JP2009270141A - Ti−Al系合金ターゲット材の製造法 - Google Patents

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Hiroaki Yoshida
広明 吉田
Tomohisa Hironaka
智久 廣中
Takahiro Yamamoto
隆弘 山本
Kazuya Sakaguchi
一哉 坂口
Masataka Katsumi
昌高 勝見
Shigeru Iwasa
繁 岩佐
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Abstract

【課題】本発明は、非常に高い曲げ強度を有し、従って、成膜時の熱応力によりターゲットのつば部が破損することのないTi-Al系合金ターゲット材を得ることができるばかりではなく、加圧成形時に原料組成物を均一に変形し得、従って、後加工による寸法修正が不要であり、原料組成物の歩留まりを著しく高くし得るところのTi-Al系合金ターゲット材の製造法を提供する。
【解決手段】本発明は、Ti粉末とAl粉末とを含む原料組成物を加圧成形し、次いで、得られた成形体を焼結又は焼結鍛造してTi-Al系合金ターゲット材を製造する方法において、上記加圧成形が、80〜250℃の温度において金型内で原料組成物を圧縮することにより実行されることを特徴とする方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、Ti-Al系合金ターゲット材の製造法に関し、更に詳しくは、Ti-Al系合金ターゲット材を粉末法により製造する方法に関する。
Ti-Al系合金ターゲット材は、例えば、切削工具、摺動機械部品等に、耐摩耗性に優れた被膜をスパッタリング等により形成するために使用される。従来、該Ti-Al系合金ターゲット材を製造する方法としては、溶解法と粉末法が知られている。
溶解法によれば、均一な組成のターゲット材を製造することができるが、凝固時に引け巣が発生したり、焼結時に割れが発生したりすると言う問題がある。また、得られたターゲット材は、硬質の金属間化合物が生成されているため切削性が悪く、加工費が嵩む。
粉末法においては、合金粉と金属粉の二通りの粉末の選び方がある。合金粉を使用する方法によれば、溶解法と同様に、合金粉自体が硬質であるため得られたターゲット材の切削性が悪く、加工費が嵩む。また、使用中に発生する熱応力によりターゲット材の割れが発生し易い。一方、金属粉を使用する方法によれば、合金粉を使用する方法と比較して加工費を安くすることができる。しかし、TiとAlとの金属間化合物生成温度、即ち、550℃以下で成形する必要がある。従って、上記の温度以下で、どのようにしてターゲット材の密度及び強度を高めるかが大きな問題となっている。
成膜装置において、通常、ターゲット(1)は図1に示したように取り付けられる。ここで、ターゲット(1)は上部から加熱され、下部からは冷却水(3)により冷却される。従って、ターゲット材の強度が不足していると、熱応力によりターゲットのつば部(2)が破損すると言う問題がある。
該問題を解決すべく、種々の試みがなされている。例えば、バインダーと金属粉末又は化合物粉末とから成るターゲット材組成物から、冷間静水圧加圧処理(CIP)により成形体を形成し、次いで、該成形体に所定の型鍛造を施すことにより、ターゲット本体部よりつば部の密度が高いターゲット材を製造する方法が知られている(特許文献1)。また、所定の粒度を有するTi粉末とAl又はAl合金粉末との混合物に、熱間静水圧加圧処理(HIP)を施してTi-Al合金ターゲット材を製造する方法が知られている(特許文献2)。
しかし、これらの方法においても、十分に高い強度を有するターゲット材が得られず、熱応力によりターゲットのつば部が破損すると言う問題を完全には解決することはできない。加えて、これらの方法では、加圧成形時に原料組成物を均一に変形させることが困難であり、成形体表面に凹凸が生じ、後加工による寸法修正が必須である。従って、原料組成物の歩留りが悪いと言う問題がある。
特開2006-161101号公報 特開平8-120445号公報
本発明は、非常に高い曲げ強度を有し、従って、成膜時の熱応力によりターゲットのつば部が破損することのないTi-Al系合金ターゲット材を得ることができるばかりではなく、加圧成形時に原料組成物を均一に変形し得、従って、後加工による寸法修正を少なくでき、原料組成物の歩留まりを著しく高くし得るところのTi-Al系合金ターゲット材の製造法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々の検討を試みた。その結果、Ti粉末とAl粉末とを含む原料組成物を加圧成形するに際して、下記所定の温度に加熱すると、Alがクリープ変形を起こすと共にTiの拡散が進行して高密度な成形体を製造し得、次いで、得られた高密度な成形体を焼結又は焼結鍛造すると、著しく高い曲げ強度を有するターゲット材を製造し得ることを見出した。加えて、該加圧成形を金型内で実行すれば、より製品に近い形状に成形することができ、従って、原料組成物の歩留まりを著しく高くし得る。
