JPS5845598Y2 - 杵搗式餅搗臼の餅返し羽根 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、底部に回転する杵受体を有する杵搗式餅搗
臼の餅返し羽根に関するものである。

杵搗式の餅搗機の臼には、その底部に回転する杵受体を
設けて日内の斜坑を移動させなから万遍なく斜坑を搗く
ことができるようにし、さらに、臼体に餅返し羽根を設
けて斜坑が移動する間に餅返しが行われてより能率よく
均質な餅を得ることができるように配慮されている。

しかしながら、従来の餅返し羽根は、臼体の内壁に単に
障壁を設けるかあるいはたかだかこれを下方に向はズ傾
斜させることによって斜坑を日中央部へと案内するよう
にしたものが用いられているに過ぎず、その機能が充分
でないばかりでなく、特に少量の餅を搗く際にはその機
能が全く発揮されないという欠点があった。

また、餅返し羽根を臼体に対して相対的に回転させるこ
とによって餅返しを行う構造のものもあるが、そのよう
な構造では装置が複雑となり、コスト及び保守の点で問
題が生じてくる。

この考案は、より有効に機能する餅返し羽根を得ること
を目的とし、さらに、日内の餅の量がどのように変化し
ても、すなわち、多量の餅を搗く場合にも極めて少量の
餅を搗く場合にも常に有効に機能する餅返し羽根を得る
ことを目的として成されたものである。

すなわちこの考案の杵搗式餅搗臼の餅返し羽根は、下方
部を日中央部の杵受体の直近に１で延長するとともに中
間部を幅狭とした形状を有してトリ、臼体内の斜坑の周
方向移動を阻止するとともにこれを臼体の中央部に向け
て案内させるべく杵受体の回転力向に相傾斜させて臼体
の内壁に沿って固設されて成るものであって、より好適
には、この餅返し羽根の上端に連接して臼体周縁部の上
流側に延長壁面を形成する弧状壁をこの餅返し羽根と一
体に形成したものである。

以下、実施例を示す図面に基づいてより詳細に説明する
。

第１図は前記弧状壁を有する餅返し羽根の一実施例を示
す斜視図であって、１は餅返し羽根の下方に形成された
延長部、２は幅狭となった中間部、３は餅返し羽根の上
端、４は弧状壁、５は取付板、６．６は取付孔、Ｔは補
強リブであって、板金を屈曲溶接して一体に形成されて
トリ、その表面はテフロンコーティングが施されている
。

第２図および第３図は、この餅返し羽根８の装着状態を
示す図であって、９は載台１０上に固設された臼体、１
１は臼体９の底部に設けられた杵受体、１２は杵受体１
１に固設された回転羽根、想像線で示す１３は杵である
。

杵受体１１は、臼体９釦よび載台１０を貫通して設けら
れた透孔１４から突出する回転軸１５の上端に固設され
て臼体９の底部に設けた凹所１６に半没状態で装着され
、図示しない駆動装置によって第３図の矢印で示す方向
に回転駆動されている。

１γは回転軸１５と杵受体１１とを締着するポルｒ、１
８は液封装置、１９は餅返し羽根８を臼体９に固着して
いるボルトである。

餅返し羽根８ば、取付孔６，６に挿通されたボルト１９
によって臼体９の周縁面９ａに締着されて取り付けられ
て釦り、下方の延長部１は回転羽根１２を囲むようにし
て臼の中央部の杵１３トよび杵受体１１の直近に１で延
びてむり５その上部に位置する中間部２は幅狭となって
臼体９内に広い斜坑の通路２０を形成している。

この餅返し羽根８ば、第３図に示されているように、口
内を周方向に回転移動する斜坑を白の中央部に案内する
べ（１５度ないし２０度程度杵受体１１０回転力向に傾
斜させて装着されて釦り、これに連接する弧状壁４ば、
餅返し羽根８の上流側部分に臼体の内壁９ｂに連接して
梢下刃に向いて上方に延びる延長壁面４ａを形成してい
る。

