JPS5837561Y2 - 電動工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は原動機の動力が主軸ギヤ、ディスク体等よりな
るクラッチ機構を介して伝達され、かつこの主軸に一定
以上の捩り力が加わるとクラッチ機構が作動するように
した電動工具に関するもので、前記クラッチ機構の解除
および作動が本体外から容易に行なえるようにするとと
もに、その操作機構の組立が簡単に行なえる構造を提供
しようとするものである。

以下、本考案をその実施例を示す図面にもとづいて説明
する。

第１図〜第２図において、１は電動ドライバー等の電動
工具本体で、この本体１は原動機２、電源電池３、主ス
ィッチ４、スイッチレバー５、スイッチ安全ノブ６、正
逆転切換えスイッチまたは回転数切換えスイッチ７、充
電ソケット８および動力伝達機構部９を内蔵している。

前記動力伝達機構部９は、原動機２に直結されたピニオ
ン１０と、このピニオン１０に噛み合う歯車１１と、こ
の歯車１１とともに回転するピニオン軸１２と、このピ
ニオン軸１２を軸支する軸受部１３．１３’と、前記ピ
ニオン軸１２に噛み合う主軸ギヤ１４とを有し、この主
軸ギヤ１４は主軸１５に対して移動ならびに回転可能に
挿入されている。

また前記主軸１５の外周には主軸ギヤ１４の側面と対応
する如くディスク体１６を固定するとともに、テ゛イス
ク体１６の側面には凹部１７を設けている。

１８は前記ディスク体１６の凹部１７と対応して前記主
軸ギヤ１４の側面に設けた凹部で、この凹部１８と前記
テ゛イスク体１６の凹部１７のいずれか一方にはボール
１９を装填している。

２０は主軸１５に取り付けた制止板で、この制止板２０
は主軸１５の外周板に設けたワッシャー２１を制止させ
るもので、このワッシャー２１と前記主軸ギヤ１４との
間にはコイルスプリング２２を介在させ、かつこのコイ
ルスプリング２２は主軸ギヤ１４を常時ディスク体１６
の側面に当接するようにバネ付勢している。

前記主軸１５は一方端を本体１外に突出させ、その突出
部２３にビット等を保持するチャック２４を固定してい
る。

また主軸１５の他方端には中空孔２５を設けるとともに
、この中空孔２５に連通する孔２６を主軸ギヤ１４が軸
方向において制止される位置に設け、かつ前記連通孔２
６にはボールまたはピン２７を出没自在に挿入し、さら
に前記中空孔２５には斜面２８を介して連続する先細部
２９を一端に形成したスピンドル３０を移動自在に挿入
している。

また前記主軸ギヤ１４の軸方向の制止部には凹部３１を
形成し、この凹部３１によりボールまたはピン２７の飛
び゛出しを防止している。

３２は本体１の側面に位置して主軸１５の軸方向に設け
たスライド孔で、このスライド（Ｌ３２にはノブ３３を
スライド自在に保持している。

このノブ３３は第２図に示すように、爪３４．３４’を
有するガイド部材３５．３５’を一体に形威し、このガ
イド部材３５．３５’をスライド孔３２に係合させるこ
とにより、ノブ３３の案内と抜は止めが行なわれるよう
にしている。

またノブ３３には上端が開口した断面Ｕ字状の保合部３
６を形成し、前記スピンドル３０の他端に形成したツバ
部３７ 、３７’間に位置する部分３０ ａがこの係合
部３６に上方より挿入係合されるように構成している。

３８．３９は主軸１５を軸支する軸受部で、この軸受部
３８．３９および前記ピニオン軸１２を軸支する軸受部
１３．１３’はいずれも本体１に設けた保持部４０，４
１．４２．４３により保持される。

前記本体１に保持されたノブ３３とスピンドル３０との
係合は、主軸ギヤ１４、テ゛イスク体１６、コイルスプ
リング２２、スピンドル３０、軸受部３８．３９等を有
する主軸１５を本体１に設けた保持部４０゜４１に装着
すると同時になされる。

第３図ａ、ｌ）はスピンドル３０とノブ３３の係合状態
の他の実施例を示したもので、第３図ａは相対向して設
けた係合部３６ ａ 、３６ ａ’間にスピンドル３０
のツバ部３７ ａを上方より挿入係合させたものを示し
、また第３図すは略コ字状の係合部３６ ｂにスピンド
ル３０のツバ部３７ ｂを上方より挿入係合させたもの
を示す。

