JPS5850538Y2 - 磁気テ−プカ−トリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気テープカートリッジに係り、磁気テープ
の走行安定を図ることを目的とする。

この種の磁気テープカートリッジでは、磁気テープの走
行を円滑にし、適度のバックテンションをかけるために
、プラスチック製の本体ケースにテープガイドピンを一
体に植設しである。

しかし、本体ケースの金型製作時に、これらテープガイ
ドピンには必然的に金型の抜き勾配がつけられる。

そのため、磁気テープが走行時にテープガイドピンのテ
ーパー面に沿ってせり上がり、磁気テープの走行が異常
となってテープエツジの損傷・片のび・ねじれを起こす
。

とくに、磁気ヘッド挿入口の前面左右にある中央テープ
ガイドピンでは、録音トラックずれを起こす等の問題が
あり、ここに解決の余地があった。

この考案はかかる事実に着目して、磁気テープの走行安
定を図り、テープエツジの損傷・片のび・ねじれ・録音
トラックずれ等を防止するに効果的なテープガイドピン
を備えた磁気テープカートリッジを提供しようとするも
のであり、その特徴とするところはテープガイドピンの
少なくともテープ接触面に弾性部材を配設し、磁気テー
プがこの弾性部材の外周面に接触して走行するようにし
たことにある。

以下、この考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本案磁気テープカー１− ＩＪツジの全体概略
を示している。

これの本体ケース１は、プラスチック製の上下二つ割り
ケース１ａ・１ｂからなり、中央部の左右に駆動軸挿入
孔２・２を設け、これにリール３・３を可回転に装着し
てあり、その前面には消去ヘッド挿入口４、録音・再生
用磁気ヘッド挿入口５ついでピンチローラ挿入口６をそ
れぞれ設けである。

そして、磁気テープ７はその両端を両リール３・３に係
止して巻回し、一方の供給リール３から繰り出して前方
の各挿入口・４５・６を順に通り、他方の巻取り−ル３
に巻取られる。

この磁気テープ７の走行経路中には、本体ケース１の前
方左右に側方テープガイドピン９・９が、また磁気ヘッ
ド挿入口５の前面左右に中央テープガイドピン１０・１
０がそれぞれ下ケース１ｂから一体に植設してあり、磁
気テープＴはこれらテープガイドピン９・１０に案内さ
れて走行するようになっている。

これらのテープガイドピン９・１０は、第２図に示すよ
うに、金型製作時の抜き勾配がつけられている。

そこで、この各テープガイドピン９・１０の外周には、
ガイドピン９・１０の先端部の径とほぼ等しい内径を有
し、ガイドピン９・１０の根底部の径より大きい外径を
有するフェルト・スポンジ体・軟質合成樹脂などからな
る円筒状の弾性部材１１を圧入して固着もしくは嵌合固
定し、この弾性部材１１の外周面にテープ案内面１２を
形成することによって、磁気テープ７がこのテープ案内
面１２に接触して走行する機構とした。

すなわちガイドピン９・１０の先端部の径とほぼ等しい
内径を有する円筒状の弾性部材１１をテーパー面を有す
るガイドピン９・１０に挿入すると、主として弾性部材
１１の内径がガイドピンのテーパー面に沿って変形し、
弾性部材１１の外周面は、はぼ垂直性を維持する。

その結果、テープ案内面１２は、はぼ垂直となって、適
切に磁気テープ７を案内する。

さらに磁気テープ７のテープ案内面１２にかかる押圧力
を弾性部材１１の弾性変形により吸収し、以って磁電テ
ープ７がテープ案内面１２をせり上がらず安定して走行
するようにしたのである。

とくに、中央テープガイドピン１０に嵌着した弾性部材
１１は、第２図口の仮想線で示すように、磁気ヘッド挿
入時に磁気テープ７が磁気ヘッド挿入口５の内方に押さ
れたとき、磁気テープ７の強い不均一な押圧力をテープ
案内面１２に受ける。

しかし、弾性部材１１がこれに対応して周方向に弾性変
形し、磁気テープ７をせり上がらせることなく安定走行
させ、録音トラックのミスポジションやアジマス不整を
確実に防止し修正することになる。

このような作用は、録音ヘッドと再生ヘッドとが同時に
挿入されるタイプの場合に、一層有利になる。

なお、上記実施例では、弾性部材１１を各テープガイド
ピン９・１０に装着する仕様としたが、この考案はテー
プガイドピン９・１０の全部に弾性部材１１を装着する
必要はなく、側方テープガイドピン９・９、または中央
テープガイドピン１０・１０にのみ弾性部材１１を装着
したものでもよい。

特に、中央ガイドピン１０・１０に装着する場合は、前
述のように特に効果的である。

また、この弾性部材１１はテープガイドピン９・１゜に
遊嵌して磁気テープ７との接触で連れ回りするようにし
てもよい。

これを要するに、この考案はテープガイドピンの少なく
ともテープ接触面に弾性部材を配設し、ソノ表面がケー
スの内底面に対し、はぼ垂直性を有するような構成とし
、磁気テープがこの弾性部材の外周面に接触して走行す
ることによって、所期の目的を達成した。

従って、弾性部材で磁気テープに付着のゴミを除去でき
ることはもとよりのこと、これに接触して走行する磁気
テープのせり上がりを弾性部材の弾性変形により確実に
防止し、磁気テープを上下動させることなく安定して走
行させることができるので、テープガイドピンの抜き勾
配による磁気テープのエツジ損傷・片のび・よじれそれ
に録音トラックずれなどを有効に防止できる利点を有す
る。

更に、本体ケースの抜き勾配を大きくして、成形性を上
げるとともに、テープガイドピンを径太にして強度を向
上することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであって第１図は本
案磁気テープカートリッジの上ケースを切欠いた全体平
面図、第２図は第１図のＡ部拡大図でありこのうちイ図
は縦断面図、０図は横断面図である。 １・・・・・・本体ケース、５・・・・・・磁気ヘッド
挿入口、７・・・・・・磁気テープ、９・１０・・・・
・・テープガイドピン、１１・・・・・・弾性部材、１
２・・・・・・テープ案内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチック製の本体ケース１の底壁から一体に立設し
   た柱状のテープガイドピンに、内径が該ガイドピンの先
   端部の径にほぼ等しく外径が該ガイドピンの根底部の径
   より大きい真円筒状の弾性部材１１を嵌合固定し、該弾
   性部材１１の外周面を本体ケース１の内底面に対し、は
   ぼ垂直なテープ案内面１２に設定したことを特徴とする
   磁気テープカートリッジ。