JPS5840335Y2 - トルクリミツタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転伝動二軸間に介装するトルクリミッタ−
に関する。

回転伝動二輪の内、一方の従動側回転軸に過負荷が作用
したときに、この回転軸に対する動力伝達を解除すべく
二軸間にトルクリミッタ−が介装される。

この種のトルクリミッタ−として、従来では、第２図（
こ示す構造のものが提案されている。

このものは、回転伝動二軸間の内、一方の軸４に軸芯方
向にのみ摺動自在な可動片５を設け、他方の軸３に伝動
部材１０を設けると共に、前記可動片５に設けた凹部８
に嵌入するボール１１を設け、モして付勢具６により前
記可動片５を前記伝動部材１０に外嵌挿入したスプリン
グ６で弾性付勢して、前記ボール１１と可動片５との弾
性係合により両軸３，４を連動連結すると共に、前記従
動側回転軸４に対する負荷の増大によって、前記ボール
１１がスプリング６の付勢力に抗して前記可動片５を軸
芯方向に摺動させることにより、前記可動片５とボール
１１との弾性係合が解除されるべく構成されている。

この構造によるときは、摩擦板同士の圧接による動力伝
達構造に比して、ボールと凹入部との係合による動力伝
達構造であるから動力の伝達が確実に行なわれるという
利点を有するものの、片支持どうしの可動片５とボール
１１との係合によって動力伝達がなされるもので、一定
のスプリングの押圧により一片の可動片５で駆動回転を
受動することとなり、可動片凹部８とボール１１との係
合部に犬なる応力が集中するものであり、構造上、この
箇所には強度構成が要求される。

さらにこの従来のものは一個のスプリングで可動片５を
介して伝動部材１０側に付勢させているだけなので構造
が極めて簡単であるが、所望の動力伝達力の限界を設定
できない欠点があった。

本考案は、簡単な構造でありながら、ボールと凹部の保
合による応力を小さくして、さらに夫々の保合部の係合
応力を一定にさせ易く、かつ、その係合力を調整できる
トルクリミッタ−を得ることを目的とする。

本考案の特徴とするトルクリミッタ−の構成は、一方の
軸に、その軸芯方向にのみ摺動自在な２個の可動挟持片
を対向させて外嵌し、その対向面夫夫に、凹部を周方向
適当間隔置に刻設すると共（こ、他方の軸から連設の、
前記軸と同一軸芯周りで回動する伝動部材を前記両可動
挟持片間に介在させ、この伝動部材に、その周方向適当
間隔置きで前記凹部に対応させて、かつその両側面に一
部突出させて前記凹部の夫りに嵌入係止するボールを嵌
装し、さらに前記両可動挟持片の外側面に、夫々断面皿
型状の弾性付勢具をその中央凹入部がこの可動挟持片の
外側面に対向する状態で前記軸に外嵌すると共に、周方
向複数箇所において前記両可動挟持片及び両弾性付勢具
を貫通するボルト・す゛ントを設けた点にあり、かかる
構成から次の作用効果を奏する。

■ ボールに対する係合凹部をボールの両側に設けて動
力伝達させるので、係合凹部にかかる応力を半減させる
ことができ、係合凹部にかかる応力集中を回避させるこ
とができる利点がある。

■ ボールに対する挟持力を得るに、夫々の可動挟持片
の外側から、軸に外嵌させた皿型状の弾性付勢具に複数
のボルトナツトを挿着させるだけのものなので構造が簡
単で、生産性が高く、組付も簡単である。

■ ボルトナツトの締付調整により、所望の押圧力が得
られ、駆動伝達力の限界を所望に設定することができる
利点がある。

■□夫々のボルト・ナツトの締付力が一組のボールと凹
部の係合部に対する押圧力として働くのではなく、その
締付力が多数の係合部に作用し、かつ他のボルト・ナツ
トの締付力をもそれらの係合部に作用し、全体として、
締付力が分散して、係合部にほぼ均等な押圧力が作用す
ることとなるので、締付は調整がやり易くなり前記応力
がほぼ均等となり、さらに応力集中を回避できる利点が
ある。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

