JPS5847941B2 - レンゾクチユウゾウニオケル ジンコウスラグキヨウキユウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、外部熱源を要することなく固体の人エスラグ
を連続的に溶融しながら鋳型湯面上に連続供給する連続
鋳造における人エスラグの供給法に関するものである。

従来、溶融金属例えば溶融の連続鋳造を行なう場合、鋳
型内溶鋼の酸化防止や溶鋼中の非金属介在物の吸収およ
び鋳型と鋳片間の潤滑性付与等を目的として、粉末状の
人エスラグを鋳型内溶鋼に添加しているのが通常である
。

しかし、このような粉末状人エスラグの添加法には次の
如き問題があった。

すなわち、（１）特に鋳込初期の粉末人エスラグ投入時
において、スラグが安定して完全溶融しないために、浸
漬ノズルからの溶鋼流が安定しないのでこの鋳込初期に
あっては、粉末スラグが溶鋼流に巻き込まれ、鋳片表面
下のノロカキキズや非金属介在物等の発生により品質低
下をきたし、歩留が著しく悪かった。

（２）鋳込初期においては溶鋼が急激に冷却されるので
固体の粉末スラグが完全溶解できず半溶融状となり、い
わゆるクラストの発生による鋳片表面品質の低下および
鋳片表面の縦割れ、横割れを生じ易い原因となっていた
。

（３）粉末状人エスラグは原料、或分、粒度等の製造上
のバラツキが大きく、このため鋳造条件の変動（溶鋼成
分、溶鋼温度、鋳造速度等）に追従できずに鋳片表面欠
陥を生じ易い。

（４）粉末投入を機械で行なう方法もあるがコントロー
ルが難しく、人力による投入が通常であるが粉末を扱う
関係上作業環境が著しく悪くなる。

このような問題を解決するために、例えば特開昭。

９−１０．３８３２号や特開昭４９−１０５７２７号に
おいて、第１図に例示の如く鋳型１の近傍に炉２を設置
し、この炉２内に粉末状人エスラグを投入してガスまた
は電気加熱によってこれを溶融化し、トイ３を介して鋳
型１に供給する間接流動供給法が提案されている。

ただし第１図中の４はタンディッシュ、５は溶鋼、６は
浸漬ノズル、７はストッパーを示している。

しかしこのような予備加熱式の溶融スラグ間接供給法に
はなお次のような問題がある。

（１）粉末状人エスラグを溶解専用炉等で溶解および保
持するのに膨大な熱エネルギーを要する。

（２）溶解炉およびトイの構造が複雑になる上、設備費
が高《なりまた管理が難しい。

（３）溶融スラグはトイを介して鋳型内へ供給されるた
めに、このトイ部で溶融スラグの流動性が悪くなり易く
、溶融スラグの安定供給および安定した溶融スラグ特性
が得たくい。

（４）溶融スラグは大気溶解または酸素供給溶解によっ
て得られ、またトイ部で大気酸化を受けるために酸素過
剰のスラグとなり、スラグの溶融特性を悪化させ、鋼品
質を劣化させる。

本発明はこのような問題を除去すべくなされたもので、
外部熱源を要することなく、ほとんど気密状態のまま連
続的に固体スラグを溶融しつつ鋳型湯面上に直接供給で
きる方法を提供する。

すなわち本発明のスラグ供給法はタンディッシュ内の溶
融金属に接するように配置した耐火物管状体に固体状の
人口スラグを供給し、この耐火物管状体内の人ロスラグ
をタンディッシュ内の溶融金属の保有熱によって溶融し
つつ鋳型内湯面に供給することを特徴とする。

図面に従い具体的に説明すると、第２図において、タン
ディッシュ４内の溶鋼５は、浸漬ノズル６を通して、ス
トッパー７により流量調整されながら鋳型１に連続的に
鋳造されてゆく。

