JPS585253Y2 - 空芯式メ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は指示特性が安定な空芯式メータに関するもので
ある。

自動車のアンメータなどに広く使われている従来の空芯
式メータは、回動途中で指示が変化したり指針軸の軸受
は抵抗が変化したりすることがあつた。

第１図は従来の空芯式メータの縦断面図である。

１は上地板、２は上地板１に螺合された軸受、３は下地
板、４は軸受２と下地板３の軸受部３ａの間に軸支され
た指針軸である。

この指針軸４には可動磁片５が固定され、また指針軸４
の軸受２を貫通した先端には指針６が装着されている。

可動磁片５；の図で上方にほぼコ字形の永久磁石７が設
けられ、可動磁片５の反対側（図で下方）にはコニイル
８を巻回したヨーク９の両端に形成されたヨーク磁極９
ａ 、９ ｂが設けられる。

なお永久磁石７の磁極Ｎ、Ｓ（Ｓは図示せず）は図の紙
面前後方向に配置され、ヨーク磁極９ ａ 、９ ｂは
これと直角に図の左右方向に配置される。

このような構成において、常時は可動磁片５は永久磁石
７の磁極Ｎ、Ｓに吸引されこれと平行方向に向いて停止
位置に保持されているが、コイル８に電流を流すとヨー
ク磁極９ａ、９ｂが励磁されるため、可動磁片５はこの
ヨーク磁極９ ａ 、９ ｂにも吸引されて停止位置か
ら回動する。

この回動角はコイル８に流れる電流に比例するので指針
６の回動位置によって電流または電圧の測定ができる。

しかしながら、従来の空芯式メータにおいては、コイル
８に流れる電流が零または少ないときは、可動磁片５は
永久磁石７．の磁極Ｎ、Ｓによって上方に吸引されるた
め、指針軸４はそのホゾ段部が軸受２に当リスラスト軸
受けされて軸支される。

ここで、コイル８に流れる電流が増加してくると、可動
磁片５はヨーク磁極９ａ、９ｂに吸引されて回動すると
同時にある時点で瞬間的に下方に吸引されるため、指針
軸４はその下方の先端が軸受部３ａに当すピボット軸受
けされて軸支される。

このとき、指針軸４は縦アガキ分の距離だけ軸方向に移
動するため、可動磁片５と永久磁石７の磁極Ｎ、Ｓの軸
方向の間隔はこの距離分はなれ、可動磁片５とヨーク磁
極９ ａ 、９ ｂの軸方向の間隔はこの距離分近づく
、この結果、可動磁片５に作用する磁界が急激に変化し
指針６の指示位置が変位する。

第２図はコイル８に流れる電流と指針６の振れ角の関係
を示すグラフである。

ある電流値の時点で指針軸４は軸方向に移動し、可動磁
片５がヨーク磁極９ａ、９ｂに近づくためより強い回動
方向のトルクを受けるため、急激に指針６の振れ角は増
加する。

また、指針軸４が軸受２および軸受部３ａによって受け
る軸方向の軸受は抵抗はそれぞれ異なるため、指針軸４
の移動時点の前後で電流に対するトルク特性が変化し指
示誤差が発生するようになる。

さらに軸受２をまわして縦アガキを適当に調整して組立
てるため、組立作業が非常に面倒であった。

このように従来の空芯式メータによると、指針軸が軸方
向に移動するため指針表示が不安定になるという欠点が
あった。

本考案はこのような従来の欠点を解消するためになされ
たもので、その目的とｆるところは指針がすべての回動
範囲において正確かつ安定な指示を行なうような空芯式
メータを提供することにある。

・・このような目的を達
成するだめに、本考案は、ヨーク磁極および永久磁石を
可動磁片に対して同一方向に配置し、指針軸をこめ方向
で軸方向に軸受けするようにしたものである。

