JPH0288735A - 延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途 - Google Patents

延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途

Info

Publication number
JPH0288735A
JPH0288735A JP24055588A JP24055588A JPH0288735A JP H0288735 A JPH0288735 A JP H0288735A JP 24055588 A JP24055588 A JP 24055588A JP 24055588 A JP24055588 A JP 24055588A JP H0288735 A JPH0288735 A JP H0288735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite material
wear
base material
ductility
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24055588A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Arai
新井 透
Yoshinari Tsuchiya
能成 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP24055588A priority Critical patent/JPH0288735A/ja
Publication of JPH0288735A publication Critical patent/JPH0288735A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複雑な形状を有し、強度および耐摩耗性が要
求される部品や型用の材料として適した延性と耐摩耗性
を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途に
関するものである。
〔従来技術およびその問題点〕
材料の高強度、高靭性化もしくは高機能化を図るために
、各種の複合材料が開発されている。例えば、無機質繊
維を複合化させることにより合金の比強度を高めた繊維
強化アルミニウム合金などがその代表である。また、タ
ングステン炭化物をコバルトのバインダーで焼結するこ
とにより、耐摩耗性を向上させた超硬合金や炭化物や窒
化物を金属(例えば鉄)バインダーで焼結したサーメッ
トなどの複合材料がある。しかしながら、このような複
合材料は、−船釣に強化方向への改善に対しては発展し
てきているものの、それは材料の成形性つまりは延性を
犠牲にしての改善であった。
従って、これら複合材は製品への加工が困難で、後加工
のコストが高い点に問題があった。
一方、これらの材料の対極にある材料として、現在もっ
とも延性のある金属材料としては各種の超塑性合金があ
る。この合金は、ある温度範囲で小さい歪み速度の加工
を行うことにより、数百〜数千%の伸びを示す金属材料
である。この性質を利用して、セラミックスと金属の接
合やセラミックス部材間の結合バインダーとしたり(特
公昭59−184775号、同59−197610号な
ど)、磁性粉末や硬質粉末の結合材(特公昭54851
06号、同5B−17450号など)等に使われている
。しかしながら、この超塑性合金材料はその性質を発揮
させるためにはある温度範囲と小さい歪み速度が必要な
ために、加工時に熱を加えなければならないことや加工
速度が遅くなるために生産性が上がらないこと、延性が
あるために強度が不足することなどの問題を有しており
、大量生産される部品への適用は制限されていた。
これら問題のうち、加工時の加熱の問題、生産性の問題
は、超塑性を発揮させるために本質的なものであり改善
が困難であるが、強度不足の問題に対しては多くの改善
が試みられている。例えば、22AI−Zn合金そのも
のの強度改善に対してCuやMgを微量添加するととも
に熱処理により組織制御する方法(Marshall、
J、C,et: MetalsEngineering
 Quarterly、13(1973)など)、Zn
22A1合金にタングステンやカーボン等の繊維を複合
化して強度と圧延性を向上させた例(特公昭56−38
252号)やZn−22A1合金粉末にアルミナ粉末を
混合して複合化した例(吉沢、筒井、大沢:Zn−22
A1合金粉末/A+□03粉末焼結体の製造;第38回
塑性加工連合講演会論文集(1987)、165)など
がある。しかし、これら材料は何れも強化が不十分であ
り、また繊維を加えているために複雑形状への加工が困
難であり、さらに粉末表面の酸化膜のため粉末とマトリ
クスの焼結が十分に行われず、両者界面の密着性が不十
分であるという問題があり、何れも満足されるものでは
なかった。さらに、粉末を原料とする方法では、圧粉成
形時に圧下方向と垂直方向に割れを生じたり、強度的に
弱い部分が存在するなどの問題を有し、満足されるもの
ではなかった。
そこで、本発明者等は、上述の如き従来技術の問題点を
解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を重ねた結果
、本発明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、延性と耐摩耗性に優れた複合材料およ
びその製造方法、用途を提供するものである。
〔第1発明の説明〕 又夙■檎底 第1発明は、耐摩耗複合材料についての発明であり、超
塑性合金からなる母材と該母材中に均一に分散した硬質
粒子とからなる複合材料であって、該複合材料中の延性
および耐摩耗性を阻害する不純物および欠陥の割合を5
体積%以下としてなり、母材と硬質粒子との密着性に優
れるとともに延性と耐摩耗性を兼ね備えたことを特徴と
する。
日の  およびt果 この耐摩耗複合材料は、高い延性と高い耐摩性を有する
材料である。
従って、該複合材料を用いて製品を製造する場合、完成
品とする段階においては高い延性を示すことにより加工
が容易で、製品として利用する段階においては高い耐摩
耗性を示し、さらに摩耗や変形によって部材の表面形状
が変化したときには、再び高い延性を発揮させることに
よって欠損部分を充たすことで容易に補修できるという
利点を有する。
また、この耐摩耗複合材料は、母材強化材として粉末を
用いたため、微細結晶粒に起因する超塑性発現の機構を
阻害することが少なく、従って延性と耐摩純生という相
反する特性を何れも満足した材料である。また、材料に
方向性が生じない(加工によって集合組織が発達しない