即ち、本発明は、
(1)Ti粉末とAl粉末とを含む原料組成物を加圧成形し、次いで、得られた成形体を焼結又は焼結鍛造してTi-Al系合金ターゲット材を製造する方法において、上記加圧成形が、80〜250℃の温度において金型内で原料組成物を圧縮することにより実行されることを特徴とする方法である。
好ましい態様として、
(2)上記加圧成形の温度が100〜250℃であるところの上記(1)記載の方法、
(3)上記加圧成形の温度が150〜250℃であるところの上記(1)記載の方法、
(4)原料組成物中のTiとAlとの原子%が、Ti : Al = 0原子%を超え80原子%以下 : 100原子%未満20原子%以上であるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法、
(5)原料組成物中のTiとAlとの原子%が、Ti : Al = 1〜80原子% : 99〜20原子%であるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法、
(6)原料組成物中のTiとAlとの原子%が、Ti : Al =
20〜80原子% : 80〜20原子%であるところの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法、
(7)焼結及び焼結鍛造の温度が、250〜550℃であるところの上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の方法、
(8)焼結及び焼結鍛造の温度が、300〜550℃であるところの上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の方法、
(9)焼結及び焼結鍛造の温度が、330〜500℃であるところの上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の方法、
(10)原料組成物が、更に、Si、B、Nb、Cr、Y及びCeより成る群から選ばれる一種以上の元素の粉末及び/又はこれらの元素を含む化合物の粉末を、TiとAlとの合計100原子%に対して43原子%以下含むところの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の方法(ここで、原料組成物中の該化合物の原子%は、化合物中に含まれるTiとAlとを除く全ての元素に基づいて算出する)、
(11)原料組成物が、更に、Si、B、Nb、Cr、Y及びCeより成る群から選ばれる一種以上の元素の粉末及び/又はこれらの元素を含む化合物の粉末を、TiとAlとの合計100原子%に対して30原子%以下含むところの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の方法(ここで、原料組成物中の該化合物の原子%は、化合物中に含まれるTiとAlとを除く全ての元素に基づいて算出する)、
(12)曲げ強度が20MPa以上であるところの、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の方法により製造されたTi-Al系合金ターゲット材
を挙げることができる。
本発明の方法によれば、非常に高い曲げ強度を有するTi-Al系合金ターゲット材を製造することができる。従って、該ターゲット材から得られたターゲットは、成膜時の熱応力によりつば部が破損することがない。加えて、本発明の方法によれば、加圧成形時に原料組成物を均一に変形し得ることから、後加工による寸法修正を少なくできる。従って、ターゲット材製造における原料組成物の歩留りが著しく高い。
本発明の方法において、Ti粉末とAl粉末とを含む原料組成物を加圧成形する温度の上限は250℃である。一方、下限は80℃であり、好ましくは100℃であり、より好ましくは150℃である。上記上限を超えては、金型潤滑に使用する潤滑剤の効果が失われ、金型焼付きの原因となる。上記下限未満では、得られるターゲット材の曲げ強度が不足するため好ましくない。
Ti粉末とAl粉末とを含む原料組成物の加圧成形は、上記温度に加熱して金型内で圧縮することにより実行される。金型内での圧縮は、従来公知の方法により実行することができる。好ましくは、フローティングダイ機構を備えた金型が使用される。これによれば、上パンチと下パンチで均等に圧縮することができ、成形体の密度を均一にすることができる。加圧成形時の面圧の下限は、好ましくは5tonf/cm2である。該下限未満では、得られた成形体の密度を十分に高めることができない。面圧の上限は、好ましくは12tonf/cm2である。該上限を超えると、金型の寿命低下を生じ、かつ金型のスプリングバックによる成形体の割れの危険性が増大する。また、金型内での加圧成形に際しては、好ましくは潤滑剤が使用される。該潤滑剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、二硫化モリブデン、黒鉛等の固体潤滑剤を挙げることができる。
