JPS5841160Y2 - 開閉自在な開口部を有する袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は開閉自在な開口部を有する袋に係り、特に物品
の包装、収納等に用いられる合成樹脂フィルムからなる
袋において、反復的に袋の開封及びシールを可能にする
と共に、シール時においては気密性が高められた、簡易
にして安価なシール機能を有する袋を提供することを目
的とするものである。

従来より、気密性が高く、反復的開封及びシールを可能
にする袋の一つとして、第１図に示す如き合成樹脂フィ
ルム製袋１が提案されている。

しかしながら、この袋１は開口端部の対向する両縁部に
一対のはめ込み構造のシール用チャック２を設けたもの
であるところから、複雑な形状を必要とし、かつ袋を構
成する合成樹脂フィルムとの一体構造も必要とされ、そ
の成形過程も複雑であり、更に機能上はめ込み部分には
一定の樹脂厚み及び硬さを必要とするものである。

したがって、包装資材としては必然的に高価となる他、
袋の開口部が嵩張る等の問題点を内在している。

一方、反復的開封及びシールする簡便な合成樹脂フィル
ム製袋として、第２図の如き、袋１の開口端部の一方の
縁部１ａを長くしてこれを折り曲げ、他方の縁部１ｂの
外側と接する部分との間において、いずれかに帯状の接
着層３を形成し、この接着層３を鉄製１の開封及びシー
ルに用いるものも提案されている。

特に、このような構造とすることにより、連続的溶断に
よるロール製袋が可能となり、それ故安価な包装用樹脂
袋を製造し得る利点がある。

しかしながら、袋１の開口端部の一方の縁部１ａを折り
曲げる構造とするため、折り曲げ両端部分はシール時で
あっても密封されず、シールが不完全であるため、防湿
、防虫、衛生保持などの用途には問題がある。

本考案はこのような事情に鑑みて為されたものであって
、少なくとも内面が合成樹脂フィルム層である袋の開口
部の対向する一方の縁部に沿ってその内側に所定幅の接
着層を設けると共に、該接着層の幅方向の両端部に該接
着層に沿ってそれぞれ細長な所定太さのスペーサ部材を
設けることによって開封用接着部を構威し、以て構造上
良好なる気密性を保持せしめると共に、反復的開封及び
シールを可能とし、かつロール製袋を可能ならしめ、安
価な包装用合成樹脂製の袋を提供し得たのである。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を更に詳細に
説明する。

第３図は本考案の一実施例に係る開封用接着部を有する
合成樹脂フィルムからなる袋の縦断面図を示している。

即ち、袋３０は合成樹脂フィルム３１によって構成され
、その開口部の対向する二つの縁部のうちの一方の縁部
３１ ａの内面に、該縁部３１ ａに沿ってその全長に
亙って所定幅の粘性接着剤の塗布層３２が接着層として
設けられ、更にかかる接着剤の塗布層３２の幅方向の両
端部に軟質パイプからなるスペーサ部材３３がそれぞれ
装着されている。

従って、かかる構成において、袋３０の開口部の対向す
る二つの縁部３１ａ、３１ｂが指等によって挟圧される
と、スペーサ部材３３．３３の間に位置する接着剤層（
接着剤）３２が他方の縁部３１ ｂの内面との間におい
て接着作用を為し、該開口部の二つに重畳した縁部３１
ａ、３１ｂの全長に亙って接着が行なわれ、以て完全な
シールが達成されるのである。

また、このような二つの縁部の重ね合わせによって完全
に密着された開口部を開口せしめるためには、二つの縁
部３１ ａ 、３１ ｂを手などで把持して引き離し、
脱離せしめればよく、かかる操作によって袋３０は簡単
に開封され得るのである。

また、接着層３２には耐久性ある粘性接着剤が用いられ
、且つ接着せしめられる他方の縁部３１ ｂが合成樹脂
フィルム素材から構成されているため、該接着層３２と
他方の縁部３１ ｂとの間において反復的に接着（シー
ル）、脱離（開封）が繰り返され得るのである。

また、接着層３２の全長に亙ってその幅方向の両端部に
設けられたスペーサ部材３３．３３は、開封及びシール
のための接着部分（接着層３２）の表面から他の物を所
定のスペーサ高さの距離に保つことによって、収容物の
出し入れの際に物品の接着による引っ掛りを防止し、ま
た意識的な押圧以外に袋の開口部が接着されることを防
止することにより袋の取扱操作を容易にするものである
。

さらに、かかるスペーサ部材３３は袋の開封時の縁部３
１ａ、３１ｂの脱離操作をも容易ならしめるものである
。

しかし、このスペーサ部材を装着する趣旨と押圧による
シールの容易さとは相反する問題であり、このためには
該スペーサ部材を中空の軟質樹脂パイプ材とすることが
望ましい。