超塑性合金を母材としていることおよび粉末を添加して
いることによる)ために、機械的性質や摩耗特性に異方
性がない均一材料である点で広い応用が可能である。
さらに、この耐摩耗複合材料は、母材と粉末粒子との密
着性が強いため摩擦状態においても粒子の脱落が少な(
、しかも摩耗抵抗として十分その硬さを活かすことがで
きる。
この耐摩耗複合材料が上述の如き効果を発揮するメカニ
ズムについては、未だ必ずしも十分に明らかではないが
、次のように考えられる。
すなわち、本発明の複合材料は延性を付与するため超塑
性合金を母材とし、その中に耐摩耗性を付与するために
硬質粒子粉末を均一に分散させた材料である。この複合
材料母材の超塑性合金は、超微細な結晶粒組織であるこ
とを特長とし、このために成る温度範囲、成るひずみ速
度範囲において低応力で数百〜数千%もの延性を発揮す
る。この理由を説明する理論は未だ解明されていないが
、現象論的に、結晶粒が微細なために等軸晶を保ったま
ま結晶粒界がすべることが可能で、これによって合金全
体の変形が、結晶粒の変形ではなく、移動によって起こ
るために巨大な延性を発揮するとされている。従って、
数μm以下の超微細な結晶粒を持たせることが母材の最
低必要条件となる。
また、成る温度範囲以下の温度においては変形が結晶粒
内部で生し、範囲以下の温度では二相混合微細結晶が単
相に変化し、何れも大きな延性を示さない。
さらに、ひずみ速度依存性に関しては、σ=に8m で示される関係がある。ここで、mはひずみ速度感受性
を示すパラメータで、この値が最大となる(つまり延性
が最大となる)ひずみ速度および温度範囲が存在する。
このような実験事実から適切な条件下において超塑性合
金は大きな延性を示すのである。
また、超塑性合金は延性に冨む、つまり軟らかい、との
認識が存在するが、上記条件から外れた領域、つまり常
温とか高いひずみ速度での負荷とかにおいては、微細結
晶粒となる合金組成であってもそれ以外の組成を持つ合
金程度の延性しか示さない。これは、つまり合金の強度
としては通常のレベルまで達することを意味している。
本発明の耐摩耗複合材料の母材は、超塑性合金のこのよ
うな性質を巧みに利用したものである。
さらに、該母材中に硬質粒子を均一に分散させることに
より、合金全体の強度を高めると共に硬質粒子が摩耗に
対する抵抗となって、合金全体の耐摩耗性が向上する。
ここで問題となるのは、硬質粒子を添加することによっ
て母材合金の超塑性が阻害されないかという点であるが
、微細な粉末を均一に分散させるこ七に成功し、しかも
他の不純物および欠陥を5体積%以下に抑えたため、母
材合金の結晶粒の移動に対して障害となる程度を極力小
さくすることができた。
以上のような作用によって、本発明の耐摩耗複合材料は
、延性に優れ、かつ耐摩耗性に優れた効果を発揮するも
のである。
〔第1発明のその他の発明の説明〕 本発明において、超塑性合金とは、合金によって定まっ
ている温度範囲と歪み速度範囲において、数百から数千
パーセントの伸びを示す材料である。
この合金の例としては、20〜25%AI組成を有する
亜鉛−アルミニウム合金、共晶組成を持つアルミニウム
ー銅合金、4〜6%AI組成のチタン合金等が挙げられ
る。これら合金のうち、Zn−20〜25%AI合金は
融点が約5(10°C1超塑性を示す温度範囲が2(1
0〜3(10°Cと比較的低いため製造上有利であり、
また亜鉛合金であるために摺動時の凝着が起きにくい等
の特性を有するために、複合材料の母材として好ましい
。また、該合金が亜鉛−22%アルミニウムの共析組成
を持つ亜鉛合金である場合には、α相とβ相とにほぼ等
量分解し、微細な等軸品が得られるので特に好ましい。
また、該母材は、さらに1%以下の銅、または0.02
%程度のマグネシウムなどの母材強化材を含有したもの
であることが好ましい。これは、該強化材を含有するこ
とにより、母材を固溶強化し、機械的性質や加工性を向
上させるので好ましい。
但し、含有量が少なければその効果がなく、多すぎれば
超塑性を阻害するので好ましくなく、マトリックス強化
材の種類により適宜含有量が決定される。その中でも、
0.15〜0.5%の銅を加えた場合には、上記効果を
よりよく発揮するので特に好ましい。
本発明において、硬質粒子は、前記超塑性合金からなる
母材中に分散することにより該母材の強度および耐摩耗
性等を向上させるための強化粒子であり、高強度、高硬
度を有すると共に母材との濡れ性に優れた炭化物や窒化
物等の粉末を用いる。
具体的には、炭化珪素(S i C) 、窒化珪素(S
i、N4)、酸化アルミナ(AI□03)、炭化バナジ
ウム(VC)、炭化タンゲスクン(WC)、炭化チタン
(T i C) 、窒化チタン(TiN)、酸化ジルコ
ニウム(ZrO2)、二酸化珪素(SiO□)等のセラ
ミックス粉末、鉄、ニッケル、タングステン等の金属粉
末等がある。この中でも、特にセラミックス粉末の場合
、高硬度のため著しく耐摩耗性を向上させるので好まし
い。
また、該硬質粒子は、粒径が0.5〜10μmの範囲で
あることが好ましい。これは、0.5μm未満では粉末
間の凝集によって均一分散が困難になり好ましくなく、
また10μmを超える場合、超塑性を阻害する程度が大
きくなるとともに、摺動時に摩耗に対する抵抗とならな
いばがりか、相手材を傷つけるために好ましくない。ま
た、これらの粉末は単一種類で用いてもよく、複数の種
類が混在されてもよい。
該硬質粒子の母材に対する含有量としては、特に限定さ
れるものではないが、耐摩耗性を重視する場合は硬質粒
子の含有量が大きいほど好ましく、複雑形状を得ようと
するときにはその含有量が小さいほうが好ましい。また
、該硬質粒子の分散状態は、複合材料を強化する点およ
び超塑性を発揮するためにも均一に分散しているほうが
好ましい。
強化材として上記材料の繊維も考えられるが、繊維強化
材料では粗形材後の塑性加工が困難であることや異方性
が生じること等の理由により採用できない。
本発明の耐摩耗複合材料は、上述の超塑性合金からなる
母材と該母材中に均一に分散した硬質粒子とからなる複
合材料であり、該複合材料中の延性および耐摩耗性を阻
害する不純物および欠陥の割合を5体積%以下とした。
これは、該割合が5体積%を越えた場合、超塑性を発揮
する母材合金の粒界すべりをこれら不純物や欠陥が阻害
し、これによって硬質粒子の流動性を悪化させ、延いて
は合金全体の延性を損なうといった問題が生じるからで
ある。また、耐摩耗性の点に関しても、不純物や欠陥の
存在により硬質粒子が遊離、脱落しやすくなるという問
題点が生じるからである。該割合が、特に0.5体積%
以下の場合には、発明の効果をよりよく奏することがで
きるので、好ましい。
〔第2発明の説明〕 尤里夏権威 第2発明は、延性と耐摩耗性を兼ね備えた耐摩耗複合材
