JPS583791B2 - 竪割無枠鋳型における鋳造品の取り出し移し替え方法およびその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は搬送されてくる注湯剤の竪割無枠鋳型から自動
的に鋳造品を取り出し、これを次工程に移し替えるため
の竪割無枠鋳型における鋳造品の取出し移し替え方法お
よびその装置に関するものである。

一般に鋳造作業においては、搬送されてくる台車上に載
置した１組の鋳型をその背面から鋳型が圧壊しない程度
にクランプ装置で締めつけ保持し、その鋳型のキャビテ
イ丙に溶融金属を注湯し、溶湯が凝固したらクランプ装
置の締めつけを解除した後、作業者が槌等で鋳型を壊し
て鋳造品をフックで引掛けて外部に取り出し、ハンガー
コンベヤー等の搬送装置に移し替えているが、このよう
な鋳造品の取出作業は手作業のため生産性が悪く、また
鋳造品が完全に冷却した状熊でないので，その周囲は高
温であり、かつ鋳型を壊す際の紛塵等により作業環境が
悪く非能率的であった。

また、鋳型に溶融金属を注湯すると鋳型を形成するシェ
ル型砂や生型砂等の充填材は、溶湯熱のために燐成され
て鋳型としての強度が大幅に減少しており、たとえば竪
割無枠鋳型の背後から作用しているクランプ装置の締付
けを解除して該竪割無枠鋳型のみを移動させて鋳造品を
取り出す場合、竪割無枠鋳型が移動に伴なって不規則に
壊れて、鋳込まれた鋳造品の取出し位置が変動して常に
一定の位置になく、従って鋳造品を自動的に取り出すの
に位置が決まらず機械化が困難であった。

本発明は前記のような欠点のない竪割無枠鋳型における
鋳造品の取り出し移し替え方法およびその装置を目的と
して完成されたもので、以下図示の実施例により詳細に
説明する。

１は基礎に立設された門型のフレームで，その右側下方
には鋳型搬送用の台車のレールが敷設されて竪割無枠鋳
型２の移送ラインが構成してあり、該レール上には注湯
済の竪割無枠鋳造２を載置した台車３が間歇的に送られ
てくる。

該台車３には竪割無枠鋳型２のクランプ装置４が設けて
あり、移送ラインの適当な所で該クランプ装置４の締付
けが解除されて、フレーム１の位置では竪割無枠鋳型２
は自由となっている。

さらに前記竪割無枠鋳型２のキャビテイ内に形成される
鋳造品の一側面に垂直方向に設けられた堰部２には、そ
の上下の両面に適当な間隔をおいて各１対の突出部２″
が設けられていて後記するフックと係合するような位置
、寸度に形成されている。

５はフレーム１に近接して設けられた竪割無枠鋳型２の
押出し装置で、該押出し装置５の横向きシリンダ６が移
送ラインに直交する方向に向けて設けられており、その
ピストンロツド７の先端には押出し板８が固着してあり
５ ９は押出し装置５の支持台である。

また、前記の押出し装置５により押出される竪割無枠鋳
型２の押出し位置の上方でこの押出された端部に対向す
る位置に鋳型破砕装置１０がフレーム１に突設させた支
持部材１１に保持されて配設されており、前記鋳型破砕
装置１０の下向きシリンダ１２のピストンロツド１３の
先端には逆Ｕ字形の鋳型破砕板１４が固着してあり、台
車３上に積載された竪割無枠鋳型２の押出し位置におけ
る堰部２′に対向させてある。

フレーム１の天井部には、車輪１５を取り付けた台車１
６が、天井部右端に回動自在に設けたシリンダ１７によ
り鋳型破砕装置１０と後記する鋳造品の搬送装置４５と
の間を往復移動可能に設置させており、１８は台車１６
用のレールを示す。

さらに該台車１６上に立設した逆円錐状のフレーム１９
には昇降用シリンダ２０がそのピストンロツド２１の先
端に連結板２２を固着して上向きに設けられており、ま
た、該連結板２２０両側に垂設したガイドパー２３と褪
動自在に嵌合する案内筒２４が台車１６上に昇降用シリ
ンダ２０を中心にしてその四隅に固定されている。

前記ガイドパー２３の下端には移動フレーム２５が固定
され、該移動フレーム２５上には横向きのシリンダ２６
が設置されそのピストンロツド２７の先端は移動フレー
ム２５の中央部に軸受２８により軸支された縦軸２９に
連結され、該縦軸２９を回動させるようになっている。

さらに縦軸２９の下端には回転フレーム３０が固定して
ありその下面に突設した軸受台３１上に固定した軸受３
２に横軸３３が軸支され、この横軸３３にはリンク３４
の一端が固着され該りンク３４の他端は前記回転フレー
ム３０の下面に回動可能に取り付けたシリンダ３５のの
ピストンロンド３６の先端に連結されている。

