JP3359374B2 - 複合板の製造方法 - Google Patents
複合板の製造方法Info
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Description
として利用される複合板およびその製造方法に関するも
のである。
台板材料として、ラワン合板が大量に使用されている。
これは熱帯雨林地方で生育しているラワン原木が、つい
近年まで若干の波があったとしても他の材料に比べて安
定して、かつ安価に供給されてきたことと密接な関係が
ある。
ワン合板は、表面の平滑性、湿気に対する寸法安定性、
曲げ強度、加工の容易性、軽量性、耐久性、供給の安定
性、価格の安定性、材色の安定性等どれをとっても優れ
た材料であった。
の声が高まり、ラワン原木の乱伐やその他の理由による
熱帯雨林の急激な減少が世界の非難を浴びるようになっ
てきた。
−ティクルボ−ド、MDF(中質繊維板)、針葉樹合板
等の利用が研究されてきたが、いずれもラワン合板に代
わるまでには到っていない。
対する寸法安定性、曲げ強度、加工の容易性、軽量性等
においてラワン合板に到底及ばなかった。また、最近注
目されているMDFは、表面平滑性においてはラワン合
板よりもはるかに優れているが、価格が高いうえ、湿気
に対する寸法安定性が非常に悪く、ラワン合板の代替材
料としての地位を確保するにはまだまだ不十分であっ
た。また、針葉樹合板はラワン合板の構成と同じである
ため、寸法安定性、曲げ強度、加工の容易性、および、
植林可能なため供給の安定性等に優れており、ラワン合
板に比較的近い材料であるが、大部分の針葉樹は節が多
いことと、表面に硬軟(秋材部と春材部)の差があるこ
と等が相まって平面平滑性が非常に劣り、針葉樹合板表
面に直接銘木単板や化粧紙等を接着することが困難であ
った。
DF、針葉樹合板等を単独でラワン合板の代わりに使用
することは非常に難しいため、上記材料を複合して使用
する試みがなされてきた。例えば、針葉樹合板や薄手の
パ−ティクルボ−ド表面にMDFを接着剤を介して熱圧
接着したが、いずれも熱圧後四周が上方に反り、丁度お
椀状になる傾向があった。このようにお椀状に反った複
合板を床板として使用するために表面に化粧を施し、四
周に実加工を施して釘打ちあるいは接着剤で施工する
と、突き合わせ面が盛り上がって段違い状態になった
り、その盛り上がった部分の化粧が摩耗によってすり減
り、その部分だけ基材が露出して非常に見苦しくなる欠
点があった。
合板を製造することが試みられたが、冷圧法に使用する
接着剤は高価であり、しかも針葉樹を冷圧法で接着する
には多量の接着剤を必要とするため、ますます複合板の
価格を高いものにするうえ、接着剤が端部からはみだす
欠点があった。また、冷圧法は生産性の点からみても熱
圧法よりも格段に悪く、製造された複合板の表面に上塗
り塗料を塗布して乾燥するとやはりお椀状に反ってしま
う欠点もあった。
の代替材料として十分な特性をもつとともに、上述した
お椀状に反るという欠点を解消した複合板の製造方法を
提供することを目的とする。
め、この発明は、MDFと広葉樹単板と針葉樹合板とを
接着剤を介して順々に積層し、これを加熱加圧するに際
し、MDFの含水率を3%以下に、広葉樹単板や針葉樹
合板の含水率を気乾状態に設定して、それらの含水率変
化に伴う収縮差を利用することを特徴とする複合板の製
造方法に係る。なお、最上層にくるMDFの表面には予
め銘木単板が接着されていてもよく、その場合は銘木単
板貼りMDF自体の含水率が広葉樹単板や針葉樹合板の
含水率よりも低めに設定されていることが必要である。
また、途中にはさまれている広葉樹単板の繊維方向は、
この広葉樹単板と接する針葉樹合板の表板の繊維方向と
直交させることもできる。さらに、上記複合板を製造す
るには、MDFと、広葉樹単板と、針葉樹合板とを接着
剤を介して積層して熱圧してもよいが、上記MDFと広
葉樹単板と複数枚の針葉樹単板とを接着剤を介して積層
し、一挙に熱圧して複合板を製造するようにしてもよ
い。
る。図1〜図4はこの発明の複合板の製造工程をそれぞ
れ示す斜視図である。1はMDFで、経済的な面から見
れば厚みは2〜3mm程度が好ましいが、これに限定さ
れるものではない。また、MDFの原料として針葉樹材
を用いるもの、広葉樹材を用いるもの、あるいはそれら
