JPS5839273Y2 - 自転車におけるケ−ブルの支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車におけるケーブルの支持具に関するもの
で、目的とする所は自転車のフレームに添設するケーブ
ルのフレームに対する着脱を容易に行なえる、部品点数
少なく、かつ嵩低く簡単な支持具を提供する点にある。

従来此種ケーブルの支持具は、合成樹脂又は金属などの
可撓性材料により輪周の一部を欠間した輪環状の取付体
を形成すると共に、取付体の一部にケーブルを挿通支持
する支持部を設け、かつ取付体における欠間両端から半
径方向外方にそれぞれ互いに所定間隔離間して対向する
調整板を設けて、これら画調整体に調整ネジを挿通し、
この調整ネジの締付けにより取付体を自転車のフレーム
に締付支持しケーブルをこのフレームに添設するように
していたのである。

所が、例えば車輪、ペダル、７１ンドルなどを外して分
解し輪行袋に入れて持運ぶことのできるスポーツ車を現
地において組立又は分解する場合、或いは故障車を修理
する場合などのごとく、自転車のフレームに対するケー
ブルの脱着を行なう必要がある時、各支持具のそれぞれ
調整ネジを調整板から取外し又は調整板に取付ける作業
が面倒で長時間を要する問題があったのであり、又支持
部から外方に突出した調整板或いは調整ネジのため着衣
が破損したり足が傷つげられたりする問題があった。

本考案は以上の問題を解決すべく考案したもので、自転
車のフレームに添設するケーブルの支持具であって、前
記フレームに固定する固定部材と、前記ケーブルを抱持
体とから成り、該抱持体を線材により形成し、該線材に
撓みを与えて前記固定部材に回転自由に取付けると共に
、前記固定部材に、前記抱持体の撓みを受ける受部な設
けて、前記抱持体を前記フレームの方向に付勢し、前記
ケーブルを、前記フレームの間に弾性的に抱持するごと
くして、部品点数少なく、かつ嵩低く構成でき、それで
いて、前記フレームに前記ケーブルを確実に支持でき、
かつフレームに対するケープルの脱着作業をきわめて容
易に行なうことができ、かつ着衣を破損したり、足を傷
つげたりすることが生じないように威したのである。

以下本考案支持具を、自転車のフレームに添設するアウ
ターケーブルに適用するごとくした実施例を図面に基づ
いて詳記する。

図において、Ｆは自転車のフレーム、Ｏはインナーケー
ブル■を挿通したアウターケーブルで、該アウターケー
ブルＯは変速レバー（図示せず）から前記フレームＦの
一側面に沿わせて変速機（図示せず）迄に亘り配設する
のであり、変速レバーを操作してアウターケーブルＯに
案内されるインナーケーブル■を作動させることにより
、変速機を切換動作させるようにしているのである。

しかして本考案は前記フレームＦに添設する前記アウタ
ーケーブルＯの支持具であって、前記フレームＦに固定
する固定部材１と、前記アウターケーブルＯを抱持する
抱持体２とから成り、該抱持体２を線材により形成し、
該線材に撓みを与えて前記固定部材１に回転自由に取付
けると共に、前記固定部材１に、前記抱持体２の撓みを
受げる受部６，６を設げて、前記抱持体２を前記フレー
ムＦの方向に付勢し、前記ケーブルＯを前記フレームＦ
との間で弾性的に抱持するごとく威したのである。

前記抱持体２は、１本の線材を用い第２図のごとく前記
アウターケーブルＯを抱持する２つの抱持部３，３と連
結部４とを伏せた略コ字状に折曲げるごとく形成すると
共に、両抱持部３，３の各端部から前記連結部４と略平
行に外方に延出する２つの軸部５，５を連設するごとく
形成するのである。

そしてこの抱持体２は第２図矢印のごとく両抱持体３，
３を互いに内方に相近づけるごとく圧縮して２点鎖線の
状態と成して以下説明する前記固定部材１に取付けるの
である。

前記固定部材１は、前記抱持体２の両軸部５゜５を支持
する二つの受部６，６（以下の説明では軸受部と称する
）を同一軸上に所定間隔離間させて設けると共に、これ
ら両軸受部６，６の相対向する内側端面にカム面７．７
を形成するのであり、この固定部材１は軸受部６，６の
軸方向をフレームＦの軸方向に一致させるごとくしてフ
レームＦに固定するのである。

しかしてこの固定部材１のフレームＦに対する固定は、
第３図のごとく固定部材１に、一部を欠間したバンド１
ａを設けて該バンド１ａをフレームＦに周設し欠間部を
締付ネジ１ｂにより閉じるごとく締付けて固定するので
あり、又第４図のごとくバンド１ａは設けずに溶接によ
って固定するごとく戒してもよい。