また，該横軸３３に固着した軸受３７を介して回動フレ
ーム３８が吊設され、従って回動フレーム３８は前記横
軸３３を中心軸としてシリンダ３５によりリンク３４を
介して回動可能に軸支されている。

回動フレーム羽の下面には２組の軸受３９が対向して固
定され該軸受３９にそれぞれ回転可能に軸支された軸４
０に１対のクランプ式のフック４１が固定してあり、前
記回動フレーム３８上に設置されたシリンダ４２のピス
トンロンドに連結されたリンク４３により軸４０を中心
にその先端側を開閉可能にされている。

さらに前記フック４１には、先細り形状の貫通孔４４が
形成されており従って１対のフック４１を作動させて第
４図に示すように鋳造品の堰部２′に設けた突出部２”
をそれぞれ貫通孔４４に位置させてクランプし、次いで
これを９０度下方へ回動してフツク４１を横状態から縦
状態にして鋳造品をその堰部２’を上方にして墨下げ状
態とすると、第５図に示すように鋳造品は自重によりフ
ツク４１の貫通孔４４に沿って滑り落ち、その先細り先
端部で止って吊下げられ堰部２’および突出部２”の形
状、位置により規定される位置決めが行われる。

４５は鋳造品の搬送装置で図示例ではハンガーコンベヤ
が示されており、門型のフレーム１の左辺上方を通るガ
イドレール上を間歇運動しながら一定周期で循環するハ
ンガーフツク４８を備えている。

なお，４７．４７は回転フレーム３０の下面に設けられ
たストツパで回動フレーム３８０回動範囲を規定するも
のであり、同様に４８，４８はフレーム１上に設けられ
て台車１６０走行範囲を規定するストツパである。

このように構成されたものは、あらかじめ鋳造品の堰部
２′がフツク４１側となるように竪割無枠鋳型２を載置
した移送ラインの台車３が門型フレーム１の所定の位置
に搬入され停止すると、押出し装置５の横向きシリンダ
６が作動して押出し板８が前進し、竪割無枠鋳型２の鋳
造品の堰部２′が鋳型破砕装置１０の下向きシリンダ１
２の下方対向位置に至るまで該竪割無枠鋳型２を押出す
。

次に前記下向きシリンダ１２を作動させて鋳型破砕板１
４を下降させ、竪割無枠鋳型２の端部の堰部２′両側の
鋳型部分を削除破砕して鋳造品の堰部２′およびそれに
設けられた各突出部２”を露出させ、その後押出し板８
および鋳型破砕板１４をそれぞれ元の位置へ復帰させる
。

次いで第１図において、下方の位置ｂで待機していたフ
ツク４１は、シリンダ１７の作動による台車１６の右行
によりその貫通孔４４が突出部２”に係合する位置まで
前進し、この位置でシリンダ４２の作動によりフツク４
１を閉じて堰部２’をはさみつけ、その際各突出部２”
を前記貫通孔４４内にそれぞれ位置させて把持した状態
としてシリンダ１７により台車１６を逆行させると、フ
ック４１は叩部２’に設けられた各突出部２”と係合し
て鋳造品を竪割無枠鋳型２より引出して該鋳造品を横状
態に保持したまま元の位置ｂまで退行する。

次に昇降用シリンダ３０を作動して移動フレーム２５そ
の他を上昇させ鋳造品を横状態に把持した横向きのフツ
ク４１をそのままの状態でａの位置まで上昇させてから
、シリンダ３５のピストンロンド３６をを前進させリン
ク３４を介して横軸３３を回転させ、これに固着されて
いる軸受３７、回動フレーム３８と共にフック４１を９
０°回動させて該フツク４１を横向きから縦向きの状態
にするうこの作動の間にフツク４１に把持されている鋳
造品もフック４１の回動につれて縦状態に移りながらフ
ツク４１の貫通孔４４の内壁を滑り、突出部２”の型状
に合わせたフツク４１の先端に吊り下げられ、位置が決
められる。

次に移動フレーム２５に取付けたシリンダ２６の作動に
より、軸受２８に回転自在に保持した縦軸２９を９０°
回転させて鋳造品を吊り下げたフツク４１を縦側面向の
Ｃの状態に位置させてからシリンダ１７を作動させて台
車１６を左方向へ移動させ、間歇運動しながら循環して
いる搬送装置４５の鉤状のハンガーフツク４６の上部に
位置させて停止する。

