JPS584115B2 - 積層フエルトの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフエルトとフエルト、もしくはフエルトと表装
材等とを積層した積層フエルトに関するものである。

従来、フエルトは繊維物質とフェノール樹脂を混合絡合
し、加熱押圧することにより製造されていた。

かかるフエルトは他のフエルトや表装材等と積層される
場合が多いが上記した従来のフエルトにおいてはこのよ
うな積層には接着剤を用いなければならない。

本発明は上記のようなフエルトとフエルト、もしくはフ
エルトと表装材等とを積層する際に接着剤を必要なくす
ることを目的とし、フエルトの結着剤としてフェノール
樹脂とスチレン樹脂を主体とした混合結着剤を用いるこ
とを骨子とするものである。

本発明を以下に詳細に説明する。

本発明のフエルトに用いられる繊維物質とは木綿、絹、
羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート、
ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエステル等の化学
繊維、あるいは上記繊維物質からなる編織物、不織物等
をほぐして再生した再生繊維等一般的な繊維物質が用い
られる。

本発明のフエルトに用いられる混合結着剤とはフェノー
ル樹脂とスチレン樹脂を主体としたものである。

スチレン樹脂は溶融粘度が低く、したがって加熱、成形
時に繊維物質に対するぬれが良好で優れた結着性を示し
、他のフエルトを圧着する際に優れた接着性を発揮する
。

またポリスチロールフォーム廃品等から再生したスチレ
ン樹脂を使用することも出来る。

上記フェノール樹脂とスチレン樹脂とを混合する割合は
フェノール樹脂：スチレン樹脂が重量比で８５：１５〜
１５：８５、望ましくは７０：３０〜３０：７０程度に
せられる。

フェノール樹脂の粒子径は通常７０〜８０μであるが、
これに対しスチレン樹脂の粒子径を１００〜２００μ程
度にすると両者の軟化溶融がバランスして望ましい結着
状態を得る。

本発明のフエルトの製造方法を以下に説明する。

該製造方法は大別して繊維物質と結着剤との混合物を加
熱しつつ押圧することにより成形する方法と、該混合物
をまず加熱し、次いで冷間で押圧することにより成形す
る方法とがある。

まず前者（加熱抑圧方式という）の方法を説明する。

第１図に示すのは該方法に用いられる装置の系統図であ
るが、まづ工程１においてはベルトコンベア−２によっ
て繊維物質１が移送されつつ供給装置３によって結着剤
４（フェノール樹脂４Ａとスチレン樹脂４Ｂとを別個に
供給する）が所定量供給され、ドラム式混合機５によっ
て繊維物質１と結着剤４とが均一に混合され、該混合物
１Ｂは絡合機６によって繊維相互が絡合されフリース１
Ｃとなり、工程２においては該フリース１Ｃはベルトコ
ンベア−７，８によって移送され加熱炉９中にセットさ
れた一対の押圧コンベアー９Ａ，１０間にて押圧されマ
ット状に成形される。

この際、一部もしくは全部硬化したフェノール樹脂４Ａ
および軟化したスチレン樹脂４が繊維物質１を結着し、
かくしてフェルト１Ｄが得られる。

次いで後者（冷間押圧方式という）の方法を説明すると
第２図に示すように工程２においてはベルトコンベア−
８を炉１２中に通して加熱押圧方式と同様な工程１で形
成されたフリース１ｃを加熱し、フェノール樹脂の一部
もしくは全部を硬化させかつステレン樹脂４Ｂを軟化さ
せる。

かくしてから押圧コンベア−９Ｂ，１０によってフリー
ス１Ｃを冷間にて押圧すれば硬化かつ軟化した結着剤４
は繊維物質を結着してフエルト１Ｄが得られる。

加熱抑圧方法、冷間押圧方式のいづれにおいても加熱工
程においてフェノール樹脂を完全に硬化させても（完全
キュアーと称する）、表面部のみ一部硬化させても（セ
ミキュアーと称する）いづれでもよい。

