JPS5838750Y2 - 密閉母線 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、密閉形ガス絶縁開閉装置の密閉母線に係り、
特に管路接合部を改良した密閉母線に関する。

導体を支持する絶縁スペーサと管路との接合部に於ける
気密シール面が、水分浸透によって金属腐食が発生した
り、一方寒冷地などに設置された場合には、金属フラン
ジ接合面および気密シール面に浸透した水分の氷結によ
りスペーサが破壊したりすることがある。

第１図は、従来の密閉母線の接続構造を示している。

第２図は、そのＡ部詳細図を示す。以下にこの接続構成
を説明する。

互に接続される管路１および１′の端部には金属７７ン
ジ２，２′が設けられそしてこの金属フランジ２．２′
間には高電圧部の導体７を支持する絶縁スペーサ３が取
付けられる。

これらの接合面１２．１２’に形成されるオーリング溝
にはオーリング８を装着して気密シール面１４．１４’
を形威し、ボルト９及びナラ）１０によって締結する。

尚１３，１３’は凹部インロ一部を示す。

２つの金属フランジ接合面１２および１２′は、絶縁ス
ペーサ３のフランジ４に埋込まれたブツシュ６と接触し
、絶縁スペーサ３のフランジ４面との間には微少間隙１
５および１５′が存在する。

即ちフランジ４に埋込まれたブツシュ６は、その両端が
絶縁スペーサ３の両側面がら突出するように埋込まれて
いる。

これはボルト９及びナツト１０でフランジ２，２′間を
締付けたとき、その締付力が直接エポキシ樹脂製の前記
絶縁スペーサ３に加わらないようにするためである。

このために、前記接合面１２．１２’で形成された接合
部への、水分の浸透を防止することは不可能である。

接合面１２．１２’の微少間隙１５．１５’より毛細管
現象により水分が浸透し、インロ一部１３．１３’を通
り、気密シール面１４および１４′のオーリング８近傍
にまで水分が達し、これら微少間隙に滞留する。

この水分の滞留により、気密シール面１４および１４′
は、しだいに腐食され、気密構造を破壊しガスノークの
原因を誘発させることになる。

又、密閉母線が垂直配置された場合には、特にボルト９
の締結部からも水分が浸透する。

そして又、寒冷地などに設置された場合には、浸透した
水分は、厳寒時には氷結膨張し、応力集中の高い絶縁ス
ペーサ３のインロ一部１３．１３’よりクラックを生じ
、ガスリークはもちろん絶縁スペーサ３を破壊し事故を
誘起する恐れがある。

本考案は、前記の問題点を解決すべくなされたもので、
金属フランジ面の腐食を防ぎ、又寒冷地に設置された場
合に金属フランジ面インロ一部に浸透した水分の氷結、
膨張による絶縁スペーサの破壊を防ぎ、合わせて、ガス
リークを防止することができるようにした密閉母線を得
ることを目的としている。

以下に、本案を図面に示す実施例について説明する。

第３図は、その一実施例で第４図は密閉母線の水平配置
された場合、第５図は垂直配置された場合の第３図Ｂ部
詳細図を示している。

又第１図及び第２図と同一部品には同符号を記しである
。

ボルト９で締結される２つの金属フランジ２および２′
を直接接合する構造となっている。

そしてそのフランジ２および２′の凹部インロ一部１３
および１３′に、絶縁スペーサ３のフランジ部４を挟持
させ、そのインロ一部１３．１３’と絶縁スペーサ３の
フランジ部４の角部にオーリング１６を配置して水密シ
ール面を形威し、その内側にオーリング８を配置し、こ
のオーリング８で大気とガスを区分する気密シール面１
４および１４′を形成した構成としたものである。

即ち、２つの金属フランジ２，２′のインロ一部１３，
１３′と絶縁スペーサ３のフランジ部４の外周との間に
、リング状の空隙１８を形成し、第３図Ｃ矢視に於て水
平配置の場合には第４図及び第６図に示すようにフラン
ジ２および２′の下側の接合面１２に切欠き溝１７．１
７’を設け、垂直配置の場合には第５図及び第７図に示
すように下側になるフランジ２′の接合面１２から軸方
向へ通し溝または穴１９を数ケ所に設けた接合構造とす
る。

本考案によると、２つの金属フランジのインロ一部と絶
縁スペーサのフランジ外周との間にリング状の空隙を有
し、密閉母線の水平配置の場合には下側のフランジ接合
面に切欠き溝を、垂直配置の場合には、下側になるフラ
ンジ側の接合面に通し溝または穴を設け、そしてフラン
ジインロ一部と絶縁スペーサのフランジの角部に水密用
オーリングを配置し、かつ、その内側に、気密シール面
を有する管路の接合構造とすることによって、フランジ
端面およびボルト部から浸透した水分を水密用オーリン
グの外側で防ぎ、かつ、リング状の空隙を通り切欠き溝
および、通し溝または穴から速みやかに大気中へ排水す
ることにより、気密シール面の浸透水分による金属腐食
を防止することができ又、寒冷地などに設置された場合
に浸透した水分の氷結、膨張による絶縁スペーサの破壊
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般の密閉形ガス絶縁開閉装置の密閉母線接続
部の概略図、第２図は第１図の密閉母線接合部のＡ部拡
大図、第３図は本考案の一実施例を示す概略図、第４図
は第３図の要部を示す水平配置の場合のＢ部拡大図、第
５図は垂直配置の場合のＢ部拡大図、第６図は第４図の
場合の側面図、第７図は第５図の場合の平面図である。 １．１′・・・・・・管路、２，２′・・・・・・金属
フランジ、３・・・・・・絶縁スペーサ、４・・・・・
・絶縁スペーサフランジ、５・・・・・・高電圧部支持
フランジ、６・・・・・・ブツシュ、７・・・・・・高
電圧導体、８・・・・・・オーリング、９・・・・・・
ボルト、１０・・・・・・ナツト、１１・・・・・・バ
ネ座金、１２．１２’・・・・・・フランジ接合面、１
３゜１３′・・・・・・凹部インロ一部、１４．１４′
・・・・・・気密シール面、１５．１５’・・・・・・
間隙、１６・・・・・・オーリング、１７．１７’・・
・・・切欠き溝、１８・・・・・・空隙、１９・・・・
・・通し溝（穴）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管路の金属フランジ対向面に設けた凹部内に、高電圧部
   の導体を支持する絶縁スペーサを挾持すると共に絶縁ス
   ペーサの外周面を覆うように前記金属フランジ端部は接
   合され、前記金属フランジと絶縁スペーサとの間に内側
   には気密用オーリングをその外側には水密用オーリング
   を装着し、前記絶縁スペーサのフランジ部外周と金属フ
   ランジの凹部との間には空隙が形成され、この空隙は水
   抜きのための切欠き溝または穴により大気に連通ずるこ
   とを特徴とする密閉母線。