移動農機の耕耘ロータリー１に対する動力伝動系におい
て、その伝動系途中には、ロータリー側に過負荷が作用
したときに、ロータリー１に対する動力の伝達を解除す
るためのドルクリミツクー２が、駆動側回転軸３と従動
側回転軸４との間に介装され、このトルクリミッタ−２
は次の如く構成されている。

即ち、一方の従動側回転軸４に対してスプライン嵌合な
どにより、その軸芯方向にのみ摺動自在に２枚の可動挟
持片５，５を対向させて外嵌し、この両可動挾持片５，
５の軸線方向外側面には夫夫断面皿型状の弾性付勢具６
，６をその中央凹入部がこの可動挟持片５，５の外側面
に対向する状態で軸４に外嵌して配設すると共に、該弾
性付勢具６，６を前記可動挟持片５，５にその周方向複
数箇所において可動挾持片５，５並びに両弾性付勢具６
，６の四部材を貫通するボルト・ナツト７・・を介して
前記夫々の可動挾持片５，５が互０）に対面する方向に
弾性付勢勝手となるように装着すると共に、その対向面
の夫々に一対の凹部８゜８を軸芯まわりに適当間隔置き
に刻設し、他方、前記従動側回転軸４の軸端に外嵌支持
され、かつ駆動側回転軸３に連結されて前記回転軸４と
同一軸芯周りで回動する連結部材９に、前記両可動挟持
片５，５間に介在する伝動部材１０を取付け、この伝動
部材１０には、周方向適当間隔置きに、回転軸４の軸芯
線に沿う貫通孔１０ａ・・を設け、この貫通孔１０ａ・
・には、前記凹部８′、８に嵌入し、かつ可動挟持片５
の軸芯方向に対して相対移動自在にしてボール１１・・
を嵌入し、もって前記可動挾持片５，５とボール１１と
の弾性係合、及び前記伝動部材１０とボール１１・・と
の回転方向での接当により、両軸３，４を連動連結する
と共に、前記従動側回転軸４に対する負荷の増大によっ
て、前記ボール１１が付勢具６・、６の付勢力に抗して
可動挾持片５，５を軸芯方向（（摺動離間させることに
より、前記可動挟持片５９．・５とボール１１・・との
弾性係合が解除されて、両軸３゜４間における連動連結
が解除されるべく構成されている。

との構造によれば、前記ボール１１に対して凹部８，８
がこれを両側から弾性的に係合するものであるから、動
力伝達による応力が分散されかつ前記ボール１１を可動
挾持片５，５を介して皿型状の弾性付勢具６，６にて全
体的に押圧するので、ボール１１と凹部８，８の係合力
がほぼ均一となって均等に応力が分散される利点がある
。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案ｌこ係るトルクリミッタ−の実施例を示し
、第１図は全体縦断側面図、第２図は従来例のトルクリ
ミッタ−の全体縦断側面図である。 ３．４・・・・・・軸、５・・・・・・可動挾持片、６
・・曲弾性付勢具、７・・・−・・ボルト・ナツト、８
・・曲凹部、１゜・・・・・・伝動部材、１１・・・・
・・ボール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転伝動二軸間に介装するトルクリミッタ−であって、
   一方の軸４に、その軸芯方向にのみ摺動自在な２個の可
   動挟持片５，５を対向させて外嵌し、その対向面夫々に
   、凹部８，８を周方向適当間隔置に刻設すると共に、他
   方の軸３から連設の、前記軸４と同一軸芯周りで回動す
   る伝動部材１０を前記両可動挾持片５，５間（こ介在さ
   せ、この伝動部材１０に、その周方向適当間隔置きで前
   記凹部８，８に対応させて、かつその両側面に一部突出
   させて前記凹部８，８の夫々に嵌入係止するボール１１
   を嵌装し、さらに前記両可動挾持片５゜５の外側面に、
   夫々断面皿型状の弾性付勢具６゜６をその中央凹入部が
   この可動挾持片５，５の外側面に対向する状態で前記軸
   ４に外嵌すると共に、周方向複数箇所において前記両可
   動挾持片５，５及び両弾性付勢具６，６を貫通するボル
   ト・ナツト７を設けであることを特徴とするトルクリミ
   ッタ−０