料の製造方法についての発明であり、硬質粉末を型で圧
粉するかまたは所定形状の容器に入れることにより所定
の形状の成形体とするfi工我と、該成形体を非酸化雰
囲気下で超塑性合金材料母材組成の母材原料の溶融点程
度の温度に加熱する硬質粉末成形体のヱ蓋工我と、予め
加熱された鋳型に前記硬質粉末成形体を入れ、溶融点よ
り高い温度に加熱した超塑性合金材料母材組成の溶湯を
注湯した後、速やかに型で高圧力を付加し、溶湯を凝固
させて複合材料原体を得る加圧鋳造工我と、該複合材料
原体を母材合金のα′相領域範囲の温度に加熱・保持す
ることにより母材組織を均質化する良l■殖処理工楔と
、該均質化熱処理品を母材合金の共析温度直上のα′相
領域温度に均一加熱した後、急冷してα相とβ相の等軸
組織からなる耐摩耗複合材料を得る童貞■藍処理工程と
、からなることを特徴とする。
Hの作 および効果 この製造方法は、加圧鋳造法を採用したので、硬質粉末
が均一に分散し、ポロシティなどの鋳造欠陥がない、粉
末と母材との密着性に優れた複合材料を製造することが
可能になった。これらの性質は、次の二つの理由で重要
である。第一は、大きな延性を発現するために必要な点
で、性能改善により、粉末添加による母材の超塑性の劣
化を最小限に抑えることに成功し、高い延性を持つ複合
材料を実現できた。第二は、使用番こ際して影響する点
て、硬質粉末が均一に分散しているために材料の特性に
分布がなく、常に所定の性能を発揮する。
この製造方法により、高い延性と耐摩性を有する耐摩耗
複合材料を容易に製造することがでる。
また、この製造方法により、母材と粉末粒子との密着性
が強く、すなわち摩擦状態においても粒子の脱落が少な
く、しかも摩耗抵抗として十分その硬さを活かすことが
できる材料を得ることができる。
また、この製造方法により製造した材料は、製品に加工
するときには母材の高い延性が利用でき、製品を使用す
る時には母材強度のひずみ速度依存性と硬質粉末の耐摩
耗性を活かすことができるので、複雑形状に容易に成形
可能で、しかも耐摩耗性に優れたものである。
この耐−耗複合材料がかかる効果を発揮するメカニズム
については、未だ必ずしも十分に明らかではないが、次
のように考えられる。
すなわち、先ず、成形工程において硬質粉末を所定の嵩
密度の成形体とする。これにより粒子間隔が決定され、
後の加圧鋳造工程において母材溶湯が粒子の間隙に侵入
して結果として粉末が均一に分散した合金となる。次に
、予熱工程において、成形体を加熱することにより、母
材溶湯を注入したときの温度低下を最小限に抑えるとと
もに、粉末と母材合金との密着性を向上させることがで
きる。次に、加圧鋳造工程では、母材溶湯を強制的に粉
末粒子の間隙に侵入させるとともに、凝固収縮によって
発生する引は巣のような鋳造欠陥や微細なポロシティを
押し潰す効果を発揮する。これによって、欠陥のない健
全な母材と、粉末粒子と母材界面の密着性に優れた複合
材料原体ができたものと考えられる。さらに、均質化熱
処理工程において、該複合材料原体をα′相温度域に加
熱・保持することにより、鋳造時に生じたα相とβ相か
らなる樹枝状の不均一な母材組織を元素の拡散によって
破壊し、次いで微細化熱処理工程においてこれを急冷す
ることによってα相とβ相の微細な等軸晶組織ムこ変化
させられる。以上の工程によす、微細な結晶組織の母材
と微細な添加硬質粉末とからなる合金が製造でき、これ
によって高い延性を発揮する複合材料が得られたものと
思われる。
〔第3発明の説明〕 1皿(2)盪底 第3発明は、延性と耐摩耗性を兼ね備えた耐摩耗複合材
料の製造方法についての発明であり、硬質粉末を型で圧
粉するかまたは所定形状の容器に入れることにより所定
の形状の成形体とするm工豊と、該成形体を非酸化雰囲
気下で超塑性合金材料母材組成の母材原料の溶融点程度
の温度に加熱する硬質粉末成形体の上蓋工程と、予め加
熱された鋳型に前記硬質粉末成形体を入れ、溶融点より
高い温度に加熱した超塑性合金材料母材組成の溶湯を注
湯した後、速やかに型で高圧力を付加し、溶湯を凝固さ
せて複合材料原体を得る加圧腹遣千我と、該複合材料原
体を母材合金のα°相領域範囲の温度に加熱・保持する
ことにより母材組織を均質化する良1囮勢支理工我と、
該均質化熱処理品を母材合金の共析温度直上のα′相領
域温度に均一加熱した後、象、冷してα相とβ相の等軸
組織からなる耐摩耗複合材料を得る微豊■然処且工程と
、該微細化処理品を超塑性温度域において低ひずみ速度
で製品形状に加工するl益皿工工程と、該加工品を母材
合金のα°相領域の温度範囲に加熱した後、炉冷して母
材を強化する旦せ侠■蓋処理工楔とからなることを特徴
とする。
発註の作用および効果 この製造方法により、高い延性とより高い耐摩性を有す
る耐摩耗複合材料を容易に製造することがでる。
また、この製造方法は、加圧鋳造法を採用したので、ポ
ロシティなどの欠陥がない材料を容易に得ることができ
る。
さらに、この製造方法により、母材と粉末粒子との密着
性が強く、すなわち摩擦状態においても粒子の脱落が少
なく、しかも摩耗抵抗として十分その硬さを活かすこと
ができる材料を得ることができる。
また、この製造方法により製造した材料は、製品に加工
するときには母材の高い延性が利用でき、製品を使用す
る時には母材の組織変化と硬質粉末のより高い耐摩耗性
を活かすことができるので、複雑形状に容易に成形可能
で、しかも耐摩耗性に優れたものである。
この耐摩耗複合材料がかかる効果を発揮するメカニズム
については、未だ必ずしも十分に明らかではないが、次
のように考えられる。
すなわち、上述の第2発明の詳細な説明と同様の作用に
より、成形工程〜微細化熱処理工程を経て、微細な結晶
組織の母材と微細な添加硬質粉末とからなり、これによ
って高い延性を発揮する複合材料が得られる。
次いで、製品加工工程において、微細比熱処理済の複合
材料を、該材料の高い延性を利用して所望形状の製品に
加工する。次いで、母材強化熱処理1赫において、母材
組織がα相とβ相の等軸晶から両者の層状組織に変化さ
せられるため、母材の強度が上述の本第2発明により製
造された複合材料に比してより優れ、従って耐摩耗性に
より優れた複合材料が得られる。
〔第2発明および第3発明のその他の発明の説明〕本発
明の複合材料の製造は、以下のごとく行なわれる。
成形工程 第一の工程は、前述の一種以上の硬質粉末を均一に混合
して型で圧粉するか、容器に入れて所定の形状とする成
形工程である。
この際、混合は、ボールミル等の装置を用いて均一にな
るように行う。
また、成形は、混合粉を容器に詰めたり、型で圧粉する
などの方法で行い、所定の形状(円柱、角柱等の素材、
もしくは完成形状に近い粗形状)の硬質粉末成形体を得
る。
ヱ辣工■ 第二の工程は、前記成形工程で得られた硬質粉末成形体