上記構成において動作を説明する。

ノブ３３を操作してスピンドル３０を第４図ａに示す位
置にセットすれば、ボールまたはピン２７はスピンドル
３０の斜面２８を介して連続する先細部２９と対応する
形となって、主軸１５の外側面より内方に沈む。

その結果主軸ギヤ１４の軸方向への制止は解除されるた
め、プラスチック材や金属の薄板材等にネジ締めする場
合のように低い捩り力時において、一定以上の捩り力が
主軸１５に加わると、主軸ギヤ１４を付勢するコイルス
プリング２２のバネ力は一定以上の捩り力に打ち負ける
形となって主軸ギヤ１４はコイルスプリンググ２２のバ
ネ力に抗して軸方向に移動し、ディスク体１６との係合
を外す。

これにより主軸ギヤ１４は主軸１５の周りを空転するこ
とになり、その結果ディスク体１６を介しての主軸１５
への動力伝達は停止される。

すなわちクラッチが解除された状態となる。

またノブ３３を第４図ａの状態から右方向に動かして第
４図すに示す位置にセットすれば、ボールまたはピン２
７はスピンドル３０の斜面２８により主軸１５の外側面
側に押し出されて主軸ギヤ１４の凹部３１内に位置する
。

これにより主軸ギヤ１４の軸方向への移動は制止される
ため、主軸ギヤ１４はディスク体１６と常に係合された
状態となる。

したがって原動機２の回転動力はピニオン１０．歯車１
１、ピニオン軸１２．主軸ギヤ１４．ディスク体１６を
介して主軸１５に伝達される。

この結果主軸１５に高い捩り力が加わった場合において
も主軸ギヤ１４とディスク体１６との保合が解除される
ということはなく、またこのクラッチの作動に伴う主軸
ギヤ１４の推力はボールまたはピン２７により制止され
る。

したがってこの推力が前記スピンドル３０を操作するノ
ブ３３に加わるということはなくなり、その結果回転動
力のロスをなくすることができる。

以上のように本考案によれば、原動機の動力が主軸ギヤ
、ディスク体等よりなるクラッチ機構を介して伝達され
る主軸と、この主軸に移動自在に設けられ、かつクラッ
チ機構を制御するスピンドルと、電動工具本体にスライ
ド自在に保持され、かつ本体外部より操作可能なノブを
備えているため、前記クラッチ機構の解除および作動の
切換えは負荷の状態に応じて容易に本体の外部から容易
に操作することができ、また前記スピンドルにツバ部を
形成し、かつノブに上端が開口した保合部を形成し、前
記主軸を本体に装着することによりスピンドルのツバ部
をノブの保合部に係合させるようにしているため、その
組立は主軸の本体への装着と同時に行なうことができ、
その結果組立の簡単な電動工具を提供することができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電動ドライバーの縦断
面図、第２図は同電動ドライバーにおけるクラッチ操作
機構部の分解斜視図、第３図ａ、ｌ）はスピンドルとノ
ブの保合状態の他の実施例を示す上面図、第４図ａ、ｌ
）はクラッチ機構の動作状態を示す横断面図で、ａはク
ラッチの解除状態を示し、ｂはクラッチの作動状態を示
す。 １・・・・・・電動工具本体、２・・・・・・原動機、
１４・・・・・・主軸ギヤ、１５・・・・・・主軸、１
６・・・・・・ディスク体、２４・・・・・・チャツタ
、３０・・・・・・スピンドル、３３・・・・・・ノブ
、３６，３６ ａ 、３６ａ′、３６ｂ・・・・・・係
合部、３７，３７′、３７ａ、３７ｂ・・・・・・ツバ
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原動機と、この原動機の動力が主軸ギヤ、ディスク体等
   よりなるクラッチ機構を介して伝達され、かつ端部にチ
   ャックを固定した主軸と、この主軸に移動自在に設けら
   れ、かつクラッチ機構を制御するスピンドルと、電動工
   具本体にスライド自在に保持され、かつ本体外部より操
   作可能なノブとを備え、前記スピンドルにツバ部を形成
   し、かつノブに上端が開口した係合部を形成し、前記主
   軸を本体に装着することによりスピンドルのツバ部ヲノ
   ブの保合部に係合させたことを特徴とする電動工具。