JPS5851006Y2 - 回転印字機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は活字に対してドラムを弾接回転させて印字を行
なう回転印字機構に関する。

従来一般的に使用されている印字機構には、活字に対し
てハンマーを打刻して印字を行なう打刻印字機構、活字
、特に活字輪の軸線方向にローラを押圧転動するローラ
印字機構、及びローラを活字輪の円周方向に押圧回転し
て印字する回転印字機構等が存在するが、ハンマーによ
る打刻印字機構はインパクト時に生ずる騒音、振動の問
題があり、加えて各活字に対して同等の力で活字面とハ
ンマー面とを接触させなくてはならないため、組立、調
整が非常に難しい問題がある。

またローラ印字機構の場合は、ローラを直線的に往復動
せしめる複雑な作動機構が必要であり、活字輪の桁数が
多くなると、短時間の内に印刷を行なう場合にはローラ
を高速で直線運動させ、更に短時間で高速、停止を繰り
返す必要があるので、高性能な作動機構が要求されると
共に、エネルギーのロスも大きいため出力の大きい高価
なモータを使用しなければならないといった問題がある
。

活字輪の円周方向にローラを押圧回転せしめる回転印字
機構の場合は、ローラが大きく形成されていて２つ以上
の活字を同時に印字してしまうため、ローラと活字との
接触面積が大きくなると共に、各活字面の凹凸に対処す
るためにゴム等の弾性材で形成したローラを用いるので
、押圧回転時に該ゴム製等のローラを押潰す抵抗が加わ
って力のロスが大きく、従ってローラの回転には大きな
力を必要とする問題があり、いずれの機構も各種の問題
点を夫々備えていた。

而して本考案は上述した各種問題点を改良した安価で高
性能な回転印字機構を提供せんとするものであって、以
下本考案の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する
。

第１図及び第２図は本考案の第１実施例を示すもので、
１は周面に多数の活字１ａ・・・・・・を突設した活字
輪を示す。

２は該活字輪１を取付けた活字軸で、活字軸２上には印
字する桁数と同じ枚数の活字輪１が複数並べて取付けら
れており、これ等各活字輪１は送り機構及び桁上げ機構
（いずれも図示せず）の働きによって回転し、印字すべ
き活字１ａを第１図に於いて活字軸右方の印刷位置にセ
ットすることができる。

また必要に応じて上記活字輪１と一諸にダイプレート活
字（図示せず）を予め印刷位置に取付けて置く場合もあ
る。

３は上端側に設けたブラケット取付軸４を支点にして、
前記活字輪１側に対して進退回動自在に取付けたドラム
ブラケットで、このブラケット３には前記活字軸２と平
行なドラム回転軸５を以って断面略半円形状のドラム６
が取付けられている。

７は該ブラケット３の下端に張設したコイルバネで、ブ
ラケット３の全体はこのコイルバネ７によって常時活字
輪１側に牽引作用され、ドラム回転軸５の駆動によって
ドラム６が回転すると、ドラム周面部６ａが活字輪１の
方向に回転して、該周面部６ａに突設した多数の押圧子
８・・・・・・が、各活字輪１の活字１ａ側を弾性的に
押圧する。

前記押圧子８は少くとも活字輪１の枚数、具体的にはダ
イプレート活字を含めて印刷位置にセットされる活字１
ａの総数に相当する数が、ドラム周面部６ａに軸線方向
に並んだ状態で、しかもいずれか一つの押圧子８が対応
する活字１ａ側を押圧する様にドラム６の円周方向に変
位させて突設している。

即ち、ドラム周面部６ａに突設した各押圧子８・・・・
・・は、ドラム６の回転時に印刷位置にセットした夫々
対応する活字１ａの面側を押圧することができるが、特
に各押圧子８のピッチ間隔は各活字１ａの活字文と同じ
か、或はそれより若干幅広に形成されていて、ドラム６
の回転によって押圧子８が活字面側を上側より下方に向
けて押圧滑動し、最終的に押圧子８が活字面の下端に至
った時、次位の押圧子が印刷位置にセットした次の活字
１ａの面を押圧し始める仕組に或っており、従ってドラ
ム６が一回転する間に各押圧子８・・・・・・が夫々活
字１ａの面側を一個ずつ順番に押圧し、以って印刷位置
にセットした全ての活字１ａに対して、独立した印字圧
力を均等に加えることができる。