原料組成物中のTiとAlとの原子%は、好ましくはTi : Al = 0原子%を超え97原子%以下 : 100原子%未満3原子%以上であり、より好ましくはTi
: Al = 0原子%を超え80原子%以下 : 100原子%未満20原子%以上であり、更に好ましくはTi
: Al = 1〜80原子% : 99〜20原子%であり、特に好ましくはTi :
Al = 20〜80原子% : 80〜20原子%である。上記の範囲外では、得られたターゲット材の曲げ強度が低下する傾向にある。
Ti粉末及びAl粉末の粒度に特に制限はなく、Ti-Al系合金ターゲット材の製造における通常公知の粒度であることができる。得られるターゲット材の高密度化を図るためには、Ti粉末の隙間をAl粉末で充填し均質化し得る粒度であることが好ましい。例えば、Ti粉末が100メッシュ以下であり、Al粉末が240メッシュ以下である。
本発明のTi粉末とAl粉末とを含む原料組成物は、更に、Si、B、Nb、Cr、Y及びCeより成る群から選ばれる一種以上の元素の粉末及び/又はこれらの元素を含む化合物の粉末を含むことができる。上記化合物としては、例えば、TiSi、CrSi、TiB、CrB等を挙げることができる。これらの元素及び化合物を含めることにより、ターゲット材の高温での酸化を防止することができる。これらの元素及び化合物の含有量は、TiとAlとの合計100原子%に対して、好ましくは43原子%以下、より好ましくは30原子%以下含むことができる。該上限を超えると、ターゲット材への成形が困難になるため好ましくない。ここで、原料組成物中の該化合物の原子%は、化合物中に含まれるTiとAlとを除く全ての元素に基づいて算出する。
本発明においては、上記のようにして得られた成形体を焼結又は焼結鍛造する。焼結及び焼結鍛造の温度の上限は、好ましくは550℃であり、より好ましくは500℃である。一方、下限は、好ましくは250℃であり、より好ましくは300℃であり、更に好ましくは330℃である。上記上限を超えては、金属間化合物が形成され、上記下限未満では、得られるターゲット材の曲げ強度が不足する。焼結及び焼結鍛造の方法は通常公知の方法が使用される。焼結鍛造の方法としては、例えば、上記の特許文献1に記載された方法を使用することができる。焼結鍛造を施すことにより、Al表面の強固な酸化膜が破れて粉末相互間の結合が促進される。従って、焼結のみを施したときと比較して曲げ強度を更に高めることができる。
上記本発明の方法により製造されるTi-Al系合金ターゲット材は非常に高い曲げ強度を有する。ターゲット材の曲げ強度は、通常、原料組成物を加圧成形する温度によって決定される。成膜時の熱応力によりターゲットのつば部が破損しないようにするためには、ターゲット材の曲げ強度が20MPa以上であることが好ましい。ターゲット材の曲げ強度は、原料組成物を加圧成形する温度のほか、TiとAlとの原子%及び焼結温度、並びに鍛造の有無によりコントロールすることができ、これらパラメータを適切に組み合わせることにより、ターゲット材の曲げ強度を20MPa及びそれ以上の値にすることができる。ここで、ターゲット材の曲げ強度の測定は、図2に示した形状及び寸法を有する試験片(5)を作成し、該試験片(5)を図3に示したようにダイス(8)に設置し、上パンチ(7)により上部から矢印方向に力を加え、試験片のつば部(6)が破断した時の破断荷重を測定することにより実施する。該破断荷重(kg)を破断面面積(cm2)で除した値を曲げ強度(MPa)とした。
以下、実施例において本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜2)
Ti粉末(100メッシュ以下)とAl粉末(240メッシュ以下)とを、Ti : Al = 80原子% : 20原子% (実施例1)、Ti : Al =
50原子% : 50原子% (実施例2)及びTi : Al = 20原子%
: 80原子% (実施例3)、並びTi : Al = 100原子% : 0原子% (比較例1)及びTi : Al =
0原子% : 100原子% (比較例2)の各配合比となるように混合した。次いで、各混合物を所定の形状及び寸法を有する金型内に装入し、温度250℃及び圧力5.5tonf/cm2で30秒間加圧成形して、直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の成形体を得た。該成形体を、大気雰囲気炉中、温度450℃で1時間加熱して焼結した。得られた焼結体に仕上げ加工を施し、図2に示した形状及び寸法を有する試験片を得た。得られた各試験片について、図3に示した曲げ強度試験装置を使用して曲げ強度を測定した。
(実施例4〜6及び比較例3〜4)
成形体を製造する際の温度を170℃としたこと以外は、実施例1〜3及び比較例1〜2と同一にして試験片を製造し、曲げ強度を測定した。ここで、Ti : Al = 80原子% : 20原子% が実施例4であり、Ti : Al =
50原子% : 50原子% が実施例5であり、かつTi : Al = 20原子% : 80原子% が実施例6であり、及びTi : Al = 100原子% : 0原子% が比較例3であり、かつTi : Al
