JPS5852305Y2 - 流体噴射式織機における緯糸ガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は流体噴射式織機における緯糸ガイドに関する
ものである。

従来、第１図に示すように流体噴射式織機におけるクロ
ーズドタイプの緯糸ガイド１における補助空気流の噴出
孔２は同ガイド１の弧状ガイド片１ａ及び直立ガイド片
１ｂとで形成される環状部３の緯入れ方向側内側縁部に
全体として環状をなすように多数透設されていた。

そして、同緯糸ガイド１内に形成したエア通路４を介し
て噴出孔２は補助空気流をメインノズルから緯入れ方向
に流れる主空気流の外周全体にこれを取り巻くように供
給していた。

しかし、この緯糸ガイド１の基端部に近い下部の噴出孔
２は前記エア通路４からの空気流を直接噴出させるため
、その補助空気流の噴出力は上方にある各噴出孔２から
噴出される補助空気流よりも強く、緯糸を同ガイド１の
スリット部５方向へ押上げてしまって正確に緯入れ方向
へ送ることができなくなったり、スリット部５から外れ
緯入れができなかったりする問題があった。

又、これを解消するために前記下部にある噴出孔２の内
径を小さくして、各噴出孔２からの補助空気流の噴出力
を均一にさせるものがあったが、その調整は非常に難し
く事実上不可能であった。

又、前記欠点を解消すべく第２図に示すように強い補助
空気流が噴出される前記下部の噴出孔２をなくした緯糸
ガイド１が考えられるが、空気流が直接エア通路４の内
壁６にぶつかって分散し流速が遅れかつ乱れて上方の噴
出孔７へ送り込まれるため、空気流の流入抵抗が大きく
なるとともに、各噴出孔７からの補助空気流の強さを均
一にすることができなかった。

しかも第３図に示すように噴出孔７から噴出される補助
空気流は流体の直進性によって上方へ向かって噴出する
ため、前記と同様に緯糸をスリット部５方向へ押上げる
という問題点もある。

この考案の目的は前記欠陥を解消して空気流の流入抵抗
を小さくできるとともに、各噴出孔からの補助空気流の
噴出力が均一にでき、緯糸の緯入れを確実にかつスムー
ズに行うことができる流体噴射式織機における緯糸ガイ
ドを提供するにある。

以下、この考案を具体化した流体噴射式織機における緯
糸ガイドの一実施例を第４図〜第７図に基づいて説明す
る。

１０は緯糸ガイド全体を示し、１１はスレー（図示せず
）に固定される基部であって、その基部１１の上端から
織布側へ分岐して延びた弧状ガイド片１２が形成されて
いる。

１３は同基部１１上端から前記弧状ガイド片１２と反対
側へ分岐して延びた直立ガイド片であって、弧状ガイド
片１２とで円形状の緯入れ孔１４が形成されている。

１５は前記弧状ガイド片１２と直立ガイド片１３の先端
部間に形成されたスリットであって、筬打ちするために
緯糸ガイド１０が織布側へ傾動したとき、緯入れされた
緯糸が同スリット１５から外れるようになっている。

１６は前記基部１１内に形成した基部エア通路、１７は
前記基部エア通路１６の上端部の内壁を延出して形成し
た分岐壁であって、下端部を先細に形成し、弧状ガイド
片側分岐通路１８と直立ガイド片側分岐通路１９に基部
エア通路１６が分岐されている。

各弧状ガイド片側及び直立ガイド片側分岐通路１８．１
９は第７図に示すように前記分岐壁１７に厚みがあるた
め、それぞれ弧状及び直立ガイド片１２．１３内の外側
帯りに形成されているとともに、その各基端開口部１８
ａ 、１９ ａの大きさの割合は後記する各噴出孔２
１．２３の面積の比に応じて決められており、各噴出孔
２１．２３からの補助空気流の噴出力を均一にさせるよ
うになっている。

２０は前記弧状ガイド片側分岐通路１８の先端開口部１
８ｂと連通した弧状ガイド片側エア通路であって、第７
図に示すようにその内径は前記弧状ガイド片側分岐通路
１８の内径より大きく内側へ広がっている。

２１は前記弧状ガイド片１２の緯入れ方向側内側縁寄り
に第４図及び第５図に示すように透設した６個の噴出孔
であって、基部エア通路１６からの空気流が前記弧状ガ
イド片側分岐通路及びエア通路１８．２０を介して前記
緯入れ孔１４の中心軸線上に補助空気流として噴出され
る。

２２は前記直立ガイド片側分岐通路１９の先端開口部１
９ｂと連通した直立ガイド片側エア通路であって、第６
図及び第７図に示すようにその内径は前記直立ガイド片
側分岐通路１９の内径より大きく内側へ広がっている。