つづいて昇降用シリンダ２０を作動させてフツク４１を
下降させながらシリンダ４２により該フック４１を開い
て鋳造品をハンガーフック４６に移し替える。

その後上記の逆作動を行ってフツク４１を続いて搬送さ
れてくる台車３上に載置した竪割無枠鋳型２を待機する
ｂ位置に復帰させて１サイクルを完了する。

その後同様な動作が繰り返されるのである。

なお、鋳型破砕装置１０は竪割無枠鋳型２０下側方に位
置させて下方よりその端部を破砕させるようにしてもよ
い。

次にフツク４１についての他の実施例を第６図〜第８図
により説明をすると前記回動フレーム３８において、そ
の一部に設けた孔部４９を締切って回転可能に回転軸５
０を軸支し、該回転軸５０に先端を鉤状とした１対のフ
ツク５１を固着し、該フツク５１の他端を回動フレーム
３８に設けられたシリンダ５２のピストンロンドに連結
された作動杆５３にそれぞれ枢着させ、該シリンダ５２
の作動によりフツク５１の鉤状の先端が同方向に回動す
るように構成されている。

第６図において竪割無枠鋳型２から鋳造品の堰部２′が
前記と同様にして露出されるとｂの位置で待機していた
フツク５１がシリンダ１７の作動により突出部２”に係
合する位置まで右行し、次にシリンダ５２の作動により
回転軸５０を中心軸としてフツク５１を上方に回動させ
て、突出部２”に係合させ、鋳造品を多少持ち上げなが
ら、シリンダ１７を逆作動してｂ位置まで退行させ、次
に昇降用シリンダ２０を作動して鋳造品を吊り下げたフ
ツク５１をそのままの状態でａの位置まで上昇させてか
ら、シリンダ３６の作動により、横軸３３を中心として
横向きのフツク５１を回動フレーム３８と共にリンク３
４を介して９０度回転させてフツク５１を縦向きの状態
とする。

これにより吊下げた鋳造品も縦状態となり、フツク５１
の移動につれて自重により該フツク５１の内壁を滑り突
出部２”の形状に合わせたフツク５１の鉤状先端部に係
止されて吊り下げられ、位置が決められる。

以下前記の実施例と同じ動作をして鋳造品をハンガーフ
ック４６に移し替え、その後、上記の作動の逆作動によ
りフツク５１を、搬送されてくる台車３上に載置した竪
割無枠鋳型２を待機するｂ位置に復帰させて１サイクル
を完了する。

なお、以上の各実施例に示したように、フツク４１また
はフツク５１が堰部２’の突出部２”と係合する部分の
形状は貫通孔状とか鉤状に形成してあるので、若干の位
置のずれがあっても係合に差支えを生ずることはない。

本発明は以上説明したように移送ラインの台車に載置さ
れた注湯済の竪割無枠鋳型を前記台車の一側外方へその
一端が突出するように押出し、該突出した竪割無枠鋳型
の端部を破砕して内部の鋳造品の堰部を露出させたうえ
該露出した堰部を保持して鋳造品を竪割無枠鋳型より取
り出し、次に前記鋳造品を回動させてその堰部を上方と
して吊下げ状態として該鋳造品を所定の位置へ位置決め
し、該位置決めされた鋳造品を搬送装置に移し替えるよ
うにし、また、竪割無枠鋳型の移送ラインの一側に該竪
割無枠鋳型を移送ラインに直交する方向に押出す押出し
板を備えた押出し装置を設け、該押出し装置により押出
された竪割無枠鋳型の押出し位置の上方に位置してその
押出された端部を破砕して内部の鋳造品の堰部を露出さ
せるようにした昇降可能な鋳型破砕板付の鋳型破砕装置
を設け、さらに該鋳型破砕装置と鋳造品の搬送装置との
間を往復動可能とした台車に移動フレームを昇降可能に
設置し、該移動フレームのほぼ中央に縦軸を貫通して回
転可能に軸支するとともに該縦軸の下部に回転フレーム
を固着し、該回転フレームに回転可能な横軸を前記回転
フレームの下面一側に軸支するとともに該横軸には回動
フレームを固着吊設し、該回動フレームには、鋳造品の
堰部に係脱自在とする開閉可能な１対のフックを取付け
た装置としたから、注湯済の竪割無枠鋳型より鋳造品が
自動的に取出されて搬送装置へ移し替えられるので能率
がきわめてよく、無枠鋳型であるから枠ばらしをせずに
直ちに鋳型部の破砕取出しが可能でしかも鋳造品の取出
しに際し竪割無枠鋳型の堰部に相当する部分のみを削除
破砕するだけであるから、騒音や粉塵の発生が少なく従
って作業環境が著しく改善される。