以下、本考案を図面に基づＩ／′）て詳細に説明する。

第３図は本考案に係る空芯式メータの一実施例の分解斜
視図、第４図はそめ縦断面図である。

図において、第１図と同一部品には同番号を付しである
。

１１は上地板で；その中央部に指針軸４の先端部分が貫
通する軸受孔１１ａ′が形成されている。

１７は長板状に形成された永久磁石で、両端には磁極Ｎ
、Ｓが着磁され、中央部には指針軸４がゆるく貫通する
孔１７ ａが形成されている。

１９はほぼコ字状に形成されたヨークで、中央部にはコ
イル１８が巻回され、両端は２つに分かれ下地板１３を
貫通した後内方に折曲げてヨーク澁：極１９ ａ 、１
９ ｂが形成されている。

下地板１３の中心位置には円錐状に凹んだ軸受部１３ａ
が形成されている。

永久磁石１７は、４の磁極Ｎ、Ｓを結ぶ□′縁がヨーク
磁極１９ａ、１９ｂを結ぶ線と直角になるような配置で
下地板１３上に取付けられる。

また指針軸４は上地板１１の軸受孔１１ ａと下地板１
３の軸受部１３ ａの間に回動自在に軸支される。

指針軸４に固定された可動磁片５の回動原理は従来のも
のと同しである。

この場合、永久磁石１７とヨーク磁極１９ａ、１９ｂは
ほぼ同一面上にあり、したがって可動磁片５に対してと
もに同一方向（図で下方）に設けられていることになる
。

このため、コイル１８に流れる電流が零かまたは少ない
期間は、可動磁片５は永久磁石１７の磁極Ｎ、Ｓによっ
て下方に吸引され、その停止位置を保つと同時に指針軸
４はその下方の先端が軸受部１３ ａに当ってピボット
軸受けされる。

そしてコイル１８に流れる電流が増加してヨーク磁片１
９ ａ 、１９ ｂによる吸引力で可動磁片５が回動し
ても、可動磁片５に作用する軸方向の吸引力の方向は同
様に下方であり変化しないため、指針軸４は引続き軸受
部１３ａによってピボット軸受けされる。

したがって、指針軸４はどのような回動位置でも軸方向
に変位することはなく、可動磁片５に作用する磁界はリ
ニヤに変化して行くため、電流に対するトルク特性は直
線的になる。

また、指針軸４は、スラスト軸受けより摩擦が少ないピ
ボット軸受けで軸支されるため、軸受は損失も少なく長
期安定性が得られる。

また、指示軸の縦アガキを調整する必要がなくなるため
組立作業が簡素化されるとともに、従来のような調整機
能を有する軸受が不要になり・綜合的にコストが低減で
きる。

また、地板上にヨークと永久磁石が取付けられ、さらに
地板に指針軸をピボット軸受けする軸受部が形成されて
いるので、構造が簡単になり、かつ小形化がはかれる。

本考案は電流計にも電圧計にも適用することができる。

このように、本考案に係る空芯式メータによると、指針
の表示が正確かつ安定になるとともに、コストの低減が
はかれる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空芯式メータの縦断面図、第２図はその
電流と振れ角の関係を示すグラフ、第３図は本考案に係
る空芯式メータの一実施例の分解斜視図、第４図はその
縦断面図である。 ４・・・・・・指針軸、５・・・・・・可動磁片、６・
・・・・・指針、１１・・・・・・上地板、１１ ａ・
・・・・・軸受孔、１３・・・・・・下地板、１３ａ・
・・・・・軸受部、１７・・・・・・永久磁石、１８・
・・・・・コイル、１９・・・・・・ヨ−ク、１９ ａ
、１９ ｂ・・・・・・ヨーク磁極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に軸受部を有する地板と、被測定電圧または電流が
   供給されるコイルが巻回されその先端にヨーク磁極が形
   成されるとともに、前記地板の前面にヨーク磁極、後面
   にコイル巻同部分が配置されるように地板に取付けられ
   たヨークと、指針が取付けられ前記軸受部にピボット・
   軸受けされて回動自在に軸支された指針軸と、前記コイ
   ルに電流が流れていないとき前記指針を停止位置に保持
   するために前記地板の前面に取付けられた永久磁石と、
   前記ヨーク磁極および永久磁石より前方の位置で前記指
   針軸に固定された可動磁片とを備え、前記コイルに通電
   して前記ヨーク磁極を励磁し、このヨーク磁極で前記可
   動磁片を吸引して前記指針を停止位置から回動させるよ
   うにした空芯式メータ。