JPS5834663Y2 - 温度ヒユ−ズ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特定温度で溶融する感温剤を用いた温度ヒユー
ズの改良に関する。

最近、電気機器の安全性の観点から温度過昇防止装置が
用いられており、特に特定温度で溶融する感温剤を用い
た無復帰型の温度ヒユーズが賞用されている。

この種温度ヒユーズの代表的なものは、第１図に示すよ
うに、銅等の良導電性かつ良熱伝導性の金属よりなる有
底円筒状の金属ケース１と、この金属ケース１の底部に
かしめ固定された第１のリード線２と、金属ケース１内
に順次収納された特定温度で溶融する感温剤３．押板４
および５、押板４，５間に圧縮状態で介在された無圧縮
ばね６と、周辺部が金属ケース１の内壁面に弾性的に係
合している可動接点７ど、金属ケース１の開口端を閉止
するセラミック等よりなる絶縁プラグ８と、絶縁プラグ
８の中心孔を貫通する第２のリード線９と、第２のリー
ド線９の内方端に設けられた固定接点１０と、前記可動
接点７と絶縁プラグ８との間に圧縮状態で介在された弱
圧縮ばね１１と、絶縁プラグ８の外表面に被着されたゴ
、ポキン樹脂等よりなる絶縁封止剤１２とを備えている
。

このような構成において、常温では感温剤３が固体であ
り、無圧縮ばね６はその弾性力が感温剤３で阻止される
結果、弱圧縮ばね１１の弾性力に抗して、可動接点７を
固定接点１０に強く押圧接触せしめる。

このため、リード線２−金属ケース１−可動接点７−固
定接点１０−リード線９の径路で、リード線２，９間が
導通状態に保持されている。

周囲温度が異常上昇して感温剤３の融点を超えると、感
温剤３が溶融する。

すると、感温剤３による無圧縮ばね６に対する阻止力が
消失して無圧縮ばね６が伸張する。

応じて無圧縮ばね６の弾性力が抜ける結果、弱圧縮ばね
１１の弾性力が無圧縮ばね６の弾性力を凌駕して、弱圧
縮ばね１１が伸張し、可動接点７が固定接点１０から離
間して、リード線２，９間が非導通状態になる。

第２図にはこの動作後の状態が示されている。

ここで、第１図の温度ヒユーズを電気機器に組み込む場
合、一般に第１．第２のリード線を半田付けしているが
、半田付は作業に手間どっていると、リード線、特に第
１のリード線２を介して感温剤３が加熱されて溶融し誤
動作することがあった。

このため、半田付は作業に熟練を要するのみならず、リ
ード線２，９の長さを余り短くすることができないとい
う問題点があった。

なお、一般に弱い熱い電子部品を半田付けする際に、電
子部品のリード線をヒートシンクで把持して半田付けす
ることにより電子部品の熱による破壊を防止することは
公知である。

しがしながら、従来のヒートシンクはラジオペンチやピ
ンセットのようなものを手で持ってリード線を把持する
関係上、残った手で半田鏝と半田とを持って半田付けし
なければならず、半田付は作業が非常に煩雑であった。

また、洗濯物を干す際に使用するピンチ様のヒートシン
クにすれば手で持つ必要はなくなるが、構造が複雑で大
型になるのみならず高価になる欠点がある。

さらに、ピンセットのように弾性金属材料を用いたもの
では、熱伝導率が小さいので熱放散効果が小さく、結局
大型のものを必要とするために、半田付は作業時にヒー
トシンクが邪魔になるといった問題もあった。

本考案はこのような点にかんがみ提案されたもので、特
に感温剤に近い第１のリード線に、良熱伝導性で塑性変
形が可能な金属材料よりなリリード線嵌合用の切欠きま
たは凹部を有する金属放熱体を塑性変形せしめて取外し
可能に装着したことを特徴とする。

以下、本考案の実施例を図面により説明すると、第３図
は第１の実施例の要部斜視図を示し、第１図と同様の温
度ヒユーズの感温剤３に近い第１のリード線２にアルミ
ニウム等の良熱伝導性で塑性変形が可能な金属材料より
なる金属放熱体１３が装着されている。

この金属放熱体１３は、第４図に示すように、略円板状
の主体部１３１と、その周縁部から中心部に達するＵ字
状の切欠き１３２と、これと反対側の周縁部から中心に
向うＶ字状の切欠き１３３を挾む一対の突部１３４，１
３５とを有する。

そして、この金属放熱体１３が第３図に示すように、Ｕ
字状の切欠き１３２に温度ヒユーズのリード線２を嵌入
し、リード線２の周囲をかしめ加工したかしめ溝１３６
によって、リード線２に固着されている。

このような構成の温度ヒユーズを、電気機器に半田付け
によって組み込む場合は、リード線２の金属放熱体１３
より外方側、すなわち第３図においては金属放熱体１３
より左側部分を半田付けする。

すると、半田付けに伴う熱は、リード線２から金属放熱
体１３に吸収されるとともに、金属放熱体１３から放熱
されるため、金属放熱体１３より右側部分にはほとんど
伝達されなくなり、感温剤３が溶融して誤動作するとい
ったことがなくなる。

なお、金属放熱体１３はリード線２に固着したよ・でも
よいが、その場合電気機器の温度が急激に上昇する際に
若干の応答遅れを生ずるので、半田付は作業の終了後は
取り外しておくことが望ましい。

