に実用性能上不利となること
、またＣｕ２％未満では延性上不利となるためＣｕの配
合比を容積比で９６〜２係に限定した。

以上に記述したように、本発明材料は熱伝導性高温強度
が大きく、熱膨張係数の小さいＷｚ Ｍ。

あるいは耐溶損性のすぐれたＷＣ９Ｍｏ２Ｃ炭化吻との
組合せしよびＨＩＰによる十分な圧密化により強度、物
理的性質、耐溶損性、靭性を兼備し、高融点金属鋳造用
途などはげしい熱衝撃と溶損作用を受ける金型用途など
に適用し、長寿命を得る新しい金型林料とその製造方法
を提供するものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｉ Ｃｕが容積比で２〜９６％、残部がＷ、Ｍｏ。 ＷＣ及びＭｏ２Ｃの１種または２種以上からなりかつ緻
   密な組織を有する粉末冶金による複合金型材料。 ２ Ｃｕ粉末とＷ 、 Ｍｏ、ＷＣ、Ｍｏ２Ｃ粉末群
   の１種捷たば２種以上を容積比でＣｕが最終的に９６〜
   ２係となるよう均一に混合したのち、プレスにて予備成
   形し、カプセルに入れて内部を真空としたのち封着し、
   熱間静水圧装置を１吏用し、温度９５０−１３５０℃で
   加圧して製造することを特徴とする粉末冶金による複合
   金型材の製造方法。 ３ Ｃｕ粉末とＷ、Ｍｏ、ＷＣ，Ｍｏ２Ｃ粉末群の１
   種または２種以上を容積比でＣｕが最終的に９６〜２係
   となるよう均一に混合したのち、真空生芽たは水素中で
   加熱することにより還几し、これをプレスにて予備成形
   し、カプセルに入れて内部を真空としたのち封着し、熱
   間静水圧装置を使用し９５０〜１３５０℃で加圧して製
   造することを特徴とする熱間金型用の粉末冶金による複
   合金型材料の製造方法。