そのさい、タンディッシュ４内の溶鋼５に接するように
、つまりタンディッシュ４の天板８と底板９を貫通して
装着された耐火物管状体１０の中に装入された粉状スラ
グ１１が、溶鋼５の保有熱によって溶融されながら鋳型
内溶鋼面１２上に連続的に落下※※してゆく。

すなわち、耐火物管状体１０の大部分が溶鋼５の中に浸
漬されているので、この耐火物管状体１０の中に装入さ
れる固体の粉状スラグ１１は鋳造時の溶鋼５の流れから
連続的に受熱して溶融し、溶融スラグの連続流れを形成
する。

この溶融スラグの流れは大気に接する機会が少なく、粉
状スラグの配合成分と実質上同一の組成を有して鋳型内
溶鋼面１２に注がれる。

第３図は本発明方法の別態様を示すもので、タンディッ
シュ４内の溶鋼５に接するように配置した耐火物管状体
１０内に、タンディッシュ内溶鋼５の溶融スラグ１３を
連続的に供給し、この耐火物管状体１０内の溶融スラグ
をタンディッシュ内溶鋼５の保有熱で保熱しつつ鋳型内
湯面１２に供給する。

そのさいタンディッシュ内溶鋼５の湯面上に固体の人エ
スラグを供給して溶鋼５の保有熱によって溶解し、溶融
スラグ１３を形成することができる。

この溶融スラグ１３は耐火物管状体１０の上部の穴１４
を通して耐火物管状体１０内に供給される。

この第２図および第３図に示した溶融スラグ直接流動供
給法をＳＵＳ ３ ０ ４鋼の連続鋳造に適用したとき
の操業成績を表１に示す。

比較のために粉末人エスラグをそのまま添加した場合と
、第１図に示す如き予め溶融スラグを外部熱源によって
作成する溶融スラグの間接流動供給法を試験した場合の
操業成績も表１に示す。

表１の結果から、実質上同一の鋳造条件下において、本
発明による溶融スラグ直接流動供給法は従来法に比しそ
の操業性および品質において優れた結果が得られたこと
がわかる。

本発明方法を実施することによって得られる効果を列挙
すれば次のとおりである。

（１）粉末人エスラグを溶融するための外部熱源が全く
不要である。

（２）溶解炉およびトイが不要で構造が簡単である。

（３）溶融した後ただちに直接鋳型に供給されるために
供給量が安定しかつその流動特性も安定する。

（４）密閉状態下の非酸化性雰囲気で溶解され直ちに湯
面に落下するのでスラグ成分変化が殆んどない。

（５）粉塵による環境悪化の問題がない。

（６）鋳片表面欠陥が極めて低くかつ安定する。

なお実施例においては、本発明方法を鋼の連続鋳造に適
用した例を示したが、非鉄金属の連続鋳造に適しても同
様の効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来法による溶融スラグ供給法の例を説明する
ための概略断面図、第２図は本発明方法を説明するため
のタンディッシュ部の概略断面図、第３図は本発明の他
の例を説明するためのタンディッシュ部の概略断面図で
ある。 １・・・・・・鋳型、４・・・・・・タンディッシュ
５・・・・・・溶鋼、６・・・・・・浸漬ノズル、１・
・・・・・ストッパー、１ｏ・・・・・・耐火物管状体
、１１・・・・・・粉状人エスラグ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶融金属の連続鋳造法において、タンディッシュ内
   の溶融金属に接するように配置した耐火物管状体内に粉
   末状の人エスラグを供給し、この耐火物管状体内の人エ
   スラグをタンディッシュ内溶融金属の保有熱によって溶
   融しつつ鋳型内湯面上に供給することを特徴とする連続
   鋳造における人エスラグ供給法。 ２ 溶融金属の連続鋳造法において、タンディッシュ内
   の溶融金属に接するように配置した耐火物管状体内にタ
   ンディッシュ溶融金属面の溶融スラグを連続的に供給し
   、この耐火物管状体内の溶融スラグをタンディッシュ内
   溶融金属の保有熱で保熱しつつ鋳型内湯面上に供給する
   ことを特徴とする連続鋳造における人エスラグ供給法。