金属放熱体１３を取り外す際は、第５図の矢符方向で示
すように、一対の突部１３４，１３５をペンチ等で強圧
する。

すると第５図中に２点鎖線で示すように、突部１３４，
１３５が互いに接近してＶ字状の切欠き１３３が消失す
るとともに、反対側のＵ字状の切欠き１３２は拡開する
。

このため、金属放熱体１３をリード線２から容易に取り
外すことができる。

第６図は本考案の第２の実施例の要部斜視図を示す。

本実施例の金属放熱体１４は、一枚の短冊状金属板を二
折り状にして断面Ｕ字形に成形した上板１４１．下板１
４２および両板間を連結する屈曲部１４３と、上板１４
１の自由端部を略９０°外方に折り曲げた立ち上り部１
４４と、前記上板１４１の下面および下板１４２の上面
に対向状に設けた円弧状の四部１４５．１４６を備えて
いる。

そして、前記四部１４５，１４６間に感温剤３に近いリ
ード線２を挿入し、立ち上り部１４４と下板１４２の自
由端部１４２ａとの間を強圧することによって、リード
線２に固着されている。

このような金属放熱体１４を有する温度ヒユーズにおい
ても、半田付けに際して前記実施例と同様の効果が得ら
れる。

なお、半田付は後にこの金属放熱体１４をリード線２が
ら取り外す場合は、第７図の矢符方向に示すように、上
板１４１と下板１４２の連結部である屈曲部１４３と立
ち上り部１４４とをペンチ等で把持する。

すると、第７図中に２点鎖線で示すように、上板１４１
が凹部１４５部分がら折れ曲るので、金属放熱体１４を
リード線２から容易に取り外すことができる。

第８図は本考案の第３の実施例に用いる金属放熱体１５
の斜視図を示す。

この金属放熱体１５は、一枚の短冊状の金属板を断面Ｖ
字状に屈曲成型した板１５１．板１５２および両者を連
結する屈曲部１５３と、板１５１と板１５２の互いに異
なる縁部から幅方向に形成した切欠き１５４，１５５を
備えている。

この金属放熱体１５をリード線２に取り付ける場合は、
板１５１と板１５２とで囲まれるＶ字部内にリード線２
を挿通し、リード線２と金属放熱体１５とを相対的に９
０°回転して、リード線２を各板１５１ 、１５２の切
欠き１５４，１５５の終端部に強制的に嵌入する。

取り外す場合は、板１５１と板１５２の各自由端部１５
１ａと１５２ａとを若干接近せしめると、等価的に各切
欠き１５４，１５５の幅が拡開されて、リード線２から
簡単に取り外すことができる。

本考案は以上のように、感温剤に近い第１のリード線に
、良熱伝導性で塑性変形が可能な金属材料よりなる金属
放熱体を塑性変形せしめて取外し可能に装着したもので
あるから、温度ヒユーズを電気機器に半田付けによって
組み込む場合に、リード線に伝わる熱が金属放熱体によ
って吸収、放熱されるため、感温剤が溶融して誤動作す
ることが防止できるし、この金属放熱体はペンチ等で塑
性変形してリード線に装着できるので、半田付けの際に
従来のように金属放熱体を手で持っておく必要がなくな
り、半田付は作業が著しく容易になる。

また、この金属放熱体は半田付は作業後に前記取付は時
と逆方向に塑性変形せしめることによって容易に取り外
しできるので、温度ヒユーズの熱応答性が低下するとい
ったことがなくなる。

さらに、金属放熱体は金属体を打ち抜いて製作できるの
で、ピンチ式のものに比較して著しく構造が簡単で製造
容易なため安価であり、しかも嵩ぼることもないといっ
た各種の効果を奏する。

なお、温度ヒユーズの内部構造については、図示例の他
に任意の構成を採用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の前提となる温度ヒユーズの縦断面図、
第２図は第１図の温度ヒユーズの動作後の状態を示す縦
断面図、第３図は本考案の第１の実施例の要部斜視図、
第４図は金属放熱体の斜視図、第５図は金属放熱体をリ
ード線から取り外す要領を説明する一部を断面で示した
正面図、第６図は本考案の第２の実施例の要部斜視図、
第７図は第６図の実施例においてリード線２から金属放
熱体を取り外す要領を説明する一部を断面で示した正面
図、第８図は本考案の第３の実施例に用いられる金属放
熱体の斜視図である。 １・・・・・・金属ケース、２・・・・・・第１のリー
ド線、３・・・・・・感温剤、６・・・・・・強圧縮ば
ね、７・・・・・・可動接点、８・・・・・・絶縁プラ
グ、９・・・・・・第２のリード線、１０・・・・・・
固定接点、１１・・・・・・弱圧縮ばね、１３，１４．
１５・・・・・・金属放熱体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 金属ケースと、金属ケースに固着された第１のリード線
   と、金属ケース内に収納された感温剤９強圧縮ばね、可
   動接点および弱圧縮ばねと、金属ケースの開口端を閉止
   する絶縁プラグと、この絶縁プラグを貫通し内方端に前
   記可動接点と接触する固定接点を備える第２のリード線
   とを有する温度ヒユーズにおいて、 前記感温剤に近い第１のリード線に、良熱伝導性で塑性
   変形が可能な金属材料よりなるリード線嵌合用の切欠き
   または凹部を有する金属放熱体を塑性変形せしめて取外
   し可能に装着したことを特徴とする温度ヒユーズ。