= 0原子% : 100原子% が比較例4である。
(実施例7〜9及び比較例5〜6)
成形体を製造する際の温度を100℃としたこと以外は、実施例1〜3及び比較例1〜2と同一にして試験片を製造し、曲げ強度を測定した。ここで、Ti : Al = 80原子% : 20原子% が実施例7であり、Ti : Al =
50原子% : 50原子% が実施例8であり、かつTi : Al = 20原子% : 80原子% が実施例9であり、及びTi : Al = 100原子% : 0原子% が比較例5であり、かつTi : Al
= 0原子% : 100原子% が比較例6である。
(実施例10〜12及び比較例7〜8)
成形体を製造する際の温度を80℃としたこと以外は、実施例1〜3及び比較例1〜2と同一にして試験片を製造し、曲げ強度を測定した。ここで、Ti : Al = 80原子% : 20原子% が実施例10であり、Ti : Al
= 50原子% : 50原子% が実施例11であり、かつTi : Al = 20原子% : 80原子% が実施例12であり、及びTi : Al = 100原子% : 0原子% が比較例7であり、かつTi : Al
= 0原子% : 100原子% が比較例8である。
(比較例9〜13)
成形体を製造する際の温度を室温としたこと以外は、実施例1〜3及び比較例1〜2と同一にして試験片を製造し、曲げ強度を測定した。ここで、Ti : Al = 100原子% : 0原子% が比較例9であり、Ti : Al = 80原子% : 20原子% が比較例10であり、Ti : Al
= 50原子% : 50原子% が比較例11であり、Ti : Al = 20原子%
: 80原子% が比較例12であり、かつTi : Al = 0原子% : 100原子% が比較例13である。
実施例1〜12及び比較例1〜13の結果を図4に示した。図4中、( )内の数字は実施例番号であり、[ ]内の数字は比較例番号である。図4から本発明の方法により製造されたターゲット材の曲げ強度は優れていることが分かった。とりわけ、成形温度100℃以上及びAl含有量20原子%以上では、著しく良好な曲げ強度が得られた。一方、室温で成形した比較例9〜13においては、TiとAlの配合比を問わず、曲げ強度が劣ることが分かった。
(実施例13及び14)
実施例5と同一にして、Ti : Al = 50原子% : 50原子%、かつ170℃で加圧成形して直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の成形体を得た。該成形体について、大気雰囲気炉中、温度330℃及び600℃で夫々1時間加熱して焼結した。得られた各試験片について、実施例5と同一にして曲げ強度を測定した。
(実施例15〜17)
実施例5と同一にして、Ti : Al = 50原子% : 50原子%の配合比となるようにTi粉末とAl粉末とを混合した。次いで、該混合物を所定の寸法及び形状を有する金型内に装入し、温度170℃及び圧力5.5tonf/cm2で30秒間加圧成形して、直径106mm及び厚さ22mmの円柱形の成形体を得た。該成形体を、大気雰囲気炉中、温度330℃、450℃及び600℃で夫々1時間加熱して焼結した後、直ちに、プレス面圧4tonf/cm2で鍛造を施し、直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の鍛造体を得た。得られた鍛造体に仕上げ加工を施し、図2に示した形状及び寸法を有する試験片を得た。得られた各試験片について、実施例5と同一にして曲げ強度を測定した。
(比較例14〜16)
実施例5と同一にして、Ti : Al = 50原子% : 50原子%の配合比となるようにTi粉末とAl粉末とを混合した。次いで、該混合物に冷間静水圧加圧処理(CIP)を施して、直径110mm及び長さ350mmの円柱形の成形体を得た。該成形体に機械加工を施して、直径106mm及び厚さ22mmの円柱形の成形体を得た。該成形体を、大気雰囲気炉中、温度330℃、450℃及び600℃で夫々1時間加熱して焼結した後、直ちに、プレス面圧4tonf/cm2で鍛造を施し、直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の鍛造体を得た。得られた鍛造体に仕上げ加工を施し、図2に示した形状及び寸法を有する試験片を得た。得られた各試験片について、実施例5と同一にして曲げ強度を測定した。
実施例5及び13〜17並びに比較例14〜16の結果を図5に示した。図5中、( )内の数字は実施例番号であり、[
]内の数字は比較例番号である。焼結鍛造を施すと、焼結のみを施した場合に比べて、著しくターゲット材の曲げ強度が増加することが分かった。また、現在、ターゲット材を製造するために広く使用されているCIP処理後、焼結鍛造を施す方法により得られたターゲット材と比較して、本発明の方法により得られたターゲット材は著しく高い曲げ強度を有する。
(実施例18)
