JPS5841477Y2 - 感湿素子

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【考案の詳細な説明】本考案は金属酸化物焼結体を用いた感湿素子に係り、特
にその電極構造を改良した感湿素子に関する。

感湿素子の１つとして、金属酸化物焼結体からなる感湿
素体に一対の電極を設け、湿度変化に対する前記素体の
電気的変化を測定するものが知られている。

従来、上記の如き感湿素子として、例えば第１図及び第
２図に示す構造のものが知られている。

つまり第１図は、金属酸化物焼結体からなる板状感湿素
体１雨上面に銀ペーストなどからなる電極２．２′を焼
き付けたものを示し、また第２図は感湿素体１中に白金
などの一対の電極２，２′を埋設したものを示す。

なお３，３′はリード線を示す。しかしながら第１図に
示す如き構造のものでは、感湿素体１の大部分を電極２
，２′が覆っているため、水分子の吸着が電極２，２′
の細孔、表面状態に影響され易く、長期間の使用による
電極の劣化や汚染により感度等が低下する。

また湿度変化に対する応答性の点でも充分なものとは言
えなかった。

次に第２図の如き構造のものにおいては、感湿素体１の
有効部分が素体内部電極間に限られ少なく、応答性、感
度の点で実用上充分なものを得る事が困難であり、さら
に、多孔質度を高めるために比較的低温で、焼成した金
属酸化物からなる感湿素体１を用いた場合、機械的強度
が不充分である等の欠点を有していた。

本考案は上記の点に鑑み、応答性、経時特性に優れた信
頼性の高い感湿素子を提供する事を目的とする。

本考案は金属酸化物焼結体からなる板状の感湿素体の両
型面に格子状電極を設けた感湿素子において格子状電極
の電極幅を１００μｍ以上とし、かつ電極総面積が前記
感湿素体における両型面の見かけ表面積のｌ０〜３０％
となる一対の格子状電極を設けた感湿素子である。

なお本考案において電極幅を１００μｍ以上としたのは
、ｌ００μｍ未満では電極と焼信体との接着強度が弱く
なり断線し易くなり、さらにリード線の取り出しが困難
となるためで゛ある。

また一対の格子状電極の総面積を感湿素体における両型
面の見かけ表面積の１０〜３０％としたのは、１０％未
満では、１００μｍ幅の電極を用いても電極間隔が大き
くなり、対向電極との間の感湿素体内に電位勾配を生じ
感度低下の原因となり、また３０％を越えると応答性が
悪くなるためである。

以下本考案を実施例を用いて説明する。

第３図は本考案に係る実施例を斜視的第３図ａ及び断面
的第３図すに示す。

つまり第３図に示す如く例えばＺｎＯ系の金属酸化物焼
結体から成る感湿素体１の両型面に一対の格子状電極２
．２′を設けられ、前記電極２，２′に例えば半田付は
等によりリード線３．３′が取り付けられ、雰囲気の湿
度変化に対する抵抗値、容量値の変化を検出するという
ものである。

次に上記構造において感湿素体１をｚｎＯ−Ｌｉ２０■
２０５系の金属酸化物焼結体とし電極として２５０μｍ
幅の格子状電極２，２′を用い、感湿素体における両型
面の見かけ表面積に対する電極総面積の割合（面積比）
を変化させた場合の応答特性を第４図に示す。

この結果、本考案の如く、面積比をｌ０〜３０％とした
際に優れた応答性を示す事が確認された。

さらに第１図の如き従来のものと、上記第３図の如き実
施例について湿度を４０％から９０％に変化させた際の
抵抗値の変化を第５図に示す。

なお曲線ａは従来のものを、曲線すは本考案の実施例を
それぞれ示す。

以上の如く本考案に係る感湿素子は応答性に優れ、さら
に長期の使用に対しても電極の劣化、汚染による影響を
受けにくく信頼性の高いものと言える。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の感湿素子を示す断面図、第３
図は本考案に係る感湿素子を示す斜視図及び断面図。１・・・・・・感湿素体、２，２′・・・・・・格子状
電極、第４図は、面積比に対する応答時間を示す曲線図
、第５図は、抵抗値変化の応答性を示す曲線図。

【実用新案登録請求の範囲】

金属酸化物焼結体からなる板状の感湿素体の両型面に格
子状電極を設けた感湿素子において、格子状電極の電極
幅を１００μｍ以上とし、かつ電極総面積が前記感湿素
体における両型面の見かけ表面積の１０〜３０％となる
一対の格子状電極を設けた事を特徴とする感湿素子。