JPS6275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセツトデツキに用いられるカセツト
テープのリール・ハブとカセツト・ハーフの改良
に関する。

第１図ａ，ｂは従来用いられているカセツトテ
ープの外観を示す平面図及びそのＡ−A′線断面
拡大図で、第１図ａにおいて、１はテープ２を内
部に収納するカセツト・ハーフ、３はテープ２を
巻き取るリール・ハブ、４は該リール・ハブ３に
巻き取られたテープ２の残量を確認する透孔であ
る。第１図ｂにおいて、５はシートで、上記リー
ル・ハブ３に巻き取られたテープ２をその上下よ
り保持するものである。ところで上記シート５は
カセツトハーフ１の内部では上下にわずかに移動
するのみで、ほぼ固定された状態で載置されてい
るので、リール・ハブ３に巻き取られたテープ２
とシート５の接触面６にテープ２の送行中は摩擦
抵抗が働き、しかも該接触面６の接触面積は時間
と共に刻刻と変化するので摩擦低抗も変化し、カ
セツトデツキのキヤプスタン（図示せず）やリー
ル・ハブ駆動軸（図示せず）の駆動トルクに変動
を来たす要因となり、さらにテープ２そのものに
とつても、送行方向に張力の変化が生じるので、
テープの伸びや変形の要因ともなつていた。加え
て従来のカセツトハーフとリール・ハブとの間に
は間隙ｄが設けてあり、そのため巻戻しや早送り
の際急激にリール・ハブを回転させると、リー
ル・ハブの係合歯とリール・ハブ駆動軸との係合
部で該リール・ハブが上下に摺動し、テープの耳
を揃えて整然と巻き取ることがなかなか出来なか
つた。

本考案は、上記従来のカセツトテープの欠点を
解消するためになされたもので、カセツトテープ
の送行及び巻き取りを安定して行なえるように、
外周にそつて立上る一対のテーパ状フランジを上
下に備えたリール・ハブの内周上下に、該フラン
ジの中心位置決め用立上り部と、外周上下にフラ
ンジ取付位置決め用突起を複数設け、かつ該立上
り部部と突起との間に接着材を塗布し上記フラン
ジを接着固定したリール・ハブを備えたことを特
徴とするカセツトを提供する。

以下本考案によるカセツトの一実施例を添付図
面とともに説明する。

第２図ａ，ｂは本考案によるカセツトを示す平
面図及びＢ−B′線断面拡大図で、１０はカセツト
ハーフ、１１は該カセツトハーフ１０，１０に設
けられた一対の円形透明部材で、第２図と同一部
分を同一符号で示した第２図ｂに示すように、そ
の外周縁にそつてカセツトハーフ１０内部方向に
断面半円形状の立上り部１１′が設けられ、上記
立上り部１１′は後述するリール・ハブ１２の上
下両面に設けられたフランジ１３をカセツトハー
フ１０の両面より押圧挾持するものである。尚該
フランジ１３は組立ての際上記立上り部１１′と
の接触面１４の接触を確実なものとするため、第
２図と同一部分を同一符号で示した第３図に示す
ようにあらかじめ中心から外周方向に向つて該フ
ランジ１３をテーパ状に仕上げ、後述するリー
ル・ハブ１２の立上り部１５と突起１６間に塗布
された接着材により接着固定される。尚１３′は
該フランジ１３に設けた長孔で、テープ１７の残
量を確認するものである。次に第２図ｂで１５は
リール・ハブ１２上下の内周にそつて設けた立上
り部で、上記フランジ１３の中心位置を決めるも
のである。又該立上り部１５の高さは上記フラン
ジ１３の厚さを考慮して設定する。

１６は上記リール・ハブ１２の上下の外周にそ
つて等ピツチで設けられた円筒状の突起で、上記
フランジ１３の取付位置を決めるものである。又
上記突起１６は本実施例では図示（第２図ａ）の
ように等ピツチでリール・ハブ１２上下に３個づ
つ設けたが、勿論本実施例に限定されることな
く、例えば不等ピツチで複数個リール・ハブ１２
の上下に設けてもかまわない。尚上記リール・ハ
ブ１２とフランジ１３は一体成形してもかまわな
いが、構成上リール・ハブ１２のテープ巻取面１
８などは割り型となるから巻取面１８には成形上
合せ目を生じ、真円度が損われテープ巻取面１８
が円形にならないことが多い。さらにテープの巻
取面１８と係合歯とは位置ずれを生じテープ安定
走行が確保できない。

本考案は上記構成としたので、従来のカセツト
とは異なりリール・ハブに設けたフランジとカセ
ツト・ハーフ上下に設けた立上り部により接触面
積が一定となり、かつ、テープ送行時の摩擦抵抗
が一定となるので、カセツトデツキのリール軸の
トルクに変動を来たすこともなくテープ送行がよ
り安定となり、テープのトラツク間に生ずるクロ
ストークやテープののびの防止に役立つ。さらに
早送りや巻捩しの際にもリール・ハブに設けたフ
ランジが上記カセツト・ハーフ上下に設けた立上
り部に押圧挾持されているので、従来あつたリー
ル・ハブとリール軸との摺動もなくなり、テープ
の巻取りもテープの耳をそろえて巻取る事も可能
となる。加えて従来のカセツトに用いたシートも
不用となりコスト削減にも結びつきその効果も大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のカセツトの構造を示す平
面図及びＡ−A′線断面拡大図。第２図ａ，ｂは
本考案によるカセツトの構造を示す平面図及びＢ
−B′線断面拡大図。第３図は本考案によるカセツ
トのフランジ取付方法を示す断面拡大図である。 １，１０……カセツトハーフ、２，１７……テ
ープ、３，１２……リール・ハブ、４……透孔、
５……シート、１１……円形透明部材、１１′，
１５……立上り部、１３……フランジ、１３′…
…長孔、１４……接触面、１６……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトハーフのリール・ハブの上下面にテー
   プ保持用のフランジ外周端をややテーパ状に設
   け、かつ上記リール・ハブの内周上下に該フラン
   ジの中心位置決め用立上り部と、外周上にフラン
   ジ取付位置決め用突起を複数設け、該立上り部と
   突起との間に接着材を塗布し上記フランジを接着
   固定したリール・ハブを備えたことを特徴とする
   テープレコーダ用カセツト。