JPS5851324Y2 - シリンダ錠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、施錠機能に優れたシリンダ錠に関するもので
ある。

従来のシリンダ錠では、複数枚の係合板をロータの周面
に出没自在に装着し、前記ロータを回転自在に保持する
円筒状のロータケースの内周面に軸方向に沿う保合溝を
形成すると共に、前記各係合板をそれぞれスプリングで
突出付勢させてその先端をロータケースの係合溝に突入
係合保持させていた。

このようなシリンダ錠では、係合板の枚数を増加させる
ことでいわゆる暗探をより困難にすることができる。

ところが、上記のようにすべての係合板の移動方向が一
致している場合は、ロータに回転力を与えた状態で前記
移動方向に沿う特定周波数の振動を与えると、係合板が
徐々に移動してついにはスプリングに抗してロータ内に
没入して所期の回転阻止機能を失なってしまうおそれが
あった。

従って、例えば深夜でも屋外等に設置し続ける必要のあ
る各種の自動販売機等では、複数個のシリンダ錠を異方
向に組み付けて不正手段による解錠を防止する必要があ
り、このように複数個のシリンダ錠を使用すると、いわ
ゆる解錠操作がめんどうになるばかりでなく、施錠装置
がコスト高となってしまう欠点があった。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、暗探及び
加振等の不正手段に対する信頼性を高くしながら、従来
のシリンダ錠と同様に正規の鍵を使用すればこれを容易
に解錠できるようにした信頼性及び操作性に優れたシリ
ンダ錠を提供するものである。

以下に本考案を図示された一実施例について説明する。

図において、１は円筒状をなすロータケースであって１
、その内周面には軸方向に沿う一対の係合溝２，２を対
向させて形成している。

３は前記ロータケース１内に回転自在に挿着したロータ
であって、軸芯に沿う錠孔４と、この錠孔４を横断する
複数個の保持孔５，５とを形成してなり、前記各保持孔
５，５内にそれぞれ係合板６，６を摺動自在に挿着して
いる。

尚、前記係合板６，６は、それぞれ図示しないスプリン
グでロータ３の周面から突出付勢されており、その先端
を前記保合溝２，２内に突入保持させてロータ３をロー
タケース１に廻り止め係合させである。

７，７は前記保持孔５，５の一端部に形成したスプリン
グ装着孔である。

８は前記係合溝２，２を利用してロータケース１の前端
内部に回り止め係合させたロックプレートであって、そ
の後面には前記ロータ３の前面周縁部を摺動自在に当接
させている。

そして、このロックプレート８に穿設した３個のロック
孔９，９に突入係合するロックピン１０．１０を前記ロ
ータ３の前面周縁に出没自在に装着している。

１１は前記ロックピン１０を突出付勢させて該ピン１０
をロック孔９に突入係合保持させるスプリング、１２は
ロックピン１０及びスプリング１１の取付孔である。

１３は前記ロック孔９に摺動自在に挿着したリリースピ
ンであって、前記ロックピン１０と前記ロータケース１
の前端フランジ部とで抜は止め係止されている。

１４は前記ロータ３のカンヌキ取付ネジ１５に締付固定
されたストッパであって、ロータケース１の後端面に設
けた突起１６と係合してロータ３の回転許容範囲を規制
する。

１７はロータ３及びロックプレート８を抜は止め係止す
るスナップリング１８の取付溝、１９はロータケース１
の取付ねしである。

２０は上記のように構成してなるシリンダ錠を解錠操作
するための鍵であって、従来のシリンダ錠用鍵の場合と
同様に鍵２０を錠孔４内に所要深さまで差し込んだ時に
のみ総ての係合板６，６がスプリングに抗してロータ３
内に悉く没入するようになっている。

又、この鍵２０には、前記リリースピン１３，１３と当
接する板状の当接部２１が形成されており、前記のよう
にして鍵２０を所要深さまで差し込むと、リリースピン
１３，１３が当接部２１，２１によって押されてスプリ
ング１１に抗してロックピン１０．１０をロータ３の前
面に没入させるようにもなっている。

尚、各当接部２１の両縁は面取り２１ ａして、リリー
スピン１３，１３と当接部２１，２１との間の回転阻止
作用を防止している。

上記の構成において、シリンダ錠がロック状態にある時
は、各保合板６，６がそれぞれ図示しないスプリングで
係合溝２，２内に突入係合保持されると共に、ロックピ
ン１０がそれぞれスプリング１１の張圧作用でロックプ
レート８のロック孔９に突入係合保持されている。

