JPS583338B2 - マグネトロン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は永久磁石を真空容器内に封入した電子レンジ用
のマグネトロンに関する。

従来の永久磁石を真空容器内に封入した電子レンジ用の
マグネトロンの一例を第１図に示す。

図において、１はベインを示し、導磁体で形成された陽
極円筒２内に放射状に多数枚設けられ、その中心部には
陰極フィラメント３が同心状に配置されている。

４はベイン１に一端を固定された帯状の出力導線を示す
。

５および６は永久磁石で磁極片７，８を介して前記陰極
フィラメント３をはさんで対向配置され支持体９，１０
により固定されている。

１１および１２は真空封止壁で導磁体より成形され磁路
を形成する。

１３は陰極３を支持するステム、１４はアンテナ、１５
は絶縁体、１６は絶縁体１５と導磁体１１を接続する封
止部材である。

１７は電子レンジとの電気的接触を完全にするためのガ
スケット、１８は電波漏洩を防止するためのフィルター
、１９は放熱板、２０，２１は外囲器をもかねる通風用
ダクトである。

アンテナ１４は真空封止壁１１の一端よりに配置してあ
るが、この方法を採用すると以■に述べるような製造上
および使用上重要な欠点を有する。

すなわち、ガスケット１７は管球壁に直接取り付けられ
ず、ダクト２０上に取付けてあるが、板材よりなるダク
ト２０と剛体である真空封止壁１１間には必然的に間隙
を生じ電波漏洩のため、安全衛生上危険であり、またこ
の部分にスパークを生じる。

このような欠点を除去するためにはダクト２０を真空封
止壁１１にろう付けすることが考えられるが、この場合
真空封止壁１１は排気中その表面に酸化膜を生じている
ため、ろう付工程前に前記酸化膜をとる工程を必要とす
る等管球の製造工程を複雑にし、管球の製造原価を高め
る結果となる。

また、陽極円筒２と真空封止壁１１は永久磁石を高温に
できないため、通常その接触部ａでアーク溶接している
が、ａ部は封止部材１６と真空封止壁１１のろう付部ｂ
部と接近しているため流出したろう材のためしばしばア
ーク溶接不良を生じる。

さらに、アンテナ１４が陽極円筒２の端部より突出する
ため、放熱板１９を陽極円筒２に圧入する作業性も悪い
。

なお、他の従来例として、アンテナを陽極円筒２の側面
に取付ける方法が提案されているがこの方法は放熱板１
９の取付方法が複雑になるばかりであり、また出力導線
を永久磁石を貫通して取り出す方法は作用空間内部の磁
界を弱くするという欠点がある。

以上のように、永久磁石を真空容器内に封入したマグネ
トロンは管球を小型に設計でき、陽極円筒を安価な鉄で
構成できるとともに、ラジェータフィンを囲む磁路を形
成するヨークを必要としないなど数々の利点を有する反
面、管球の構造が複雑となるため、電子レンジ用として
はあまり実用化されていない。

本発明は以上のような従来の欠点を除去したものであり
、以下図面に示す実施例とともにその詳細を説明する。

第２図は本発明の一実施例の縦断側面図で、図中第１図
と同一部分は同一符号をもって示し、その説明は省略す
る。

従来例においては、真空封止壁１１は導磁体で形成され
磁路をもかねていたが本実施例においては導磁体２２と
真空封止壁２３とを別個に構成し、その間に空間部２４
を形成している。

出力導線４は一端をベイン１に接続し、永久磁石５の側
面を通ったのち、導磁体２２の孔２５を貫通し、空間部
２４に導かれｄ部、ｅ部において屈曲し、陽極円筒２の
軸上に設置されたアンテナ１４に導かれる。

また、ガスケット１７は真空封止壁２３に直接取付ける
ことができる。

２６は封じ部品を示し、陽極円筒２にロー付けまたは一
体成形され、支持体９、磁極片７、永久磁石５、導磁体
２２の順に取付け、しかるのち空間部２４の長さをマグ
ネトロンの動作が最良となる寸法に保持するスペーサ２
７を入れた後出力導線４を屈曲させ、さらにアンテナ１
４を中央部にロー付げした真空封止壁２３を取付け、真
空封止壁２３を上から押しつげながら封上部品２６にア
ルゴンアーク溶接で封着する。

また、出力導線４の他端は排気管２８を油圧ローラで圧
切する際にアンテナ１４に固着される。

なお、出力導線４は導磁体２２を取付後ｄ部、ｅ部で折
り曲げるように説明したが、Ｌ字形の出力導線をｄの部
分でアーク溶接により接続してもよい。

また本実施例においては陽極円筒２を導磁体にしたが、
本発明は陽極円筒２と放熱板１９間に導磁体を配し磁路
を形成した場合にも適用できることはもちろんである。

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、組立
方法が極めて簡単で、かつガスケット１７が真空封止壁
２３にじかに取付けられるため電波漏洩の危険がな《、
しかも安価なマグネドロンとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマグネトロンの一例の縦断側面図、第２
図は本発明の一実施例の縦断側面図である。 １・・・・・・ベイン、２・・・・・・陽極円筒、３・
・・・・・陰極、４・・・・・・出力導線、５，６・一
・・・・永久磁石、７，８・・・・・・磁極片、９，１
０・・・・・・支持体、１１ ，１２，２３・・・・・
・真空封止壁、１４・・・・・・アンテナ、１７・・・
・・・ガスケット、２２・・・・・・導磁体、２４・・
・・・・空間部、２５・・・・・・孔、２６・・・・・
・封止部品、２８・・・・・・排気管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 陰極の周囲に複数枚のべインを放射状に取付けた陽
   極円筒と、前記陽極円筒の両端部に封着配置された真空
   封上壁と、前記真空封止壁の一方に絶縁体を介して封着
   され高周波出力を外部に放出するアンテナとで形成され
   る真空容器内に、前記ベインの両側に配置した一対の永
   久磁石と、前記ベインとアンテナとを接続する出力導線
   とを備えたマグネトロンにおいて、前記真空容器内に配
   設された前記アンテナ側永久磁石と陽極円筒を継ぐ磁路
   を形成する導磁体と、前記導磁体と中央部にアンテナを
   封着した前記真空封止壁との間に形成された空間部とを
   備え、前記出力導線は一端を前記ベインに接続され前記
   永久磁石の側面を通り前記導磁体の端部を貫通した後前
   記空間部において屈曲した後前記アンテナに接続された
   ことを特徴とするマグネトロン。