JPS5850973Y2 - 外装合板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱硬化性樹脂含浸紙と基材とを組合せ加熱加圧
して得られる熱硬化性樹脂含浸紙オーバーレイ外装合板
の構造に係り、更に詳しくは、任意の溝形態を有した賦
型板と任意の凹凸模様を有した賦型板との間に熱硬化性
樹脂含浸紙と基材とを組合せたものをホットプレスに挿
入し加熱加圧することにより一体成形して得られる溝部
分を含めた全ての表面に熱硬化性樹脂含浸紙層を有する
ことにより、耐候性に優れ且つ反りを防止した外装合板
の構造に関するものである。

従来の熱硬化性樹脂含浸紙オーバレイ外装合板は、第１
図に示す如く合板基材１と熱硬化性樹脂含浸紙２とを組
合せたものをテフロン加工したアルミ板又はシリコン焼
付けしたジュラルミン板等を装設させたホットプレスに
挿入し加熱加圧して樹脂を完全に硬化させた後、取り出
して溝加工機にて任意の切溝３を形成せしめ、その後、
溝及び表面に茶色系のカラーエナメル塗料４，５を塗装
して無地物に仕上げたり、又は表面を木目柄物に仕上げ
た構造をしていた。

あるいは、実公昭４７−２４７０８及び特公昭４８−３
９２３２に記載される如く、熱硬化性樹脂含浸紙オーバ
レイ外装合板の反りを防止する為、あらがしめ用いる合
板の表単板と裏単板の厚みを変えた構造のものや、実公
昭４９−５０６１及び実開昭４７１４８１４に記載され
る如く、基材の裏面に切溝を入れることにより製品の反
りを防止した構造のものがある。

しかしながら、これらはいずれも表面に外装材としての
諸性能を完全に満足さすべき熱硬化性樹脂含浸紙がある
にもかかわらず、溝加工することにより溝部分の熱硬化
性樹脂含浸紙は切り取られて合板が露出している。

その為５年程使用した場合、熱硬化性樹脂含浸紙がない
即ち合板が露出している溝の部分から雨水が浸透して合
板が腐ったり合板の単板が剥離したりして使用不可能と
なる。

又反り防止として合板の表単板と裏単板の厚みを変える
ことは、合板の製造上それぞれの厚みを有した単板を剥
かねばならず、それだけの互換性がなく歩止まりが悪い
。

又このような表裏の単板が等厚でない合板は、当然バラ
ンスがくずれて反ってしまう為に合板になる前即ちホッ
トプレスにて合板を造る前のコールドプレス時点の半製
品で熱硬化性樹脂含浸紙を表単板の上に載置しホットプ
レスにて同時に成形しなければならない。

それ故合板の半製品にトンネル、ラップ、割れ等があっ
た場合、それらの欠点が全部製品に出てしまいオーバレ
イ合板の収率も悪くなる。

即ち合板の製造上ついてまわるトンネルやラップ、割れ
等の不良原因は、ホットプレスにて成形して成形して製
品にしてみないと分からないためで゛ある。

それよりも合板を前もって選別しトンネル等のないプレ
スに適した良い合板を用いて熱硬化性樹脂含浸紙と組み
合せて成形した方が歩止りが良くなる。

ただ二の場合の反り防止として、表面に用いる熱硬化性
樹脂含浸紙と同じ含浸紙を裏面に用いるとか、裏面を塗
料で塗装するとかあるいは裏面に切溝を入れた製造を有
す外装合板があるが製造工程上非常に困難でコストアッ
プとなる欠点がある。

いずれの場合も一長一短がありまだ完成されたものでは
ない。

そこで、本考案は、外装合板の種類の中で外装材として
の諸性能が一番優れた熱硬化性樹脂含浸紙オーバレイ外
装合板の欠点に着目し、溝部分にも熱硬化性樹脂含浸紙
層を設は且つ裏面に凹凸模様を設けた構造を有し従来の
熱硬化性樹脂含浸紙オーバレイ外装合板より顕著に耐候
性、寸法安定性に優れた外装合板を提供するものである
。