を混合して用いるものがあるが、本発明ではいずれの原
料を用いてもよい。また、MDFにはメラミンタイプ、
フェノールタイプ、尿素タイプ等のMDFがあるが、床
用台板として用いる場合は、耐水、耐熱性に優れたメラ
ミンタイプあるいはフェノールタイプのMDFがよい。
もちろん、壁板、天井板等のように耐水性をそれほど必
要としない場所に使用する場合は、尿素タイプのMDF
でよい。このMDFは予め熱盤や乾燥炉で含水率が3%
以下になるように乾燥されている。MDFの含水率を3
%以下、言い換えれば絶乾状態に近くすることで生産上
コントロールしやすいためである。図3、図4では乾燥
する前に銘木単板2が表面に貼られたもので、この場合
は銘木単板貼りMDFの含水率が好ましくは3%以下に
なるように乾燥されている。このように予め銘木単板2
を表面に貼っておくと、後から貼るよりも平面引張り強
度が大きくなる利点がある。これはMDFを乾燥後、そ
の表面に銘木単板2を貼ると、MDFの表面が熱により
若干劣化しているためと思われる。3は広葉樹単板、
4、5および6は針葉樹単板で、これらの単板は、それ
ぞれ繊維方向が直交した状態を示しているが、これに限
定されたものではなく、例えば広葉樹単板3の繊維方向
と広葉樹単板と接する針葉樹単板4の繊維方向が同一方
向であってもよい。
るにあたり、図1および図3に示すように予め合板の形
態をとっていてもよいが、図2および図4に示すように
MDF1と広葉樹単板3と三枚の針葉樹単板4、5、6
とを接着剤を介して一挙に複合板としてもよい。積層熱
圧する際、広葉樹単板や針葉樹単板の含水率は使用する
接着剤によっても若干の差異があるにしてもほぼ気乾状
態が好ましい。ここで気乾状態とは、地域差もあるが6
〜15%を指す。この含水率もまた気乾状態に限られる
ものではなく、MDFの含水率によって上下するもので
ある。しかし、生産性を考えれば気乾状態が好ましいこ
とは言うまでもない。また、熱圧条件も温度110℃〜
130℃、圧力6〜10kg/cm2 、時間3〜10分
間程度であり、従来の合板製造時の熱圧条件と同じか、
あるいはそれと近似している。
広葉樹単板や針葉樹合板の含水率よりも低めに設定して
おくこと、好ましくは3%以下にしておくことが重要で
ある。このようにすることによって製造された複合板は
お椀状に反ることなく、ほぼ平滑な状態か、若干逆お椀
状になる。
をはさんでおくことも重要である。なぜならば、針葉樹
材の表面にMDFを貼着すると、大部分の針葉樹材の表
面が平滑でないことと、MDFの表面が非常にツルツル
しているためと思われるが、接着強度があまりないた
め、MDFとも針葉樹材ともなじみやすい広葉樹単板を
両者の間にはさんでおく必要がある。また、針葉樹材と
MDFにまたがって実加工を施した時も、広葉樹材をは
さんでおくと実自体の強度が大きくなる利点もある。
ミンタイプのMDFを温度120℃の熱盤内で20分間
乾燥して含水率を2%にした。別に表板として厚さ1.
7mmのラジア−タパイン、心板として厚さ3.2mm
のラジア−タパイン、裏板として厚さ1.7mmのラジ
ア−タパインを尿素メラミン樹脂接着剤を介して圧力8
kg/cm2 、温度120℃の熱圧条件で4分間熱圧し
て含水率12%の針葉樹合板を製造した。上記含水率に
調整したMDFと針葉樹合板とを、両面に尿素メラミン
樹脂接着剤を380g/m2 塗布した厚さ3.2mm、
含水率12%のラワン単板(含水率は接着剤塗布前)を
介して積層し、圧力8kg/cm2 、温度120℃で7
分間熱圧して大きさが945mm×1840mmの複合
板を形成し、これを三分割して所望の複合板を得た。こ
の複合板の反りを製造後48時間経ってから測定したと
ころ、長手方向で4.0mm、幅方向で1.0mm逆お
椀状に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであ
った。なお、反りの割合を示す数値は、複合板を水平面
においた時に中央部が凸になっている場合をプラスで示
し、長手方向の中央部と水平面との距離、幅方向の中央
部と水平面との距離を測定した。
ミンタイプのMDFの表面に厚み0.3mmのナラ単板
を接着した銘木単板貼りMDFを、温度120℃の熱盤
内で25分間乾燥して含水率を2%にした。別に表板と
して厚さ1.7mmのラジア−タパイン、心板として厚
さ3.2mmのラジア−タパイン、裏板として厚さ1.
