JPS5834262Y2 - エンジンのギヤ式調時回転伝動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エンジンのギヤ式調時回式伝動装置におい
て、ギヤ及び回転軸などの回転伝動部材が隔壁の両側に
配設されているものに関し、隔壁で隔てられる回転伝動
部材同士を、簡単かつ確実に調時位置組立てられるよう
にする事を目的とする。

そのために、隔苧で隔てられる回転伝動部材にそれぞれ
タイミング合わせ部を設け、このタイミング合わせ部同
士を、隔壁に透設したタイミング合わせ穴を通して位置
合わせできるようにした点に特徴を有する。

以下この考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図は４サイクル列型４気筒ディーゼルエンジンの概
略構造を示す機構説明図、第２図は第１図■−■線断面
図である。

図においてエンジンは、クランクケース１と７リンダバ
レル部２とを一体に形成してなるシリンダブロック３を
基本構造体として、これにヘッドブロック４、ロッカカ
バー５、ギヤケース６などの外殻構造体を装着し、その
内部にクランク軸７、ピストン８、動弁装置９、燃料噴
射ポンプ１０などの運動部材を収容して構成されている
。

上記の動弁装置９を、駆動する動弁カム軸１１と、燃料
噴射ポンプ１０を駆動する燃料カム軸１２とは、クラン
ク軸７に連動する４個のタイミングギヤ１４，１５，１
６，１７を介して、それぞれ調時駆動される。

上記の燃料カム軸１２は、第２図に示すように、燃料噴
射ポンプ１０を収容するポンプ室１８の前後両壁に軸受
を介して支持されており、この状態で後端のスプライン
軸部をポンプ室１８の後壁外に突出している。

以上のように構成したエンジンに釦いて、２次慣性力に
よる振動の発生を防ぐために、２軸式のバランサ装置Ｂ
を設け、これを上記の燃料カム軸１２を利用して、駆動
するようにしている。

このバランサ装置Ｂは、上下一対のバランサ軸１９Ａ。

１９Ｂと、これらを軸受を介して支持する前ケース２０
及び後ケース２１と、両バランサ軸１９Ａ。

１９Ｂを連動する一対のバランサギヤ２２と、燃料カム
軸１２から上側のバランサ軸１９Ａへ動力を増速しで伝
達する４個一群のギヤ（回転伝動部材）２３，２４，２
５，２６と、このギヤのうち２個の中間ギヤ２４，２５
を支持する中間軸（回転軸）２７とで構成されている。

エンジン動力は燃料カム軸１２に固定した第１のギヤ２
３から、第２のギヤ２４、中間軸２７、第３のギヤ２５
を順に介して、上側のバランサ軸１５Ａに固定した第４
のギヤ２６へと伝えられる。

第３図及び第４図に示すように、第１．第２の両ギヤ２
３．２４と、第３．第４の両ギヤ２５゜２６を隔てる前
ケース２０の隔壁（固定隔壁）２８には、第３のギヤ２
５の組付位置確認用のタイミング合わせ穴２９が透設さ
れている。

又、第１、第３の両ギヤ２３．２５の各ディスク部には
、上記の穴２９と重なるタイミング合わせ穴（タイミン
グ合わせ部）２３ａ、２５ａがそれぞれ透設されている
。

以下バランサ装置Ｂの組付手順を説明する。

まず、第１のギヤ２３を燃料カム軸１２に固定した後、
第５図に示すように、第２のギヤ２４と中間軸２７とを
前ケース２０に組み込んだものを、ポンプ室１８の後壁
にネジで固定し、第１．第２のギヤ２３．２４を噛合さ
せる。

次いで中間軸２７を回わしで、第１のギヤ２３に形成し
たタイミング合わせ穴２３ａを隔壁２８側のタイミング
合わせ穴２９に合致させ、これら両穴２３ａ、２９に亘
って棒状の組立治具Ｊを挿入し、第１のギヤ２３と中間
軸２７との回転を阻止する。

この状態で、中間軸２７に第３のギヤ２５を挿嵌し、そ
のタイミング合わせ穴２５ａを組立治具Ｊに差し込み、
そのままギヤ２５を押し込んでそのスプライン穴を中間
軸２７のスプライン軸部に嵌め込み、抜は止めを行う。

この後組立治具Ｊを抜き取って、上側のバランサ軸１９
Ａ１下側のバランサ軸１９Ｂ。

後ケース２１を順に組付ける。

同、上記の実施例では組立治具Ｊを使用したが、必ずし
もその必要はなく、第１．第３のギヤ２３゜２５０各タ
イミング合わせ穴２３ａ、２５ａと隔壁２８のタイミン
グ合わせ穴２９とが一線上に重なるのを直視して第３の
ギヤ２５を組付けるようにしても良い。

又、タイミング合わせ部は、ギヤと軸及び軸と軸に設け
ても良く、上記の実施例には限らない。

以上説明したようにこの考案では、固定隔壁で隔てられ
たギヤ又は回転軸にタイミング合わせ部を設け、このタ
イミング合わせ部同士を、隔壁に透設したタイミング合
わせ穴を通じて位置合わせできるようにしたので、隔壁
の向う側と手前側とに位置するギヤ又は回転軸同士を、
互いにタイミングが合致した状態に簡単に組付ける事が
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はエンジンの概
略構造を示す機構説明図、第２図は第１図■−■線断面
図、第３図及び第４図はそれぞれ第２図■−■線及び第
３図ＩＶ−ＩＶ線に沿う断面図、第５図は組付は手順を
示す第４図相当の説明図である。 １２．２３，２４・・・原動側回転伝動部材（１２・・
・燃料カム軸、２３．２４・・・ギヤ）、２５，２６゜
２２．１９Ａ、１９Ｂ・・・従動側回転伝動部材（１９
Ａ、１９Ｂ・・・バランサ軸、２２・・・バランサギヤ
、２５，２６・・・ギヤ）、２８・・・固定隔壁、２７
・・・回転軸（中間軸）、２３ａ、２５ａ・・・タイミ
ング合わせ部（タイミング合わせ穴）、２９・・・タイ
ミング合わせ穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 原動側回転伝動部材と従動側回転伝動部材とをエン
   ジンの固定隔壁を隔てて対置し、原動側回転伝動部材と
   従動側回転伝動部材とケ固定隔壁を貫通する回転軸を介
   して連動連結し、原動側回転伝動部材と従動側回転伝動
   部材とにそれぞれ設けたタイミング合わせ部同士を、固
   定隔壁に透設したタイミング合わせ穴を通じて相互に位
   置合わせできるように構成してなるエンジンのギヤ式調
   時回転伝動装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のエンジンの
   ギヤ式調時回転伝動装置において、隔壁を隔てて互いに
   対する原動側及び従動側の両ギヤの各ディスク部に穴を
   透設してタイミング合わせ部を形成したもの。