JP3305075B2 - 複合板の製造方法 - Google Patents

複合板の製造方法

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JP3305075B2
JP3305075B2 JP29450093A JP29450093A JP3305075B2 JP 3305075 B2 JP3305075 B2 JP 3305075B2 JP 29450093 A JP29450093 A JP 29450093A JP 29450093 A JP29450093 A JP 29450093A JP 3305075 B2 JP3305075 B2 JP 3305075B2
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大二 市川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築材料や家具材料
として利用される複合板およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、使用量が大幅に増大している床用
台板材料として、ラワン合板が大量に使用されている。
これは熱帯雨林地方で生育しているラワン原木が、つい
近年まで若干の波があったとしても他の材料に比べて安
定して、かつ安価に供給されてきたことと密接な関係が
ある。
【0003】しかも、このラワン原木から製造されるラ
ワン合板は、表面の平滑性、湿気に対する寸法安定性、
曲げ強度、加工の容易性、軽量性、耐久性、供給の安定
性、価格の安定性、材色の安定性等どれをとっても優れ
た材料であった。
【0004】ところが、ここ数年の間に地球環境の保護
の声が高まり、ラワン原木の乱伐やその他の理由による
熱帯雨林の急激な減少が世界の非難を浴びるようになっ
てきた。
【0005】そのためラワン合板に代わる材料としてパ
−ティクルボ−ド、MDF(中質繊維板)、針葉樹合板
等の利用が研究されてきたが、いずれもラワン合板に代
わるまでには到っていない。
【0006】例えば、パ−ティクルボ−ドでは、湿気に
対する寸法安定性、曲げ強度、加工の容易性、軽量性等
においてラワン合板に到底及ばなかった。また、最近注
目されているMDFは表面平滑性においてはラワン合板
よりもはるかに優れているが、価格が高いうえ、湿気に
対する寸法安定性が非常に悪く、ラワン合板の代替材料
としての地位を確保するにはまだまだ不十分であった。
また、針葉樹合板はラワン合板の構成と同じであるた
め、寸法安定性、曲げ強度、加工の容易性、および、植
林可能なため供給の安定性等に優れており、ラワン合板
に比較的近い材料であるが、大部分の針葉樹は節が多い
ことと、表面に硬軟(秋材部と春材部)の差があること
等が相まって平面平滑性が非常に劣り、針葉樹合板表面
に直接銘木単板や化粧紙等を接着することが困難であっ
た。
【0007】上記したように、パ−ティクルボ−ド、M
DF、針葉樹合板等を単独でラワン合板の代わりに使用
することは非常に難しいため、上記材料を複合して使用
する試みがなされてきた。例えば、針葉樹合板や薄手の
パ−ティクルボ−ド表面にMDFを接着剤を介して熱圧
接着したが、いずれも熱圧後四周が上方に反り、丁度お
椀状になる傾向があった。このようにお椀状に反った複
合板を床板として使用するために四周に実加工を施して
釘打ちあるいは接着剤で施工すると、突き合わせ面が盛
り上がって段違い状態になったり、その盛り上がった部
分の化粧が摩耗によってすり減り、その部分だけ基材が
露出して非常に見苦しくなる欠点があった。
【0008】熱圧法ではお椀状に反るため、冷圧法で複
合板を製造することが試みられたが、冷圧法に使用する
接着剤は高価であり、しかも針葉樹を冷圧法で接着する
には多量の接着剤を必要とするため、ますます複合板の
価格を高いものにするうえ、接着剤が端部からはみだす
欠点があった。また、冷圧法は生産性の点からみても熱
圧法よりも格段に悪く、製造された複合板の表面に上塗
り塗料を塗布して乾燥するとやはりお椀状に反ってしま
う欠点もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ラワン合板
