JPS5842431Y2 - 転炉出鋼口れんがのセツト治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は１．転炉出鋼口れんがをセットするための治具
に関 るものである。

転炉の内部は一般に耐火れんかによって内張すされるが
、出鋼口についても各転炉の構造に応じてスリーブ状の
れんがを設置する。

この出鋼口れんがは一般に内奏部及び外巻部の２部分に
分割されており、これらは別々に築造される。

従来、この築造は第１図に示すような方法によって行な
われていた。

すなわち、パーマネント耐火物１を固着した転炉シェル
２に出鋼口れんが外巻部３を取り付け、内張れんが４を
出鋼口の高さまで積み上げた後で、出鋼口れんが内奏部
５をつり上げ装置（図示してない）のホイスト６及びワ
イヤー７によってつり上げ、作業足場８上の作業者９の
人力によって押し込んでいた。

しかしながら、この方法には、出鋼口の上部が図のよう
に内側に傾斜しているので内奏部５が斜めづりの状態と
なり、内奏部５と外巻部３との中心を一致させることが
容易ではなく、作業性が悪いという欠点があった。

更に、内奏部５を位置決めして仮置きした後、ワイヤー
７を取り外し、これを人力によって押し込む必要があっ
た。

従って、この従来の方法では、作業性、確実性及び安全
性に問題があった。

上記のような従来の方法における問題点に対処するため
に、第２図に示すように、バランスウェイト１０を有す
るバランスアーム１１を使用して内奏部５をつり上げる
方法がある。

しがしながら、この方法は斜めづつに伴う問題は解消す
ることができるものの、アンバランスによって内奏部５
が落下する危険性及び中心合わせの不確実性という欠点
は残っており、更に、バランスアーム１１を使用するた
めにホイスト７を占用する時間が長くなるという欠点も
生じる。

従って、根本的な解決にはなっていない。

また、バランスマスター、ワイマン等の多空間揚重移動
装置を適用することも可能ではあるが、この装置は極め
て高価であり、しがもこれを設置するために相当の空間
を必要とするので、作業スペースが狭くなるという欠点
があった。

本考案は、上記のような欠点を解消して、安全、確実か
つ容易に出鋼口内巻部をセットすることのできる治具を
得ることを、その目的とするものである。

以下、本考案をその実施例を示す添付図面の第３〜６図
に基づいて説明する。

本考案によるセット治具は、第３図に示す本体１２と、
これを支持するための第４図に示す支持三脚１３とから
成る。

本体１２は、一端に切欠き１４を有すると共に外径が出
鋼口れんが外巻部３及び内奏部５の内径よりもわずかに
小さい直径のパイプ１５と、一方の受金部１６をパイプ
１５の切欠き１４に対向する内壁に溶接によって固着し
たスクリュジヤツキ１７とから構成されている。

スクリュジヤツキ１７のスクリュ回転軸１８はパイプ１
５の内部を伸長し、その他端から突出する部分に回転ハ
ンドル１９を固着しである。

なお、本体１２の全長は、第６図に示す出鋼口外側と炉
口内側との間の距離ｌに内奏部５の長さを加えた程度の
ものがよい。

また、パイプ１５の下側部分には下記の支持三脚１３と
係合するための保合ピン２０が設けである。

第４図に示す支持三脚１３は、パイプ１５の外径に対応
した円弧状の受は部２１と、これに固着された３本の脚
２２．２３及び２４とからなる。

受は部２１にはパイプ１５の係合ピン２０と係合する係
合切欠き部２５が設けである。

３本の脚のうち中心の脚２２が荷重支持脚であり、高さ
調節ボルト２６によって高さを調節することができる。

他の２本の脚２３．２４はバランス維持脚であり、それ
ぞれ高さ調節のためのスライド部２７と止めボルト２８
とを備えている。

なお、荷重支持脚２２の高さ調節ボルト２６のかわりに
、第５図に示すような油圧ジヤツキ２９を使用すること
もできる。

本考案によるセット治具は次のようにして使用する（第
６図参照）。

パイプ１５を出鋼口れんが内奏部５の内径にそう人し、
両者をホイストによってつり上げ、パイプ１５のスクリ
ュジヤツキ１７を取付けた側を、すでにセットされてい
る出鋼口れんが外巻部３の穴内にパイプ切欠き１４を下
側に向けてそう人し、荷重支持脚２２の高さ調節ボルト
２６（又は油圧ジヤツキ２９）によって高さを調節し、
ハンドル１９を操作してパイプ１５の外壁を外巻部３の
内径部に密着させ、こうすることによってパイプ１５と
外巻部３との中心を一致させると共にセット治具を固定
する。

この状態において、内奏部５を押してパイプ１５上を滑
らせて前進させると、中心が一致しているので極めて容
易かつ確実に内奏部５を外巻部３にはめ込むことができ
る。

以上の説明から明らかなように、本考案によるセット治
具を用いることによって、ホイストの斜めづつの問題は
なくなり、容易かつ安全に内奏部をセットすることがで
き、しかも中心が一致した状態でセットするので確実か
つ正確にセットすることができる。

しかも、作業性が改善されたためにこの作業に必要な作
業人員を減少することができる。

更に、本考案によるセット治具は鋼製パイプ、スクリュ
ジヤツキ及び支持三脚による簡単な構成であるので、そ
の製作は容易であり価格も安い。

【図面の簡単な説明】

第１及び２図は共に従来の出鋼口れんが内奏部のセット
の要領を示す概略断面図、第３図は本考案によるセット
治具の本体の斜視図、第４図は本考案によるセット治具
の支持三脚の斜視図、第５図は支持三脚の別の実施例を
示す斜視図、第６図は本考案によるセット治具の使用状
態を示す概略断面図である。 １２・・・・・・本体、１３・・・・・・支持三脚、１
４・・・・・・切欠き、１５・・・・・・パイプ、１６
・・・・・・受金部、１７・・・・・・スクリュジヤツ
キ、１８・・・・・・スクリュ回転軸、１９・・・・・
・回転ハンドル、２１・・・・・・受は部、２２，２３
．２４・・・・・・脚。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開口部一端に切欠き１４を有するパイプ１５と、切欠き
   １４に対向するパイプ内壁に一方の受金部１６を固着す
   ると共にスクリュ回転軸１８の回転ハンドル１９をパイ
   プ１５の開口部他端側に配置したスクリュジヤツキ１７
   とから成る・本体１２ど、パイプ１５を支持する受は部
   ２１と、受は部２１に固着されると共に高さの調節が可
   能な脚部２２゜２３．２４とから戊る、本体１２を支持
   するための支持三脚１３と、 から構成し５る０とを特徴とする転炉出鋼１れんがのセ
   ット治具。