上記のごとくして製造せられた本発明のフエルトは加熱
状態を維持しつつ他のフェルト、もしくは表装材等と重
合し冷間で押圧することによって積層せられる。

フエルトの加熱温度は結着剤の組成によって適宜調節せ
らるべきであるが、一般的に１００〜１５０’Ｃ程度が
望ましい。

前記のようにして製造せられたフエルＨ士製造直後、加
熱炉９もしくは冷間押圧方式においても炉１２によつて
加熱せられた残熱を包含して加熱状態にあるから、その
まま他のフェルト、もしくは表装材等と重合し冷間で押
圧して積層する。

この場合は裁断前に積層されても、裁断後に積層されて
もいづれでもよい。

本発明のフエルトに積層せられる他のフェルトは本発明
と同一組成のフエルトであってもよく、また結着剤とし
てフェノール樹脂のみのものでもよく、更に結着剤を用
いずニードルパンチによつて結着されたものでもよい。

本発明のフエルトに積層せられる表装材等とは繊維編織
物、不織物、紙、プラスチツクスシート、発泡体、プラ
スチックスシートと発泡体との積層シート等である。

本発明では積層は冷間押圧で行われるから耐熱性に乏し
いポリ塩化ビニルシ一ト等を用い得る。

本発明のフエルトは加熱状態では結着剤の一成分たるス
チレン樹脂が軟化状態にあるからそこへ他のフエルト、
もしくは表装材等を重合し冷間押圧すれば本発明のフェ
ルトは他のフェルト、もしくは表装材等に粘着し得るか
ら接着剤は必要としない。

所望なれば積層の際、他のフェルト、もしくは表装材等
を所定の温度に加熱しておいてもよい。

フエルトの積層を実施する方法としては例えば第３図に
示すように加熱炉９から出た直後のフエルト１Ｄに他の
フェルトもしくは表装材等１３を重合ロール１４，１４
で重合しかつ冷間押圧し、冷間ロール１５，１５で冷却
して固定する。

その後所定の寸法に裁断される。

またフエルトの積層を実施する他の方法としては例えば
第４図に示す押圧型１６Ａ，１６Ｂ間に所定の寸法に裁
断して加熱状態にある本発明のフエルトおよびこれも所
定の寸法に裁断し所望なれば加熱した他のフエルトもし
くは表装材等１３を重合しセットして抑圧型１６Ａ，１
６Ｂで押圧する。

本発明は上記したように結着剤の一成分として溶融粘度
の低いスチレン樹脂を用いるから積層の際、層間にわた
ってのぬれが良好であり層間接着強度が向上し、フエル
ト製造時の残熱を利用して圧着積層するから省エネルギ
ー化が実現され、更に積層は冷間押圧によるから耐熱性
に乏しい表装材でも積層することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は加熱抑圧方式の製造装置の系統図、第２図は冷
間押圧方式の製造装置の炉一押圧コンベア一部分の系統
図、第３図は積層工程の系統図、第４図は他の積層工程
の実施例を示す正面図である。 図中、１・・・・・・繊維物質、１Ｄ・・・・・・フエ
ルト、４・・・・・・結着剤、４Ａ・・・・・・フェノ
ール樹脂、４Ｂ・・・・・・ステレン樹脂、９・・・・
・・加熱炉、９Ａ，９Ｂ・・・・・・抑圧コンベアー，
１２・・・・・・炉、１３・・・・・・他のフエルトも
しくは表装材等、１４・・・・・・押圧ロール、１６Ａ
，１６Ｂ・・・・・・押圧型。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繊維物質をフェノールとスチレン樹脂とを主体とし
   た混合結着剤と絡合してフリースを製造する工程１ 該フリースを加熱、成形してフエルトを製造する工程２ 該フエルトを工程２による加熱状態を維持しつつ他のフ
   エルト、もしくは表装材等と重合して冷間で押圧する工
   程３ 以上の工程１，２，３からなる積層フエルトの製造方法
   。