の代替材料として十分な特性をもつとともに、上述した
お椀状に反るという欠点を解消するとともに裏面からの
吸湿を防止した複合板の製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、MDFと針葉樹合板とを接着剤を介し
て順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、MDFの
含水率を針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して、そ
れらの含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製造
し、この複合板の表面に予め上塗り塗料が塗布されてい
る化粧シートを貼着するとともに、裏面にはシーリング
塗料を塗布することを特徴とする化粧複合板の製造方
法、および、MDFと針葉樹合板とを接着剤を介して順
々に積層し、これを加熱加圧するに際し、MDFの含水
率を針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して、それら
の含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製造し、
この複合板の表面に化粧シートを貼着後上塗り塗料を塗
布するとともに、裏面にはシーリング塗料を塗布するこ
とを特徴とする化粧複合板の製造方法、および、予め上
塗り塗料が塗布されている化粧シートを表面に貼着した
化粧シート貼りMDFと針葉樹合板とを接着剤を介して
順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、化粧シート
貼りMDFの含水率を針葉樹合板の含水率よりも低めに
設定して、それらの含水率変化に伴う収縮差を利用して
複合板を製造し、この複合板の裏面にシーリング塗料を
塗布することを特徴とする化粧複合板の製造方法、およ
び、化粧シートを表面に接着した化粧シート貼りMDF
と針葉樹合板とを接着剤を介して順々に積層し、これを
加熱加圧するに際し、化粧シート貼りMDFの含水率を
針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して、それらの含
水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製造し、この
複合板の表面には上塗り塗料を、裏面にはシーリング塗
料を塗布することを特徴とする化粧複合板の製造方法に
係る。なお、シーリング塗料に防腐剤や防黴剤を添加し
て裏面の針葉樹合板が腐ったり黴が生えたりするのを防
止することができる。また、上記化粧複合板を製造する
には、針葉樹合板の代わりに複数枚の針葉樹単板を用い
て、一挙に熱圧して製造するようにしてもよい。
【0011】以下、この発明を実施例図を用いて説明す
る。図1〜図4はこの発明の化粧複合板の製造工程をそ
れぞれ示す斜視図である。1はMDFで、経済的な面か
ら見れば厚みは2〜3mm程度が好ましいが、これに限
定されるものではない。また、MDFの原料として針葉
樹材を用いるもの、広葉樹材を用いるもの、あるいはそ
れらを混合して用いるものがあるが、本発明ではいずれ
の原料を用いてもよい。また、MDFにはメラミンタイ
プ、フェノールタイプ、尿素タイプ等のMDFがある
が、床用台板として用いる場合は、耐水、耐熱性に優れ
たメラミンタイプあるいはフェノールタイプのMDFが
よい。もちろん、壁板、天井板等のように耐水性をそれ
ほど必要としない場所に使用する場合は、尿素タイプの
MDFでよい。このMDFは予め熱盤や乾燥炉で含水率
が好ましくは3%以下になるように乾燥されている。M
DFの含水率が3%を越えていても、MDFの含水率と
針葉樹合板等の含水率との間に差があればよいが、6%
以上の差があればより好ましい。しかし、生産性の点か
らみれば3%以下にする方が優れている。なぜならば、
MDFの含水率を3%以下、言い換えれば絶乾状態に近
くすることのほうが生産上コントロールしやすいためで
ある。2、3および4は針葉樹単板で、これらの単板
は、それぞれ繊維方向が直交した状態を示しているが、
これに限定されたものではなく、例えば針葉樹単板の繊