尚、第１図に於いて９は印字ドラムブラケットの移動量
を規制するストッパーで、１０は印字リボン、１１は印
字カード、１２は該カードを保護するシートを示し、こ
れ等リボン１０、印字カード１１及びシート１２は図示
の如く印字部１とドラム６との間に介在され、印字カー
ド１１は抜差し自在である。

また第２図は前記押圧子８の配列状態の一例を示し、図
示の場合各押圧子８はドラム局面部６ａ上にスパイラル
状に変位させて突設しているが、押圧子８の配列がこの
スパイラル状に限定されないことは勿論である。

更に第３図は押圧子８による活字１ａ面の押圧状態を前
記リボン１０、カード１１．シート１２を省略して示し
たものであって、ドラム６は印字回転後、第１図の如く
平に形成した背面を活字輪１側に向けて静止する。

第４図乃至第６図は本考案の第２実施例を示すもので、
この実施例で押圧子１３はローラピン構造に形成され、
夫々ドラム周面部６ａの面に凹設した収容部１４内に夫
々回転自在に埋込まれていて、該周面部６ａより突出し
た押圧子１３の面が、各活字１ａに対して印字圧力を加
えるものである。

尚、その他の構造は前記第１実施例に示したものと全く
同一であるため、図面では省略して示した。

また各押圧子１３の配列状態も第１実施例の場合と同一
である。

以上の如く構成した第２実施例では、押圧子１３は回転
自在なローラピン構造であるため、ドラム６の回転によ
って活字面側を押圧した時に収容部１４内に於いて自転
するから、第１実施例に示した突起構造の押圧子８と比
較して押圧時のエネルギーロスを減らし、印字に必要な
トルクを第１実施例のものより小さくできる利点がある
。

本考案は上述の如き構成であるから、印字カード挿入後
ドラムを回転せしめれば、バネの働きによって該ドラム
の周面に設けた押圧子が印刷位置にセットした複数の活
字面側を順番に一個ずつ押圧するため、印字カードに該
活字を順番に印刷することができるのであるが、本考案
では特に一個の活字に対して一個の押圧子が独立した印
字圧力を加える構成であるから、活字面の凹凸に関係無
く全ての活字に均一な印字圧力を加えることができ、濃
淡の無い均一で鮮明な印刷を行なうことができる。

また本考案では同時に複数の押圧子が複数の活字面側を
押圧せずに、専用の押圧子が夫々順番に独立した印字圧
力を活字面側に与えて印刷を進めるため、印刷に必要な
トルクが極めて小さくなり、加えてモータ類の回転力を
クランクとかカム等を使わずに直接ドラム回転軸に伝え
てドラムを回転できるので、回転力伝達上上ずるエネル
ギーロスも少く、従って本考案ではドラムの回転源とし
て例えば出力の小さな小型モータを使用でき、全体を安
価に製作することが可能であると共に、押圧子の押圧力
を利用して印刷を行なうため、騒音、振動が少ない極め
て高性能な印字機構を提供できるものであって、タイム
レコーダーとかタイムスタンプ等の印字部に実施して淘
に好適である。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施
例の正面図、第２図は同押圧子の配列状態を示したドラ
ムの平面図、第３図は活字面に対する押圧子の押圧状態
を示した正面図、第４図は第２実施例で用いるドラムの
平面図で、第５図は同正面図、第６図は同じく部分拡大
断面図である。 １・・・・・・活字輪、１ａ・・・・・・活字、６・・
・・・・ドラム、７・・・・・・コイルバネ、８，１３
・・・・・・押圧子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 活字に対向して設けた回転駆動自在なドラムの周面に、
   少くとも印刷位置にセットした活字の桁数に相当する数
   の押圧子を、ドラムの回転時に各活字側を押圧出来る様
   に軸線方向に並べて突出し、且つ各押圧子はドラムの回
   転時にいずれが一つの押圧子が活字側を押圧する様にド
   ラムの円周方向に変位せしめると共に、前記ドラム側に
   は回転時に前記各押圧子を夫々活字側に弾接するバネ作
   用を附与したことを特徴とする回転印字機構。