を予熱する工程である。
前記硬質粉末が炭化物、窒化物等の高温下で酸化する物
質であるため、予熱は非酸化雰囲気で行う。その温度は
注湯温度程度が適当で、6(10〜7(10°Cの温度
範囲であることが好ましく、保持時間は、成形体が内部
まで均一に昇温する程度の時間であればよい。
■圧延遺工楳 第三の工程は、複合材料原体を加圧鋳造により製造する
工程である。
予め熱した鋳型に前記予熱した硬質粉末成形体を入れ、
6(10〜7(10℃の注湯温度で超塑性合金組成の溶
湯を注ぐ。
ここで超塑性合金材料母材組成の溶湯は、20〜25%
AI組成を有する亜鉛−アルミニウム合金、共晶組成を
持つアルミニウムー銅合金、4〜6%AI組成のチタン
合金等が挙げられる。これら合金のうち、Zn−20〜
25%A1合金は融点が約5(10″C1超塑性を示す
温度範囲が2(10〜3(10℃と比較的低いため製造
上有利であり、また亜鉛合金であるために摺動時の凝着
が起きにくい等の特性を有するために、複合材料の母材
として好ましい。また、該合金が亜鉛−22%アルミニ
ウムの共析組成を持つ亜鉛合金である場合には、α相と
β相とにほぼ等量分解し、微細な等軸晶が得られるので
特に好ましい。
また、該溶湯は、さらに1%以下の銅、または0.02
%程度のマグネシウムなどの母材強化材を含有したもの
であることが好ましい。これは、該強化材を含有するこ
とにより、母材を固溶強化し、機械的性質や加工性を向
上させるので好ましい。
但し、含有量が少なければその効果がなく、多すぎれば
超塑性を阻害するので好ましくなく、マトリックス強化
材の種類により適宜含有量が決定される。その中でも、
0.15〜0.5%の銅を加えた場合には、上記効果を
よりよく発揮するので特に好ましい。
その後、速やかに上型を下ろし、高圧力を付加してこれ
を凝固するまで保持する。鋳型の予熱温度は、プレスへ
の伝熱を少なくし、母材合金の浸透性を上げることがで
きる程度の温度であり、2(10〜3(10°Cの範囲
が望ましい。また、加圧力はlo(10kgf/cIi
I程度が望ましい。
以上の工程により、ポロシティなどの鋳造欠陥の無い、
粉末との密着性に優れた複合材料原体を得ることができ
る。
ここで得られる複合材料原体の形状は、製品形状に近い
粗形状でもよいが、以下の工程で製品形状とするため、
丸棒、角柱などのビレットを製造すれば十分である。
良!囮蓋処理工程 第四の工程は、母材合金のα′相領域の温度に加熱して
十分元素を拡散させることで、複合材料原体の鋳造組織
を壊し、組織、成分を均一にする工程である。
これは、アルミ−亜鉛状態図におけるα′相領域の温度
に上記加圧鋳造品を昇温、保持し、適当な方法で冷却す
ることでこの工程は達成される。
好ましくは3(10〜4(10°Cの温度範囲に10〜
15時間保持するのがよい。
盈豊囮聾処且工程 第五の工程は、均質化処理複合材料原体の母材に超塑性
を出現させるために、母材合金のα相とβ相の微細な等
軸組織にする工程である。
これは、前記均質化処理した複合材料原体を、母材合金
のα′相領域で適当な時間保持し、その後象、速冷却す
ることにより達成される。
この際、保持温度は、3(10〜4(10°Cの範囲が
好ましく、保持時間は、昇温後1時間程度でよい。また
、冷却速度は速いほうが好ましいが、例えば、氷食塩水
中に投入することで、必要な冷却速度が得られる。
これにより、高い延性を発揮しうる耐摩耗複合材料が得
られる。
製品加工工程 第3発明の第六の工程は、前記微細比熱処理済みの複合
材料を製品に加工する工程である。
該工程では、加工時に複合材料の高い延性を発揮しそれ
を利用して所望形状を得る。この場合、複雑形状の製品
に容易に加工できる。
そのため超塑性温度域において、低ひずみ速度で加工を
行う。この加工法としては、鍛造法(据え込み、ホビン
グなどを含む)、押出し法、プレス成形法などがある。
その他、圧延で板を成形したり、その板を用いてブロー
成形やバルジング成形することも可能である。このとき
、加工温度は2(10〜3(10°Cの超塑性温度域と
し、加工速度は10−3〜10−’/sec範囲の低い
ひずみ速度で成形するのが好ましい。これは、母材の超
塑性合金がその合金特有の温度範囲とひずみ速度範囲で
巨大な延性を発現するようにするためである。
ヒ熱   1王 第3発明の第七の工程は、母材強化熱処理により製品強
度を付与する工程である。
前記加工状態のままでは母材に延性がある反面、強度の
面で十分ではない。このため、再度母材を等軸微細組織
から層状組織に変化させ、変形抵抗の増加を図ることに
よりこの点の解決を図ったものである。
具体的には、前記加工終了後、α′相碩域まで加熱して
徐冷するか、もしくは2(10〜275℃(共析温度)
までの温度範囲に適当な時間保持する。前者の例を挙げ
れば、前記加工終了後350°Cで1時間保持し、その
後炉冷することである。
炉冷してゆっくり冷却すればこの間に層状組織が成長し
て目的を達成する。
〔第4発明の説明〕 又里鬼盪底 第4発明は、耐摩耗複合材料についての発明であり、超
塑性合金材料母材組成の母材原料と硬質粒子とからなる
耐摩耗複合材料原料を加圧鋳造して複合材料原体とした
後、該原体を均質化・微細化して超塑性を発現させて得
た、超塑性合金からなる母材と該母材中に均一に分散し
た硬質粒子とからなる、延性と耐摩耗性を兼ね備えたこ
とを特徴とする。
発」Iす函果 この耐摩耗複合材料は、高い延性と高い耐摩性を有する
材料である。
従って、該複合材料を用いて製品を製造する場合、完成
品とする段階においては高い延性を示すことにより加工
が容易で、製品として利用する段階においては高い耐摩
耗性を示し、さらに摩耗や変形によって部材の表面形状
が変化したときには、再び高い延性を発揮させることに
よって欠損部分を充たすことで容易に補修できるという
利点を有する。
また、この耐摩耗複合材料は、母材強化材として粉末を
用いたため、微細結晶粒に起因する超ワ性発現の機構を
阻害することが少なく、従って延性と耐摩純生という相
反する特性を何れも満足した材料である。また、材料に
方向性が生じない(加工によって集合組織が発達しない
超塑性合金を母材としていることおよび粉末を添加して
いることによる)ために、機械的性質や摩耗特性に異方
性が生じない均一材料である点で広い応用が可能である
さらに、この耐摩耗複合材料は、母材と粉末粒子との密
着性が強いため摩擦状態においても粒子の脱落が少なく
、しかも摩耗抵抗として十分その硬さを活かすことがで
きる。
〔第5発明の説明〕 前記耐摩耗複合材料の用途の一つとして、プレス加工用
簡易金型がある。
光浬ill戊 第5発明は、プレス加工用簡易金型の発明であり、上型
と下型と該下型を保持するコンテナとからなるプレス加
工用簡易金型において、該金型の少なくとも下型を超塑