維方向が同一方向であってもよい。
【0012】針葉樹単板2、3、4は、複合板を製造す
るにあたり、図1および図3に示すように予め合板の形
態をとっていてもよいが、図2および図4に示すように
MDF1と三枚の針葉樹単板2、3、4とを接着剤を介
して一挙に複合板としてもよい。積層熱圧する際、針葉
樹単板の含水率は使用する接着剤によって若干の差異が
あるにしてもほぼ気乾状態が好ましい。ここで気乾状態
とは、地域差もあるが6〜15%を指す。この含水率も
また気乾状態に限られるものではなく、MDFの含水率
によって上下するものである。しかし、生産性を考えれ
ば気乾状態が好ましいことは言うまでもない。また、熱
圧条件も温度110℃〜130℃、圧力6〜10kg/
cm2 、時間3〜10分間程度であり、従来の合板製造
時の熱圧条件と同じか、あるいはそれと近似している。
【0013】この発明では、積層するMDFあるいは化
粧シート貼りMDFの含水率を針葉樹合板の含水率より
も低めに設定しておくこと、好ましくはMDFあるいは
化粧シート貼りMDFの含水率を3%以下に、針葉樹合
板の含水率を気乾状態にしておくことが望ましい。この
ようにすることによって製造された複合板はお椀状に反
ることなく、ほぼ平滑な状態か、若干逆お椀状になる。
【0014】図1、図2では複合板を製造した後、その
表面に銘木単板や化粧紙等の化粧シート5を貼着し、さ
らに上塗り塗料を塗布するとともに、裏面にシーリング
塗料を塗布乾燥している。シーリング塗料を塗布乾燥
後、上塗り塗料を塗布乾燥してもよいし、両者を同時に
乾燥してもよいことはもちろんである。このようにする
ことによって表面の上塗塗料と裏面のシ−リング塗料が
バランスし、反りにくくなる。図3、図4ではMDFを
乾燥する前に化粧シート5が表面に貼られたもので、こ
の場合も化粧シート貼りMDFの含水率が好ましくは3
%以下になるように乾燥されている。このように予め化
粧シート5を表面に貼っておくと、後から貼るよりも平
面引張り強度が大きくなる利点がある。これはMDFを
乾燥後その表面に化粧シート5を貼る場合は、MDFの
表面が熱により若干劣化しているためと思われる。この
ようにして製造された複合板の表面に上塗り塗料を塗布
するとともに、裏面にシーリング塗料を塗布して乾燥す
る。この発明において使用するシーリング塗料として
は、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂等が挙げられる。また、必要であればシーリング塗
料中に防腐剤や防黴剤を添加して化粧複合板の裏面に防
腐や防黴効果を付与してもよい。なお、シ−リング塗料
は化粧複合板の木口にも塗布してもよい。
【0015】
【実施例1】厚み2.7mmの針葉樹を原料としたメラ
ミンタイプのMDFを温度120℃の熱盤内で20分間
乾燥して含水率を2%にした。別に表板として厚さ1.
7mmのラジア−タパイン、心板として厚さ3.2mm
のラジア−タパイン、裏板として厚さ1.7mmのラジ
ア−タパインを尿素メラミン樹脂接着剤を介して圧力8
kg/cm2 、温度120℃の熱圧条件で4分間熱圧し
て含水率10%の針葉樹合板を製造した。上記含水率に
調整したMDFと針葉樹合板とを、尿素メラミン樹脂接
着剤を介して積層し、圧力8kg/cm2 、温度120
℃で7分間熱圧して大きさが945mm×1840mm
の複合板を形成し、これを三分割して大きさが313m
m×1840mmの複合板を得た。この複合板の表面に
プレコート化粧紙(原紙重量23g/m2 )を貼着する
とともにその裏面にシーリング塗料としてポリウレタン
樹脂塗料を20g/m2 塗布して乾燥させて所望の化粧
複合板を得た。この化粧複合板の反りを製造後48時間
経ってから測定したところ、長手方向で3.0mm、幅
方向で1.0mm逆お椀状に反っていたが、全体として
はほぼ平滑なものであった。なお、反りの割合を示す数
値は、複合板を水平面においた時に中央部が凸になって
いる場合をプラスで示し、長手方向の中央部と水平面と
の距離、幅方向の中央部と水平面との距離を測定した。
【0016】
【実施例2】厚み2.7mmの針葉樹を原料としたメラ
ミンタイプのMDFを温度120℃の熱盤内で20分間
乾燥して含水率を2%にした。別に表板として厚さ1.
