JPS5842634Y2 - 自吸式軸流ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自吸作用を有する軸流ポンプに関するもので
ある。

軸流ポンプは大水量、低揚程に適するもので、渦巻ポン
プに比較して遥かに低い電力で運転でき、構造簡単でト
ラブルも少なく、羽根車の形状も簡単であるから羽根車
を強固にできるなどの種々の利点を有する。

しかし従来の軸流ポンプは起動時にケーシング内を真空
ポンプを用いて真空にして揚水を行う必要があるため、
自吸式の渦巻ポンプに比較して起動に手数がかかる点で
問題がある。

この考案は上記のような問題を解決するため、軸流ポン
プの機構な気水分離室を有するポンプケーシング内に設
けて、自吸作用を行うようにした自吸式軸流ポンプを提
供するものである。

以下にこの考案の実施例を添附図面に基づいて詳細に説
明する。

図に釦いて１はポンプケーシングで上端に吐出口２を有
し、前側壁の上部寄りには吸込口３を設け、この吸込口
３の内側にはゴムなどで作られた逆止弁４を取付けてケ
ーシング１内の水が吸水口３から流出することを防止し
ている。

また、ポンプケーシング１の後側壁の下部を開口として
、この開口にケーシング１の後側壁の一部となるカバー
５を固定し、このカバー５の中央には遍在の軸受および
軸封装置を介して水平の回転軸６を取付けこの軸６の内
端に軸流式の羽根車７を固定する。

８は羽根車７の外側を囲む円筒状の周壁で、この周壁８
と前記吸込口３とは滑らかに屈曲した曲管９により一体
に連通させる。

前記周壁８の後端部は開口１０となり、この開口１０に
対向するケーシング１の後側壁の一部としてのカバー５
の内側には開口１０から吐出される水を外方へ反転させ
るための半円弧状横断面の環状導水路１１を形成し、開
口１０の外周となる周壁８の後端部外側には半円横断面
の成形リング１２を一体に形成し、前記導水管１１には
複数のｔ内板１３を設ける。

またポンプケーシング１の下部は前記曲管９督よび周壁
８を囲む気水分離室１４とし、同ポンプケーシング１の
前壁下部寄りには気水分離室１４と前記曲管９内を連通
させる連通路１５を設ける。

この連通路１５はケーシング１の前壁に左右のボルト１
６により着脱自在に固定するカバー１１内に形成された
ものでこのカバー１７は第２図、第３図のように楕円状
であって、その周縁内側に沿う楕円リング状のゴムパツ
キン１８を挾んでケーシング１に固定する。

また、ケーシング１のカバー取付部には曲管９内に通じ
る開口１９と気水分離室１４に通じる開口２０が上下に
形成され、これらの開口１９，２０がカバー１７の連通
路１５に通じている。

さらに、前記パツキン１８は第３図のように上下に開口
１９．２０に一致する開口があり、この上下の開口の間
にゴム製の自吸弁２１が一体に形成されている。

この自吸弁２１はカバー１７内の左右の傾斜壁２２間に
あり、連通路１５はこの傾斜壁２２間を通っているから
曲管９内に気水分離室１４より自吸水が入り羽根車７に
より上部気水分離室１４′に送られ再び気水分離室１４
に戻るこの繰り返しによって揚水が除々に始まり揚水さ
れる。

このとき気水分離室１４の圧力が上り自吸弁２１が第１
図鎖線のように傾斜壁２２に密着して連通路１５を閉じ
る。

この考案のポンプは上記の構成であり気水分離室１４か
ら逆止４′Ｐ４附近にまで水が存在する条件にトいて回
転軸６をモーターなどにより駆動すると周壁８内から曲
管９内に入っている水が羽根車７により環状導水路１１
へ送られて、ここで反転して気水分離室１４へ送り出さ
れる。

こうして気水分離室１４に送り出された水は気水分離室
１４に溜り、この量水に含まれている空気は気泡となっ
て分離浮上し上部の吐出口２から図示省略しである吐出
管を経て大気中に放出される。

上記のように気水分離室１４内で空気を分離した水は連
通路１５から曲管９内に流入し、羽根車１による攪拌作
用によって曲管９内の空気と水が混合し、羽根車γによ
って再び開口１０から環状導水路１１を経て気水分離室
１４へ流入する循環を繰返す。

上記のような水の循環が繰返されることにより、曲管９
内釦よび吸込口３に連結した揚水管内の空気が徐々に排
出されるので揚水管内転よび曲管９内の空気圧が次第に
低下し、遂には水を吸上げるに至るので揚水が始まる。

このとき、気水分離室１４内の圧力が上昇するので自吸
弁２１は第１図の鎖線のように傾斜壁２２に密着して、
連通路１５を閉じ水の循環を阻止する。

こうして揚水を行ったのち回転軸６を停止すると、吸込
口３に連結した揚水管内の水は下るが逆止弁１４がある
ためケーシング１内の水が吸水口３から排出されること
はなく、ポンプケーシング１内には十分な水が残るので
次回のポンプ揚水も直ちに行える。

この考案のポンプは上記のように吐出口２と吸込口３を
有するポンプケーシング１内に気水分離室１４と軸流式
羽根車７とこれを囲む周壁８とこの周壁８内と吸込口３
を通じる曲管９を設け、さらにポンプケーシング１の前
壁に気水分離室１４と曲管９を通じる連通路１５を設け
、この連通路１５に自吸弁２１を設けたものであるから
、自吸式の渦巻ポンプと同様の自吸作用が得られるが、
特にこの考案の場合、連通路１５を有するため気水分離
室１４と曲管９内の水の循環が迅速に行えるので自吸効
果が犬であり、起動後迅速に揚水が始まる点で優れて釦
り、しかも連通路１５には自吸９ｆ２１があるため、揚
水後のポンプ効率が良いなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のポンプの縦断側面図、第２図は同上
の平面図、第３図は第１図Ａ−Ａ線の拡大縦断面図、第
４図は第３図Ｂ−Ｂ線の拡大横断平面図である。 １・・・ポンプケーシング、２・・・吐出口、３・・・
吸込口、４・・・逆止弁、５・・・カバー、７・・・羽
根車、８・・・周壁、９・・・曲管、１１・・・環状導
水路、１４・・・気水分離室、１５・・・連通路、２１
・・・自吸弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部内に気水分離室を設け、上部に吐出口を設けたポン
   プケーシングの前側上部寄りに逆止弁ヲ有する吸込口を
   設け、ポンプケーンング内下部寄りには軸流式の羽根車
   を設けるとともにこの羽根車の外側を囲む円筒状の周壁
   前部の吸込側は曲管により前記吸込口に連通させ、前記
   周壁後部の吐出側開口に対向するケーシング後部内側に
   は、この開口から吐出される水を外方へ反転させて気液
   分離室へ導くための半円状横断面の環状導水路を形成し
   、ケーシングの前側下部寄りには気水分離室と曲管内を
   連通させる連通路を設け、この連通路には揚水開始後に
   トいて、気水分離室から曲管内への水の流入を阻止する
   自吸弁を設けた自吸式軸流ポンプ。