性合金からなる母材と該母材中に均一に分散した硬質粒
子とからなる延性と耐摩耗性を兼ね備えた耐摩耗複合材
料によりなることを特徴とする。
発明の乍用および効果 このプレス加工用簡易金型は、耐摩耗性に優れるでいる
また、このプレス加工用簡易金型は、該金型に摩耗その
他の表面損傷が生じたときには、その高い延性を利用す
ることによって容易にこれを修復できる。すなわち、摩
耗や変形により型としての寿命がきたとき、従来の簡易
型と比較して、再溶解や再鋳造の必要がなく、従って鋳
込み用に型を製造する必要がなく、また溶解用の加熱炉
、これに伴うコストも不要で、容易に型を補修できる。
このように、このプレス加工用簡易金型がかかる効果を
発揮するメカニズムについては、未だ必ずしも十分に明
らかではないが、次のように考えられる。
このプレス加工用簡易金型の前記複合材料で作製された
型部は、 ■成る温度範囲かつ成るひずみ速度範囲で大きな延性を
持つ、 ■この条件を外れた、例えば室温の機械プレスによる加
工、におけるような条件下では、優れた強度と耐摩耗性
を持つ、という特長を有する。これにより、金型の製造
を■の条件で行うことにより、複雑形状の型を簡便かつ
安価に製造ができる。
また、この型を用いた製品の製造は、■の条件下で行う
ことにより、すなわち例えば室温の機械プレスによる加
工において、優れた強度と耐摩耗性を発揮させ、製品を
プレス成形することができる。
〔第5発明のその他の発明の説明〕 前記プレス加工用簡易金型を、第1図を用いてさらに具
体的に説明する。
第1図は、本発明のプレス加工用簡易金型の具体例とし
て金型を用いた薄鋼板の曲げ加工時の概略を示す。
本具体例の簡易金型は、上型1と下型2と該下型2を保
持するコンテナ3とからなるプレス加工用簡易金型であ
り、該下型2は、超塑性合金からなる母材と該母材中に
均一に分散した硬質粒子とからなる延性と耐摩耗性を兼
ね備えた耐摩耗複合材料を用いて製造されている。なお
、この具体例では、コンテナ3の下型2と反対側の側周
部には加熱用ヒータ4が設けられており(本プレス機で
で下型の製造や補修を行わなければ不要)、前記第1図
は、被加工材5にプレス加工を行っている状態を示して
いる。
このプレス加工用簡易金型の製造方法について、−具体
例を第2図を用いて簡単に説明する。
この具体例は、プレス加工用簡易金型の下型を製造した
例で、第2図の簡易型の製造方法を説明した概略断面図
に示すように、マスターポンチ6と、コンテナ7と加熱
用ヒーター8とから構成される下型製造工具に、本発明
の特許請求の範囲第(6)項に記載した製造方法により
得られた複合材料からなる下型用素材9を配置し、マス
ターポンチ6を用いて、ホットホビングで加工される。
すなわち、ヒーター8で超塑性温度域に下型用素材9を
加熱し、所定の温度を保持しながらマスターポンチ6を
徐々に下降させて下型用素材9を圧下する。これにより
、下型用素材9の表面にマスターポンチ6のポンチ表面
形状を正確に転写することができる。
この時、もし母材の強度増加を図る場合は、加熱用ヒー
ター8により下型用素材9を十分加熱する。
本発明のプレス加工用簡易金型は、樹脂型や亜鉛合金型
、その他の低融点合金型のごとき従来の簡易型と比較し
て、射出工程や鋳造工程の必要がなく、従って鋳込み用
の型を製造する必要がなく、また溶解用の加熱炉や、こ
れに伴うコストが不要である。
〔第6発明の説明〕 本発明は、前記耐摩耗複合材料が摩耗などでその表面が
損耗したときの補修の方法である。
又里p盪威 第6発明は、耐摩耗複合材料により製造された製品の補
修方法の発明であり、超塑性合金からなる母材と該母材
中に均一に分散した硬質粒子とからなる延性と耐摩耗性
を兼ね備えた製品を、母材合金の共析温度直上のα′相
領域温度に均一加熱した後、急冷してα相とβ相の等軸
組織からなる耐摩耗複合材料を得る徽患(IJ処現工程
と、該微細化処理品を超塑性温度域において低ひずみ速
度で製品形状に加工するn■工千程とからなることを特
徴とする。
発明の作用およびt果 この耐摩耗複合材料の補修方法により、超塑性合金から
なる母材と該母材中に均一に分散した硬質粒子とからな
る延性と耐摩耗性を兼ね備えた製品を、容易に初期形状
または所望の形状に修復することができる。
このように、この耐摩耗複合材料の補修方法がかかる効
果を発揮するメカニズムについては、未だ必ずしも十分
に明らかではないが、次のように考えられる。
すなわち、前記耐摩耗複合材料に表面損傷が生じた場合
、先ず、補修の必要な部分を少なくとも含む部分に超塑
性を出現させるために、母材合金のα相とβ相の微細な
等軸組織にする。これにより、高い延性を発揮しうる耐
摩耗複合材料とすることができる。次いで、前記微細比
熱処理済みの複合材料を、加工時に該複合材料が高い延
性を発揮することを利用して所望形状の製品に加工する
これにより、耐摩耗複合材料により製造された製品を、
初期形状または所望の形状に容易に修復することができ
る。
従って、例えば本複合材料を簡易型に適用した場合のよ
うに、現在用いられている亜鉛合金(ZASなど)のよ
うに再溶解する必要なく、微細化熱処理とポンチによる
再圧下により容易に修復できるという特有の効果を奏す
ることができる。
なお、超塑性合金からなる母材と該母材中に均一に分散
した硬質粒子とからなる延性と耐摩耗性を兼ね備えた製
品は、延性を有しているので、そのまま加工して修復を
することができるが、上述の如く微細化熱処理を施して
α相とβ相の等軸組織からなる延性に優れたものとする
ことが好ましい。
また、さらに優れた強度、耐摩耗性を有する複合材料ま
たは製品とするために、さらに母材強化熱処理を施して
再度母材を等軸微細組織から層状組織に変化させ、製品
強度を付与することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細な説明する。
実施例1゜ 母材として亜鉛−アルミニウム合金を、硬質粉末として
各種セラミックスを用い、耐摩耗複合材料を製造し、性
能評価試験を実施した。
先ず、硬質粉末原料としてVC粉末(純度99wt%9
粒径10μm以下)を用い、両端に開口部を設けた角パ
イプ(寸法40X25X70mm。
厚さ1mm)に詰めることによって粗形材に成形し、該
成形体を650°Cに予熱した後、230〜250°C
に予熱した鋳型中に置き、速やかに第1表に示す組成の
亜鉛合金の溶湯(23,1wt%A1−〇、50wt%
Cu−Zn、650°C)を注いだ後、上型を980k
gf/cm2の圧力で圧下し、120秒間保持した。こ
れによって、亜鉛合金を角パイプ内部のVC粉末中に均
一に浸透させることができ、複合材料原体を得た。
また、硬質粉末原料としてSiC粉末(純度99%、平
均粒径3.6μm)およびA1□0.粉末(純度99.
