JPS5846131Y2 - 変色しない銀糸 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、経時的に変色しない銀糸に関するものである
。

従来、和服、帯などに使用される銀糸は、透明なポリエ
ステルフィルムに銀蒸着を施したフィルムを切り銀糸と
していたが、銀が大気中の硫化物と容易に反応し黄変す
るという欠点があった。

硫化物の原因は自動車の排気ガス、工場煤煙等であり、
湿度、温度の上昇とともに銀の硫化反応が促進され茶色
から黒褐色に経時的に変色する。

さらにまた、銀は高価であり銀の価格の変動の影響を銀
糸は受は易かった。

本考案は、安価でしかも経時変化のない銀色の糸を得る
ことを目的とする。

本考案の実施例を図面にもとづいて説明すれば次の通り
である。

第１図は本考案の銀糸の拡大断面図である。

該銀糸は厚さ１２〜３８μの透明プラスチックフィルム
２に膜厚３００Ａ以下のアルミニウム蒸着膜１を設けた
蒸着フィルムの非蒸着面に黄色顔料及び白色顔料を含む
着色剤コート層３を設けて形成した積層フィルムを幅０
．１〜２ｍ／ｍ程度に細く切ったものである。

上記透明プラスチックフィルムはポリエステルフィルム
が強度の点で最良であるが、他のフィルムでも使用する
ことができる。

アルミニウム蒸着膜は金属光沢を出すために使用するも
ので３００Ａ以下の厚みがよい。

３００Å以上の厚みであれば可視光線の９０％以上を反
射してしまい、非蒸着面に着色剤をコートしても蒸着両
側から見ると全く着色剤の影響を受けない。

３００ Ａ以下の膜厚とすることにより非蒸着面に塗布
した着色剤の影響を受は系全体が銀色に色付いて見えて
くる。

好ましくは２５〜１００人が透明性が大きく着色剤によ
る色付けがし易い。

着色剤コーティング層は、白色顔料と黄色顔料を含む着
色剤をコートしたものであって、白色顔料は、アルミ蒸
着膜厚が少ないことにより透明性が生じていても蒸着層
を通過した光が吸収されずに反射され、金属光沢を低下
させないようにするためであり、黄色顔料は、アルミ蒸
着のアルミの色に黄味を帯びさせ銀の感じを出すために
用いる。

この着色剤コーティング層はこの例のように蒸着フィル
ムの非蒸着面に設けてもよいし、蒸着した面に設けても
よい。

上記コート剤は、白色顔料２０〜４５部（重量部、以下
同じ）、黄色顔料０．１〜５部、樹脂２０〜３０部、溶
剤２０〜６０部より基本的に構成される。

上記白色顔料としては、たとえば、酸化チタンなどが、
また黄色顔料としては、たとえば、ベンジジンイエロー
、モノアゾ系イエローなどが挙げられる。

さらに上記樹脂としては、たとえば、ポリエステル系、
ウレタン系樹脂などが挙げられ、また溶剤としてはケト
ン系とアロマティック系の混合溶剤などが挙げられる。

該コート剤はグラビアコート、ロールコート、シンクス
クリーンコートなどのコーティング法により乾燥重量が
１〜Ｌｏｇ／ｍ’ｆｒＷ度になるようにコートする。

本考案に係る銀糸は、上記の如く構成されるので、大気
中の硫化物の影響を受けに＜＜、変色しにくいばかりで
なく、極めて容易かつ安価に得られる。

このように優れた性質を有する本考案の銀糸は和服、帯
などの衣類をはじめ種々の測道に非常に有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る銀糸を模式的に例示する拡大断面
図である。 １・・・・・・アルミニウム蒸着膜、２・・・・・・透
明プラスチックフィルム、３・・・・・・白色顔料及び
黄色顔料を含む着色剤コート層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明プラスチックフィルム上に膜厚３００Ａ以下のアル
   ミニウム蒸着膜を設けた蒸着フィルムの一方の面に黄色
   顔料及び白色顔料を含む着色剤をコートしてなる積層フ
   ィルムを細く切ってなる変色しない銀糸。