7mmのラジア−タパイン、心板として厚さ3.2mm
のラジア−タパイン、裏板として厚さ1.7mmのラジ
ア−タパインを尿素メラミン樹脂接着剤を介して圧力8
kg/cm2 、温度120℃の熱圧条件で4分間熱圧し
て含水率9%の針葉樹合板を製造した。上記含水率に調
整したMDFと針葉樹合板とを、尿素メラミン樹脂接着
剤を介して積層し、圧力8kg/cm2 、温度120℃
で7分間熱圧して大きさが945mm×1840mmの
複合板を形成し、これを三分割して大きさが313mm
×1840mmの複合板を得た。この複合板の表面に厚
み0.3mmのナラ単板を貼着するとともにその表面に
上塗り塗料として透明なポリウレタン樹脂塗料を30g
/m2 塗布し、裏面にはシーリング塗料として同じポリ
ウレタン樹脂塗料を20g/m2 塗布して乾燥させて所
望の化粧複合板を得た。この化粧複合板の反りを製造後
48時間経ってから測定したところ、長手方向で4.0
mm、幅方向で2.0mm逆お椀状に反っていたが、全
体としてはほぼ平滑なものであった。
【0017】
【実施例3】厚み2.7mmの針葉樹を原料としたメラ
ミンタイプのMDFの表面にプレコート化粧紙(原紙重
量23g/m2 )を貼着した化粧紙貼りMDFを、温度
120℃の熱盤内で25分間乾燥して含水率を2%にし
た。別に表板として厚さ1.7mmのラジア−タパイ
ン、心板として厚さ3.2mmのラジア−タパイン、裏
板として厚さ1.7mmのラジア−タパインを尿素メラ
ミン樹脂接着剤を介して圧力8kg/cm2 、温度12
0℃の熱圧条件で4分間熱圧して含水率12%の針葉樹
合板を製造した。上記含水率に調整したMDFと針葉樹
合板とを、尿素メラミン樹脂接着剤を介して積層し、圧
力8kg/cm2 、温度120℃で7分間熱圧して大き
さが945mm×1840mmの複合板を形成し、これ
を三分割して大きさが313mm×1840mmの複合
板を得た。この複合板の裏面にシーリング塗料としてポ
リエステル樹脂塗料を20g/m2 塗布して乾燥させて
所望の化粧複合板を得た。この化粧複合板の反りを48
時間後に測定したところ、長手方向で2.0mm、幅方
向で2.0mm逆お椀状に反っていたが、全体としては
ほぼ平滑なものであった。
【0018】
【実施例4】厚み2.7mmの針葉樹を原料としたメラ
ミンタイプのMDFの表面に厚み0.6mmのナラ単板
を貼着した銘木単板貼りMDFを、温度120℃の熱盤
内で25分間乾燥して含水率を2%にした。別に表板と
して厚さ1.7mmのラジア−タパイン、心板として厚
さ3.2mmのラジア−タパイン、裏板として厚さ1.
7mmのラジア−タパインを尿素メラミン樹脂接着剤を
介して圧力8kg/cm2 、温度120℃の熱圧条件で
4分間熱圧して含水率12%の針葉樹合板を製造した。
上記含水率に調整した銘木単板貼りMDFと針葉樹合板
とを、尿素メラミン樹脂接着剤を介して積層し、圧力8
kg/cm2 、温度120℃で7分間熱圧して大きさが
945mm×1840mmの複合板を形成し、これを三
分割して大きさが313mm×1840mmの複合板を
得た。この複合板の表面に上塗り塗料として透明なアミ
ノアルキッド樹脂塗料を20g/m2 塗布し、裏面には
シーリング塗料として同じポリウレタン樹脂塗料を20
g/m2 塗布して乾燥させて所望の化粧複合板を得た。
この化粧複合板の反りを48時間後に測定したところ、
長手方向で3.0mm、幅方向で2.0mm逆お椀状に
反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
【0019】
【実施例5】実施例1に用いた含水率10%の針葉樹合
板の代わりに、含水率7%の針葉樹合板を用いた以外
は、実施例1と同様にして所望の化粧複合板を得た。こ
の化粧複合板の反りを48時間後に測定したところ、長
手方向で1.0mm、幅方向で2.0mm逆お椀状に反
っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
【0020】
【実施例6】実施例1に用いた含水率10%の針葉樹合
板の代わりに、表板、心板および裏板として、それぞれ
厚さ1.7mm、3.2mm、1.7mm、含水率10
%のラジア−タパインの単板を用い、MDF、三枚のラ
ジア−タパイン単板を接着剤を介して積層し、圧力8k
g/cm2 、温度120℃で8分間熱圧した以外は、実
施例1と同様にして所望の化粧複合板を得た。この化粧
複合板の反りを48時間後に測定したところ、長手方向
で2.0mm、幅方向で1.0mmで逆お椀状に反って
いたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
【0021】
【実施例7】実施例1において、銘木単板貼りMDFを
温度120℃の熱風乾燥炉で60分間乾燥して含水率を
1.0%にした以外は実施例1と同様にして所望の化粧
複合板を得た。この化粧複合板の48時間後の反りは、
長手方向で3.0mm、幅方向で2.0mmで逆お椀状
に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであっ
た。
【0022】
【実施例8】実施例1において、針葉樹合板の単板の繊
維方向を同一方向にした以外は実施例1と同様にして所
望の化粧複合板を得た。この化粧複合板の48時間後の
反りは、長手方向で1.0mm、幅方向で4.0mmで
逆お椀状に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なもの