9%、平均粒径0.6 μm) 、S 13Na粉末(
純度99.08%、平均粒径1.2μm)を用い、上記
と同様の方法により、複合材料原体を得た。
これら複合材料原体のなかから、硬質材料とし7 S 
i 、N4粉末を用いたものについて、その内部組織の
観察を電子顕微鏡(1660倍)により行った。その結
果を、第3図に示す。図中、Aは、313N4粉末を、
Bは母材をそれぞれ示す。同図から明らかのように、該
複合材料原体は、ポロシティなどの欠陥のない、緻密な
組織となっていた。
次に、この複合材料原体を切削加工してL曲げ成形型の
曲げ刃(幅20X高さ15.肩アール3mm)を作製し
、これを均質化処理(350″Cに15hr保持後炉冷
)、微細化熱処理(353°Cに30m1n保持後氷水
中へ急冷)して、本実施例にかかる耐摩耗複合材料を得
た。
得られた耐摩耗複合材料について、ビッカース硬度計に
より、圧下荷重10 k g、fで硬さの測定試験を行
った。その結果を、第1表に示す。
また、上記耐摩耗複合材料を用い、薄鋼板(SPCC,
0,8mm厚さ)のし曲げ成形を、第4図に示した成形
装置を用いて行い、曲げ刃の摩耗状態を比較した。なお
、該装置は、曲げ刃10.せん新月11、ポンチ12、
ノックアウト13などからなり、素材14を連続的に1
万回り字曲げ成形した。その結果を、曲げ刃肩部の摩耗
深さについての結果は第5図に、曲げ刃壁部の摩耗深さ
についてに結果は第6図に、それぞれ示す。
第  1  表 さらに、上記耐摩耗複合材料の成形性評価試験を行った
。すなわち、該複合材料を、温度250°Cで、7字溝
が形成された圧縮板に速さ0.02 mm/ s e 
cで50%圧下した。その時の溝深さと複合材料の進入
深さの比を、第7図に示す。
第1表、第5図、第6図および第7図より明らかのごと
く、本実施例の複合材料は、片状黒鉛鋳鉄(試料番号C
4)程度の硬さを持ち、ZAS(試料番号C3)やA3
90(試料番号C2) より優れた耐摩耗性を備え、し
かも非常に優れた延性を有していることがわかる。
実施例2゜ 硬質粉末原料として、VC粉末(試料番号5:純度99
wt%2粒径1oμm以下)、SiC粉末(試料番号6
:純度99%、平均粒径3.6μm)およびA I 2
03粉末(試料番号7:純度99.9%、平均粒径0.
6 μm) 、S i、N4扮末(試料番号8:純度9
9.08%、平均粒径1.2μm)を用い、前記実施例
1と同様の方法により硬質粉末の成形、予熱を行い、さ
らに実施例1と同様の亜鉛合金の溶湯を用い同様に加圧
鋳造して、複合材料原体を得た。
次に、この複合材料原体を均質化処理(35゜°Cに1
5hr保持後炉冷)を施し、さらに微細化熱処理(35
3°Cに30m1n保持後氷水中へ急冷)を施した。
次いで、この微細化処理品を、温度250″C1速す0
.05mm/s e cの条件で圧縮加工してL字曲げ
成形型の曲げ刃(幅20×高さ15.肩アール3+nm
)を作成し、さらに該加工品の母材強化熱処理(350
℃に30m1n保持後炉冷)して、本実施例にかかる耐
摩耗複合材料を得た。
得られた耐摩耗複合材料について、実施例1と同様に硬
さ試験を行った。その結果、試料番号5〜8の何れも実
施例1よりも高い硬度を示した。
さらに、上記耐摩耗複合材料の成形性評価試験を行った
。すなわち、該複合材料を、温度250°Cで、7字溝
が形成された圧縮板に速さ0.02inn/ s e 
cで50%圧下した。その時の溝深さと複合材料の進入
深さの比を、第8図に示す。第8図より明らかのごとく
、本実施例の複合材料は、非常に優れた延性を有してい
ることがわかる。
叉施班1・ 硬質粒子VC(試料番号1)を用い、複合材料原体を曲
げ刃に加工しなかった他は実施例1と同様の方法で耐摩
耗複合材料を得、これを用いてプレス加工用の簡易曲げ
型を製作した。
先ず、冷間ダイス鋼からなるマスターポンチを機械加工
で製作し、JISに定められた熱処理を施して所定の硬
さ(HRC=60)にした。一方、前記複合材料(添加
セラミックスVC)からなる下型用素材を0.5 m 
X 0.5 mのコンテナ内に保持し、5(10トンの
油圧プレスの下部ラムに固定した。
これを、コンテナ周囲の加熱用ヒータでコンテナごと2
50°Cに昇温し、これを維持しながらプレスの上部ラ
ムに取りつけたマスターポンチを下降させて、マスター
ポンチの表面形状を該材料に転写させ、下型を製造した
。このときのラム移動速度は、0.01mm/ s e
 cとした。また、マスターポンチ表面を厚さ0.8 
mmの耐熱性プラスチックシートで覆い、被加工材の板
厚に相当するクリアランスを作った。
下型製造後、母材を強化するために、下型をコンテナ周
囲のヒータで250℃に16時間加熱して組織を層状に
変化させた。
これより得られた曲げ型を用いて、厚さ0.8 mの薄
鋼板を加工したところ、70(10枚の成形が可能であ
った。
叉隻桝土・ 前記実施例3のプレス加工用の簡易曲げ型により加工さ
れた成形品を利用し、本発明にかかる複合材料を用いて
下型および上型を製造した。
まず、前記成形品の凹部に、普通ポルトランドセメント
(セメント55重量部、砂5重量部、水40重量部)を
充填し、固化させることによりマスターポンチ用成形品
を作製した。
次に、平頭ポンチに該マスターポンチ用成形品のフラン
ジ部をゴムシートを介してボルト締めして取りつけ、マ
スターポンチとした。
次いで、このマスターポンチおよび前記実施例3で述べ
た複合材料(添加セラミックスVC)からなる下型用素
材を用い、実施例3と同様にして下型を作製した。
次に、別の成形品を下型の上に密着させて載置し、およ
その形状に作製した本発明にかかる複合材料をその上に
設置し、平′頭ポンチで圧下し、上型形状に成形した。
そして、この上型と下型を用いて実施例3と同様のプレ
ス加工用の簡易曲げ型を製作した。これより得られた曲
げ型を用いて、実施例3と同様に薄鋼板を加工したとこ
ろ、同様の成形が可能であった。
実施例5゜ 実施例3で製造した曲げ型を用いて1(10(10枚の
薄鋼板を加工処理したところ、下型の肩部に最大40μ
mの摩耗が生じた。そこで、この下型を350°Cに昇
温後30分保持し、氷食塩水中に投入して母材組織を微
細均一化した。これを、プレスに固定して250°Cに
加熱した後、マスターポンチを用いて速度0.01mm
/s e cで圧下した。
これによりダイス肩部の欠損は2〜3μmに減少し、こ
の修復によって曲げ加工が再開できた。なお、とのとき
クリアランスシートとして、既に加工済の成形体をマス
ターポンチと該下層の間に介在させた。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明および本発明の実施例を示し、第1図は本
発明の具体例としてのプレス加工用簡易金型を用いた薄
鋼板の曲げ加工を示す概略説明図、第2図は本発明の具
体例としてのプレス加工用簡易金型の製造方法を示す説
明図、第3図ないし第7図は実施例1を示し、第3図は