Ti粉末(100メッシュ以下)、Al粉末(240メッシュ以下)及びTiSi粉末(5μm以下)を、Ti : Al : Si =30原子% : 50原子% : 20原子% (TiとAlとの合計100原子%に対してSiが25原子%)の配合比となるように混合した。
この混合物を所定の形状及び寸法を有する金型内に装入し、温度170℃及び圧力5.5tonf/cm2で30秒間加圧成形して、直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の成形体を得た。該成形体を、大気雰囲気炉中、温度450℃で1時間加熱して焼結した。得られた焼結体に仕上げ加工を施し、図2に示した形状及び寸法を有する試験片を得た。得られた各試験片について、図3に示した曲げ強度試験装置を使用して曲げ強度を測定した。
(実施例19)
実施例18と同一にして混合物を製造した。次いで、該混合物を所定の寸法及び形状を有する金型内に装入し、温度170℃及び圧力5.5tonf/cm2で30秒間加圧成形して、直径106mm及び厚さ22mmの円柱形の成形体を得た。該成形体を、大気雰囲気炉中、温度450℃で1時間加熱して焼結した後、直ちに、プレス面圧4tonf/cm2で鍛造を施し、直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の鍛造体を得た。得られた鍛造体に仕上げ加工を施し、図2に示した形状及び寸法を有する試験片を得た。得られた試験片について、実施例18と同一にして曲げ強度を測定した。
(比較例17)
実施例18と同一にして混合物を製造した。次いで、該混合物に冷間静水圧加圧処理(CIP)を施して、直径110mm及び長さ350mmの円柱形の成形体を得た。該成形体に機械加工を施して、直径106mm及び厚さ22mmの円柱形の成形体を得た。該成形体を、大気雰囲気炉中、温度450℃で1時間加熱して焼結した後、直ちに、プレス面圧4tonf/cm2で鍛造を施し、直径108mm及び厚さ19mmの円柱形の鍛造体を得た。得られた鍛造体に仕上げ加工を施し、図2に示した形状及び寸法を有する試験片を得た。得られた試験片について、実施例18と同一にして曲げ強度を測定した。
実施例18〜19並びに比較例17の結果を図6に示した。図6中、( )内の数字は実施例番号であり、[ ]内の数字は比較例番号である。Siを加えても十分に高い曲げ強度を有するターゲット材を得ることができることが分かった。また、TiとAlとから成るターゲット材と同様に、焼結鍛造を施すと、焼結のみを施した場合に比べて、著しくターゲット材の曲げ強度が増加すること、及び、現在、ターゲット材を製造するために広く使用されているCIP処理後、焼結鍛造を施す方法により得られたターゲット材と比較して、本発明の方法により得られたターゲット材は著しく高い曲げ強度を有することが分かった。
本発明の方法によれば、著しく高い曲げ強度を有するターゲット材を高い原料歩留まりで製造することができる。従って、現在使用されている冷間静水圧加圧処理(CIP)及び熱間静水圧加圧処理(HIP)によるターゲット材の製造法に置き換わることができ、スパッタリング用のターゲット材、とりわけ、アークイオンプレーティング用のターゲット材の製造に有用である。
ターゲットの使用状態を示す概略図である。 曲げ強度測定用試験片の形状及び寸法を示す概略図である。 曲げ強度試験装置の概略図である。 Ti-Alターゲット材の成形温度及び配合比と曲げ強度との関係を示すグラフである。 Ti-Alターゲット材の焼結及び焼結鍛造温度と曲げ強度との関係を示すグラフである。 Ti-Al-Siターゲット材の製造法と曲げ強度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ターゲット
2 ターゲットのつば部
3 冷却水
4 水冷銅盤
5 曲げ強度測定用試験片
6 試験片のつば部
7 上パンチ
8 ダイス

Claims (4)

  1. Ti粉末とAl粉末とを含む原料組成物を加圧成形し、次いで、得られた成形体を焼結又は焼結鍛造してTi-Al系合金ターゲット材を製造する方法において、上記加圧成形が、80〜250℃の温度において金型内で原料組成物を圧縮することにより実行されることを特徴とする方法。
  2. 原料組成物中のTiとAlとの原子%が、Ti : Al = 0原子%を超え80原子%以下 : 100原子%未満20原子%以上であるところの請求項1記載の方法。
  3. 焼結及び焼結鍛造の温度が、250〜550℃であるところの請求項1又は2記載の方法。
  4. 原料組成物が、更に、Si、B、Nb、Cr、Y及びCeより成る群から選ばれる一種以上の元素の粉末及び/又はこれらの元素を含む化合物の粉末を、TiとAlとの合計100原子%に対して43原子%以下含むところの請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法(ここで、原料組成物中の該化合物の原子%は、化合物中に含まれるTiとAlとを除く全ての元素に基づいて算出する)。
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