JPS5834395Y2 - スクラツプ予熱兼用バスケツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、製鋼用電気炉から発生する排ガスを吹込ん
で、収容されているスクラップを予熱することができる
スクラップ予熱兼用バスケットに関するものである。

製鋼用電気炉の操業において、原料のスクラップを電気
炉排ガスのもつ熱を利用して予熱し、電気炉操業の省エ
ネルギーを図ることか゛知られており、上記スクラップ
予熱のためには、一般にスクラップを電気炉に供給する
ためのバスケットが利用されている。

上記のようなスクラップ予熱兼用バスケットは、従来第
１図に使用状態の一例を縦断面図で示す如く、開閉自在
の底蓋１，１を有するバスケット本体２を、側面に上部
ブラケット３と下部ブラケット４を突設した構造となし
、下部ブラケット４を、ピット５側のブラケット６に掛
止した状態において、上部ブラケット３にフード７を装
着し、前記フード７に接続した配管８を通じて供給され
る高温の電気炉排ガスをバスケット本体２内に吹込み、
前記バスケット内に収容されているスクラップを加熱す
るような構造となっている。

この場合、排ガスの流れは、図中に矢印で示したように
、バスケット本体２の周壁に設けられた孔９や、底蓋１
，１相互間および底蓋１，１とバスケット本体２との間
の隙間などを通じてピット５に出たのち、ダクト１０に
吸込まれてゆく。

しかるに、底蓋１，１相互間および底蓋１，１とバスケ
ット本体２との間に形成される隙間は極めて狭いため、
ガスの流れが良くなく、またガスの流れを良くするため
に、バスケット本体２の周壁に孔９を設けると、前記排
ガスは、抵抗の少ない孔９から多く排出されてバスケッ
ト底部のスクラップは十分に予熱されず、バスケット内
のスクラップを均一に予熱することができない問題があ
った。

この考案は、上述のような観点から、高温の排ガスがバ
スケット内に、その頂部から底部に向けて流れ、バスケ
ット内のスクラップを均一に予熱するようにしたスクラ
ップ予熱兼用バスケットを提供するもので、開閉自在と
した底蓋の凹室曲内底面を、波形に屈折したプレー１へ
を内張すして形成した上下方向に流れる谷部と山部から
なる凹凸面となし、前記山部の内側に形成された空隙を
、底蓋の上下端縁において開放すると共に、前記空隙に
臨む底蓋部分に、通気孔を設けたことに特徴を有するも
のである。

ついで、この考案のバスケットを実施例により図面とと
もに説明する。

第２図には、この考案のバスケットの実施例が縦断面図
により示されている。

図面に示したように、この考案のバスケット１１は、バ
スケット本体１２の下部に取付けられた開閉自在の底蓋
１３，１３の凹室曲内底面が、上下方向に流れる谷部１
４と山部１５とからなる凹凸面に形成され、底蓋１３，
１３には、それぞれ箱状の台部１６が取付けられている
。

前記谷部１４と山部１５とからなる凹凸面は、第３図ａ
に１部拡大断面図で示されているように、三角波形に屈
折したプレート１７を、底蓋１３，１３の凹室曲内底面
に内張すすることにより形成されている。

前記山部１５の内側に形成された空隙１８は、底蓋１３
，１３の上下端縁において開放とする一方、各空隙１８
に臨む底蓋１３，１３の部分には通気孔１９が、また、
台部１６の側壁部には、通気孔２０がそれぞれ穿設され
ている。

前記プレート１７は、第３図すに１部拡大断面図で示さ
れているように、丸形の谷部１４′と山部１５′とから
なるプレート１７′としてもよい。

また、一方の底蓋１３に形成された谷部１４と山部１５
は、他方の底蓋１４に形成された谷部１４と山部１５と
、互い違いになるように設けられている。

なお、バスケット本体１２の外側面には、従来のバスケ
ットと同様に、上部ブラケット２１と下部ブラケット２
２とが取付けられている。

上述の構成からなるこの考案のバスケラＩ・によれば、
バスケット１１内に収容されているスクラップか゛どの
ような形状であっても、内張すしたプレートにより形成
された凹凸により、底蓋１３，１３の内底面に密着する
ことがなく、バスケット本体１２内に吹込まれた排ガス
は底蓋１３，１３の凹室曲内底面の谷部１４に沿って抵
抗少なく流れ、底蓋１３，１３付近のスクラップをも十
分に加熱することができる。

また、山部１５と谷部１４とは、底蓋１３，１３の凹室
曲内底面に、その開閉方向に沿って上部がら下部に流れ
るように形成されているから、電気炉内にスクラップを
放出するに当り、スクラップが゛バスケット内底面に引
掛ることはなく、円滑に電気炉内に装入することができ
る。

更に、バスケット１１内に吹込まれた排ガスの一部は、
底蓋１３，１３の内底面に設けられた通気孔１９、およ
び、台部１６に設けられた通気孔２０によって流出され
るので、排ガスの流れは良好となる。

以上説明したように、この考案のバスケットによれば、
バスケット内への排ガスの流れは円滑に行なわれ、バス
ケット内のスクラップを均一に効率よく予熱できる等、
優れた利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバスケットの一例を使用状態で示す縦断
面図、第２図はこの考案のバスケットの実施例を示す縦
断面図、第３図ａ、ｌ）は底蓋の凹室曲内底面における
谷部と山部の形状の一例を示す部分拡大断面図である。 図面において、１１・・・・・・この考案のバスケット
、１２・・・・・・バスケット本体、１３・・・・・・
底蓋、１４．１４’・・・・・・谷部、１５．１５’・
・・・・・山部、１６・・・・・・台部、１７．１７’
・・・・・・プレート、１８・・・・・・空隙、１９．
２０・・・・・・通気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開閉自在とした底蓋の凹室曲内底面を、波形に屈折した
   プレートを内張すして形成した、上下方向に流れる谷部
   と山部とからなる凹凸面となし、前記山部の内側に形成
   された空隙を、底蓋の上下端縁において開放すると共に
   、前記空隙に臨む底蓋部分に、通気孔を設けたことを特
   徴とするスクラップ予熱兼用バスケット。