その複合材料原体の内部組織を示す電子顕微鏡写真図(
倍率1660倍)、第4図はその複合材料耐摩耗性評価
に用いたし曲げ成形試験法の装置を示す概略説明図、第
5図はその曲げ刃肩部の摩耗深さを示す図、第6図はそ
の曲げ刃壁部の摩耗深さを示す図、第7図はその複合材
料の成形性評価結果を示す図、第8図は実施例2の複合
材料の成形性評価結果を示す図である。 ・上型、 ・コンテナ、 ・被加工材、 ・コンテナ、 ・複合材料。 下型、 加熱用ヒータ、 マスターポンチ、 ヒータ、 第4図 試 料 番 号 第6図 試 料 番 号 第7図 手続(甫 正置(旅 1呵牛の耘 昭和63鴇1f@@240555号 およびその用途 羽生との関係 ヤ目午出臥 イ土シaと工1?I警95ビ 小松 (全送日昭和63年12月20日) 7、補正の内容 明細書中の記載を次のように補正する。 ill  第39頁第16行ないし第17行に「その内
部組織の」とあるを「その内部の金属組織の」とする。 (2)  第47頁第6行に「の内部組織を示す」とあ
るを「内部の金属組織を示す」とする。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)超塑性合金からなる母材と、該母材中に均一に分
    散した硬質粒子とからなる複合材料であって、該複合材
    料中の延性および耐摩耗性を阻害する不純物および欠陥
    の割合を5体積%以下としてなり、母材と硬質粒子との
    密着性が優れるとともに延性と耐摩耗性を兼ね備えたこ
    とを特徴とする耐摩耗複合材料。
  2. (2)母材が、亜鉛−20〜25%アルミニウムの組成
    を持つ亜鉛合金からなるとともに、亜鉛合金のマトリッ
    クス強化のため1%以下の銅を含むことを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載の耐摩耗複合材料。
  3. (3)母材が、亜鉛−22%アルミニウムの共析組成を
    持つ亜鉛合金からなることを特徴とする特許請求の範囲
    第(2)項記載の耐摩耗複合材料。
  4. (4)硬質粒子が、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、炭
    化バナジウム等のセラミクス粉末であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項記載の耐摩耗複合材料。
  5. (5)硬質粒子の粒径が、0.5〜10μmの範囲であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の耐
    摩耗複合材料。
  6. (6)硬質粉末を型で圧粉するかまたは所定形状の容器
    に入れることにより所定の形状の成形体とする成形工程
    と、 該成形体を非酸化雰囲気下で超塑性合金材料母材組成の
    母材原料の溶融点程度の温度に加熱する硬質粉末成形体
    の予熱工程と、 予め加熱された鋳型に前記硬質粉末成形体を入れ、溶融
    点より高い温度に加熱した超塑性合金材料母材組成の溶
    湯を注湯した後、速やかに型で高圧力を付加し、溶湯を
    凝固させて複合材料原体を得る加圧鋳造工程と、 該複合材料原体を母材合金のα′相領域範囲の温度に加
    熱・保持することにより母材組織を均質化する均質化熱
    処理工程と、 該均質化熱処理品を母材合金の共析温度直上のα′相領
    域温度に均一加熱した後、急冷してα相とβ相の等軸組
    織からなる耐摩耗複合材料を得る微細化熱処理工程と、 からなることを特徴とする延性と耐摩耗性を兼ね備えた
    耐摩耗複合材料の製造方法。
  7. (7)硬質粉末を型で圧粉するかまたは所定形状の容器
    に入れることにより所定の形状の成形体とする成形工程
    と、 該成形体を非酸化雰囲気下で超塑性合金材料母材組成の
    母材原料の溶融点程度の温度に加熱する硬質粉末成形体
    の予熱工程と、 予め加熱された鋳型に前記硬質粉末成形体を入れ、溶融
    点より高い温度に加熱した超塑性合金材料母材組成の溶
    湯を注湯した後、速やかに型で高圧力を付加し、溶湯を
    凝固させて複合材料原体を得る加圧鋳造工程と、 該複合材料原体を母材合金のα′相領域範囲の温度に加
    熱・保持することにより母材組織を均質化する均質化熱
    処理工程と、 該均質化熱処理品を母材合金の共析温度直上のα′相領
    域温度に均一加熱した後、急冷してα相とβ相の等軸組
    織からなる耐摩耗複合材料を得る微細化熱処理工程と、 該微細化処理品を超塑性温度域において低ひずみ速度で
    製品形状に加工する製品加工工程と、該加工品を母材合
    金のα′相領域の温度範囲に加熱した後、炉冷して母材
    を強化する母材強化熱処理工程とからなることを特徴と
    する延性と耐摩耗性を兼ね備えた複雑形状製品の製造方
    法。
  8. (8)超塑性合金材料母材組成の母材原料と硬質粒子と
    からなる耐摩耗複合材料原料を加圧鋳造して複合材料原
    体とした後、該原体を均質化・微細化して超塑性を発現
    させて得た、超塑性合金からなる母材と該母材中に均一
    に分散した硬質粒子とからなる、延性と耐摩耗性を兼ね
    備えたことを特徴とする耐摩耗複合材料。
  9. (9)上型と下型と該下型を保持するコンテナとからな
    るプレス加工用簡易金型において、該金型の少なくとも
    下型を超塑性合金からなる母材と該母材中に均一に分散
    した硬質粒子とからなる延性と耐摩耗性を兼ね備えた耐
    摩耗複合材料によりなることを特徴とするプレス加工用
    簡易金型。
  10. (10)超塑性合金からなる母材と該母材中に均一に分
    散した硬質粒子とからなる延性と耐摩耗性を兼ね備えた
    製品を、母材合金の共析温度直上のα′相領域温度に均
    一加熱した後、急冷してα相とβ相の等軸組織からなる
    耐摩耗複合材料を得る微細化熱処理工程と、該微細化処
    理品を超塑性温度域において低ひずみ速度で製品形状に
    加工する製品加工工程とからなることを特徴とする延性
    と耐摩耗性を兼ね備えた製品の表面修復方法。
JP24055588A 1988-09-26 1988-09-26 延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途 Pending JPH0288735A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24055588A JPH0288735A (ja) 1988-09-26 1988-09-26 延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24055588A JPH0288735A (ja) 1988-09-26 1988-09-26 延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0288735A true JPH0288735A (ja) 1990-03-28