7mmのラジア−タパインを尿素メラミン樹脂接着剤を
介して圧力8kg/cm2 、温度120℃の熱圧条件で
4分間熱圧して含水率12%の針葉樹合板を製造した。
上記含水率に調整したMDFと針葉樹合板とを、両面に
尿素メラミン樹脂接着剤を380g/m2 塗布した厚さ
3.2mm、含水率12%のラワン単板(含水率は接着
剤塗布前)を介して積層し、圧力8kg/cm2 、温度
120℃で7分間熱圧して大きさが945mm×184
0mmの複合板を形成し、これを三分割して所望の複合
板を得た。この複合板の反りを48時間後に測定したと
ころ、長手方向で3.0mm、幅方向で1.0mm逆お
椀状に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであ
った。
板の代わりに、含水率8%の針葉樹合板を用い、含水率
12%のラワン単板の代わりに、含水率10%のラワン
単板を用いた以外は、実施例1と同様にして所望の複合
板を得た。この複合板の反りを48時間後に測定したと
ころ、長手方向で2.0mm、幅方向で1.0mm逆お
椀状に反っていたが、全体としてはほぼ平滑なものであ
った。
板の代わりに、表板、心板および裏板として、それぞれ
厚さ1.7mm、3.2mm、1.7mm、含水率12
%のラジア−タパインの単板を用い、MDF、ラワン単
板、三枚のラジア−タパイン単板を接着剤を介して積層
し、圧力8kg/cm2 、温度120℃で8分間熱圧し
た以外は、実施例1と同様にして所望の複合板を得た。
この複合板の反りを48時間後に測定したところ、長手
方向、幅方向ともほとんど0であった。
温度120℃の熱風乾燥炉で60分間乾燥して含水率を
1.0%にした以外は実施例2と同様にして所望の複合
板を得た。この複合板の48時間後の反りは、長手方向
で2.0mm、幅方向で1.0mmで逆お椀状に反って
いたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
を針葉樹合板の表単板の繊維方向と同一方向にした以外
は実施例2と同様にして所望の複合板を得た。この複合
板の48時間後の反りは、長手方向で5.0mm、幅方
向で3.0mmで逆お椀状に反っていたが、全体として
はほぼ平滑なものであった。
2.0mmとした以外は実施例2と同様にして所望の複
合板を得た。この複合板の48時間後の反りは、長手方
向で4.0mm、幅方向で2.0mmで逆お椀状に反っ
ていたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
構成を、表板3.2mm、心板3.2mm、裏板3.2
mmにした以外は実施例2と同様にして所望の複合板を
得た。この複合板の48時間後の反りは、長手方向で
3.0mm、幅方向で1.0mmで逆お椀状に反ってい
たが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
mmとした以外は実施例2と同様にして所望の複合板を
得た。この複合板の48時間後の反りは長手方向で4.