また、多種多様の鋳造品に対してもその堰部により取出
し移し替えを行うものであるから、あらかじめ覗形状を
フックと対応させた形状にして鋳造品に形成させておけ
ばよいのできわめて簡単であり、さらに、壊部に設けた
１対の突出部にフックを係合させて墨下げるため位置決
めは正確で、鋳造品の取出し移し替えが安定な状態で行
われるので損傷したりすることはなく、鋳造ラインの自
動化に貢献する効果はきわめて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製品取出し移し替え装置の正面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ矢神図、第３図は第１図のＢ−Ｂ
矢視図、第４図は鋳造品の堰部をフックの貫通孔に把持
した状態を示す一部切欠正面図、第５図は鋳造品をフッ
クの先端に吊下げ位置決めした状態を示す一部切欠正面
図、第６図はフックの他の実施例を示す一部切欠正面図
、第７図は第６図において、鋳造品の堰部に鉤状のフッ
クを位置させた状態を示す一部切欠正面図、第８図は鋳
造品をフックの鉤状の先端に吊下げ位置決めした状態を
示す一部切欠正面図である。 ２……竪割無枠鋳型、２′……堰部、２″……突出部、
５……押出し装置、６……横向きシリンダ、７……ピス
トンロツド、８……押出し板、１０……鋳型破砕装置、
１２……下向きシリンダ、１３……ピストンロツド、１
４……鋳型破砕板、１６……台車、２５……移動フレー
ム、２９……縦軸、３０……回転フレーム、３３……横
軸，３８……回動フレーム，４１……フック、４２……
シリンダ、４４貫通孔、４５……搬送装置、５１……フ
ック、５２……シリンダ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移送ラインの台車に載置された注湯剤の竪割無枠鋳
   型を前記台車の一側外方へその一端が突出するように押
   出し，該突出した竪割無枠鋳型の端部を破砕して内部の
   鋳造品の堰部を露出させたうえ該露出した堰部を保持し
   て鋳造品を竪割無枠鋳型より取出し、次に前記鋳造品を
   回動させてその堰部を上方として墨下げ状態として該鋳
   造品を所定の位置へ位置決めし、該位置決めされた鋳造
   品を搬送装置に移し替えることを特徴とする竪割無枠鋳
   型における鋳造品の取出し移し替え方法。 ２ 竪割無枠鋳型の移送ラインの一側に該竪割無枠鋳型
   を移送ラインに直交する方向に押出す押出し板８を備え
   た押出し装置５を設け、該押出し装置５により押出され
   だ竪割無枠鋳型の押出し位置の上方に位置してその押出
   された端部を破砕して内部の鋳造品の増部を露出させる
   ようにした昇降可能な鋳型破砕板１４付の鋳型破砕装置
   １０を設け．さらに該鋳型破砕装置１０と鋳造品の搬送
   装置４５との間を往復動可能とした台車１６に移動フレ
   ーム２５を昇降可能に設置し、該移動フレーム２５のほ
   ぼ中央に縦軸２９を貫通して回転可能に軸支するととも
   に該縦軸２９の下部に回転フレーム３０を固着し、該回
   転フレーム３０に回転可能な横軸３３を前記回転フレー
   ム３０の下面一側に軸支するとともに該横軸３３には回
   動１フレーム３８を固着吊設し、該回動フレーム３８に
   は、鋳造品の堰部に係脱自在とする開閉可能な１対のフ
   ツク４１を取付けたことを特徴とする竪割無枠鋳型にお
   ける鋳造品の取出し移し替え装置。 ３ 竪割無枠鋳型の移送ラインの一側に該移送ラインに
   直交する方向に作動する横向きシリンダ６を設置すると
   ともにそのピストンロツド７の先端に竪割無枠鋳型の押
   出し板８を固着し、さらに、該押出し板８により押出さ
   れる竪割無枠鋳型の押出し位置上方でその押出された端
   部に対向する位置に下向きシリンダ１２を設置し、該下
   向きシリンダ１２のピストンロツド１３の先端に逆Ｕ字
   型の鋳型破砕板１４を固着したことを特徴とする特許請
   求の範囲第２項記載の竪割無枠鋳型における鋳造品の取
   出し移し替え装置。 ４ 回動フレーム３８の下部に対向して取付けられた１
   対のフツク４１を回動フレーム３８に設けられたシリン
   ダ４２により開閉可能とし、さらに該１対のフツク４１
   には鋳造品の堰部を係合させる先端部が先細り状の貫通
   孔４４を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第２項
   記載の竪割無枠鋳型における鋳造品の取出し移し替え装
   置。 ５ 回動フレーム３８の下部に１対のフツク５１を回動
   可能に設け、該フツク５１を回動フレーム３８に設けら
   れたシリンダ５２により同方向へ回動可能とするととも
   にフツク５１の先端を鉤状に構成したことを特徴とする
   特許請求の範囲第２項記載の竪割無枠鋳型における鋳造
   品の取出し移し替え装置。