Family

ID=17061272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24055588A Pending JPH0288735A (ja) 1988-09-26 1988-09-26 延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0288735A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009113050A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Ibaraki Univ Zn−Al共析系合金接合材、Zn−Al共析系合金接合材の製造方法、Zn−Al共析系合金接合材を用いた接合方法及びZn−Al共析系合金接合材を用いた半導体装置
CN109161716A (zh) * 2018-09-27 2019-01-08 山东建筑大学 氮化硅-氮化锆-氮化硼晶须增韧高强度锌基合金的制备方法
CN109778014A (zh) * 2019-03-18 2019-05-21 武汉科技大学 一种铸造减摩耐磨高铝锌基复合材料及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009113050A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Ibaraki Univ Zn−Al共析系合金接合材、Zn−Al共析系合金接合材の製造方法、Zn−Al共析系合金接合材を用いた接合方法及びZn−Al共析系合金接合材を用いた半導体装置
CN109161716A (zh) * 2018-09-27 2019-01-08 山东建筑大学 氮化硅-氮化锆-氮化硼晶须增韧高强度锌基合金的制备方法
CN109778014A (zh) * 2019-03-18 2019-05-21 武汉科技大学 一种铸造减摩耐磨高铝锌基复合材料及其制备方法
CN109778014B (zh) * 2019-03-18 2020-09-08 武汉科技大学 一种铸造减摩耐磨高铝锌基复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11555229B2 (en) High-strength aluminum alloy laminated molding and production method therefor
US4915605A (en) Method of consolidation of powder aluminum and aluminum alloys
US5561829A (en) Method of producing structural metal matrix composite products from a blend of powders
Cho et al. Mechanical properties and their microstructure evaluation in the thixoforming process of semi-solid aluminum alloys
CN1009741B (zh) 镍基超耐热合金的制品及制造方法
JP2006233320A (ja) 高強度マグネシウム合金材およびその製造方法
CN111822711B (zh) 高致密度钛或钛合金零部件及其粉末冶金充型制造方法
Chen et al. Thixocasting of hypereutectic Al–25Si–2.5 Cu–1Mg–0.5 Mn alloys using densified powder compacts
Chen et al. A novel method for net-shape forming of hypereutectic Al–Si alloys by thixocasting with powder preforms
US4869751A (en) Thermomechanical processing of rapidly solidified high temperature al-base alloys
Sahin et al. Analysis of microstructures and mechanical properties of particle reinforced AlSi7Mg2 matrix composite materials
US4244738A (en) Method of and apparatus for hot pressing particulates
GB2179369A (en) Sintered aluminium alloy
KR101110947B1 (ko) 금속 매트릭스 복합 재료의 제조 방법
US20040208772A1 (en) Sinter metal parts with homogeneous distribution of non-homogeneously melting components as method for the production thereof
CN107761022A (zh) 一种混合相增强镁基复合材料及其制备方法
JP2009270141A (ja) Ti−Al系合金ターゲット材の製造法
JPH0288735A (ja) 延性と耐摩耗性を兼ね備えた複合材料、その製造方法およびその用途
US3472709A (en) Method of producing refractory composites containing tantalum carbide,hafnium carbide,and hafnium boride
CZ19962U1 (cs) Tekutinotesný díl ze slinutého kovu
RU2760688C1 (ru) Способ изготовления заготовок из антифрикционной бронзы литьем с последующей экструзией
JPH0643628B2 (ja) アルミニウム合金部材の製造方法
JPH0617486B2 (ja) 粉末製Ni基超耐熱合金の鍛造方法
Sharma A Research Paper on Squeeze Casting
Chen et al. Net-shape formation of hypereutectic Al–Si alloys by thixocasting of gas-atomised powder preforms