0mm、幅方向で1.0mmで逆お椀状に反っていた
が、全体としてはほぼ平滑なものであった。
代わりに、含水率4%のMDFを用い、含水率12%の
針葉樹合板、ラワン単板の代わりに、含水率11%の針
葉樹合板、ラワン単板を用いた以外は、実施例1と同様
にして所望の複合板を得た。この複合板の反りを48時
間後に測定したところ、長手方向で8.0mm、幅方向
で1.0mm逆お椀状に反っていたが、全体としてはほ
ぼ平滑なものであった。
貼りMDFの代わりに、含水率6%の銘木単板貼りMD
Fを用い、含水率12%の針葉樹合板、ラワン単板の代
わりに、含水率16%の針葉樹合板、ラワン単板を用い
た以外は、実施例2と同様にして所望の複合板を得た。
この複合板の反りを48時間後に測定したところ、長手
方向で1.0mm、幅方向で3.0mm逆お椀状に反っ
ていたが、全体としてはほぼ平滑なものであった。
に変えた以外は実施例1と同様にして複合板を得た。こ
の複合板の反りを48時間後に測定したところ、長手方
向で−18.0mm、幅方向で−11.0mmで、お椀
状に反っていた。なお、中央部が凹になっている場合、
複合板を裏向けにし、長手方向の中央部と水平面との距
離、幅方向の中央部と水平面との距離を測定した数値に
マイナスを付した。
含水率を4%に、針葉樹合板、ラワン単板の含水率を6
%に変えた以外は、実施例2と同様にして複合板を得
た。この複合板の反りを48時間後に測定したところ、
長手方向で−16.0mm、幅方向で−5.0mmで、
お椀状に反っていた。
葉樹単板の使用量を最小限に抑えることができ、かつ逆
お椀状に若干反っているか、あるいはほぼ平滑なもので
あって、床板や壁板として施工しても何等問題が生じな
いものである。
図。
視図。
視図。
視図。
Claims (9)
- 【請求項1】 MDFと広葉樹単板と針葉樹合板とを接
着剤を介して順々に積層し、これを加熱加圧するに際
し、MDFの含水率を3%以下に、広葉樹単板や針葉樹
合板の含水率を気乾状態に設定して、それらの含水率変
化に伴う収縮差を利用することを特徴とする複合板の製
造方法。 - 【請求項2】 銘木単板を表面に接着した銘木単板貼り
MDFと広葉樹単板と針葉樹合板とを接着剤を介して順
々に積層し、これを加熱加圧するに際し、銘木単板貼り
MDFの含水率を広葉樹単板や針葉樹合板の含水率より
も低めに設定して、それらの含水率変化に伴う収縮差を
利用することを特徴とする複合板の製造方法。 - 【請求項3】 銘木単板貼りMDFの含水率を3%以下
に、広葉樹単板と針葉樹合板の含水率を気乾状態にする
ことを特徴とする請求項2記載の複合板の製造方法。 - 【請求項4】 広葉樹単板の繊維方向を、針葉樹合板の
表板の繊維方向と直交させた状態で積層することを特徴
とする請求項1、請求項2、あるいは請求項3記載の複
合板の製造方法。 - 【請求項5】 MDFと広葉樹単板と複数枚の針葉樹単
板とを接着剤を介して順々に積層し、これを加熱加圧す
るに際し、MDFの含水率を広葉樹単板や針葉樹単板の
含水率よりも低めに設定して、それらの含水率変化に伴
う収縮差を利用することを特徴とする複合板の製造方
法。 - 【請求項6】 MDFの含水率を3%以下に、広葉樹単
板と針葉樹単板の含水率を気乾状態にすることを特徴と
する請求項5記載の複合板の製造方法。 - 【請求項7】 銘木単板を表面に接着した銘木単板貼り
MDFと広葉樹単板と複数枚の針葉樹単板とを接着剤を
介して順々に積層し、これを加熱加圧するに際し、銘木
単板貼りMDFの含水率を広葉樹単板や針葉樹単板の含
水率よりも低めに設定して、それらの含水率変化に伴う
収縮差を利用することを特徴とする複合板の製造方法。 - 【請求項8】 銘木単板貼りMDFの含水率を3%以下
に、広葉樹単板と針葉樹単板の含水率を気乾状態にする
ことを特徴とする請求項7記載の複合板の製造方法。 - 【請求項9】 広葉樹単板の繊維方向を、最上層の針葉
樹単板の繊維方向と直交させた状態で積層することを特
徴とする請求項5、請求項6、請求項7あるいは請求項
8記載の複合板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12832093A JP3359374B2 (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-30 | 複合板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11794293A JPH0732546A (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-20 | 複合板およびその製造方法 |
JP5-117942 | 1993-04-20 | ||
JP12832093A JP3359374B2 (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-30 | 複合板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07132508A JPH07132508A (ja) | 1995-05-23 |
JP3359374B2 true JP3359374B2 (ja) | 2002-12-24 |
Family
ID=26455971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12832093A Expired - Lifetime JP3359374B2 (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-30 | 複合板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3359374B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104875267B (zh) * | 2015-05-20 | 2017-05-10 | 福建省永安林业(集团)股份有限公司 | 衣柜门板用中密度纤维板的制备方法 |
CN105233955B (zh) * | 2015-11-10 | 2018-06-22 | 张沙 | 复合材料初加工装置及工艺 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP12832093A patent/JP3359374B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07132508A (ja) | 1995-05-23 |
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