であった。
【0023】
【実施例9】実施例2に用いた含水率9%の針葉樹合板
の代わりに、表板、心板および裏板として、それぞれ厚
さ1.7mm、3.2mm、1.7mm、含水率10%
のラジア−タパインの単板を用い、MDFと三枚のラジ
ア−タパイン単板を接着剤を介して積層し、圧力8kg
/cm2 、温度120℃で8分間熱圧した以外は、実施
例1と同様にして所望の化粧複合板を得た。この化粧複
合板の反りを48時間後に測定したところ、長手方向で
2.0mm、幅方向で1.0mmで逆お椀状に反ってい
たが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
【0024】
【実施例10】実施例2において、針葉樹合板の単板の
繊維方向を同一方向にした以外は実施例2と同様にして
所望の化粧複合板を得た。この化粧複合板の48時間後
の反りは、長手方向で4.0mm、幅方向で2.0mm
で逆お椀状に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なも
のであった。
【0025】
【実施例11】実施例4において、針葉樹合板の単板厚
み構成を、表板3.2mm、心板3.2mm、裏板3.
2mmにした以外は実施例4と同様にして所望の化粧複
合板を得た。この化粧複合板の48時間後の反りは、長
手方向で2.0mm、幅方向で1.0mmで逆お椀状に
反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
【0026】
【実施例12】実施例4において、MDFの厚みを2.
0mmとした以外は実施例4と同様にして所望の化粧複
合板を得た。この化粧複合板の48時間後の反りは長手
方向で1.0mm、幅方向で3.0mmで逆お椀状に反
っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
【0027】
【実施例13】実施例1に用いた含水率2%のMDFの
代わりに、含水率4%のMDFを用い、含水率10%の
針葉樹合板の代わりに、含水率15%の針葉樹合板を用
いた以外は、実施例1と同様にして所望の化粧複合板を
得た。この化粧複合板の反りを48時間後に測定したと
ころ、長手方向で5.0mm、幅方向で3.0mm逆お
椀状に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであ
った。
【0028】
【実施例14】実施例4に用いた含水率2%の銘木単板
貼りMDFの代わりに、含水率6%の銘木単板貼りMD
Fを用い、含水率12%の針葉樹合板の代わりに、含水
率18%の針葉樹合板を用いた以外は、実施例4と同様
にして所望の化粧複合板を得た。この化粧複合板の反り
を48時間後に測定したところ、長手方向で4.0m
m、幅方向で3.0mm逆お椀状に反っていたが、全体
としてはほぼ平滑なものであった。
【0029】
【比較例1】実施例2において、MDFの含水率を9%
に変えた以外は実施例2と同様にして化粧複合板を得
た。この化粧複合板の反りを48時間後に測定したとこ
ろ、長手方向で−20.0mm、幅方向で−13.0m
mで、お椀状に反っていた。なお、中央部が凹になって
いる場合、複合板を裏向けにし、長手方向の中央部と水
平面との距離、幅方向の中央部と水平面との距離を測定
した数値にマイナスを付した。
【0030】
【比較例2】実施例4において、銘木単板貼りMDFの
含水率を4%に変えた以外は、実施例4と同様にして化
粧複合板を得た。この化粧複合板の反りを48時間後に
測定したところ、長手方向で−21.0mm、幅方向で
−8.0mmで、お椀状に反っていた。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明の複合板は、広
葉樹単板を用いることなく、逆お椀状に若干反っている
か、あるいはほぼ平滑な複合板を得ることができる利点
がある。また、裏面に塗布したシ−リング塗料により裏
面からの吸湿を防止することもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る化粧複合板の製造工程を示す斜
視図。
【図2】この発明に係る化粧複合板の他の製造工程を示
す斜視図。
【図3】この発明に係る化粧複合板の他の製造工程を示
す斜視図。
【図4】この発明に係る化粧複合板の他の製造工程を示
す斜視図。
【符号の説明】
1 MDF 2、3、4 針葉樹単板 5 化粧シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 21/06 B32B 21/06 33/00 33/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27D 1/04 B27D 5/00 B32B 21/02

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MDFと針葉樹合板とを接着剤を介して
    順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、MDFの含
    水率を針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して、それ
    らの含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製造
    し、この複合板の表面に予め上塗り塗料が塗布されてい