本考案外装合板の製造に関する実施の一例を示すと次の
とおりである。

ラワン合材、シナ合板などと各種合板のうちいずれかの
合板基材１の上に秤量が通常６０ ｇ／ｍ２〜１９０
ｇ ７ｍ２のクラフト紙にフェノール樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸した含浸紙２をの
せ一体化したものを、熱盤の上側に任意の溝３を付与さ
せる為の賦型板を載置し下側に任意の凹凸模様を有した
賦型板を装設したホットプレスに挿入し、１５０℃１５
ｋｇ／ｃｍ２で８分間加熱加圧することにより基材表面
に任意の溝３を付けると同時に基材裏面にも任意の凹凸
模様６を付ける。

本考案に用いる任意の溝を付与さす為の賦型板とは、例
えば、幅が５ ｍｍ、深さが１ｍｍの角溝で溝から溝ま
での寸法が１４５．５ｍｍピッチで全体のサイズを１２
２７ Ｘ ２４５０ ｍｍ （４尺×８尺）にし、プレ
ス後又はカラーエナメル塗装後に２つ割りして６１２
ｍｍ ｘ ２４３０ ｍｍ （２尺×８尺）サイズの製
品に仕上げると同時に２尺×８尺サイズの製品を横に貼
り合わせていく為に必要な合しやくりを作る為、５ｍｍ
の角溝として製品が接合できる様に両サイド及び中心部
分を合しやくり鋸刃に合わせて設計した賦型板である。

この際、溝以外の部分即ち製品で表面となる部分は平坦
を望むなら平坦な板に、凹凸模様を望むなら凹凸模様を
有した板を設ける。

裏面に用いる凹凸模様を有した賦型板とは、例えば、凸
部と凹部の深さが０．２〜ｌ 、 Ｑ ｍｍ程の単純な
柾目調の賦型板でよい。

次に合板の表面全体に下塗り用の黒色エナメル塗料４を
塗布量が６ｇ／尺２程になるようロールコータ−で塗装
乾燥した後、茶色系の上塗り用エナメル塗料５を塗布量
が５ｇ／尺２程になるようロールコータ−で塗装乾燥す
ることによって本考案の目的とする溝部分を含めた全て
の表面が熱硬化性樹脂含浸紙で被覆されなお且つ裏面に
反り防止の為の凹凸模様を有した外装合板を得た。

ここで、反りの主因は個々の構成材料の収縮力の差にあ
ると考えられる。

即ち表面側にある溝部分は溝を付与さすための賦型板に
より凹型になっているため、合板を構成している表単板
も凹型になっている。

それ故に表面側が収縮して凹状の反りが生じるために、
裏面側の裏単板にも凹型の溝又は模様を付与させること
により表面と裏面の収縮差を同じにすることによりバラ
ンスがとれ、反りを防止することができた。

以上の如く、本考案は任意の溝形態を有した賦型板と任
意の凹凸模様を有した賦型板を用いて溝部分を含めた全
ての表面に熱硬化性樹脂含浸紙層を有するために、従来
の溝加工機によって切り取られた溝を有する熱硬化性樹
脂含浸紙オーバレイ外装合板より、耐久年数が約３倍位
になり、又裏面にも凹凸模様を有し表面とバランスが取
れるため反りに対する寸法安定性が良くなり、更には賦
型板や溝や凹凸模様を同時に熱圧プレスにて設けるので
、溝加工工程や、反り防止のための切溝工程などを省略
できるなど極めて合理的で且つ実用上有用なものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃硬化性樹脂含浸紙オーバレイ外装合板
の拡大縦断面図であり、第２図は本考案の熱硬化性樹脂
含浸紙オーバレイ外装合板の拡大縦断面図である。 ここで、１は基材、２は熱硬化性樹脂含浸紙、３は溝、
４は下塗り用エナメル塗料、５は上塗り用エナメル塗料
、６は裏面の凹凸模様である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材１の表面側は熱硬化性樹脂含浸紙２の熱圧硬化板で
   あって溝３を任意の部分に有し、該表面に塗料層４及び
   ５を設け、前記基材の裏面側は熱圧により付与した凹凸
   模様を有する外装合板。