従って、ロータ３とロータケース１とは、複数枚の係合
板６，６及び複数個のロックピン１０を介して相互に回
り止め係止されている。

又、係合板６とロックピン１０との移動方向は略直交し
ているので、例えばロータに振動が加えられた場合にも
、係合板６又はロックピン１０の少なくとも一方は安定
よく回り止め係合作用をする。

更に、係合板とロックピンとの移動方向が異なるので、
いわゆる暗探が極めて困難となるために不正手段による
解錠が行なわれ難くなる。

一方、鍵２０を所定の深さまで差し込むと、前記係合板
６及びロックピン１０がいずれもロータ３内に没入して
それぞれの廻り止め係合作用が解除される。

従って、正規の鍵２０を使用した時は、格別の困難性を
ともなうことなくロータ３とロータケース１との間の廻
り止め阻止機能を解除できるので、従来のシリンダ錠の
場合と同様に解錠又は施錠できる。

尚、ロータ３の回転範囲を規制するストッパ１４の組付
方向を変更すれば、これにともなってロータ３の回転方
向（解錠操作方向）を変更でき、がっ、ストッパ１４を
交換して回転量をも変更できる。

以上説明したように本考案によれば、従来同様の回り止
め作用を行なう複数枚の係合板に加えて、この係合板の
移動方向と直交する方向に移動するロックピンをロータ
に設け、このロックピンを介してロータケースに回り止
め係合保持されたロックプレートとロータとを回り止め
係合させるようにしたものであるから、振動又は不正な
解錠操作に対して信頼性の高いシリンダ錠を提供できる
。

又前記係合板及びロックピンは正規の鍵を所定深さまで
挿入すれば直ちに係合作用を解除するので、シリンダ錠
の操作性が損われるおそれもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシリンダ錠と該錠を解錠操作する
鍵との一実施例を示す斜視図である。 第２図は鍵を差し込んだシリンダ錠の断面図である。 第３図はシリンダ錠の正面図である。第４図はシリンダ
錠の背面図である。 第５図はロータケースの側面図である。 第６図はロータケースの正面図である。 第７図はロータケースの背面図である。第８図は第６図
のＡ−Ａ断面図である。 第９図はロータの平面図である。 第１０図はロータの正面図である。 第１１図はロータの背面図である。第１２図は第１０図
のＢ−Ｂ断面図である。 第１３図はロックプレートの正面図である。 第１４図は第１３図のＣ−Ｃ断面図である。 第１５図はストッパの正面図である。 第１６図は鍵の正面図である。１・・・・・・ロータケ
ース、２・・・・・・係合溝、３・・・・・・ロータ、
４・・・・・・錠孔、６・・・・・・係合板、７・・・
・・・スプリング取付孔、８・・・・・・ロックプレー
ト、９・・・・・・ロック孔、１０・・・・・・ロック
ピン、１１・・・・・・スプリング、１３・・・・・・
リリースピン、１４・・・・・・ストッパ、１６・・・
・・・突起、２０・・・・・・鍵、２１・・・・・・リ
リースピンとの当接部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）軸方向に沿う保合溝を内周面に形成した円筒状の
   ロータケースと、前記ロータケース内に回転自在に挿着
   したロータと、該ロータの周面に出没自在に装着した複
   数枚の係合板と、該係合板を突出付勢させてその先端を
   前記係合溝に突入係合保持させるスプリングと、前記ロ
   ータケースの前端内部に回り止め係合されてロータの前
   面周縁に摺接自在に当接保持されたロックプレートと、
   前記ロータの前面周縁部に出没自在に装着した複数個の
   ロックピンと、該ロックピンを突出付勢させてその先端
   をロックプレートに穿設したロック孔に突入係合保持さ
   せるスプリングと、前記ロックプレートのロック孔に摺
   動自在に貫挿保持されたリリースピンと、前記ロータの
   回転許容範囲を規制するストッパとを備え、前記係合板
   をスプリングに抗して没入移動させる鍵にリリースピン
   との当接部を設け、ロータに鍵を所定深さまで差し込ん
   だ時に係合板が没入動作されて保合溝との係合作用を解
   除すると共に、リリースピンを介してロックピンをロー
   タ内に押し戻し作動させて該ピンによる係合作用を解除
   するように構成したことを特徴とするシリンダ錠。
2. （２）前記鍵に設けた当接部は、リリースピンに対応し
   て設けた板状の部材で構成され該板状の部材の回転方向
   前後縁を面取り形成しているものを含む実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のシリンダ錠。