JPS5824371Y2

JPS5824371Y2 - マグネトロン

Info

Publication number: JPS5824371Y2
Application number: JP1977129755U
Authority: JP
Inventors: 嘉一郎中井
Original assignee: 株式会社東芝
Priority date: 1977-09-27
Filing date: 1977-09-27
Publication date: 1983-05-25
Also published as: JPS5455255U; US4207496A

Description

【考案の詳細な説明】この考案はマグネトロンの改良に関する。

最近、真空外囲器内に永久磁石を内蔵したマグネトロン
が実用されつつあり、構造が簡単で安価にして高性能と
いう利点がある。

即ち、この種のマグネトロンは、従来、第１図に示すよ
うに構成され、全振部本体１及びその軸方向に配置され
た永久磁石２，３が磁性体円筒４及び封着体５で形成さ
れた真空外囲器内に密接固定されている。

そして、陽極円筒６の内壁には複数のベイン７が放射状
に配設固着され、ストラップ８により１つおきに連結さ
れている。

そして各ベイン７の遊端で囲まれた電子作用空間Ａには
、陽極円筒６の軸心に沿って螺旋状の陰極９が配設され
、その両端が上部エンドハツト１０と下部エンドハツト
１１に固定されている。

このような全振部本体１の両端には、それぞれ所定間隔
をおいて円筒状永久磁石２と円柱状永久磁石３が同軸的
に配設されている。

これら永久磁石２，３は磁性体円筒４により包囲されて
いる。

この磁性体円筒４は、例えば有底筒状にして底部に透孔
１２を有しこの透孔１２に出力部１３が突設されている
。

この出力部Ｕは金属筒体１８、セラミック筒体１９、金
属キャップ２０を接合してなり、軸心に沿って棒状のア
ンテナ導体２２が配設され、このアンテナ導体２２の一
端は前記ベイン７の１つに固着されている。

又、磁性体円筒４の開口部は透孔１４を有する磁性体製
の封着体５で覆われ、この封着体５と磁性体円筒４は真
空外囲器を形成すると共に磁気回路の一部をなしており
、透孔１４には入力部（陰極ステム）頂が突設されてい
る。

そして前記上部エンドハツト１０、下部エンドハツト１
１に取着された電力供給用を兼ねた陰極支持棒１６，１
７が、永久磁石２、透孔１４を通って入力部也を貫通し
ている。

さて、図から明らかなように全振部本体１、永久磁石２
，３は磁性体円筒４、封着体５の真空外囲器内に密封さ
れているが、陽極円筒６はその外周が磁性体円筒４内周
に密接され、永久磁石２の一端は封着体５に密接され、
永久磁石３の一端は磁性体円筒４底部に密接されている
。

尚、磁性体円筒４の外周の一部には、ラジェータ２１が
取着されている。

ところが上記のような従来のマグネトロンにおいては、
真空外囲器内で発生した高周波エネルギーを出力として
取出し難い。

即ち、結合が弱く、結果として発振効率が悪い（約３０
％）という欠点がある。

この考案は、上記従来の欠点を除去したマグネトロンを
提供することを目的とする。

以下、図面を参照してこの考案の一実施例を詳細に説明
する。

この考案は上記従来の欠点を除くために出力部に対応す
る真空外囲器附近を改善したもので、その要部のみを述
べる。

即ち、この考案の要部は、第２図に示すように構成され
、従来例（第１図）と同一個所は同一符号を付すと、真
空外囲器つまり磁性体円筒４内に位置するアンテナ導体
２２の一部は金属筒体２３で覆われている。

この金属筒体２３は出力部１３の金属筒体１８に対応し
た寸法であり、一端は、真空外囲器つまり磁性体円筒４
に固着されており、遮蔽効果を有している。

そしてマグネトロンの動作時には、真空外囲器内は高温
（約５００℃）、高真空（１０’Ｔｏｒｒ）状態になる
ので、金属筒体２３の材質としては前記状態に耐え、而
も電気伝導度の良好な金属が望ましく、銅、銅合金、モ
リブデン等が適する。