これによると押圧時にはその弾性変形によって接着部面
積を増加せしめ、一方内容物の出し入れ時においては変
形せずスペーサとしての役目を果たすことができる。

そして、この軟質中空パイプを使用する場合には、鉄製
のロール溶断製袋時において、該パイプ内に空気が封じ
込められるために、その弾性をより効果的に発揮せしめ
得るのである。

さらに、第４図にはロール製袋の手法が略図的に示され
ているが、そこでは先ず合成樹脂フィルム３１のロール
３４から該フィルム３１が取り出された後、該フィルム
３１の所定位置に所定幅の接着剤３２が塗布され、さら
にその上にスペーサ部材３３が連続的に固着され、つい
で二つに折り重ねられることとなる。

そして、この折り重ねられた連続したフィルム３１は所
定幅に通常の方法によって溶断（３６）されることによ
って、目的とする袋３０を与えるのである。

このように、本考案に従う袋３１は、ロール製袋手法に
よって簡単に作製され得る利点がある。

なお、本考案に従って袋の開口縁部の一方の形成される
接着層は、上述の如き接着剤塗布層３２からなる単層の
もののみならず、第５図に示す如き両面接着テープ５０
からなる接着層であっても何等差支えない。

第５図において、所定幅の合成樹脂フィルム５１の両面
に粘性接着剤の塗布層５２．５３を設けてなる両面接着
テープ５０は、第３図に示す実施例と同様に合成樹脂フ
ィルム３１から形成された袋３０の開口縁部の一方の内
側に貼付され、そして更に該テープ５０の袋に貼付され
ない（シール時には他方の縁部に接着する）側の接着剤
塗布層５２の幅方向の両端部に軟質パイプからなるスペ
ーサ部材５４がそれぞれ装着されている。

このように、接着層の形成に両面接着テープを使用した
場合にはより均一な接着層が得られ、更にロール製袋時
の作業性が良好となる等の利点を生じ、好ましい。

また、両面テープに塗布されている接着剤の接着力につ
いては、常時合成樹脂フィルムに接着することが必要と
される接着剤層５３の方がシール時のみに粘着し開封時
には引き剥がされることが必要となる接着剤層５２より
強い接着力を有するよう、接着剤の種類、接着面積、接
着面形態などが適宜選択されることとなる。

なお、本考案は、上記例示のもののみに限定されるもの
では決してなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種
々なる変更が可能である。

例えば、スペーサ部材として上側の軟質パイプに代えて
棒状体、ワイヤなどであっても何等差支えない。

また、袋を構成する合成樹脂フィルムが多層である場合
でも、袋内面に合成樹脂フィルム層が現出するものであ
れば、本考案は良好に適用され得るものである。

さらに、接着層の幅やスペーサ部材の大きさは使用材料
、袋の大きさなどに応じて適宜決定されるが、一般に５
ｍｍ程度の接着層幅、１〜２ｍｍφ程度のパイプが採用
されることとなる。

このように、本考案は、少なくとも内面層が合成樹脂フ
ィルムで構成される包装用などの袋において、その開口
縁部の一方の内側に沿って所定幅の接着層を設けると共
に、スペーサ部材を配することによって、開封及びシー
ルのための効果的な構造を形成せしめ、以て袋の良好な
気密性を維持しつつ、反復的開封及びシールを可能なら
しめると共に、袋の連続的ロール製袋を可能とすること
によって安価な包装用袋を供給することが出来る効果を
奏し得たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシール用チャック付袋の縦断面図、第２
図は従来の開封用接着部を有する袋の縦断面図、第３図
は本考案の一実施例に係る開封用接着部を有する袋の縦
断面図、第４図は本考案に係る袋のロール製袋を説明す
るための略図、第５図は本考案の他の実施例に係る第３
図に相当する図である。 １．３０：袋、２：チャック、３：接着層、３１，５１
：合成樹脂フィルム、３２，５２，５３ ：接着剤塗布
層、３３．５４ ニスペーサ部材、５０：両面接着テー
プ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）少なくとも内面が合成樹脂フィルム層とされた袋
   にして、鉄製の開口部の対向する二つの縁部のうちの一
   方の内面に、その縁部に沿って所定幅の粘性接着層を設
   けると共に、該接着層の幅方向の両端部に該接着層に沿
   ってそれぞれ細長な所定太さのスペーサ部材を設け、そ
   れらスペーサ部材の間に位置する接着層部分と前記縁部
   の他の一方の内面との間において接着或は脱離が行なわ
   れるようにしたことを特徴とする開閉自在な開口部を有
   する袋。
2. （２）前記スペーサ部材が、中空の軟質パイプである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の袋。