JPS5834617B2 - 法面安定法枠工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は法面の安定を図る法枠工法に関するもので、地
山が崩壊とか、道路工事等で形成された法面を安定状態
に保護し、しかも法面に好ましい緑化を図ることを目的
とするものである。

従来、土木工事によって形成された法面の安定を図る方
法として種々の工法が実施されているが、土木工事によ
って破壊された自然環境の復旧には植生を導入し緑化を
図ることが要請され、法面の安定と植生の導入を同時に
図る工法として法面にコンクリート、金属、プラスチッ
ク等の材料を使用した法枠を法面に設置し、法枠内に種
子吹付工その他の植生工事を施す法枠緑化工法が実施さ
れている。

従来の法枠緑化工法で実施されている植生工法は法枠内
に客土を行い、この客土上に種子吹付を実施するか、法
枠内に植生土のうを詰める等の方法が実施されている。

しかしながら、これ等の従来の植生工法のみでは永続的
な植生層を形成維持することは困難である。

それは従来の植生工に使用される植物が外国産の草種で
あり早期緑化は図れても永続的緑化ができない。

また在来野草類を使用して現地の土壌条件、気象条件に
適する植生を使用しても野草類では到達する根の深さに
限度があり表層の土壌の流失防止にしか役立たない等の
問題があった。

本発明者は以上のような従来の法枠緑化工法の問題につ
いて種々研究を行い、法面土壊の深層１で根を伸長させ
る樹木類の導入を確実に行い、かつ法枠の安定をより確
実にする本発明に到達した。

即ち、本発明は法面に対して金属、プラスチック等の材
料による法枠を形成すると共に該法枠の格点に法枠の部
材を連結または固定する杭を打ち込むに際し、鉄杭を中
空とし、この中に土壌、肥料その他の植物生育材料を充
填し、樹木の植栽ができるようにした法枠固定杭を使用
することを特徴とする法面安定法枠工法である。

本発明を更に詳細に実施例を掲げながら説明する。

本発明に使用する法枠は格子状枠とか円形等のものがあ
るが、１ず格子状枠について本発明を説明する。

格子枠材料は金属、プラスチック、コンクリート等の材
料により、板状、棒状等の直線材１（以下単に直線材と
いう）を組合せるか、十字型部材１を組み合せる等して
法面に格子枠を形成する。

直線材の部材組合せの場合は各部材の突合せ部において
各部材を連結する。

十字形部材の場合は格子の辺中間部附近で部材を連結す
る。

次に上記のように形成した格子枠の格点（部材の交叉部
分又は部材の集中部分を格点という）には格子枠の固定
あるいは格子枠部材の連結も兼ねて格子枠固定杭２を打
ち込む。

固定抗の打込みは格子枠部材１の突合せ部分を相互に嵌
合するように切欠部を形成して耘き、この組合せ部分に
固定抗の太さの穴を組合せ部分を貫通する如く穿設して
固定杭を打ち込み格子枠を連結固定する。

また格子枠部材の突合せ部分（格点）の上、下に板状体
の連結材を当接し、この連結材と各部材をボルト等で連
接し、この板状連結材を貫通し、固定杭を打ち込む等々
の方法がある。

また、通常の連結方法で格子枠部材を連結したのち、格
子枠の格点の下側（法尻側）に固定杭を打ち込み格子枠
を固定する方法もある。

本発明に使用する固定杭は金属、プラスチック、木材等
で中空パイプを形成し、このパイプ内に土壌、土壌改良
剤、保水剤、肥料等の植物生育材料３を充填し、格子枠
固定杭とする。

この固定杭には予め頂部附近までの樹木４を植栽するか
、又は、固定杭打込後植栽する。

植栽に適した樹種としては、ヤナギ類、マツ類、ハンノ
キ類、ニセアカシヤ類、アカシャ類等痔悪地でもよく生
長するものが使用できる。

また種子の発芽が良く、生長も旺盛なニセアカシヤ等は
前記固定杭に播種することで樹木を導入する場合もある
。

固定杭の材質は前記の金属等を使用するが、植物の生長
に合わせて老化する木材、プラスチック等がより望１し
く又、鋼管パイプ等の金属材料を使用する場合スリット
のあるパイプを使用したり、前記のスリット人パイプが
スリット部で一部交叉したものを使用すれば、樹木の生
長によってパイプを内側より押し拡げ、樹木の生長をさ
またげることかない。

このような杭は打ち込み易いように先端部を尖鋭にした
り、土壌中に打込１れる部分には水分の給排、樹木の根
の伸長のために穴を穿設することも必要である。

また、上記格子枠以外の円形、半円形、六角形等の法枠
に釦いても上記の固定杭を法枠の格点に打ち込み法枠の
安定と同時に樹木の導入を確実に図ることができる。

本発明は以上のように法面に形成した格子枠等の法枠の
固定と同時に樹木類を導入するものであるから、固定杭
に植栽された樹木はしだいに成長しその根系を法面の深
部１で伸長させ、法枠の長期安定に寄与するとともに深
部ｌで根系を繁茂させることにより法面の深層崩壊を未
然に防止することができる。

筐た景観的にも従来の草種等の緑化に比べ、衰退化する
ようなことがなく法面に安定した植生相を形成すること
ができるのである。

以上のように本発明は従来の法枠工法ではなし得なかっ
た確実に樹木を導入して法面の安定をより確実にした極
めて有意義な発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明格子枠の平面図、第２図は第１図のＡ−
Ａ一部拡大断面図。 図中１は格子枠の部材、２は格子枠固定杭、３は植物生
育材料、４は樹木である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 法面に対して金属、プラスチック等の材料による法
   枠を形成すると共に該法枠の格点に法枠の部材を連結ま
   たは固定する杭を打ち込むに際し、鉄杭を中空とし、こ
   の中に土壌、肥料その他の植物生育材料を充填し、樹木
   の植栽のできるようにしたことを特徴とする法面安定法
   枠工法。