尚、この考案のマグネトロンは、金属筒体２３を設ける
点以外は上記従来例（第１図）と同様構成ゆえ、詳細な
説明を省略する。

この考案のマグネトロンは上記説明及び図示のように構
成され、真空外囲器内のアンテナ導体２２を金属筒体２
３で取囲んでいるので、結合が非常に強くなり、発振効
率が著しく向上する。

即ち、金属筒体２３はアンテナ導体２２に対して外導体
となって同軸線路を形成して効率のよいマイクロ波エネ
ルギー伝送路を構成するのである。

そして、従来の構造では永久磁石３の表面での高周波損
失が非常に大きくなるので、出力電力の効率が下がる。

しかし、この考案では金属筒体２３を設けることにより
、ベイン７の共振回路から出力部Ｕへの出力のほぼ直接
的な伝送ができるので、効率の低下が抑制できる。

又、磁性体円筒４内に永久磁石３を収容した場合、磁石
３の周囲に大容積の空間ができるが、この空間に発生す
る不要モードの電磁界がアンテナ導体２２に乗るという
障害がある。

しかし、この考案ではアンテナ導体２２を金属筒体２３
で取囲んでいるので、金属筒体２３が不要モードの電磁
界を遮蔽し、アンテナ導体２２に乗るのを防止している
。

尚、第３図乃至第５図はこの考案の変形例を示したもの
で、上記実施例と同様効果が得られる。

即ち、上記実施例では出力部旦の金属筒体１８と新しく
設ける金属筒体２３は別個のものであるが、第３図では
両者を一体にした金属筒体２４を採用しており、この金
属筒体２４は磁性体円筒４の透孔１２に嵌合されている
。

又、第４図の場合は上記実施例の金属円筒２３の代りに
真空外囲器つまり磁性体円筒４を延長して一体に筒状部
２５を形威し、この筒状部２５がアンテナ導体２２を取
囲んでいる。

この場合、筒状部２５の長さをλ２／４（但しλ２は第
２高調波の波長）に設定しておけば、第２高調波の輻射
抑制作用が得られる。

このことは上記実施例（第２図）及び変形例（第３図）
についても言えることである。

更に第５図の場合は、金属筒体２６の先端（ベイン側）
を延長して内側に折曲げて折曲部２６ａを形成してお
り、この折曲部２６ａの長さがλ２／４に設定されて
いて第４図の場合と同様に第２高調波の輻射抑制作用が
得られる。

又、上記実施例及び各変形例では磁性体円筒４は有底筒
状であったが、単なる筒状にして別個の封着体で封着す
るようにしてもよい。

以上説明したようにこの考案によれば、実用的価値大な
るマグネトロンを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマグネトロンを示す断面図、第２図はこ
の考案の一実施例に係るマグネトロンの要部を示す断面
図、第３図乃至第５図はこの考案の変形例を示す断面図
である。４・・・・・・磁性体円筒（真空外囲器）、５・・・・
・・封着体（真空外囲器）、６・・・・・・陽極円筒、
７・・・・・・ベイン、２２・・・・・・アンテナ導体
、２３・・・・・・金属筒体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

（１）真空外囲器内に作用空間を挾んで一対の永久磁石
を配置し、アンテナ導体を一方の永久磁石の側方を通し
て延長して出力部内に位置させたマグネトロンにおいて
、前記永久磁石の外周空間に前記アンテナ導体を取囲ん
で金属筒体を設けたことを特徴とするマグネトロン。
（２）前記金属筒体は前記出力部を構成する金属筒体と
一体になった実用新案登録請求の範囲第１項記載のマグ
ネトロン。
（３）前記金属筒体は前記真空外囲器と一体になった実
用新案登録請求の範囲第１項記載のマグネトロン。
（４）前記金属筒体は先端（ベイン側）が内側に延長折
曲して高調波の略士の長さの折曲部を形成してなる実用
新案登録請求の範囲第１項記載のマグネトロン。