JPS5836425Y2 - 風呂釜用熱交換器等の鋳造型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば風呂釜用熱交換器の如き薄くて長いフィ
ンを多数有する物品の鋳造型に関するものである。

従来この種の鋳造型は、フィン取付部における溶湯の流
れの方向がフィン溝に直角で直進的であるため、フィン
溝の先端まで光合に湯が廻らず、欠陥品を生ずることが
多かった。

本考案はかかる従来の難点を除去せんとするものであり
、以下これを図例に基づいて具体的に説明する。

先ず第１図は従来の鋳造型を示すもので、１は多数のフ
ィン溝２を有する外型、３は型抜き後、その内部空間が
風呂釜用熱交換器の氷室等となる中子型、４は湯口、５
は溶湯が流れ込む空間である。

第２図及び第３図は本考案に係る鋳造型の互いに異なる
２つの実施例を示すもので、第２図において、６は多数
のフィン溝７を有する外型、８は両側面のフィン溝７に
対向した部分に多数の鋸歯型の段部９を有する中子型、
１０は湯口、１１は溶湯が流れ込む空間である。

更に第３図において、１２は多数のフィン溝１３を有す
る外型、１４は中子型、１５は湯口、１６は溶湯が流れ
込む空間であり、上記フィン溝１３の付根部１７間に、
湯口側が狭く奥の方向に広くなるような傾斜を付けて、
このフィン溝の付根部１７に段部１８を形成することに
より、溶湯が流れ込む空間１６を全体として鋸歯状に形
成させている。

本考案はこのような構成からなり、従来の鋳造型では第
１図の如く、多数のフィン溝２に面した中子型３面が平
面であるため、溶湯の流れ込む空間５も平面的となり、
溶湯はフィン溝２へ流れ込み難く、直進してしまって最
も奥のフィン溝２から順次充満して行くことになる。

そのため、湯口４に近い方のフィン溝２には、初めの流
れで少し流れ込んだ溶湯が凝固しかけた処へ、や・遅れ
て次の溶湯が流れ込むことになるから、その部分に湯境
い、湯じわ成るいは湯廻り不良を生じることが多かった
。

しかるに本考案では、第２図及び第３図に示す如く、溶
湯の流れ込む空間１１．１６を平面的ではなく、各フィ
ン溝に対向して段部９，１８の形成された鋸歯状とした
ので、溶湯は直進することなく各段部９，１８に当たっ
てフィン溝７，１３に向い方向転換させられて案内され
るので、湯口側から順次に流れ込み充満して行くのであ
り、上記従来のような欠陥を生ずることはなくなるので
ある。

以上のように本考案は、フィン溝に該フィン溝の付根部
から溶湯を流し込む外型と中子型との間の空間を、溶湯
を各フィン溝方向に案内する段部を各フィン溝の付根部
毎に形成することにより、全体として鋸歯状に形成した
ので、溶湯は直進してしまうことなく湯口側から順次に
流れ込み、且つ圧入される傾向になるので、湯境い、湯
じわ成るいは湯廻り不良等を生じる恐れがなく、極めて
良質の熱交換器が量産できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図及び第３図はそれ
ぞれ異なる本考案の実施例を示す断面図である。 ６．１２・・・・・・外型、７，１３・・・・・・フィ
ン溝、８，１４・・・・・・中子型、９．１８・・・・
・・段部、１１．１６・・・・・・空間、１７・・・・
・・フィン溝の付根部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のフィン溝にその付根部から溶湯を流し込む外型と
   中子型との間の空間を、溶湯を各フィン溝方向に案内す
   る段部を各フィン溝の付根部毎に形成することにより、
   全体として鋸歯状に構成したことを特徴とする風呂釜用
   熱交換器等の鋳造型。