JPS5835028B2 - 電機子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は小形直流電動機の電機子に関するもので、電機
子導体が軸方向に整列して配列されていることを特徴と
する電機子並びに軸方向に傾斜して巻回したソレノイド
コイルを電機子巻線としたことを特徴とする電機子に係
るもので、径の小さい細長い形状の低慣性の電機子を容
易に得ることを目的とするものである。

無鉄心の電機子を使用した電動機は電機子重量が軽く、
慣性が小さい利点があり、急速起動急速停止がしやすい
のでサーボ用によく使われる。

従来、無鉄心電機子の巻線方法は、種々の方法が考えら
れ、例えば特公昭３８−２１５１号で知られる如く、巻
線が磁界の一極からの次の極に達したときに、全巻幅を
斜めに通過して、次の極に向って連続巻回する方法が多
く用いられているが、径が極めて小さい細長い形状の電
機子を得るのが困難であった。

すなわち、この種の巻線は、円筒状の巻枠に出没自在に
設けたピン間に電線を引掛けて径方向（円周方向まわり
）に整列配置された巻線を得るが、巻枠はピンを出没さ
せる機構を収容するため、巻枠はある程度の太さを必要
とし、そのため、径が極めて小径で細長い形状（例えば
ペンシルタイプ）の電機子を製作することは困難であっ
た。

本発明は上記従来の欠点を除去するもので、まず本発明
の動作原理を添付図面を参照して説明する。

第５図のようにコイル面が軸に対して直角なソレノイド
コイルＣを中央に軸Ｓを通して磁界中に置いても回転ト
ルクは発生しない。

それはソレノイドコイルＣに流れる電流に軸方向成分が
ないからであり、回転トルクを作るのは電流の軸方向成
分だからである。

コイルＣが第４図のように斜めに巻かれた場合は、コイ
ル電流に軸方向成分があるので、回転トルクを発生する
。

第４図は説明のため便宜的にかいた図で実際は第３図の
ようにななめコイルの面が磁極Ｍの中間にある時がトル
ク最大である。

本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、実施例によ
り詳細に説明する。

第１図は本発明電機子の一実施例であって、第１図にお
いて１．２，３はそ力、ぞれコイルで、適当なボビン上
に、１．２．３の順に斜めに巻回してソレノイドコイル
を形成し、ワニス或は樹脂でソレノイドコイルをかため
てからボビンをぬきとったものである。

ボビンの肉厚かうすいものであればボビンを残しておい
てもよい。

４はこうしてできた巻線を保持固定するための台、５は
整流子、６は軸である。

各コイル１，２．３は２層巻きにしておけば巻始めと巻
終りが同じ側に出せるので、後処理が便利である。

もちろん場合によっては単層あるいは２層以上の多層も
可能である。

また、第１図はソレノイドコイルを順次層を重ねてまき
つけていくものであるが、その他の巻き方、例えば篭を
編むように巻回する方法もある。

この場合の電機子は第２図のようになる。

編む時に横糸を入れれば出来上った電機子の強度はより
強くなる。

巻線の形状は斜めのソレノイドコイルに限られず、第６
図に示すようなものでもよく、又、第７図のようにして
多極化もできる。

本発明の特徴は第８図により明らかである。

第８図ａは従来の電機子、同図すは本発明の電機子であ
る。

矢印のように従来の電機子は導体Ａが円周方向まわりに
配列され、本発明の電機子は軸方向に配列される。

第９図はこのことを説明するものである。

第９図ａは小型直流電動機の電機子巻線としてよく見受
けられる３相巻線で、各相１ターンの状態を示すもので
ある。

これを、例えば３ターンとする場合、従来の巻線方法に
よれば、第９図すに示す如く径方向（矢印方向）に導体
を分布させる。

これに対し本発明の場合は、第９図Ｃに示す如く、軸方
向（矢印方向）に導体を分布させることになる。

この際、捲線方法としては、第１０図ａで示す如く、ま
ずボビン７に、ボビン７の外径より内径の大きいソレノ
イドコイル８をはめた後、第１０図すに示す如くソレノ
イドコイル８を斜めに押しつぶすことにより、斜めに巻
回したソレノイドコイル８を作り、以下、第２図ａ、ｂ
の工程を複数回繰り返して第１図に示す電機子を得る。

なお、上記工程中に巻線のスプリングバックを抑えるた
め必要に応じて、テープや接着剤を適宜使用する。

この構成によれば、従来の如くボビン内部にピンを出没
させる機構を収容する必要はなく、径の小さいきわめて
細長い形状の電機子が容易に得られる。

なお、コイル７の各ターンは同形で同一大きさであり、
また、全体形状は円筒状に構成される。

このように巻線を軸方向に積み重ねることによって従来
のものに比べ、きわめて径の小さい細長い形状の低慣性
の電機子を作ることが容易となる。

尚、以上空心の無鉄心電動機を説明したが、鉄心入りで
あっても本発明の特徴は失なわれない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明電機子の一実施例の正面図、第２図は同
上の他の実施例の正面図、第３図は同上の原理図、第４
図および第５図は電動機の動作原理図、第６図および第
７図はそれぞれ本発明電機子の更に他の実施例の正面図
、第８図ａは従来の電機子の斜視図、同図すは本発明の
電機子の斜面図、第９図ａ、ｂ、ｃは電機子の巻線方法
を示す説明図、第１０図ａ、ｂは本発明の電機子巻線の
巻線方法の一例を示す説明図である。 １．２，３・・・・・・コイル、５・・・・・・整流子
、６・・・・・・軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電機子導体の少なくとも一部に軸方向に傾斜した部
   分を有するコイルの各ターンを同形で同−犬きさとし、
   このコイルを多数軸方向に整列して円筒状の電機子巻線
   を構成した電機子。 ２ コイルの各ターンを同形で同−犬きさとし、軸方向
   に傾斜して多数回軸方向に整列して巻回した複数個のソ
   レノイドコイルにて円筒状の電機子巻線を構成した電機
   子。