    る化粧シートを貼着するとともに、裏面にはシーリング
    塗料を塗布することを特徴とする化粧複合板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 MDFと針葉樹合板とを接着剤を介して
    順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、MDFの含
    水率を針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して、それ
    らの含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製造
    し、この複合板の表面に化粧シートを貼着後上塗り塗料
    を塗布するとともに、裏面にはシーリング塗料を塗布す
    ることを特徴とする化粧複合板の製造方法。
  3. 【請求項3】 MDFの含水率を3%以下に、針葉樹合
    板の含水率を気乾状態にすることを特徴とする請求項1
    あるいは請求項2記載の化粧複合板の製造方法。
  4. 【請求項4】 予め上塗り塗料が塗布されている化粧シ
    ートを表面に貼着した化粧シート貼りMDFと針葉樹合
    板とを接着剤を介して順々に積層し、これを加熱加圧す
    るに際し、化粧シート貼りMDFの含水率を針葉樹合板
    の含水率よりも低めに設定して、それらの含水率変化に
    伴う収縮差を利用して複合板を製造し、この複合板の裏
    面にシーリング塗料を塗布することを特徴とする化粧複
    合板の製造方法。
  5. 【請求項5】 化粧シートを表面に貼着した化粧シート
    貼りMDFと針葉樹合板とを接着剤を介して順々に積層
    し、これを加熱加圧するに際し、化粧シート貼りMDF
    の含水率を針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して、
    それらの含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製
    造し、この複合板の表面には上塗り塗料を、裏面にはシ
    ーリング塗料を塗布することを特徴とする化粧複合板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 化粧シート貼りMDFの含水率を3%以
    下に、針葉樹合板の含水率を気乾状態にすることを特徴
    とする請求項4あるいは請求項5記載の化粧複合板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 MDFと複数枚の針葉樹単板とを接着剤
    を介して順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、M
    DFの含水率を針葉樹単板の含水率よりも低めに設定し
    て、それらの含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板
    を製造し、この複合板の表面に予め上塗り塗料が塗布さ
    れている化粧シートを貼着後、裏面にシーリング塗料を
    塗布することを特徴とする化粧複合板の製造方法。
  8. 【請求項8】 MDFと複数枚の針葉樹単板とを接着剤
    を介して順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、M
    DFの含水率を針葉樹単板の含水率よりも低めに設定し
    て、それらの含水率変化に伴う収縮差を利用して複合板
    を製造し、この複合板の表面に化粧シートを貼着後上塗
    り塗料を塗布するとともに、裏面にはシーリング塗料を
    塗布することを特徴とする化粧複合板の製造方法。
  9. 【請求項9】 MDFの含水率を3%以下に、針葉樹合
    板の含水率を気乾状態にすることを特徴とする請求項7
    あるいは請求項8記載の化粧複合板の製造方法。
  10. 【請求項10】 予め上塗り塗料が塗布されている化粧
    シートを表面に貼着した化粧シート貼りMDFと複数枚
    の針葉樹単板とを接着剤を介して順々に積層し、これを
    加熱加圧するに際し、化粧シート貼りMDFの含水率を
    針葉樹単板の含水率よりも低めに設定して、それらの含
    水率変化に伴う収縮差を利用して複合板を製造し、この
    複合板の裏面にシーリング塗料を塗布することを特徴と
    する化粧複合板の製造方法。
  11. 【請求項11】 化粧シートを表面に貼着した化粧シー
    ト貼りMDFと複数枚の針葉樹単板とを接着剤を介して
    順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、化粧シート
    貼りMDFの含水率を針葉樹単板の含水率よりも低めに
    設定して、それらの含水率変化に伴う収縮差を利用して
    複合板を製造し、この複合板の表面には上塗り塗料を、
    裏面にはシーリング塗料を塗布することを特徴とする化
    粧複合板の製造方法。
  12. 【請求項12】 化粧シート貼りMDFの含水率を3%
    以下に、針葉樹単板の含水率を気乾状態にすることを特
    徴とする請求項10あるいは請求項11記載の化粧複合
    板の製造方法。
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