そして前記抱持体２は、第２図の２点鎖線のごとく圧縮
して、各軸部５，５を前記固定部材１の軸受部６，６に
、該軸受部６，６の内側方から挿入し、抱持部３，３と
軸部５，５との境界部が前記カム面７，７に圧接した状
態で前記固定部材１に取付けるのである。

即ちこの抱持体２は、その抱持部３，３と軸部５．５と
の境界部が前記カム面７． ７に所定圧力で圧接するの
で、この所定圧力がカム面７，７により抱持方向の分力
となって現われ、この分力で附勢された抱持部３，３に
よりアウターケーブルＯをフレームＦに対し支持すべく
成すのである。

しかして以上のごとく構成する支持具は自転車のフレー
ムＦに必要数それぞれ所定間隔離して設けるのであり、
変速レバーからのアウターケーブルＯをフレームＦに添
わせて変速機に導く時、各支持具毎に、このフレームＦ
に添わせたアウターケーブルＯを抱持方向に附勢された
前記抱持部３゜３によりフレームＦに対し押圧してそれ
ぞれ確実に支持すべく威すのである。

そして前記アウターケーブルＯをフレームＦから取外す
必要がある時は、前記抱持体２をその連結部４を持って
前記附勢方向と反対方向に回転させることにより簡単に
行なえるのである。

尚この抱持体２の抱持部３，３は第５図のごとく互いに
アウターケーブルＯの軸方向外方に延出するごとく形成
することもでき、斯くすることによりケーブルＯの支持
を一層確実かつ安定に行なうようにできるのである。

又以上の説明では前記固定部材１のカム面Ｉ、γは、前
記抱持体２を一方向に附勢しうるごとく形成したが、第
１図のごとく前記方向の反対方向にも同様に附勢しうる
ごとくカム面７’、 ７’も併せ形成することにより
、開放状態を維持できる。

又以上の説明で、変速レバーから変速機迄に亘り配設す
るアウターケーブルＯをフレームＦに対し支持するごと
くなす場合の適用例であるが、ブレーキレバーからブレ
ーキ装置迄に亘り配設するアウターケーブルに対しても
同様に適用でき、要するに自転車のフレームに添設する
ケーブルのあらゆる場合に同様に適用できるのである。

以上のごとく本考案によればケーブルを、２部品で挾持
ちすることなく、抱持体だけでフレームに対し確実に支
持できるばかりでなく、固定部材の受部に対する抱持体
の枢軸を特別に設けなくとも、抱持体を形成する線材に
より、受部に対する軸部を抱持体と一体的に簡単に形成
でき、かつ、抱持体をフレームの方向に付勢する弾性体
を特別に設けなくとも、抱持体の線材に与える撓みによ
り、抱持体を受部からフレームの方向に付勢させうるの
である。

換言すれば、全体に、固定部材と抱持体との２部品だけ
でも、ケーブルをフレームに対し着脱自由に確実に支持
できるのである。

そのため、部品点数がきわめて少なくなり、部品管理が
容易になると共に、工数が少くなって全体に組立作業が
きわめて簡単となって、経済性を大幅に向上できるので
ある。

しかも、前記ケーブルを、２部品で挾持ちせずに抱持体
とフレームとの間で抱持するため、フレームに対するケ
ーブルの支持の構造を、全体に嵩低くでき、従って、邪
魔になることがなく安全性も高められるし、かつ外物に
より損傷される恐れがなくなり、ケーブルを、長期に亘
って確実かつ安定に支持できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図は抱持体
の正面図、第３図は第１図における側面図、第４図は固
定部材をフレームに溶接により固定するごとくした実施
例を示す説明図、第５図は抱持体の他の実施例を示す説
明図である。 Ｆ・・・・・・フレーム、Ｏ・・・・・・ケーブル、１
・・用固定部材、２・・・・・・抱持体。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）自転車のフレームに添設するケーブルの支持具で
   あって、前記フレームに固定する固定部材と、前記ケー
   ブルを抱持する抱持体とから成り、該抱持体を線材によ
   り形成し、該線材に撓みを与えて前記固定部材に回転自
   由に取付けると共に、前記固定部材に、前記抱持体の撓
   みを受ける受部を設けて、前記抱持体を前記フレームの
   方向に付勢し、前記ケーブルを、前記フレームとの間で
   弾性的に抱持するごとくしたことを特徴とする自転車に
   おけるケーブルの支持具。
2. （２）線材を用い、該線材を折曲げて抱持部と該抱持部
   に連続する二つの軸部とを備えた抱持体を形成すると共
   に、固定部材に前記軸部を支持する二つの軸受部を設け
   、これら軸受部の相対向する内側端面にカム面を形成す
   る一方、前記抱持部により前記軸部を互に離反する方向
   に附勢するごとく成したことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の自転車におけるケーブルの支持
   具。