２３は前記直立ガイド片１３の緯入れ方向側内側縁寄り
に、第４図及び第５図に示すように透設した４個の噴出
孔であって、前記基部エア通路１６からの空気流が前記
直立ガイド片側分岐通路及びエア通路１９．２２を介し
て補助空気流として噴出される。

次に上記のように構成した緯糸ガイド１０の作用につい
て説明する。

さて、基部エア通路１６より流入される空気流は分岐壁
１７によって、スムーズに抵抗なく弧状ガイド片側分岐
通路１８と直立ガイド片側分岐通路１９に分流されてそ
れぞれ各噴出孔２１．２３から噴出される。

従って、前記分岐壁１７によって、空気流の分流の際、
同空気流の流速の遅れ及び乱流を生ずることがなく、流
入抵抗を非常に小さくすることができる。

又、分岐壁１７によって形成された弧状ガイド片側分岐
通路１８の基端開口部１８ａと直立ガイド片側分岐通路
１９の基端開口部１９ａの大きさの割合はそれぞれ弧状
ガイド片１２側の噴出孔２１と直立ガイド片１３側の噴
出孔２３の面積の比に応じて設定したので、各噴出孔２
１．２３の補助空気流の噴出力を均一にすることがで゛
きる。

さらに、第６図に示すように、直立ガイド片側分岐通路
１９の先端開口部１９ｂ（弧状ガイド片側分岐通路１８
の先端開口部１８ ｂも同様）は分岐壁１７の厚みによ
り、噴出孔２３に対して後方に遠ざかった位置にあるた
め、同分岐通路１９から同噴出孔２３に向かう空気流は
ある程度角度を持つことになって、同噴出孔２３から噴
出される補助空気流の上向き角度を緩和させることがで
きる。

又、この場合直立ガイド片側エア通路２２の噴出孔２３
側内壁２４を空気流の流入抵抗があまり大きくならない
範囲で厚みを持たせれば補助空気流の上向き角度をさら
に緩和させることができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるものではなく
、第８図に示すように前記直立ガイド片１３を内方に湾
曲させた緯糸ガイド２６に応用したりする等この考案の
趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更することも可能であ
る。

以上詳述したようにこの考案は基端部がスレーに固着さ
れ、その基端部の先端に、緯入れ孔を形成する二叉円弧
状の一対のガイド片が設けられ、同一対のガイド片の下
部を除く内側面に、前記基端部内に形成された基部エア
通路と連通ずる噴出孔が透設されたクローズドタイプの
緯糸ガイドにおいて、前記基部エア通路の上部内壁に同
基部エア通路から送られてくる空気流を分流する分岐壁
を延出形威し、前記一対のガイド片に透設した前記噴出
孔に送り込む一対の分岐通路を設けたことにより、空気
流の流入抵抗を小さくできるとともに各噴出孔からの補
助空気流の噴出力が均一にでき、緯糸の緯入れを確実に
かつスムーズに行うことができる効果を発揮するので流
体噴射式織機における緯糸ガイドとして実用上優れた考
案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の緯糸ガイドの正面図、第２図及び第３図
は同じ〈従来の緯糸ガイドの正面図及び要部断面図、第
４図〜第７図はこの考案を具体化した緯糸ガイドの正面
図、横断面図、要部断面図及び一部切欠正断面図、第８
図はこの考案の別個を示す緯糸ガイドの正面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 基端部がスレーに固着され、その基端部の先端に、
   緯入れ孔を形成する二叉円弧状の一対のガイド片が設け
   られ、同一対のガイド片の下部を除く内側面に、前記基
   端部内に形成された基部エア通路と連通ずる噴出孔が透
   設されたクローズドタイプの緯糸ガイドにおいて、 前記基部エア通路の上部内壁に同基部エア通路から送ら
   れてくる空気流を分流する分岐壁を延出形成し、前記一
   対のガイド片に透設した前記噴出孔に送り込む一対の分
   岐通路を設けたことを特徴とする流体噴射式織機におけ
   る緯糸ガイド。 ２ 分岐壁は基部エア通路からの空気流を乱すことなく
   滑らかに一対の分岐通路へ分流させるように、前記基部
   エア通路に対して先細状に延出形成したものである実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の流体噴射式織機にお
   ける緯糸ガイド。 ３ 一対の分岐通路の基端開口部の大きさは各エア噴出
   孔からの空気流の噴出力が均一となるように、それぞれ
   一対のガイド片に透設した前記エア噴出孔の面積の比に
   応じて、形成されたものである実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の流体噴射式織機における緯糸ガイド。 ４ 一対の分岐通路と、各エア噴出孔はエア通路を介し
   て連通され、その分岐通路の先端開口部は同分岐通路か
   ら送り込まれエア噴出孔から噴出される空気流の上向き
   角度が緩和されるように、前記エア噴出孔に対して後方
   の遠ざかった位置に配設されたものである実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の流体噴射式織機における緯糸
   ガイド。