次に、上述の様に構成された餅返し羽根の作用について
説明する。

口内に投入された蒸米は、杵１３によって搗かれながら
一団の塊状体となり、この塊状体の中心が臼体９の中心
から偏倚して杵受体１１および回転羽根１２の回転に伴
って臼体９の周方向に転動しながら搗かれてゆくわけで
あるが、搗かれる餅の量が少ない場合には、第２図に想
像線２Ｌａで示すように、斜坑２１ａは、臼体９の底部
側力に大きく偏倚して転動してゆき、餅返し羽根８が設
けられていない場合には、杵１３ばとの斜坑２’ｌａの
一部に圧壊作用を及ぼすのみである。

しかし、口内にこの考案の餅返し羽根８が設けられてい
る場合には、餅返し羽根８に衝突した斜坑２’ｌａば、
延長部１に案内されて餅返しが行われながら臼の中央部
へと送り戻され、斜坑２Ｌａ全体に圧壊力が作用するよ
うになる。

そして杵築が繰返される間に徐々に臼体９の側方へと偏
倚してゆき、再び餅返し羽根８の延長部１によって送り
戻されるという運動を繰返しながら効率よ〈餅搗が行わ
れる。

この延長部１０作用は、斜坑２１が側力へと偏倚しやす
い柔らかい餅である場合にも有効に発揮され、従来の餅
搗機では能率よく搗くことが困難であった大福餅などを
も短時間で搗きあげることができる。

中量の餅を搗く場合には、斜坑は第２図の想像線で示す
２１ｂの如くなり、この状態で餅返し羽根８に衝突した
斜坑２１ｂは、その下方部が延長部１によって移動を阻
止されながら日中央部へと送り戻され、その上刃部がえ
ぐられた通路２０を通過してゆくことによって斜坑全体
が引繰返されるように動き、はぼ理想的な餅返しが行わ
れる。

口内に大量の蒸米が投入された場合には、斜坑は第２図
の２１ｃの如くなり、餅返し羽根８の上流部分に餅留が
生ずるようになるが、この場合にも、延長部１と通路２
００作用によって餅返しが行われると同時に通路２０を
通って餅留を形成する餅が下流側へと通過してゆくので
、過大な餅留が生ずるのを避けることができ、また、餅
返し羽根８の上流側に形成されている弧状壁４によって
斜坑２１ｃのはみ出しが防止されているので、口内に通
常量以上の大量の蒸米が投入された場合にも、伺ら勿章
なく良好な餅返しを行わせながら餅を搗きあ幻２ること
かできる。

以上のようにこの考案に係る餅返し羽根は、杵受体１１
０回転方向に梢傾斜させて臼体９の内壁に固設されてそ
の下方部には延長部１が、その中間部には斜坑の通路２
０が形成されるものであり、かつ餅返し羽根の上流側に
臼体９の内壁を実質上延長する弧状壁４を設けることが
できるものであるから、口内の餅の量に拘らず常に最良
の餅返しが行われ、材料の投入量に拘らず品質の良い餅
を能率よ〈搗き８ザることができる杵築式餅搗機を提供
することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すものであって、第１図は
餅返し羽根の斜視図、第２図は餅返し羽根が装着された
白の第３図のＡ部に釦ける断面図、第３図は餅返し羽根
が装着された白の平面図である。 図中、１は延長部、２は中間部、３は上端、４は弧状壁
、６は取付孔、７は補強リプ、８は餅返し羽根、９は臼
体、１１は杵受体、１２は回転羽根、１３は杵、１９は
ポルＹ、２０は斜坑の通路、２１ａ、２１ｂ、２１ｃは
斜坑である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に回転する杵受体を有する杵搗式餅搗臼の臼体に設
   けられる餅返し羽根であって、下方部を日中央部の杵受
   体の直近に１で延長するとともに中間部を幅狭とした形
   状を有してお゛す、臼体内の斜坑の周方向移動を阻止す
   るとともにこれを臼体の中央部に向けて案内させるべく
   前記杵受体の回転力向に稍傾斜させて臼体の内壁に沿っ
   て固設されて成る、杵搗式餅搗臼の餅返し羽根。